共同記者会見(2015年12月1日)
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2023年4月12日
ビザ・ワールドワイド・ジャパンとの地域活性化包括連携協定の締結について
この度,京都市では,ビザ・ワールドワイド・ジャパン(以下,Visa)と地域活性化包括連携協定を締結し,外国人観光客の受入れ環境整備を図るとともに,買い物や食事を楽しんで頂くことによる観光消費拡大施策等を通じ,京都市の地域活性化に取り組んでまいりますので,お知らせします。
京都市及び(公財)京都文化交流コンベンションビューローでは,これまでから外国人観光客の買い物環境整備の一環として,免税店増加に向けた取組みを実施してきており,その結果,市内の免税店は,平成27年4月1日時点で715件(前年比約4倍)となるなど,着実に増加しております。
一方で,「京都観光総合調査」においては,「クレジットカードが使えないことが多い」等を理由に京都観光における残念だった点に「ショッピング」を挙げられる外国人観光客の方がいらっしゃいます。また,Visaの京都市内の飲食店を対象にした調査(出典:平成26年12月 インテリジェントターミナル現地実地調査)によると,カードが使用できるにも関わらず,店頭にカードが使用できることを示す「アクセプタンスマーク」を掲示している割合が約9%と低く,外国人観光客が買い物をしづらい原因の一つとなっております。
本協定では,両者でそのような課題の解決を目指し外国人観光客にもやさしい買い物環境を整備するとともに,外国人観光客向けの消費喚起キャンペーンを行うこと等により,伝統産業の活性化,京都経済の活性化に繋げてまいります。協定締結式
日時 平成27年12月1日(火曜日)午後2時15分~午後2時50分
会場 京都市役所 第一応接室
出席者 京都市 門川 大作 市長
ビザ・ワールドワイド・ジャパン ジェームス・ディクソン代表取締役
次第 開会・出席者紹介
協定書署名・記念撮影
門川市長あいさつ
ディクソン代表取締役あいさつ
質疑応答
市長挨拶
本日は,ビザ・ワールドワイド・ジャパン社のディクソン代表取締役にお越し頂き,地域活性化包括連携協定を締結できることに,感謝申し上げます。
この度,京都市ではビザ・ワールドワイド・ジャパンと地域活性化包括連携協定を締結し,外国人観光客の受入れ環境の整備・充実を図るとともに,買い物や食事を楽しんで頂くことにより観光消費額の拡大を図っていきたい。そのことによって商店街や伝統産業,京都経済の活性化に取り組んでまいります。さらに,京都の魅力を世界へ発信していくことを計画しています。
京都市では,これまでから「世界があこがれる観光都市」を目指して,様々な取組を進めております。
毎年,「観光客満足度調査」を実施し,観光客の方が京都に来られて「感動頂けた点」や「不満に感じられた点」を丁寧にお伺いし,「感動頂けた魅力」については,その魅力をさらに磨き上げ,「不満に感じられたこと」については,一つ一つその課題を解決する取組を進めて参りました。
こうした取組などが評価され,アメリカの旅行雑誌「トラベル・アンド・レジャー」誌の人気都市ランキングで,京都が2年連続,世界でナンバー1の評価を頂きました。また,「コンデ・ナスト・トラベラー」誌では,アジア部門で第1位の観光都市という評価を頂きました。
しかし,まだまだ,京都観光において「不満を感じられる方」がいらっしゃることも事実であります。
特に,外国人観光客からは,「クレジットカードが使えないことが多い」等を理由に,「買い物」を不満の大きな要素と挙げられる方がいらっしゃいます。以前は,ネット環境が悪いという不満が多くあり,これは全力で取り組み,解決することができました。今最大の不満は,宿泊施設が取れないことと買物環境についてであります。
また,ビザの京都市内の飲食店向けの調査によると,カードが使用できるにも関わらず,店頭にカードが使用できることを示す案内を掲示している割合が約9%と低く,外国人観光客が買い物をしづらい,店に入りにくい原因の一つと伺っております。
こうした,外国人観光客の買い物に対する不満を解消することを目指し,京都市では,昨年10月の外国人観光客への免税制度の改正を大きなチャンスと捉え,市内のお土産物店をはじめ免税店を目指す事業者向けに相談窓口を開設する,研修会を開催するなどの取組を,他都市に先駆けて実施してきました。
その結果,市内免税店の数は平成27年4月1日時点で715店となり,1年で約4倍に増加をしました。10月1日時点では,1,000店を突破したと推計されています。
しかし,京都市内では,外国人観光客の買い物需要をしっかりと取り込めていないことは事実であります。
昨年,外国人観光客一人あたりが買い物に使われた金額は,日本全体では,53,278円でした。しかし京都市内では,28,302円です。約2万5千円の差がございます。この差を埋めることが,京都観光の振興に,また,京都経済の活性化につながります。昨年度,2020年に観光消費額1兆円を達成させることを目標にしました。現在は7600億円であり,あと5年で2,400億円増やすという目標を掲げております。観光客が増えたことが,市民の皆様の豊かさにつながるということを実感していただけるようにと思っております。
