共同記者会見(2016年9月7日)
ページ番号205480
2023年4月12日
京都市とファイブフォックスグループとの文化力向上包括連携協定の締結について
京都市と,大手アパレルメーカーとして衣服や生活雑貨の企画製造販売や,カフェ経営を行うファイブフォックスグループは,琳派400年記念事業や伊藤若冲生誕300年記念事業,京都創生PR事業「京あるきin東京」などにおいて様々な事業連携を行い,文化振興に取り組んできました。
この度,本市とファイブフォックスグループは,これまでの連携協力関係を強固にし,世界に誇る京都の文化の一層の振興を図り,文化力による日本の地方創生の実現に向けて,文化力向上包括連携協定を締結しましたので,お知らせします。
協定締結式
1 日時 平成28年9月7日(水曜日)午後2時から午後2時35分
2 場所 京カフェコムサ(東山区祇園町北側275 祗園くろちくビル2F)
3 出席者
【京都市】
京都市長 門川大作
【ファイブフォックスグループ】
株式会社ファイブフォックス取締役兼株式会社コムサ代表取締役社長 菊地豊
協定の概要
1 目的
京都に息づく様々な文化の活用を図ることで,日本全体の文化振興及び関連産業の活性化に資することを目的とする。
2 内容
(1)京都情報の発信に関すること
(2)伝統産業との連携による商品開発・販売等に関すること
(3)京都の歴史的,伝統的な建造物や場所等を活用した企画の実施に関すること
(4)京の食文化の発信及び普及に関すること
(5)その他,京都文化の振興に関すること
挨拶
【門川市長 挨拶】
京都市とファイブフォックスグループ様との間で,文化力向上の包括連携協定を結ばせていただくことが出来ました。
ファイブフォックスグループの皆様とは,「東京で京都を感じていただこう,京都を楽しんでいただこう,そして,ほんまもんの京都にお越しいただこう」と,100を超える企業に参画いただいて東京で開催している「京あるきin東京」の中心となっていただいております。本年2月に6回目を大成功のうちに終えることが出来ました。ありがとうございます。
この間,琳派400年記念,さらに,伊藤若冲生誕300年にオール京都で取り組んでおり,去年,琳派400年が大きな成果をあげ,今年,若冲300年が盛り上がっております。ファイブフォックスグループ様には,いち早く,それらを洋服のデザインに取り入れていただき,さらに,お菓子に取り入れていただくことで,一つのモデルをつくっていただいています。
私どもにとって,長年の悲願でありました「文化庁の京都への全面移転」を政府に御英断いただきました。そして,東京オリンピック・パラリンピックへ向けて日本が注目されるとともに,日本のこころのふるさと,日本の文化の象徴である京都があらゆる面で注目されることになります。
日本が誇る文化は「衣食住」であります。ファイブフォックスグループ様は,その衣類,食事に文化の視点で付加価値を高め,日本の美と西洋のデザインをマッチングされることによって,多くの人に喜んでいただいています。日本ならではの文化の発信に取り組んでいただいております。
この度の協定締結を喜んでおります。文化で日本全体を元気にしていく,文化で新たな価値を創造していく。衣服あるいはケーキが,琳派で,若冲で大きく価値が高まり,喜びの輪が広がっております。
京都に74の伝統産業がありますが,いずれも極めて厳しい状況であります。これは京都だけではありません。全国の伝統産業が厳しい状況であります。全国の地場産業も同様でございます。これから,そこに新たなデザインが加わり,若い人たちの感性が加わることによって活性化させていく責任が京都にはあると思います。
今回は,あえて「文化力向上包括連携協定」という名前を付けさせていただきました。今まで「地域力向上」というようなことで協定を結んできた団体はございますが,文化の力で経済を活性化させていく,文化の力で全国を元気にしていく取組を,ファイブフォックスグループの皆様とともに進めてまいりたいと思います。
【菊地社長 挨拶】
ただいま御紹介にあずかりました,ファイブフォックスグループの菊地と申します。この度は御多忙の中お集まりいただきまして,誠にありがとうございます。
また,このような栄えある提携を本日発表できますこと,門川市長,それから御尽力いただきました関係者の皆様方に本当に深く感謝申し上げます。
