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門川市長記者会見(2014年4月9日)

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2023年4月12日

記者会見資料(平成26年4月9日)

京響創立60周年記念京都市交響楽団ヨーロッパ公演について

(門川市長)

 本日は,京都市交響楽団の,平成9年以来,18年振りとなる海外公演の実施について,常任指揮者の広上淳一先生とともにご説明申し上げます。

京都市交響楽団は,文化芸術都市“京都”の誇りであり,日本の宝であります。京都市交響楽団,京響は,自治体直営のオーケストラとして,昭和31年に発足し,文化芸術都市“京都”から国内外に音楽文化を発信する,我が国を代表するオーケストラとして輝かしい歴史と伝統を築いてまいりました。

 特に,平成20年から,常任指揮者・広上淳一先生の卓越したご指導の下,飛躍的に演奏力を高め,国内外から高い評価をいただいております。例えば定期演奏会のチケットが14回連続で完売しました。現在もその記録を更新し続けています。3月には,日本の音楽ホールの最高峰「サントリーホール」における東京公演が,これも完売いたしまして,お客様に大変感動していただきました。また,本年3月30日には,NHKにおいて,音楽番組が2時間放送されました。NHKでは,通常はNHK交響楽団,または海外公演を放送する訳ですけれども,京響の公演を番組にしていただき,大変好評だったと聞いております。

 さて,京響は2年後の平成28年に創立60周年を迎えます。

 これを記念して,来年,平成27年に,姉妹都市提携50周年を迎えるイタリア・フィレンツェをはじめとする,ヨーロッパ5都市を巡る海外公演を実施いたします。

 公演都市については,国際的な音楽祭が開催されている都市や,世界的に有名なコンサートホールなど,京響がその力量を発揮するにふさわしい舞台を設定いただきました。

 まずはじめの訪問先は,チェコのオストラヴァとプルゼニです。オストラヴァでは,この地で没し,この4月の定期演奏会でも採りあげる作曲家ヤナーチェクの名を冠した国際音楽祭「ヤナーチェク5月祭」に出演します。

 欧州において欧州文化首都という制度がありますが,プルゼニは, 2015年に,欧州文化首都となることが決定しており,様々な芸術文化行事が実施されます。今回,その一環として開催される日本との交流プログラムに,EU・ジャパンフェスト日本委員会の支援を受けて出演します。

 次に,京都市の姉妹都市であるドイツのケルンを訪問し,ケルン大聖堂にほど近い地元の音楽堂「フィルハーモニー」にて公演を行い,次にオランダのアムステルダムでは,優れた音響で世界3大ホールの1つに数えられる「コンセルトヘボウ」にて公演を行います。

 飛躍的に演奏力を向上させた京響の演奏に感動していただけるものと確信しています。

 最後に,京都市の姉妹都市で,来年(平成27年)に姉妹都市提携50周年を迎えるイタリア・フィレンツェで開催されるこれも世界的な音楽祭「フィレンツェ5月音楽祭」にご招待により出演し,この地でツアーのフィナーレを飾ります。

 指揮者は,第12代常任指揮者でミュージック・アドバイザーを務めていただいている広上先生にお願いしております。

 クラシック音楽発祥の地で,長い歴史と伝統を有するヨーロッパにおいて,確かな鑑賞力をお持ちの皆さんに京響で,感動していただきたい。ヨーロッパの皆さんを魅了したいと考えております。

 また,各公演を鑑賞いただける同行ツアーも実施します。内容が確定次第,お知らせさせていただきます。

 このヨーロッパ公演を通じて,京響の知名度を確固たるものとし,世界にはばたくオーケストラとして,さらに発展させるとともに,姉妹都市をはじめとするヨーロッパ各地の文化都市との交流を積極的に進めてまいります。

 京都は,日本の伝統文化,精神文化の拠点でありながら,クラシック音楽についても聖地となるなど,常に伝統と進取の精神に充ち溢れた都市であります。そうした,京都の文化力をヨーロッパで発信してまいりたいと思います。

 創立60周年に当たる平成28年度には,定期演奏会に著名なゲストを招くなど,京響をここまでお育てていただいた,市民の皆様に感謝する魅力的な企画を展開するほか,国内の各都市で公演を行うことにより,京響の更なる飛躍につなげてまいります。

