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共同記者会見(2014年9月11日)

ページ番号173073

2023年4月12日

ロームシアター京都オープニング事業の発表について

文化市民局文化芸術企画課 (電話366‐0033)

ロームシアターオープニング事業の発表について

市長挨拶

小澤征爾先生を委員長に迎え,長尾真副委員長,井上委員はじめ委員の皆さまには4回にわたり熱意溢れる議論を深めていただきました。本日も全委員が揃われ,今まで侃侃諤諤の議論をしていただき感謝しております。

ロームシアター京都の開館から1年間にわたり実施するオープニング事業の大綱を諮問し,報告いただきました。あらためて熱意溢れる議論に敬意を表し,感謝いたします。

とりまとめられた報告書の内容についてはこの後,説明がありますが,世界の文化首都,文化の殿堂であるロームシアター京都,同時に幅広く市民が利用する市民ホールでもあるロームシアター京都のすばらしいラインアップになったと確信しております。

今まで平成28年1月とのみお伝えしていた開館日は,1月10日に決定しました。残り1年4箇月,我々も気を引き締め,しっかりと準備を進めていきたいと決意を新たにしております。

京都会館は昭和35年4月,市民の強い要望のもとに誕生し,約50年にわたり幅広く活用されてきた市民ホールです。ロームシアター京都として新たに開館しても,多くの市民の皆さまに愛され,同時に国内外の方々に愛してもらい,人々の生活のなかに息づいたホールとして育っていくことを目指しております。

京都の存在感のある,また,親しみやすいホールとして活かしていきたいと決意しております。

 

長尾真副委員長挨拶

ロームシアター京都の管理を行う公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団の理事長を務める長尾です。今回オープニング事業検討委員会の副委員長を務めております。

50年以上にわたり多くの人々に愛されてきた京都会館は,平成28年1月10日に本格的な舞台芸術の上演も可能となる新しい劇場,ロームシアター京都として生まれ変わります。

昨年,小澤征爾氏を委員長としてロームシアター京都オープニング事業を検討するための委員会を立ち上げ,本日までに4回検討を重ねてきました。

委員の皆さまからは平成28年1月から1年間にわたるオープニング事業を華々しく行うのみでなく,2年目以降も継続することを見据えたラインアップとするという事業の方向性や,再整備後の施設の特性を活かし,京都ならではの伝統的なものと先端的なもの,両方の事業にバランスよく取り組むこと,そしてまた小澤委員長が注力しているように,次世代の育成の観点から子どもたちが芸術に触れるきっかけとなる場にするとともに,子どもたちが晴れの舞台と感じられる場にすること,というような様々な意見や提言をいただき,オープニング事業としてまとめました。

おかげで新たに生まれ変わる劇場にふさわしい魅力的なラインアップになったと自負しております。その具体的な内容についてはこの後,事務局から説明しますが,このオープニング事業の成功に向け,しっかりした準備を進めていくので,ぜひ期待をしていただきたいと思います。

当財団は京都市とともに,ロームシアター京都が市民の皆さま自らの音楽芸術活動の発表の場としての役割を果たしつつ,世界水準での総合舞台芸術の上演や様々なジャンルの文化芸術の鑑賞の機会などを提供できるよう努めていく所存です。なお,当財団が運営する京都市交響楽団は幸い市民の皆さまの絶大な支持のもとに非常に高い評価を得ていますが,ロームシアター京都が開館する平成28年に創立60周年を迎えることもあり,演奏力のさらなる向上を目指すとともに,京都コンサートホールのみでなくロームシアター京都を第二のフランチャイズとし,クラシックはもとよりクラシック以外のジャンルとの融合により,エンターテインメントとしてのオーケストラの魅力も追求し,聴衆の裾野を広げていきたいと考えております。

以上のようにロームシアター京都は,舞台芸術のみでなく様々な文化芸術のために活用することで,芸術を愛する京都の全ての皆さまにとって愛着を感じてもらえる新たな文化の殿堂となり,そして日本中,また世界各地から多くの皆さまに来場いただける文化の殿堂となるよう努めていく所存であります。

どうかこのロームシアター京都のリニューアルオープンを機に,より多くの市民の皆さま,各界各層の皆さまに,ロームシアター京都における文化芸術活動により一層の理解と協力を頂戴したく,よろしくお願いいたします。

ロームシアター京都オープニング事業内容説明

 ※ 別紙参照

委員挨拶

(井上八千代委員)

