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門川市長記者会見(2015年8月19日)

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2023年4月12日

市長記者会見(2015年8月19日)

神宮道と岡崎公園の再整備の完成について

 本日は,岡崎地域の賑わいをより一層向上させる「神宮道と岡崎公園の再整備」について,御報告します。

 先月の記者会見では,岡崎エリアへの交通アクセスと地域内の回遊性の向上を図るための「京都岡崎・都心循環バス『京都岡崎ループ』」について,御報告しましたが,その際にもお伝えしたとおり,岡崎地域は,琵琶湖疏水をはじめ,美しい庭園群や文化・交流施設が集積しております。東京の上野公園がある地域も文化施設・交流施設が集まっている地域でありますが,それよりも多くの施設が集積していると評価いただいています。

 そして,明治維新で都の地位を失い衰退の危機にあった京都が,琵琶湖疏水の開削など,京都の近代化,今日の発展の原点になった場所でもあります。

 京都市では,この岡崎地域の魅力を更に磨きを,潜在的な力を最大限に引き出し,京都が未来に大きく前進するための原動力にしようと,平成23年に,「岡崎地域活性化ビジョン」を策定しました。このビジョンに基づきまして,「ロームシアター京都」のオープン,「京都市美術館」の再整備,「動物園」の全面リニューアルなどを着実に進めています。

 年間500万人の方が来られていますが,回遊性が乏しく,一体感があまりありませんでした。そこで,一体感,回遊性の向上をもたらすために,「多くの人々が訪れたくなる新たな賑わいの創出」をしていこうという取組を進めてまいりました。

 その一つが,「歩いて楽しい岡崎,神宮道の歩行者専用化・プロムナード化」であります。徹底した市民参加の下,意見を集約して,平成26年3月に「左京区岡崎における神宮道(冷泉通~二条通)と公園の再整備基本計画」を策定しました。

 再整備は今年の1月から着工しておりますが,多くの方々の御協力の下,今月末に工事が完成。来月1日からオープンし,年間500万人を超える人々の交流の場として御利用いただけるようになります。

 この「岡崎プロムナード」は,神宮道を歩行者専用道として整備し,隣接する公園区域と一体化して再整備することであります。新しい「歩くまち・京都」のシンボルになると考えております。

 主な整備内容を3点御説明します。1点目は,「貴重な緑空間を保全し,神宮道と公園エリアが一体となった空間づくり」です。資料1ページのイメージ図のとおり,再整備後には,約1万平方メートルの緑豊かな公園が完成し,生まれ変わったような雰囲気になります。旧神宮道は,道路としては廃止されましたが,石畳風の舗装になり,その両脇には松並木を整備することで,平安神宮に至る参道の雰囲気を醸し出しております。また,新たに植栽した緑の空間の素晴らしさもございます。

 2点目は,「創造的で豊かなオープンスペースと優れた景観の形成」です。西側中央の芝生広場をはじめ,公園敷地の半分に芝生を張り,緑豊かなオープンスペースとなります。また,サクラなど皆さんに親しまれてきた樹木はできるだけ公園内で保存又は移植し,大きくなりすぎた樹木については,専門家の御意見を踏まえまして,適正に整え,東山の尾根が公園から眺望できるように整備しました。マツの並木については,平安神宮創建時,正面参道の両側に並木の美しい景観がありましたので,そのイメージを再現しております。

 3点目は,「環境への配慮とユニバーサルデザインへの対応」です。太陽光発電によるLED照明灯や保水性舗装など,徹底して環境に配慮しました。また,旧神宮道と公園との間にあった大きな段差を解消し,バリアフリーのオープンスペースになるよう整備しております。また,西隣のロームシアター京都の中庭と,公園を2本のスロープでつなぐことで,連続した一体感のある空間を創出しております。

 公園の完成式典は,来月1日火曜日の午前9時から行います。来月の19,20日には,例年,全国各地,世界から多くの方にお越しいただいている「京都国際マンガ・アニメフェア2015」をはじめ,岡崎公園の再整備後初となる「京都岡崎レッドカーペット2015」,夜にはプロジェクションマッピングが行われる「岡崎ときあかり2015」が,「京都岡崎ハレ舞台」として,新たな舞台で開催されます。