  今後,ますます輝きを増していく京響に,皆さんどうぞご期待ください。

 

(広上氏)

 

 門川市長から御説明がありましたが今回回らせていただきますホールは,すべてヨーロッパの宝庫と言いますか,「宝」の場所を回らせていただくということで,楽団にとってこんな名誉なことはありません。

 さらに,個人的にも縁が深く,アムステルダムには5年ほど住んでおりましたし,コンセルトヘボウも何度か指揮台に立たせていただいたことがあります。コンセルトヘボウは,素晴らしいホールですが,京響と一緒に,またそのホールでまた演奏ができることは喜ばしいことです。多くの方に楽しみ,喜んでいただけると思います。ヨーロッパのお客様は,伝統をしっかり身に着けて,音楽を楽しむ習慣を持っていますが,逆に気軽に聞いていただけるので,今の京響の実力があれば,間違いなく成功すると思っております。

 私の方からは,この6年間やらせていただいた中で,まずは京都の市民の皆さんに深く感謝申し上げたい。皆さんの御支援があって,そしてそれを代表して行政の方が手助けしていただき,さらには楽員諸氏が,それぞれ自分たちの意思でもって,自分たちのオーケストラを愛し,自分たちで自分たちのオーケストラを良くしようというエネルギーが,今の京響の評価につながってきているのだと思います。何より,京都が58年前に,このオーケストラを生み出し,このような形で花開いていることが,嬉しく思っている次第であります。

 今,非常に高い評価を受けていたり,お褒めの言葉をいただいていたりするのですが,私たちは決して慢心することなく,今までどおり,謙虚に,地道に,この形を続けて,もっともっと多くの皆様に,かわいがっていただけるようになる。その成果が,今回のヨーロッパ公演でなし得れば,ますます京都のお客様の誇りになっていただけるのではないかと思います。私たちの仕事は,京都の皆さんの気持ちを喜ばせることにあると楽団諸氏も思っております。

 これからも,皆さんの御支援をよろしくお願いしたいと思います。まずはオーケストラを代表しまして,感謝の言葉を述べさせていただきました。

 

(門川市長)

 

 なお,「友の会」の会員数が,この7,8年で倍になっています。平成17年は651人でしたが,今年度は1091人になりました。法人会員は,47社が87社になりました。多くの市民や企業の方が応援しようと,またコンサートホールに行こうと思ってくださる。このような雰囲気も,演奏力の向上とともに広がってきて,ありがたいことだと思っています。

 

質疑応答

記者

 この日本の作曲家は取り上げたい,または,ヨーロッパではこの人の曲を聞いてほしいというような曲のリストはあるのか。

広上氏

 先方の要望もありますので,何人か日本を代表する素敵な作曲家を候補に入れています。現地の素敵なソリストとのコンバインを散りばめながら選曲したい。あとは京響の良さが出る勝負曲を何曲か挙げております。

 

記者

 基本的には1都市1公演か。また,詳しい日程は。

広上氏

 1都市1公演で,平成27年5月30日から6月11日までの2週間弱です。

記者

 楽団長も行くのか。

市長

 できるだけ行きたいと思っています。フィレンツェは,50周年の記念式典と一緒に開催しますので,フィレンツェには寄せていただきます。

記者

 フィレンツェでは交流式典もあるのか

市長

 あります。

広上氏

 「5月祭」は,フィレンツェの芸術祭の中でも名誉ある音楽祭の一つです。

 

記者

 最初にフィレンツェに行くことが決まり,その後に「コンセルトへボウ」等の公演が決まったということか。

広上氏

 皆さんのお力添えのおかげです。これだけ素晴らしい場所,素晴らしいホールで,限られた日程の中,調整できたことは,非常に幸運だったと思いますし,オーケストラにとって,こんなに最高の晴れ舞台はないと思っています。感謝申し上げます。

市長

 それぞれの都市,また欧州文化首都など,関係者の御理解と御支援の下,神業のように調整できたと思っています。

 

記者

 ドイツやイタリアなど初めて行くところばかりか。

広上氏

 ドイツのケルンも,音楽都市として非常に有名なところで,ケルン放送交響楽団が本拠地として活動しておりますが,意欲的に我々を招待していただいています。

 

記者

 今回の公演で京響から委嘱する予定はないか。

広上氏

 今回はない。

 

(海外公演について)

