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共同記者会見(2018年1月10日)

ページ番号230762

2023年4月12日

「京都・パリ友情盟約締結60周年記念事業」 共同記者会見

~コシノジュンコ氏プロデュース「能×ファッションショー(仮称)」について ~

 京都市では,平成30年6月19日(火曜日)にパリ市役所において,フランス共和国パリ市との友情盟約締結60周年記念式典を開催します。

 記念式典においては,京都,日本の文化の魅力を発信するため,国内外で活躍するデザイナーのコシノジュンコ氏プロデュースによる「能×ファッションショー(仮称)」を実施することとなりました。本企画の概要について,門川市長とコシノジュンコ氏が共同会見を行いました。

 ※ なお,本事業をはじめ60周年記念事業は平成30年度予算案として2月市会に提案します。

記者会見概要

1 日時    平成30年1月10日(水曜日) 午後3時30分~午後4時

2 場所    京都市役所本庁舎3階第一応接室

3 発表内容 京都・パリ友情盟約締結60周年記念事業「能×ファッションショー」

4 出席者   門川 大作   京都市長

         コシノジュンコ デザイナー(2017年文化功労者)

         分林 道治   観世流能楽師

5 次 第 

(1) 出席者紹介

(2) 事業概要説明

(3) 門川市長挨拶

(4) コシノ氏挨拶

(5) 分林氏挨拶

(6) 写真撮影

(7) 質疑応答

 

6 問合せ先 京都市役所総合企画局国際化推進室(パリ担当) TEL:075-222-3072

         JUNKO KOSHINO事務所(担当:大坂)        TEL: 03-3406-7321

 

<参考>パリ市との交流について

  京都市の初めての姉妹都市として,1958年(昭和33年)6月15日にパリ市と友情盟約を締結しました。パリと京都は,歴史都市,文化芸術都市,国際観光都市など,数多くの共通点があり,それ以来,半世紀を超える長きにわたって,多彩な分野での交流を深めてきました。

 

概要

市長

 本日は,コシノ先生,分林さんをはじめ,関係者の皆様に御同席を賜り,感謝申し上げます。ついにパリ市との友情盟約締結60周年の記念イヤーが幕開けしました。一昨年,パリ市のイダルゴ市長が市役所にお越しになり,60周年の記念の年を共に盛り上げていくこと,また,京都議定書の誕生の地と全人類が参加するパリ協定の誕生の地であることから今後の環境問題についても連携して取り組んでいくことを誓ったところです。

 昨年10月に記念ロゴマークを発表して以降,市民の皆様の間で60周年を祝福しようという機運が高まっている。毎日のように団体や市民の皆様から60周年に関するお問合せをいただいています。本市が一番早く姉妹都市提携を結んだのが,パリ市です。パリ市にとって京都市はローマ市に次いで2番目に古い姉妹都市である。両市にとって意義のある1年にしたいと考えています。

 記念事業のメインの一つとして,6月19日にパリ市役所で実施する記念式典において,コシノジュンコ氏のプロデュースによる能とファッションを組み合わせたファッションショーの実施を企画しています。コシノ先生には2015年の琳派400年記念事業の呼掛け人として御尽力いただき,その際に,西陣織や京友禅の技術を活かした着物やドレスのファッションショーをプロデュースされました。美しい着物やドレスの中に,長い歴史の中で培われ,受け継がれた京都の職人の魂を感じ,圧巻でした。

 また,昨年2月にはパリの国立ギメ東洋美術館において着物展を開催され,連日長蛇の列を成したと伝えられています。美意識の高いパリ,フランスの方々の心に響いたと伺っています。