 また,京都岡崎・都心循環バス「京都岡崎ループ」もこの日から運行いたしますので,より多くの方に満喫していただけると思っております。また,年内には,かつて市内を走っておりました市電の車両を活用して総合案内・情報発信を行う「岡崎・市電コンシェルジュ」を設置いたします。これからも引き続き,この地域が京都の文化芸術,人々の交流の場として活性化していく取組を進めてまいります。

金曜日における地下鉄の終電延長について

 続きまして,金曜日における地下鉄の終電延長について御報告させていただきます。

 京都市では,地下鉄という貴重な財産を,市民の皆様,観光客の皆様に,より便利に快適にお使いいただくことを目指しまして,地下鉄ダイヤの充実や,バスとの結節の向上,また,外国人の方々への多言語対応を含む案内や応対の充実,トイレや駅設備の改修,駅ナカビジネス「コトチカ」の充実など賑わい空間の創出など総合的に進めてきました。

 同時に,極めて厳しい経営状況でございます。その中で,地下鉄経営健全化計画の柱として,「10年間で1日あたり5万人増客」を目標に掲げ,多くの市民の皆様の御参画の下に進めてきました。

 京都市としましても,あらゆる政策を結集して,全庁を挙げて地下鉄沿線の活性化や空き家対策,地下鉄駅及び周辺での観光・集客イベントなどの開催を行ってきました。この間,地域,大学,企業,多くの方々との協働事業などが大きく前進しています。

 これらの取組の結果,平成26年度の1日当たりのお客様数は,前年度から1万1千人増加する35万9千人となりました。この5年間で1日あたり3万2千人増加し,計画に掲げる「30年度までの5万人増客」に,あと1万6千人と迫ってまいりました。多くの市民の皆様の御理解,御支援に感謝しております。

 今年度に入っても増加傾向が続いており,目標達成への確かな手ごたえを感じております。

 こうした中,市民の皆様から,「地下鉄が利用しやすくなった」と高い評価をいただいております。一方で,「終電時間をもう少し延長することができないか」という御意見を,多数の方からいただいてまいりました。

 全国に9つある公営地下鉄の営業時間でありますが,始発時間については,大阪市と東京都が最も早く午前5時発,最も遅いのは札幌市の午前6時発です。京都市は午前5時15分発と,相対的に非常に早い時間から営業しております。

 一方,終電時間の方ですが,概ね,午前0時30分前後に終了するというのが全国的な傾向であります。京都市は,午前0時19分,福岡が午前0時25分,仙台が午前0時27分等でございます。また,名古屋は午前1時過ぎまで営業されております。それぞれ,都市の特性,需要等に基づいて設定されると思っております。京都は比較的朝が早く,夜が静かであるという特性があると思っています。

 夜間時間帯の利便性向上につきましては,平成22年3月に,地下鉄ダイヤの抜本改正を行い,午後9時以降の時間帯における増便を行いました。 また,烏丸御池駅での乗継時間の短縮及び最終電車が午後11時55分に  烏丸御池駅を一斉に2分間止まり乗り継ぎしていただくという「シンデレラクロス」を開始し,大変好評を得ております。

 また,昨年3月には,市バスの夜ダイヤを充実させようということで,「おかえり交通充実大作戦」と称しまして,最終バスの時刻の繰り下げや夜間時間帯の増便,深夜0時に京都駅と阪急桂駅を出発する「深夜バス」の運行を進めてまいりました。

 バスの場合は,運転手さんがいたら走れますが,地下鉄の場合は,終電時間を延長しますと,すべての駅の電気,空調,さらには,職員体制を整えなければならないため,様々な課題があります。このような背景の中,まず,市バスの夜間ダイヤにおいて,お客様サービスの充実を図ってまいりました。

 地下鉄の終電延長の実施には,大きく二つの課題がございます。

 1点目は,夜間の保守作業の問題です。終電終了から始発までの約4時間の間に,毎日,安全運行確保のために,車両や設備の保守・点検作業を実施しております。私も確認に行きましたが,マニュアルに基づき,点検をしていくというタイトな作業がございます。終電延長により作業時間が短くなった場合には,既定の作業量をいかにして確保するか,いかに短い時間に確実に実施するのかが大きな課題となっております。

 2点目は,御利用者の需要見込みと費用対効果の問題です。

 すべての駅で,職員を配置し,電気,空調等をつけ,お客様をお待ちすることになります。営業時間の延長に伴い,どれだけの方に御利用いただけるか,また,そのためのコスト,人件費等の試算が必要であります。