今回のビザ・ワールドワイド・ジャパンとの協定締結を機に,私どもの弱点とされる買い物環境の改善を図りたい。と考えております。
具体的には,次の4点の取組みを連携して進めて参ります。
1点目は,外国人観光客にやさしい買い物環境の整備です。
市内の店舗等において,決済インフラの整備を進めるとともに,カードが使える店舗を外国人観光客等にわかりやすくお伝えするために,今回,ビザに京都オリジナルの「アクセプタンスマーク」を作成していただきました。これの店頭への掲示を進めてまいります。
2点目は,外国人観光客の観光消費額の拡大です。
来年の2月の1箇月間,市内の免税店等において買い物等をされた外国人観光客の方を対象に,3,000円以上のお買物につき1枚,抽選券をお配りし,抽選で京都の伝統産業品があたるキャンペーンを実施致します。
3点目は,京都ブランドの発信など,京都観光振興に関することでございます。
ビザは,世界の200以上の国と地域において,迅速,安全かつ信頼のおける電子決済のネットワークをお持ちで,世界で24億枚のカードを発行されていると伺っております。
ビザの会員の方をはじめ,世界中の方々に京都の魅力を発信いただき,京都の観光振興に繋げてまいります。その第1弾として,京都で毎年2月に行っております「京都レストランウィンタースペシャル」の情報を海外に向けて発信頂き,京都への誘客を支援いただきます。京都観光のシーズンオフである2月に京都の料亭やレストランが特別メニューを特別価格で提供されます。今年で7年目です。「京都に来て食事をすれば飛行機代も惜しくなかった。」という声も頂いておりますが,まだまだ情報発信をする必要がございます。
また,先ほど申し上げたキャンペーンに「京都レストランウィンタースペシャル」の飲食店も対象にして頂くこととしています。
4点目は,伝統産業の振興に向けて取組みを進めることであります。
京都には,74の伝統産業品がありますが,まだまだ,世界中の方にその魅力をお伝えできていないと実感しております。
そのため,第一弾の取組として,先ほどの1点目のキャンペーンの商品として,抽選で伝統産業品を100名の方に贈呈致します。
更に,第2弾,第3弾と,京都の伝統産業の振興に繋がる企画を進めていきたいと考えております。
むすびに,今回の協定締結を機に,世界ナンバー1のカードブランドである「ビザ」と,世界でナンバー1の観光都市に選ばれた京都市がしっかり連携し,互いの強みを最大限活かし,買い物や食事を今まで以上に楽しんでいただき,世界中の方々が「京都を訪れてよかった」と実感していただけるよう全力を尽くしてまいります。
引き続き御支援,御協力をよろしくお願い申し上げます。ビザ・ワールドワイド・ジャパン ディクソン代表取締役挨拶
まずは,門川市長に市庁舎において迎えて頂き感謝申し上げます。また,素晴らしい着物を見せていただき,また私も着物を着ており嬉しく思います。このような美しい天気の晴れた日に京都を訪れることができたことを嬉しく思います。本日は,地域活性化包括連携協定を京都市とビザが締結させていただけたことは大変光栄です。また,京都市長,京都市の方々にこのような素晴らしい機会を与えていただいたことをお礼申し上げます。
私は何度も京都を訪れる機会がありましたが,毎回京都を訪れるたび,歴史を感じ,街のおもてなしの精神に大変感銘を受け,日本文化に触れるチャンスをいただいてきました。
皆様も御存知のとおり京都市は,アメリカの旅行雑誌で世界で最も訪れたい街に選ばれましたが,京都市は世界で最も魅力的な観光地であることは疑いの余地がありません。
日本には,昨年外国から1,300万人の旅行者が訪れており,円安や査証発給要件の緩和により,外国人旅行者がどんどん増えており,今年の予想では,1,800万人に達するとされています。2020年夏の東京オリンピックに向けて,外国からの旅行者は3,000万人に達すると予想されています。
観光ももちろんですが,それに加え,買い物や食事は旅行の際の2つの大きな目的です。日本,そして京都を訪れるときに,便利で安全な決済インフラがなくてはならないものと観光客の方々は痛感されています。
最近ビザが行なった調査,グローバル・トラベル・デスティネーション・スタディによると,ニューヨーク,パリ,シンガポールなどの世界の他の26都市と比較すると,東京は支払い,日本円入手というものの評価が非常に低く出ております。実際に,3人に1人以上の方が,「日本へ来て,もっとカードが使えれば,アクセプタンスが広ければもっとお金を使う。」とおっしゃっておられます。恐らく日本の他の都市にも同じようなことが言えると思います。
ビザの調査で,京都だけのデータをみると,前年と比べ京都を訪れる観光客が今後どのくらい観光消費額があるかの伸びをみると,他の日本の地域と比べ,京都は18%金額が高く伸びています。外国人観光客を加速度的に招くという取組で地域活性化包括連携協定について,ビザを選んでいただいたことは,大変光栄なことであります。