 この度,パリ市役所という素晴らしい会場をパリ市から記念式典の会場として提供いただきました。この場を京都,日本の文化を発信する機会とし,日本の美意識でパリの皆様を魅了したいとの思いをちました。そこで,国内外で活躍され,日本の文化とパリ,フランスの方々の嗜好のどちらにも造詣が深く,国際的な発信力のあるコシノジュンコ先生にお願いするのが最もふさわしいと考えました。式典当日は,パリ,フランスの方々と京都からの訪問団が一緒にファッションショーを楽しみ,ほんものの京都,日本の文化の魅力に触れていただく。これが,京都とパリ,日本とフランスの絆を更に深めるきっかけになると確信しています。

 また,分林さんには大変お世話になりますが,よろしくお願いします。今年は,京都商工会議所におかれてもパリ商工会議所との友好協定調印30周年という記念の年。京都商工会議所と連携し,日本の文化,産業の魅力をパリにおいて発信してまいりたいと考えています。

 このほか,60周年記念事業として,秋頃にはパリ市長をはじめとする皆様を京都にお迎えしたいと考えている。京都で,フランス・パリを感じていただける取組をし,パリとの絆を深めていきたいです。記念式典をはじめ,記念事業については来年度予算として市会に提案し,承認をいただいたうえで,準備を進めていきます。

 この節目の年を機に,市民ぐるみで,パリ,フランスとの友好関係を深め,環境問題や格差問題など様々な課題がありますが,文化,芸術の力で人々を幸せにし,日本を,世界を元気にしていけるよう尽力してまいりたい。市長に就任して10年が経ちますが,市長に就任して初めて迎えた姉妹都市の周年がパリとの50周年でした。この10年間の歩みが顕著に表れています。

 例えば,京都市内に住んでおられるフランス人は,10年前は269名で,現在(平成28年12月末現在)は529名と2倍近くに増加しています。また,京都市内で宿泊されるフランス人は,10年前は3万6千人,東日本大震災の影響で1万8千人に激減しましたが,現在(28年時点)は10万4千人であり,10年前と比べると3倍近くに増加しました。

 このように地道な友好関係を培っていくことが大切。また,総領事館が京都に移転したことを含め,フランス政府関係機関が京都に集中しています。60周年の節目をこれらの機関との連携を一層深める機会にもしていきたいと考えています。

 

コシノジュンコ氏  

 これまでから京都に対して興味を持っていましたが,近くて遠い存在でした。これがやっと近い存在になったのが,3年前,2015年に京都国立博物館で開催した「大琳派展」の前夜祭でした。単純に革新だけを表現したファッションショーではなく,伝統を重んじながらも新しいことに挑戦し京都らしさを表現しようと考えました。

 江戸時代には電気も音響もなかった訳であり,何かもっと「生なもの」をできないかと考え,常に新たな挑戦を繰り返すことで,約700年の歴史を歩んできた能を捉え,分林さんの協力の下,“お囃子とモード”というコラボレーションを試みました。新しい挑戦だったので,京都で受け入れてもらえるか心配でしたが,お客様が大変快く受け入れてくださり,京都と私の大きな関係を築くことができました。

 パリは“モードの街”で,私はこれまで22年,44回にわたってパリ・コレクションに参加してきました。パリ市役所の庁舎はベルサイユ宮殿のように素晴らしく,このような建物は日本では見当たらないと思います。ヨーロッパを代表する伝統的で素晴らしい建物において,和の文化を表現することで,京都とパリが友好都市である証拠を示したいです。

 昨年2月22日から3箇月間,ギメ東洋美術館で,江戸時代から現代にかけての着物の変遷と,着物に触発されたデザインをテーマに展覧会を開催しました。約10万人の方に来場していただき,毎日,2時間程の入場待ちの行列ができました。フランス人をはじめ,様々な国の方がいたと思うが,「良いものは何があっても見る」という気迫を感じました。

 