本日は,多数集まっていただき大変喜んでおります。委員長になっていただいた小澤先生が当初少し体調を崩されたため心配しておりましたが,その後は委員長の芸術に対するパッションに引っ張られている状態でした。委員長の情熱がやはり我々が何かしなければならないという気持ちにさせているように感じております。

ロームシアター京都が新たに誕生し,京都というまちで創造と伝統の両方を見てもらうことができ,京都の文化を発信する新たな場所となります。しかも我々も知らない未知の世界をここで見たいという思いに今強く駆られております。

子どもたち,次世代につなげようという気持ち,情熱が委員長には溢れており,自身もタクトを振ってもらえると聞いたばかりで喜んでおります。

これまで委員の皆さまの様々な意見を聞くことにより,非常に勉強させてもらいましたが,今後この委員会が終わった後も,ロームシアター京都がオープンしたそののちも,京都のために,本当に拠点になる場所であってほしいと思います。この事業に関わったことを誇りに思えるよう,今後も続けて様々なことに協力したいと思います。

 

(大島祥子委員)

この検討委員会については小澤委員長のリーダーシップのもと,非常に和気あいあいと検討することができました。いよいよオープニング事業の内容が決まりましたが,京都,とりわけ岡崎の50年後,100年後のまちづくりが問われていくのではないかと感じております。

それは,実際に足を運び,生を体験し,自身の経験にしてもらうためには,やはり足を運びたくなるようなまちとしての吸引力が非常に問われることになるためです。そのようなことに配慮し,そのようなことを盛り込んだラインアップになっていると感じております。

そのような意味では,一市民としてもオープニングを非常に楽しみにしており,わくわくしております。

 

(建畠晢委員)

岡崎は京都が誇る文化ゾーンですが,これまではどちらかといえば展覧会の場所というイメージが優先していたのではないかと思います。今回,ロームシアター京都の新たな誕生により,パフォーミングアーツをも含めた,音楽や演劇等,文字通りの総合的な文化ゾーンとして蘇ることが確実に予想されることを大変嬉しく思います。恐らく日本でこれだけの規模の総合文化ゾーンというのは他にないのではないかと思いますので,できれば(ニューヨークの)リンカーンセンターに匹敵するようなすばらしいゾーンになればと願っております。

本日これだけ多くの人が取材に訪れていることを見てもわかるように,小澤征爾氏という非常に求心力のある方を委員長に迎えたことの成果かと感じており,その事業に多少なりとも参加できたことを光栄に思っております。また今後もこの新しいロームシアター京都の発展に向け,側面からでも微力を注いでいきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

(津村卓委員)

小澤委員長,井上委員もおられるこの委員会に参加し,非常に活発な意見を聞くなかで,「京都が動く」というイメージを非常に感じました。

自分自身は幾つかの公共ホールを運営し,また別の仕事で全国の公共ホールと関わる立場でもありますが,この京都に新しい公共ホールができるということは,全国の公共ホールはもとより,芸術団体,またそれらを愛する人々から相当大きな注目を今,受けています。この日本の宝であるお二人が参加する委員会を元に作り上げられたオープニング事業は,それに十分値するものだと感じております。

逆に,そのように注目されているなか,その後このホールがどのように続いていくのかということを我々委員も責任を持って見ていく必要があると考えております。また,本日ここにおられる皆さまにもしっかり監視をしていただき,言い過ぎかもしれませんが,もし肩すかしのようなものがあった場合には,京都市は何をしているのか,と批判してもらうようなことがあっても良いのではないかと考えております。

これだけのことをするには相当予算も掛かります。しかし個人の意見としては,京都市ならできる,日本の公共ホールを引っ張っていけると考えております。今回,委員会に参加させてもらい,ぜひ頑張ってもらいたいと思った次第であります。皆さまにもぜひよろしくお願いいたします。

 

(長屋博久委員)

小澤委員長はじめすばらしい委員の方々とともにこの検討委員会を進めさせていただきましたが,自分はどちらかというと子どもを持つ親の立場,市民の立場として参加しておりました。

今から遡ること約40年,幼児園児だった頃に京都会館第一ホールの舞台に立って遊戯をさせてもらったことを思い出しながら,新しいロームシアター京都は子どもたちにとって憧れの晴れ舞台であってほしい,そしてまたその子どもたちが音楽や様々な伝統芸能を一生懸命学び,将来的にそれを発表する場であってほしい,というようなことをこの委員会で発言させていただきました。小澤委員長には次世代の育成を主眼においたすばらしいプログラムを作成してもらったと感じております。