さて,私どもファイブフォックスグループですが,そのミッションを「日本の文化・伝統美の追求・西洋との調和が新しい感性を創造する」といたしまして,創業以来,日本のすばらしい素材,技術を衣と食,すなわち,アパレルとスイーツで提供することを脈々とやってまいりました。今回,その日本の文化,伝統の最高峰である京都市と組んで,より具体的に日本の文化に貢献できるということを大変誇らしく思うとともに,また,責任を感じております。
ぜひ,今回の提携を弾みにして,衣と食を超えた文化的ライフスタイルを企画いたしまして,新しい消費の形をつくり,そして,京都及び日本の経済を活性化させ,ひいてはそれを世界へ伝えることが出来たらと切に思っております。
それでは弊社のこれまでの取組,それから今後の京都市との取組の中で,既に決まっていることに関しまして,広報担当の武井の方から御説明をさせていただきたいと思います。
【ファイブフォックス社 広報担当説明】
それでは京都市との今まで,そしてこれからの取組について御説明させていただきます。
私,株式会社ファイブフォックス広報の武井と申します。宜しくお願い致します。
弊社は昨年,京都市がオール京都で取り組まれておりました,「琳派400年記念祭イベント」をアパレル“衣”の分野において,開催させていただきました。現代の琳派絵師と呼ばれています木村英輝先生の作品をモチーフにコラボアイテムを展開,路面店のカフェコムサ銀座店にてファッションショーや木村英輝先生によるトークショー,シャンソン歌手のワサブロー氏によるライブを開催いたしました。
また,“食”の分野では京都市が主催する「京都創生PR事業・京あるきin東京」にて琳派をスイーツで楽しむということで「風神雷神図屏風」をイメージしたケーキを展開,カフェコムサ銀座店にて「琳派」入門講座を開催し,メディアにも多く取り上げられました。
そして本年春,アパレル“衣”の分野では「伊藤若冲の世界」をテーマにレディース,メンズ,キッズのファッションアイテムを全国に展開致しました。
また,“食”の分野でも昨年に引き続き「京都創生PR事業・京あるきin東京」にて「伊藤若冲生誕300年」を記念した「雪中有鶏図」をイメージしたケーキを展開,こちらもメディアにも大きく取り上げられ大変好評頂きました。
そして,今後の展開として,既に提携に先駆けまして京都市との勉強会を開催しておりますが,弊社では早速,明日9月8日よりアパレル“衣”の分野にて「秋の伊藤若冲 伊藤若冲をお手本に」と題しましてレディース,メンズ,キッズにて秋冬物を全国134店舗で展開いたします。
レディースとメンズでは一部商品で京都の久山染工様のハンドプリントを施したアイテムを全国に展開致します。
また,“食”の分野では“あぁ京都”と題して「京都ウィーク」を9月10日から19日まで展開。弊社では伊藤若冲の「孔雀」をイメージしたケーキや,京都の和素材や京都伏見の酒蔵「増田徳兵衛商店」の「稼ぎ頭」を使ったケーキを創作いたしました。これらをカフェコムサにて,京焼・清水焼の器に載せて御提供いたします。この器は,京都の伝統産業を若手で盛り上げていこうと,京都市との連携の下,2年前に立ち上げられました「KYO-MONOisCOOL!プロジェクト」のメンバーの作品でございます。
【菊地社長 説明】
ただ今御説明させていただきました‘琳派’の企画ですが,洋服を御購入されたお客様が,これをきっかけに琳派に御興味を持たれ,京都まで観光に行かれたというエピソードもございます。
このように,今までの素材だけでの京都市との「点」の繋がりが,「琳派」,「若冲」などのテーマ性を持つことで「線」になり,そして衣食を越えて観光にまでつながって「面」へと発展してまいりました。
そうしたここ2年での京都市との深い関わりを御評価いただき,今回の提携につながったものと思っております。
また,早速明日からの新しい取組の企画もぜひ成功させてまいりたいと思っております。そして,将来ですが,もっともっと,染めやプリントや柄などの衣の文化,また,和菓子や京野菜などの食の文化を深堀したいと思います。
そのために,定期的な勉強会を行い,もっと京都市のメーカーや職人さんとコラボレーションしていきたいです。
更にそれを越えた取り組みにもチャレンジしていきたいと思います。