 こうした課題がある中で,他都市の状況等,様々な検討を重ねた結果,本年10月2日金曜日から,3年間の試行として,休日前の金曜日に,30分終電を延長することといたしました。

 毎日,終電を延長しますと,駅の業務時間延長に伴う人件費,様々な経費に加えまして,夜間の保守作業量確保のための体制強化や乗務員の増員が必要となります。試算では,毎日30分間延長した場合,ランニングコストだけでも年間2億円の経費増となります。また,そのための設備投資等にも相当の額が必要になります。

 採算に見合う利用増を見込むことは難しく,全国一厳しい地下鉄の経営状況を踏まえると,現時点での全面実施は,困難であります。

 これに対しまして,週一回,金曜日に30分の延長とした場合は,地下鉄の保守作業に必要な時間を確保できること,また,創意工夫を凝らしまして,職員を増員することなく対応することで,年間2千万円の経費増で実施できることがわかりました。

 また,金曜日の終電のお客様は,土日と比べて1.4倍,最も少ない月曜日と比較しますと2倍,現時点でも多くおられます。こうした点から,金曜日はお客様の御利用増が期待できると考えております。

 しかし,これでも採算をとることは厳しいとは思われますが,経営状態が改善してきていること等も踏まえまして,試みにお客様サービスを向上していくことを決断いたしました。3年間の試行期間中の御利用状況を検証した上で,その後の実施形態を検討してまいります。

 ダイヤの具体的な内容ですが,現在の終電の30分後に烏丸線,東西線上下各1便,合計4便を増発いたします。また,この増発電車においても,烏丸御池駅で全ての最終電車間で乗継ぎができるサービスを実施いたします。

 この終電延長によりまして,多くのお客様に夜の利便性が向上することが想定されますが,例えば,大阪方面から京都へお帰りの皆様が,これまでのJR大阪駅午後11時発が京都市で地下鉄に乗れる最後の電車でしたが,それが40分遅い,午後11時40分大阪駅発の電車で地下鉄に乗り継いで帰っていただけるようになります。

 金曜日(ハナキン)の夜を,できるだけ大阪ではなく京都で楽しんでいただいて,増発する最終電車を多くの皆様に御利用いただきたいと願っています。

 併せまして,午後11時55分の「シンデレラクロス」という名称は,多くの市民の皆様に定着してきておりますが,この30分後のクロスにも市民の皆様から愛称を募集したいと思います。多くの皆様からの御応募をお待ちしております。

質疑応答

報告案件に関する質疑

<金曜日における地下鉄の終電延長について>

(試行期間について)

記者
 地下鉄の終電延長について,試行期間を3年間とした理由は。

市長
 1年,2年では検証できないので,3年間は採算が合わなくてもしっかりとやっていこうと考えています。先ほど申し上げました京都駅と桂駅を深夜0時に出発する「おかえり交通充実大作戦」の深夜バスですが,1年目のお客様数は少なく,2年目になってお客様は増えておりますが,採算は合っていない状況です。
 しかし,じわじわとお客様が増えてきていることから,地下鉄の金曜日の終電延長についても,3年間の試行実施に全力で取り組み,同時に検討も進めながら,どうあるべきか,また,利用者の皆様の御意見をお聞きしながら,検証していきたいと思っています。

(終電延長がもたらす京都市への影響について)

記者
 地下鉄の終電延長について,夜静かな京都のまちへの影響をどのように考えるか。

市長
 30分の延長が現体制では限界であると考えています。大阪から帰ってこられる方々から延長を求める声が多いです。それには,しっかりと答えていきたいと思っています。必要以上に,夜遅く運行する必要はないかと思いますが,やはり利用者の声には答えていかなければならないと思っています。

記者
 関連して,どのような人がどのように延長を求めているのか。

市長
 JR大阪駅午後11時発の電車が,京都で地下鉄に乗り継ぐことができる最終電車の出発時刻でしたが,今回の終電時間の延長で,午後11時40分発の電車で京都で乗り継げるということも含めまして,利用者の多い金曜日に試行実施していくことでニーズに応えたいと思っています。

記者
 大阪から京都へ帰ってくる方から,どのような声を聞いているか。

市長
 様々な声があります。例えば,「金曜日は忙しくて帰宅が遅くなる」というような声を聞きます。あるいは,第3次産業への従事者が増えることに伴い,飲食,物販等に従事される方が多い訳ですが,金曜日の夜がお忙しい方,金曜日の夜に様々な会合等があり,帰ってくるのが遅くなる等,様々な御意見があります。