分林 道治氏

 このようなおめでたい年にすばらしい公演に参加させていただけることを非常に光栄なことだと喜んでいます。コシノ先生と御一緒させていただくのは,3年前の琳派400年のファッションショー以来,2回目。琳派400年のファッションショーについて,当初喜んで引き受けましたが,会場の平成知新館のグランドロビーを下見して,あまりの広さに驚きました。普段はそれほど広くない空間で演技をしているため,50mの廊下をランウェイに見立てて演技をすることに苦労しました。コシノ先生の御助言を受けながら,無事に本番を終えることができ,コシノ先生から「今度は是非フランスで,パリでやりましょう」という言葉をいただき,ほっとしました。

 まさか3年後,こんな早くにその夢が実現するとは思っていませんでした。これもコシノ先生の熱い思いと,門川市長の多大なる御協力のおかげだと感謝しています。最近,能の海外公演が増え,様々な楽師が様々な都市で能楽を披露しています。私自身もこれまでに9箇国での公演に参加しましたが,海外の方の能に対する注目は熱くて強いものがあり,日本人よりも真剣に鑑賞いただいているように思います。

 中でも,能が第1回の無形文化遺産に認定された際にパリのユネスコ本部で公演し,パリは世界屈指の文化都市だと強く感じました。今回,目の肥えたパリの方々の前で公演することは身の引き締まる思いです。

 能は京都で大成した芸能であり,これをパリで演じることに非常に大きな意味があると思います。また,今回は既存の演目ではなく,時代の最先端をいくコシノ先生のファッションショーとのコラボレーションです。単に迎合するのではなく,能が650年をかけて培ってきた芯の太さをファッションショーに融合させ,パリの方に喜んでいただけるような作品に仕上げたいと思っています。

 今回の会場となるパリ市役所の庁舎は素晴らしい場所だと伺っている。京都国立博物館とは違った演出,この会場だからこそできる演出を考え,皆様に喜んでいただけるような内容にしたいです。

質疑

記者

 京都のまちの印象として,伝統の中で革新を繰り返しながら,常に新しいことに挑戦し続けているとおっしゃっていましたが,今回のパリでの公演について,何か新しいことを考えていますか。

コシノジュンコ氏

 洋の中に和が入るという全く新しいコラボレーションです。ベルサイユ宮殿で披露するような感覚でいます。ヨーロッパの文化と日本の文化が交わること自体が,異質な関係であり,それが,おもしろい結果を生み出すと思います。そのため,特別,何かを大きく変えるということはありません。お囃子の音がパリ市役所の庁舎で響くことを楽しみにしています。

 

記者

 両市が60年にわたって交流を続けてきた意義を,コシノさんの立場からどのように感じていますか。

コシノジュンコ氏

 フランスはモードの国ですが,伝統を大切にする国であり,京都と似ている面があると思います。また,京都に対する興味も強いため,コラボレーションはうまくいくのではないかと以前から思っていました。私自身,京都でファッションショーを行うこと自体が異質だと思っていましたが,琳派400年をきっかけに新たな挑戦を試みたことが基礎になっています。今回は,今までのファッションと異なり,日本の伝統的なものをコンテンポラリーにすることが必要だと思います。

 ジャポニスムと同年であり,一気に日本ブームになる年ですがが,60周年であることを特別に意識はしていません。10年前に京都市が開催したイベントは盛況で,パリで称賛の声を聞きました。今回,京都市の一員として事業に参加できることは嬉しく,パリ・コレクションを初めてやるような感覚でいます。

 

記者 

 異質なものの中に,どのような共通点を見出されていますか。

コシノジュンコ氏

 他の都市と違い,パリはモードの街,パリ・コレクションを長年やってる街であるため,私自身にとって慣れた地です。パリにおいて,京都とのコラボレーションを行うことが新たな試みであり,新鮮で楽しみにしています。

 コシノジュンコとして,パリでファッションショーを行うことはさほど難しいことではありません。しかし,京都とパリという互いに長い歴史と伝統が培われた背景を意識したファッションショーを手掛けることに意義があると思います。フランス人は京都贔屓であるので,この意義についても十分に理解してもらえると思います。

 

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