共同記者会見(2013年7月18日)
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2023年4月12日
ロームシアター京都オープニング事業検討委員会 記者会見
委員会設置に係る説明
市長挨拶
京都会館は半世紀を超えて,文化芸術,また幅広い市民活動の場として大きな役割を果たしてきました。しかし,様々な課題があり,現在再整備を進めております。
ローム株式会社様にネーミングライツで資金的な御支援をいただき,名称は審査会で合意を経て「ロームシアター京都」という名称に変わります。
この度,平成28年1月の開館から1年間,ロームシアター京都におけるオープニング事業を,世界を視野に文化芸術,また幅広い市民活動の発表の場に,さらに京都市民が持つ潜在的な文化芸術の力,市民の幅広い人間力,これを活かしていく,顕在化していく,そのような場にしていきたいと思っております。
ロームシアター京都が新しい50年の歴史を創っていく,その出発の大事な1年だと思っています。そこで,今回,オープニング事業検討委員会を設置することといたしました。
本日,小澤先生にお越し頂いておりますが,世界を代表する指揮者である小澤征爾先生に委員長に御就任いただくことになりました。発表以来,本当に多くの市民の方々から,また京都だけではなく全国から「すばらしい」「良かった」そんな感謝の声,感動の声をたくさんいただいております。本当に喜んでおります。
また,他の委員の先生方も「さすが」と言っていただける方に御就任いただきました。改めて御礼申し上げます。
今日を皮切りに,あと3回程度の委員会を開催いただき,オープニング事業のコンセプト,ラインナップ等について検討いただくことになっております。
オープニング事業全体につきましては,来年の夏頃には皆さまにお示しさせていただきたいと考えております。
新たに生まれ変わったロームシアター京都が世界の文化首都を目指す京都のまちにとって,また,日本の文化芸術の振興にとって,大きな役割を果たせるかどうか,この1年間の事業が大事だと考えております。
今,世界から京都の注目度が高まっておりますが,この文化芸術都市・京都のさらなる発展のために小澤征爾先生をはじめ関係者の御支援を得ながら,取り組んでまいりたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
小澤委員長挨拶
今,我々がいるこの京都コンサートホールができた時は大ショックで,どういうショックかというと,京都に本当のコンサートホールができたということです。その前は京都会館ばかりでやっていて,1970年の日本フィルハーモニーの時代からボストンシンフォニーでも3回来ていて,あとは京都市のオーケストラと一緒にまわったり。それから今は音楽塾のオーケストラで,京都コンサートホールに来ています。最初のうちはずっと京都会館でやっていたので,京都会館が京都のコンサートホールだと思い込んでいたのです。
今度,このように京都会館が建て替えられ,音響も舞台装置も良くなるということは,本当にすばらしいと思っているのです。
オープニングの1年間のプログラムを作れと言われて,お引き受けしたのですけれども,本来ホールというものは,最初の1年はもちろん大事ですけれども,大事なのはそれから先のことです。ですから,それは皆さんで,市の方も本腰を入れて考えて頂きたい。
「ただ建物を作ったらいいということではない」ということを常に思っているので,中身のことは長い目で計画を立てていただきたいと思いますが,最初のお祭りの一年を,ということでお引き受けしたわけです。
僕は東京の中学で,修学旅行で京都に来ました。何が一番印象に残っているかと言えば,お寺まわりでした。それまでお寺には本当に興味がなかったのが,あるお寺のお坊さんと仲良くなりました。その後,桐朋学園の合宿で歌舞練場で演奏会をしましたが,そのお坊さんのお寺にずっと泊めてもらっていました。だから,京都って変な縁があるなあと。京都に来れば必ず,お寺さんに泊めていただいていたというのが京都のつながりです。
この1年間のお祭りは是非成功しなければならない。今日,これから最初のミーティングがあるので楽しみにしています。どういうアイデアが出てくるかと。もう時間があまりありませんから,早く決めなければならないということ,それから,先ほど申し上げたホールというのは,先まで考えながらやっていかないといけない。そして中身が大事。
それから,まちの人とのつながりがなければ,ホールはただの建物になってしまいます。ですから,何とかして京都の特徴を,できれば京都に住んでいる人,あるいは京都の近くに住んでいる人達から自分達のものだということを思ってもらうことがとても大事です。持論ですけれども,教育もやっているので,子ども達に是非,親しみがあるような中身をやりたい,やってもらいたいと思っています。それが僕の思いです。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
委員紹介
質疑応答
報道関係者