(財務改善との関連について)

記者
 すぐに採算がとれるかわからない取組を進めるということに関して,京都市交通局の財務の改善と関係していると考えてよいか。

市長
 はい,仰るとおりでして,私が市長に就任した時,地下鉄の1日あたりの経常損益の赤字は4,600万円でした。先日,昨年度決算を報告しましたが,200万円まで減少しています。この間,現金収支は黒字化しましたが,8年前は赤字でした。この現金収支の黒字化は,あらゆる経営改革等々の効果が出てきたことと,何よりもお客様の御理解が進んだからだと思っています。
 5年前,1日5万人という乗客目標は,見通しが立たないと考えられるような数字でした。実際,初年度は3,000人しか増えませんでしたが,昨年度は1万1千人まで増加しました。
 これらについて,お客様サービスでお返ししていくことが大事だと考えています。もちろん,経営再建が大事で,経常損益を黒字化させていかなければならない訳ですが,同時に,バランスを取りながら,コストがかかってもお客様サービスを優先していくことも大事であると思います。
 今回の金曜日における地下鉄終電時間の30分延長であれば,あまりコストがかからずに,職員の努力で実現することができます。

記者
 
サービスの面でも攻めの経営を行うということか。

市長
 
はい,この間も,夜9時台の増便やシンデレラクロスを実施してきました。お客様サービスを向上させる取組に対する効果として,増客につながっているということであると考えております。
 ただ,今回の30分延長がどれだけ増客につながるかどうか,これは見通せないところですが,利用者の多い金曜日であれば増客につながるのではないかと考えております。また,多くの方々から終電を延長して欲しいという声を聞きますので,それに応えていきたいと思っています。

記者
 終電時間の全日延長を実施すると,年間2億円のコスト増に対して,金曜日の夜の実施で人件費が増えない理由は。

市長
 人員を増やすことなく,現在の人員の中で,勤務時間の延長で対応いたします。また,保守点検等についても,作業の見直し等の中で対応いたします。
 「おかえり交通充実大作戦」の深夜バスで,平成26年4月の1日当たりの金曜日の乗客数は57人でした。それが今年の6月に139人に増えています。このようにじわじわ乗客が増加してきた実績を考慮して,3年を施行期間としたところです。

(愛称募集について)

記者
 愛称募集について,烏丸御池のクロスの時間が深夜0時を過ぎることから,シンデレラの魔法は解けてしまうと思われるが,これも変更するということか。

市長
 午後11時55分はシンデレラクロス。深夜0時25分のクロスについて皆様に名前を考えていただきたいと思っています。
 このシンデレラクロスですが,東西線と烏丸線は,まちの真ん中でクロスしていますので,いろいろな方から好評をいただいておりますので,その名前は大切にしていきたいと思っています。

報告案件以外に関する質疑

(森林環境税の導入について)

記者 
 今月5日に,京都府が森林環境税を導入する方針を固めたことについて,京都市も数年前に導入を検討されていたが,二重課税になるため断念したと考えてよいか。

市長
 全国35の県で,既に森林環境税が導入されておりますが,京都府では導入されておりません。京都市では,三山の保全や厳しい林業の状況等を踏まえて,京都府に導入の検討を要請するとともに,「京都府が導入しないのであれば京都市がやる。」という方針の下,我々も独自で検討を行ってきました。政令指定都市では,1市だけが期間限定で導入されています。
 京都市は,大都市でありながら面積の75%が森林です。日本の国土に占める森林の割合が67%ですので,割合で比較すると,日本全国の森林面積より,京都市の方が多いことになります。森林をいかに保護していくかということは,市政の重要な課題でもあります。
 今回,京都府において主体的に検討され,導入されるのであれば,二重に実施する必要はありませんので,京都市では導入いたしません。
 なお,森林環境税の使い方については,府市協調の基本理念の下,市議会とともにしっかりと京都府に意見を申し上げてまいります。
 また,多くの市民,府民の方々の御理解が何よりも大事であります。森林環境税の理念,使い方について,しっかりと説明責任を果たしていくことが大事だと思っております。