記者

 海外公演が18年振りとずいぶん海外公演が途絶えた印象がある。去年はチケットが完売続きだったということで,大変な時期もあったと思うが,それを乗り越えて,今回の公演に至ったということか。

市長

 京響50周年の時,私は教育長で,50周年の事業委員会の委員でもありましたが,冒頭から「海外公演はあきらめましょう」とスタートしたことを思い出します。

 その時から今に至るまでの間,多くの市民の方々の御支援いただき,とりわけ広上先生の指導力によって,演奏力が向上し,今,クラシックでこれだけ定期公演が完売しているのは京響だけと言っても過言ではないと思います。

 例えば,楽団員が楽器を置いて,広上先生を玄関までお見送りをされるということが自然に行われるようになりました。かつての姿を知っているものとしては,「隔世の感がある」とか,市民の方々,京響を愛していただいている方々から,「信じられない雰囲気ですね」とおっしゃっていただいています。

 こうした演奏力の高まり,市民の皆様の応援によって,ヨーロッパ公演に打って出られることを嬉しく思っております。先日のサントリーホールの演奏会が終わり,玄関におりましたところ,口々に「京響がここまで良くなっていると思わなかった」という会話をしながら帰って行かれるのを目の当りにしました。広上先生に感謝するとともに,楽団長としても楽団員を称えたいと思います。

広上氏

 市長からお褒めの言葉をいただきましたが,今の京響は,多くの皆さんに応援してもらっており,メンバーもそれに喜びを感じています。また,自分たちが演奏することで,市民の皆さんが喜んでくれることをすごく嬉しく思っていると思います。

 本来,音楽が持つ力というのはそこにあります。そのことから仲間を意味する「フィルハーモニー」という言葉があります。そこに貴賤はなく,上手い下手はない。野球やサッカーで言えば,お金をかけていないチームや全然知らないチームが優勝することがありますが,チームワークのオーケストラの世界にも同様のことがあるのです。

 私は6年前に一言だけ団員の皆さんに申し上げました。「私はメンバーを誰も変えていないし,あなた方一人一人が持っている潜在能力を信じます。一人一人の持っている力が融合した時は,お金をかけてすごい選手を集めたチームよりも,必ずすごいハーモニーが生まれて,すばらしいオーケストラになるということをヨーロッパにいた10数年で体験しました。その可能性があなた方京都のオーケストラにもあります。」という話をしました。

 ですから,今の皆さんに応援していただくようなオーケストラになれると思ってやってきたわけではありません。これだけ多くの方々に応援していただくようになったことを一番感激して喜んでいるのは私ではなく,京響のメンバー諸氏だと思います。

 20数年前,私はこのオーケストラに来て喧嘩しております。二度とこのようなオーケストラには来ないと言って別れています。しかし,それは京都のオーケストラだけではなく,日本のオーケストラ全体に,指揮者と喧嘩することを良しとする風潮があった時代です。

 しかし,時代が流れて,京響というオーケストラが,これだけ口々に皆さんに褒めていただけるということは,一人一人の潜在能力を信じ,信頼関係が一つになった時に,こういうハーモニーが生まれるという音楽文化を実際に実践できたということであり,みんなの力で,音楽というものはすばらしいと示せた唯一の文化都市が京都であったと思っています。

 チケットの完売が続いているのは,市民の皆さんが,音楽というものはすばらしいということを有形無形の音楽の中で感じ取っていただいた結果に過ぎません。私たちがこれから気をつけなくてはいけないのは,「おれたちはすごいんだ。」,「おれたちはこれで立派なオーケストラになったんだ。」と思った途端に崩れ落ちてしまうことだと思っています。

 今こそ,大人のオーケストラとして,皆さんが応援してくれることに感謝しながら,もう一度基本に戻って謙虚に,傲慢にならずに,きちっとやるべきことをやっていく。そうすれば,いつかもっともっと多くのお客様が応援してくれる。そして,市民の中に溶け込んでいく自然体のオーケストラに様変わりしていくと思っております。それが日本を代表するオーケストラの唯一の道だと思いますし,一番可能性があるのが,この京都のまちからだと思っております。

 今回のヨーロッパ公演は,それを示す意味でも,とてもいいチャンスを京都の皆さんからいただいたと深く感謝しております。頑張って慢心せずに今までどおりやっていきたいと思っています。