小澤委員長に質問です。未来志向の小澤さんですので,あまり過去のことは振り返りたくはないかもしれませんが,京都会館でボストン交響楽団の監督の時に,あと京都市交響楽団の演奏会で指揮をされたと思うのですが,その時の印象を一言お願いします。
小澤委員長
ボストンシンフォニーで来た時もよく覚えているし,日本フィルハーモニーの演奏会や,モーリス・アンドレ,この音楽会の後,すぐに亡くなってしまったのですが,フランス人できっと世界で一番トランペットがうまい人だったのですけれども,一緒に演奏会をしたのをよく覚えています。その後,彼と一緒に京都でうまいものを食べ,大酒を飲んだのも覚えています。
ボストンは京都と姉妹都市ですね。そういう意味でも,いつも音楽会だけではなくて,来たときには京都の人と夜を楽しんだ,そういうことはよく覚えています。
ですからホールの印象というのはあまりないのですけど,実はただ一つ言えることは,この設計した人には悪いと思うけれども,あまり音響が良いというふうには覚えていないですね。
それから,オペラをやりたくても,例えば東京でオペラをやって,京都ではやろうという時には,このホールは使えないと言われたことは覚えています。
報道関係者
小澤委員長にお伺いします。ロームシアター京都は,新しい京都の顔になると思いますが,小澤委員長は,これまでボストンやウィーンなど世界の文化都市で生活され,あと日本では大きなフェスティバルなどを行われており,都市の魅力について色々お感じかと思いますが,京都を改めて御覧になった時に,文化都市としてどういった魅力があるのか,改めてちょっとお伝えしてもらえませんか。
小澤委員長
京都というのは,音楽とかオペラなどのこと以外だとすばらしいわけですよ。京都というのは,本当に世界中の人が来たいまちなのです。日本といえば,京都という人がすごく多い。逆に言うと,日本に旅行に来た人で京都に来ない人ってまずいないと思います。そのぐらい京都はすごいのですけれども,我々のいわゆる音楽では,ちょっと。
もちろん前の市長さんが言いだしてオーケストラを作ったのも京都市なのです。覚えている限り,このようなことをやる人はいなかった。
ですから,京都には秘めたる力があると思います。ただ,音楽に対して皆が分かりやすいようなものはなかったのだと思います。ですから,北山のコンサートホールができたこと,それから今度新しくホールをつくること,そして名前も変えて大出発しようという,これだけ皆が大がかりにやろうというのは,京都にとってすばらしいチャンスだし,これがこれから長い間の成功に,そして市民とまわりに住んでいる人の宝物になる建物にしなければならないと思います。京都というのはすごく力を持っていると僕はいつも思っています。今日はそれを申し上げようと思って来ました。
報道関係者
小澤委員長にお伺いします。先ほどにオペラの話が出ましたけれども,その際には,いわゆるオペラの自主制作で上演することになるかと思うのですが,芸術監督を置くのか,誰になるのか,また,座付き楽団というのは,京都市の交響楽団になるのか,どういう演目を,最初にやりたいのか,これから検討に入る段階ですけれども,何か抱負のようなものがありましたら,教えていいただけないでしょうか。
小澤委員長
それはこれからの大変大きな問題で,今日から初めて委員会が始まります。それから市長さんにも聞いてください。どのようにするかということについては,絶対に良い案を考えるべきだと思いますし,それは皆さんに助けていただいてやるべきだと思います。建物だけつくればいいという話とは全然違うと思います。中身が問題だと思います。
報道関係者
小澤さんにお聞きしたいのですが,具体的なオープニング事業の中で,小澤さんが今回委員長に就かれたということは,多くの人がおそらく小澤さんがお振りになるのではないかと。では振るとしたらオペラになるのか,シンフォニーなのか,どこのオーケストラなのかというところはとても関心が高いというところになってくると思いますが,そのあたりの構想,御自身の中での思いで結構なのですけれどもいかがですか。
小澤委員長
僕自身はやりたいことがいっぱいあるのですけれども,病気をしたばかりでまだ何もしていません。本当にちょっぴりしかできてなくて。これから初めてのミーティングで,そこで色々とお話し,話し合うということになっています。
今年はこの後,奥志賀という所に行って室内楽のキャンプをやって,そこでちょっと指揮したり,東京でも松本でもちょっとですけれども指揮をしたりするのですけれど,それ以外にまだ自分自身もどれぐらいできるかわからない。特にこのホールのことについては,とてもそんなところまで考えていませんし,これから皆さんと相談してまいりたいと思います。
最初のお祭りの1年間のプランをやれと言われているから大変うれしいですけれども,絶対成功しなければならないからこれは大変な重みです。それは皆さんに助けてもらわないといけないし,市長さんに一番助けてもらわなければならないと思います。特に京都だから,これだけのまちに見合うようなことができたら一番良いと思っています。
市長と小澤委員長による写真撮影
文化市民局(文化芸術企画課 電話366-0033)
記者会見資料
記者会見資料
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