記者
 京都市民が払う税金の大半は京都市外のことに使われるという懸念があるがどうお考えか。

市長
 京都市内の橋や府道のほとんどを京都市が管理しています。また,京都市民が,京都府の税収の約6割を負担しています。したがって,森林環境税に限らず,京都市民の負担が多いのが現状です。この点については,しっかりと京都市民のために使われるよう,これまでから京都府に要請しているところです。
 その上で,府域全体の均衡ある発展のために,この森林環境税においても,森林が多いという京都市の特性,また,市民の皆さまの納税者としての感情を十分理解した使い方になるよう,しっかりと京都府と協議してまいります。
 京都市も京都府も厳しい財政状況であり,市民生活も厳しい中で,市民,府民の皆さまから頂いた税金を,京都の未来のために,最も効果的・効率的に活かすことができるよう取組を進めてまいりたいと思います。

記者
 京都府の案では,個人府民税の均等割として賦課する一方で,法人からは徴収しないという方針だが,京都市の検討会では,市民や企業に一律に利益があり,均等に徴収すべきとの意見であった。
 企業からは徴収せず,市民からだけ徴収することについて,市民の理解が得られると考えているか。

市長
 現在,国において,法人に対する税金の軽減が図られていますが,京都市,京都府では,企業に対して相当の超過課税を実施しております。企業の皆さまに,京都市,京都府の財政の厳しさを御理解いただき,納税いただくことで税収が確保できているのが状況です。その状況を,市民,府民の皆さまに説明していかなければなりませんが,不満が出てくるとは考えておりません。

(北陸新幹線のルートについて)

記者
 一昨日,山田知事から,北陸新幹線のルートを再協議する必要があるのではないかという趣旨の発言があったが,市長のお考えは。

市長
 関西広域連合の中で,コストや効果等を踏まえて,米原ルートが最適であるという結論を出しております。しかし,福井県の小浜ルートの要請など様々な状況の変化もあります。それらを踏まえ,どのような可能性があるのかなど様々な視点に立って研究を行う必要があると考えております。
 北陸の皆さんが,京都を通らずに大阪に行ってしまうことを望んでおられないことは,一つの大事なポイントだと思います。

記者
 小浜ルートに決まった時は,京都駅以外の場所に駅を設置することを研究するということか。

市長
 あらゆることを想定して研究しなければなりませんが,今の段階でそこまでの研究は行っておりません。米原ルートは,京都駅を通過するということを前提に合意形成ができたと考えています。
 事業主等の判断も含めて,状況が変わろうとしているときには,あらゆる研究をしなければならないと思っています。

(文化庁の移転について)

記者
 文化庁移転について,今月末が期限であるが,進捗状況は。

市長
 この間,石破大臣には5回会い,かなりつっこんだ話し合いを京都,東京で行いました。大臣が,「防衛や安全保障や国土強靭化も大事だが,日本中の地方創生をこの機会に展望できなければ日本の未来はない。」とおっしゃられましたが,私も全く同感でした。
 先日も,大臣が地方創生全般の視察として,平副大臣,小泉政務官を京都に派遣されました。非常に誠実な対応に私自身も感激しました。
 京都市版地方創生総合戦略は3月に中間案,先日には最終案をまとめ,パブリックコメントを募集しています。その総合戦略の中で掲げている文化庁移転は,現在,要望書の最終案のまとめをしております。日本全国の方が,理解し納得されるようにまとめ上げる自信を持っております。あらゆる改革には反対意見が当然ありますので,丁寧に説明していくことが大事であります。
 小泉政務官に,「いつも着物ですね」と言われました。その日は,新潟の小千谷縮(おぢやちぢみ)を着ていましたので,「繭は福島県の川俣のものが日本一です。」と申し上げたところ,「復興担当政務官として度々川俣に行くことがあるので,そのように伝える。(地元の方は)喜ばれるでしょう。」との言葉をいただきました。
 1000年を超えて日本が大事にしてきたモノづくり,伝統文化,伝統産業,それを支える精神文化が未だに京都に息づいており,全国津々浦々とつながっています。和食が世界遺産に登録されましたが,昆布は北海道,カツオは高知など,あらゆるモノづくりが全国とつながっている。経済・競争性・効率性を優先する東京の価値観とは異なり,文化振興はそういった価値観から距離を置いたところで考え,実行すべきであり,世界とつながっている京都に文化の拠点を置くべきだと常々申し上げています。今が一番大事な時でありますので,しっかりと完成度の高い提案にしてまいります。

記者会見資料

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