今後,自分は委員という立場から市民の立場になるわけでありますが,ロームシアター京都が常に人で溢れ,熱気溢れる会館であるよう,市民の立場で応援していきたいと思っております。

 

(平竹耕三委員)

ロームシアター京都の事業に長く携わる者として,こうしてオープニング事業のラインアップが決まったということは非常に嬉しいことであり,小澤委員長はじめ委員の方々にもお世話になり感謝いたします。

一人の市民として本当にわくわくしているというのが正直なところですが,やはり行政を担う者としては,開館まで残り1年4箇月,気を引き締めて準備をしていかなければならないと心を新たにしているところであります。また,委員の方々よりロームシアター京都への期待を多く語ってもらいましたが,そのような言葉をもらえばもらうほど我々にはそれがプレッシャーになり,頑張らなければならないとの励ましと感じています。

開館後もそのような期待に添えるホールになるよう,市を挙げて努めてまいりたいと思います。

小澤征爾委員長挨拶

このような役目は初めてで自分には本当に分からないことなのですが,ただ一つ分かることがあります。それは,京都は自分が学生だった頃,当時の京都市長がカール・チェリウスという指揮者が率いるオーケストラを作ったということです。市がオーケストラを作ったのは全く初めてであり,自分達にとっては相当ショックでした。良いショックでもあり,心配でもあったのでしょうが,それが刺激になり日本のあちらこちらにオーケストラができ上がっていきました。これは本当に素晴らしかったと思います。それと同じようなことがまたここで起こるのかなと期待しております。

当時,地方オーケストラの草分け的存在である高崎の群馬交響楽団という小さいオーケストラを師匠の齋藤秀雄氏が引き受け,その一番弟子であった山本直純氏が指揮者を務めていましたが,彼が忙しかったため,久山恵子氏と自分が代わりに指揮をしていたという時代に京都で起こった大きな出来事でした。

このホールは,今ここにいる市長が絶対力を入れると言ってくれているので,これがうまく次のエネルギーの出発になってもらえれば大変嬉しく思います。また,ぜひ岡崎のエリアが京都において,たくさんの人が嬉しがって来るところになってくれることを願っております。

ホールの場合は,人が歩き,地下鉄に乗り,何しろ来てくれなければならない所なので,今のこのテレビやコンピューターの時代に,そのようにしてでも観に来たり聴きに来たりしたいと思える,魅力のある場所になり,若い人たちが多くこのホールに来てくれることを心から願っております。

市長御礼の挨拶

小澤委員長には本当に力強いお言葉をいただき,また,各委員の皆さまからも含蓄あるお言葉をいただき,感謝いたします。気が引き締まる思いであります。

京都が動く,覚悟せよという言葉もありました。すばらしい議論をまとめていただいたこの報告をしっかりと実現するため,これから手続き的には予算を求め,議会に諮り,我々も覚悟を決めて実施していきたいとあらためて決意しております。

世界の文化首都を目指す京都。文化こそが京都の最大の強みであり,同時に日本の未来を築いていくものであると確信しております。

我々も頑張りますが,小澤委員長をはじめ委員の皆さまには今後も様々なお願いをさせていただくかと思いますので,御指導や御支援をいただけるようお願いいたします。そして市民の皆さまとともに,文化首都京都を世界に冠たる都市として作り上げていきたいと思います。

現在,岡崎というすばらしい場所であらゆる整備を進めております。ロームシアター京都がまさにその象徴的な場所になってくれることを確信し,努力を続けることを約束します。

ありがとうございました。

質疑応答

記者

小澤委員長に質問です。本日発表されたオープニング事業は,松本のフェスティバルとは,また全く異なる趣のラインアップで大変祝祭的ですが,委員長が京都らしいと思うところについての感想をお聞かせください。

 

小澤委員長

京都らしいのはここに座っている門川市長と,井上八千代委員です。井上八千代委員の話も,信じていることも全く京都らしい。

自分にとっても京都はとても意味のあるまちなので,(松本とは)違うように思っております。ただし,自分がやっている音楽はどこに行っても同じであり,その意味では,そのような根本的な音楽家としての気持ちは全く変わりません。チャンスがあればぜひ自分でもやりたいし,若い音楽家と一緒にもやりたいです。音楽家としてこれからもできる限りのことをやりたいと思っています。

 

記者

先ほど井上八千代委員がほのめかされたので期待をする声も多いと思いますが,小澤委員長がオープニング事業の小澤征爾音楽塾オペラプロジェクトや開館記念公演の京都市交響楽団演奏会などで実際にタクトを振られる予定はあるのでしょうか。明日の記事にかなり影響するのでぜひ聞かせてください。