(事業費について)

記者

 京都市が総事業費1億6千万円をすべて負担するのか。

市長

 京響は自治体直営であり,運営については,平成21年から京都市音楽芸術文化振興財団に委ねるようにしました。また,チケットが完売すると,以前はすべて京都市の会計に吸い上げられていましたが,予定よりも収入が増えるよう,インセンティブを働かせるようにしています。

 京都市が,直接運営をしていると文化庁からの補助金はありませんが,平成21年からは,文化庁の補助金がいただけるようになり,平成21年は,約6000万円でしたが,今年度は8500万円になりました。

 総事業費1億6000万円のうち,1億2000万円が京響の努力によって蓄えられました。残りの4000万円は,現地での出演料や企業の協賛によりしっかりと集めたいと思っております。

広上氏

 私からも宣伝していきたいと思います。

市長

 広上先生はすばらしい指揮者であり,指導者であると思っています。練習会場は,いきいきとした雰囲気とともに笑い声が絶えないと聞いております。楽団員一人一人のモチベーションを高め,演奏力を向上させていただいており,本当に感謝しています。

 

(関西電力の株主総会及び株主提案について)

記者

 今年の6月に開催される関西電力の株主総会において,昨年に続いて脱原発依存の株主提案をする場合の期限は4月下旬までだが,今年はどのような方針で臨むのか。

市長

 京都市会で議決された,「原発に依存しない,かつ再生可能エネルギーを飛躍的に促進する」という趣旨に基づきまして,東日本大震災以降,株主提案を行ってまいりました。

 さらに,昨年12月に,再生可能エネルギーの飛躍的な充実等を含めたエネルギー戦略を策定しています。

 そうしたことから,ぶれずに関西電力に対して株主提案という形で提案していきたいと考えております。

 関西電力においても,再生可能エネルギーやスマートメーターなどの改革がなされておりますが,できるだけ早く原発に依存しない社会をつくっていくということが,多くの市民,国民の皆さんの願いだと確信しておりますので,今年も提案していきたいと思っています。

記者

 市長が直接株主総会に出席して提案するということか。また,一昨年と昨年も提案されたが,3割程度しか支持が集まらず,いずれも否決されている。今年の提案には,今までになかった取組や方針はあるのか。

市長

 株主提案の中身については,ほぼ同趣旨のものになると考えております。

 私自身が出席できるかどうかは日程等の都合がありますので,現時点では明確にできません。

 この問題は,国民的な世論の高まりが非常に重要であると考えております。脱原発依存社会の実現は,多くの市民,国民の願いであります。これをしっかりと求め続けることが最も大事であると思います。

 そして,東日本大震災から3年経過しましたが,悲惨なことは気をつけなければ時と共に風化していきます。絶対に風化させないことが大事だと思います。

 

(通年市会について)

記者

 来週から通年市会が始まるが,どういうことを期待されているか。また,拘束時間が長くなることで,職員の残業が増える可能性があるが,その点をどのようにお考えか。

市長

 地方自治体は二元代表制ですので,議会と執行機関の適切な緊張関係を保ちながら,京都の今と未来のために全力を投球することが,大事だと思います。私共は徹底した行財政改革を進めてまいりました。同時に,市会におかれましても,市会改革に必死に取り組んでおられます。先だって,平口前副市長が退任にあたり,これほど与党が勉強され,真摯な態度で臨まれる議会は全国にないのではないかとおっしゃったのが印象深いですが,市会が様々な改革をされてきたことに敬意を表したいと思います。通年市会,変わるところと変わらないところがございますが,市会に報告しなければならない市長の専決処分が可能な限りなくなりますので,迅速に進んでいく面もあります。同時に,民主主義というのは時間と手間が掛かりますが,迅速に意思決定して,市民の理解と共に行政を推進していかなければなりません。この両立が大事であります。年度当初の局区長会等でも話しましたが,市会にきちっとした説明をして,市会の理解を得られなければ,147万の市民の理解を得られていないということなので,通年市会をプラスに受け止めて,受け身で対応するのではなく,市民の代表である市会に対して,市政の理念,目標,具体的な施策を分かりやすくしっかりと説明していくことが,効率的,効果的な職務の遂行にもつながると指示しています。なお,市会の運営等のあり方につきまして,市会において,できるだけ出席者を限定していこうという努力もされていますし,国会の運営でも,国の省庁の官僚が国会に釘付けになって行政が進まないとよく言われましたが,そういうことがないように市会と私共,執行機関が率直に話し合いもしながら,自治体としての意思決定について,議論を深めつつ,より早めて実行していく体制を作っていこうと思います。