例えば,来年の大政奉還150周年に向けて,歴史的建造物でファッションショーなどのイベントを行ったり,あるいは,幕末関連の都市と連携して,それぞれの地域の素材を横断的に使った商品の展開をしていくのもおもしろいと思います。地域を広げて,文化でつなげていくことで,更に「面」から「立体」的な展開をしてまいりたいと思っています。また,再来年は,これらの企画を京都市と姉妹都市でもあるパリで披露できたらいいなと思います。
このような形で,私共が媒介となり,京都の個々のすばらしさをつなげて企画していき,ネットワーク化する機能を発揮したいと思います。また,その文化や歴史をモダンにファションにすることで,お客様に,文化を纏って,文化を食して,文化を身近に感じてもらい,より豊かなライフスタイルを創るお手伝いをしたいと思います。そして,全国展開していることを強みにそのタッチポイントを増やし,より多くの方々に京都から発信して,京都のすばらしさ,つまり日本の素晴らしさを伝え,そして感動していただければ嬉しく思います。
このように,京都の文化推進を応援できること,夢のようで,大変ワクワクしております。どうぞ,よろしくお願い致します。長くなりましたが,御清聴いただきまして,誠にありがとうございます。
質疑応答
記者
今回の連携をとおして,市政にどういった効果を期待されているか。
市長
全国848の店舗,また様々な活動を通じて,京都の文化,京都の魅力を発信していただくことができます。ファイブフォックス様のお店が,京都の情報発信の,魅力発信の拠点になることも大きな効果の一つであります。
同時に,毎年のように京都には,「文化」の分野でテーマができます。これを商品の付加価値を高めていくことにつなげることが私どもの役割ではないかと思っています。したがって,京都だけが元気になるというような地域活性化包括連携協定ではなく,文化力向上連携協定として,全国を文化で元気にしていくモデルを作ってまいります。
文化庁の宮田長官が京都に来られ,「一枚の紙は100円である。そこに絵を描けば何万円にも,何百万円にもなる。文化というのは価値を創造し,同時に人々に喜んでいただくことができる」とお話しされていました。
つまり,文化とは,それだけの価値を創造する種であるということです。ファイブフォックスグループ様には,それだけのことをモデルとしてやっていただいているように思います。京都にある様々な文化的資産,また,伝統産業に携わっている方々の匠の技,これをしっかりと融合して,新たな商品を開発し,さらには,伝統産業の後継者を育てていく,一歩踏み込んだ取組のスタートとなると思います。
記者
京都の歴史的,伝統的な建造物でのファッションショーということだが,今の時点で,こういう場所でやってみたいというアイデアはあるか。
社長
わたしの希望であるが,二条城を舞台にファッションショーなどができたらうれしいなと思います。例えば,そこに飾られている絵を洋服のデザインにしたファッションショーなど。そういったことで話題を呼べればすごく楽しいかなと思っております。あくまでもわたしの希望ではありますが。
市長
二条城を管理している市長として,歓迎したいと思います。
同時に二条城の再整備にも多額の費用がかかるので,その点も,是非よろしくお願いします。
記者
これまでの京都市との勉強会の内容について教えてもらいたい。
社長
各職人やメーカーを御紹介いただいている。その中で,私どもの思い,作り手の思いを共有しながら,それぞれの方々とお話をしたりして,企画につなげるといったことをやっています。
私どもはアパレル,スイーツの企業ですが,お客様に御説明をして商品を提供するということをしている。単に洋服,ケーキといった商品を提供するのではなく,そこにある背景をわかっていなければならない。従いまして,単純にメーカーや職人と提携させていただいて,その素材をいただくだけでは不十分なのです。今の消費者はその思いに対して,すごく共感を覚える。また,文化に関しましても,文化を少しでもお伝えすることで,着るもの,食べるものが一気に文化になり,そこに価値が生み出される。そのようなことを勉強会から学んでいます。
関連資料
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