 

小澤委員長

京都市交響楽団には広上淳一氏という自分の仲間のすばらしい指揮者がいます。また,高関健氏,下野竜也氏と指揮者3名がいるので,自分の出番はありません。小澤征爾音楽塾で来る,喜歌劇の中でも最高の音楽のオペラ「こうもり」では自分が指揮します。また,みやこめっせでの公演でも全部ではないかもしれないが,少しは指揮できると思います。自分ができるのはそのくらいではないでしょうか。

 

記者

小澤委員長にお聞きします。小澤征爾音楽塾のオペラプロジェクトでは,全国で初めて小学生を対象としたオペラをするとのこと。音楽塾としては初めてとのことですが,小学生を対象にしたオペラをした経験はありますか。もしあれば,それによりどのような体験をしたか教えてください。

 

小澤委員長

日本で小学生を相手にやったことはありません。松本のフェスティバルでは中学生を対象に子どものオペラというものを毎年開催しています。

10年以上前,ウィーンで音楽監督になった際,親が付いてきても構わないということで子どもを対象に始めたものが今でも続いております。それはモーツァルトの「魔笛」の縮小版で,55分にしたものです。ウィーンのオペラ座が年に一度舞踏会をしますが,その時は客席を全て外し,床を平らにし,劇場が2倍の広さになります。5,000人ほどの子どもが床に座れる状態にし,ウィーンフィルが子どものために「魔笛」縮小版を上演していますが,それは大成功をしています。それができたので次は,小さなテントを作り,常設で子どものためのオペラをしています。それらは全て親付きでしたが,今回はそうではなく教育委員会が協力し,小学生が団体で来てくれるということで,これは我々にとっては大勝負です。団体で来るということは,10人のうち8人は(聴きにくるのが)嫌で仕方のない子がいるものです。そのような人たちにしっかり見てもらい,面白かったと思わせて帰らせようという魂胆です。100%の成功は絶対にしないと思うが,そのような意気込みでこちらはやっています。今度は小学生で,日本では初めてです。

 

記者

それはやはり長野市と松本市で中学生を相手の体験を重ねたため,京都で敢えてまたさらに小さい子どもにチャレンジしようという思いになったのでしょうか。

 

小澤委員長

そうかもしれませんが,松本の場合は23年前に始めたときから自分が指揮し,体育館で上演しました。バスで来た小学生が7,000人ほど体育館に入り,1日2回公演するので,6,000人×2の12,000人が嫌で仕方のない子でしょうが,帰るときにはそれらの子に面白かったと思わせようと思い,頼むから協力してくれと仲間に言いました。体育館は音響が悪いですが,それでも一生懸命やりました。それが功を奏して今でも続いております。

今は,体育館ではなくホールで開催していますが,ホールは2,000人ほどの収容なので4回公演。松本市と長野市で8公演行っています。それがあるので,ここでもうまくいくのではないかと思ってやっていますが,長尾副委員長から先ほどホールでやってはどうかと言われました。そうなると,そうだなぁと思います。経験がなく,自信がないので,資料に書いているように,まずは平成27年3月26日に(みやこめっせで)子どものためのオペラをやります。それで,先のこと,勝負は決まるかと思っています。

 

記者

(ロームシアター京都は,)オペラのできるホールとして拡充したことが目玉になっているので,そのあたりについていくつかお聞かせください。

小澤さんがタクトを振るオペラプロジェクトは,これまで関西ではびわ湖ホールでやっていたものだと思いますが,今後は拠点を京都に移してずっと続けていくことになるのでしょうか。

また,今回オープニング事業がずらりと並んでいるが,ロームシアター京都としてオペラを自主制作するようなスタッフ,機能を今後備えていくつもりがあるかどうかについても教えてください。

 

事務局

小澤征爾音楽塾の全体の話については,この後あらためてプレスリリースをされるということを聞いているのでここでの回答は控えさせてください。

今後のロームシアター京都でのオペラ自主公演については,現在のところ全くしないということでもなく,今後体制も含めて検討をしていきたいと考えております。

 

小澤委員長

小澤征爾音楽塾のオペラプロジェクトというのはロームミュージックファンデーションのプロジェクトであり,10年以上続けています。自分の気持としては,当然ここにロームシアター京都というのができるのなら,もちろんそこに来るのだと思います。これまで京都でオペラができなかった,これが本当に残念であったところなので,京都でこのようなものができることは自分たちにとって大変嬉しいことなのです。

記者会見資料

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