 

(職員による情報流出について)

記者

 今月,市の職員が同僚職員の人事情報などを流出させた事案があった。昨年度も市の職員の不祥事が続いた中で,今年度も年度当初にこういった事案が起きたことについて,市長はどのようにお考えか。

市長

 今日の局区長会でも話をしたところですけれども,情報管理を統括している部署の職員が,このような不祥事を起こしたことについては,非常に遺憾であり,再度,情報管理の趣旨の徹底を図っていきたいと考えております。幸い,現時点で市民の情報が流出していることはないと考えておりますが,やはりルールとして役所の電子情報を持ち出してはならないということを決めているわけですから,これを厳守することは当然です。職員の言い分としては,人事異動で変わって,所属職員の人事情報を職場で見ることが他の職員の目にも映るので,自宅で勉強したいという意図だったわけですが,個人情報を持ち出してはならないということを決めているわけですから,その趣旨を再度徹底していかなければならないと思っています。

記者

 こういったケースの原因は,どこにあるとお考えか。

市長

 情報管理を行っている職員が,自宅のパソコンでも情報管理は万全と過信しているところにあります。役所の情報管理は,二重三重のセキュリティー管理をしています。暗号にしたり,ウイルス対策にしたりして適正な職務執行に万全を期しているわけですが,家庭のパソコンはそうではないわけです。知識を持っているからといって過信することに非常に気を付けなければなりません。そういった点も職員に周知したところです。

 

(京都府知事選について)

記者

 京都府知事選挙が過去最低の投票率となった。有権者から共産対非共産の構図の変化を求められているのではないかと思うが,市長はその点をどのようにお考えか。

市長 

 投票率の低下というのは本当に大変なことだなと実感しております。私が立候補した選挙でも,2月の凍てつくような寒さの中,36%ないし37%あったと思います。国民の権利であると同時に,義務であると言っても過言ではありませんが,京都市内で10人のうち3人しか投票に行かれないのは,困った現象だなと思っています。

 ただ,私は選挙のパターンがそうだから投票率も低いと決めつけるのは良くないと思います。選挙に行かなくても山田知事が再選されるのは間違いないという意識が高かったからではないかと思います。しかし,たとえそう思っていても,それでも選挙に行く,行くことが大事だという意識と行動をどのように有権者の方々に感じてもらうかということがテーマであると思います。私の意見ではありませんが,「投票率が良いからものすごく良い政治が行われるのか。」という意見もあります。隣の大阪でも,マスメディア含めて関心が高まりましたが,次の選挙では投票率が下がるといったことがありました。政治の基本的な構造と投票率とを直接結びつけて論評するというのは,もう少し専門家も含めた研究もしてほしいですし,私自身あまり決めつけないでおこうと思います。

 

(京都経済センターについて)

記者

 京都経済センターについて,昨年末に経済4団体の会合の中で,市長は3月末までに目途をつけたいと言っていたが,今後の見通しとスケジュール感を聞きたい。また,遅れているならどんな課題を克服しなければならないとお考えか。

市長

 経済センターは,京都の経済だけでなく,未来のまちづくりに向けて非常に大きな課題であります。したがって,京都市が所有する最も素晴らしい土地の提供も含めて議論の発端を作りました。今後も商工会議所,工業会,さらに幅広い産業界を含めた経済界,京都府,京都市の英知を集めて,何としても実現しなければならないと思っています。どこの部分に問題があるかということを申し上げることは,これからの合意形成に必ずしもプラスにならないと思いますので,ご容赦願いたいと思いますが,それぞれの関係者がもう一歩踏み込んで,未来に責任を持つために努力する必要があるのかなと思っています。最終的に費用負担の問題もあるわけですが,私が会長を務めている産業会館自体は,しっかりと運営されています。産業会館の役割も考えながら,商工会議所,工業会含めた団体と融合して,あの地ならではの賑わいの機能も含めた施設づくりに向けて,あまり時間をかけずに,関係者の英断の元に決定していきたいと思っています。

 

 

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