外国人観光客による消費は,地域経済のみならず日本経済にとって大変重要なものです。便利で安全な決済のインフラの整備を進めることで,店舗の方も需要を全て取り込むことができ,機会喪失を避け,客平均単価上昇にもなり地域経済の活性化につながると信じております。
門川市長もおっしゃっておりましたが,京都市内で外国人に人気があるレストランなどで店頭にアクセプタンスマークを掲示している店舗は9%しかありません。また,外国人観光客に対する同じ調査によると,外国人旅行者の8割の方は,店頭にアクセプタンスマークを見つけると安心して店舗に入ることができるという結果が出ています。
今回の包括連携協定を結んだことを通し,ビザも全身の努力を傾注いたします。今回の取組では,京都市内の商店などから意見を聞き取り,京都独自のアクセプタンスマークを作成したものを配布します。また,プロモーションキャンペーンを実施します。ビザカードで3,000円以上を消費された外国人観光客に,抽選で京都の伝統産業品を賞品として提供します。京都市とともに取組を進めることで,観光客の満足度が上がり,観光消費額が上がり,京都を訪れる外国人観光客数も増えると期待しております。
最後に,今回の機会の実施にあたり,京都市長をはじめ京都市の皆様の御協力にもう一度心より御礼申し上げます。このたびの連携パートナーとして選んで頂き,誠にありがとうございました。
外国人間顧客の数を更に増やし,そしてその外国人観光客にも,又京都の地元の店舗の方々にも,その双方の役に立てるよう我々は全力を尽くさせていただきます。質疑応答
記者
なぜ連携協定都市として,京都市を選ばれたのでしょうか。また,今後他都市ともこのような連携も進めていかれるのでしょうか。
代表
京都を選んだ理由は,ビザカードの所有者のみならず,世界中の方が訪れたいと思う街であるからです。このような包括連携協定を正式に結んだことは今回が初めてです。先ほどの説明にもありましたが,キャンペーンではビザカードで買物をされた方に対し,抽選で伝統産業品が当たるという伝統産業に焦点を当てたという取組も初めての取組です。
記者
カード決済システムは,大手の店舗では導入されておりますが,今後個人商店や商店街などでも導入されるような支援を京都市がされるのでしょうか。
市長
京都市では免税店向けに多言語対応コールセンターを実施しており,通訳は5箇国語24時間,翻訳については11箇国語で対応しています。個人商店など,外国人のお客様への対応の際,お困りごとがある際などに利用して頂いています。コールセンターは,まず旅館などで御利用いただき,現在は免税店などの利用にも広げています。
ビザのための仕組み作りに対し,金銭的な支援は考えていません。外国人観光客が増加したことをビジネスチャンスととらえておりますが,店舗の方にとっては最も大きいのは言葉の壁であり,その壁を乗り越えることに全力投球をしています。
記者
京都市にとって,民間企業と協定を結ぶメリットは何でしょうか。また,ビザは今後どのような局面で費用回収をする予定でしょうか。
市長
観光は都市経営の総合的な戦略です。民間の方々,京都の民間の方々に参画いただき,また世界的な民間の方々のネットワークを活かしていきたいと考えております。行政が行うことは限られております。民間の力を活かし,ネットワークをどのようにつないでいくかが大事であります。今回の取組で,一番ありがたいことは,伝統産業の活性化に繋がる取組を進めていることです。京都には74の伝統産業がありますが,どれも疲弊しています。個別の魅力について,それぞれの説明をすれば皆様感動されます。しかし,日本人にもあまり知られていないもの,発信力が弱い伝統産業について,京都の「ほんまもん」の魅力を,200箇国を超えるビザ加盟国の24億人のカード所有者に対し,発信いただけることは何よりも大きなことであります。確実に観光消費額を向上させ,そして京都の商店街,伝統産業,飲食店が潤い元気がでてくることに繋がると考えています。
代表
ビザとしては,今年はこの取組をサポートさせていただき,来年も続けていく予定です。その理由は,日本,そして京都は訪れたい方が世界中にたくさんいる街だからです。これは,大変大きな魅力であります。短期的な取組とは考えておらず,長期的な投資を続けていく予定です。ビザカードの利用ができる街であるということを多くの観光客の方に知っていただくということで,将来的には投資は回収できます。
記者
京都ブランドの発信は,どのような方法でされるのでしょうか。
ビザ広報
ビザにはマーケティングチームがあり,会員向けにキャンペーン情報の提供を行っています。各国にこのようなチームがあり,そこへ日本からキャンペーンの素材提供し,各国から情報を会員の方へ情報提供いただきます。また,世界に向けてアプリケーションでも情報発信をしており,それを通じてキャンペーン情報の発信も行います。また,日本では,5箇国語対応のウェブサイトを準備しており,このサイトを通じて各国からお越し頂く方に情報発信を行います。
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