門川市長記者会見(2013年4月26日)
ページ番号149352
2023年4月12日
「小倉山の森林再生に向けた事業計画」の策定及び「小倉山再生プロジェクト支援協定」の締結について
京都は,御承知のとおり,悠久の歴史を誇ります。とりわけ,東山,北山,西山,この三山と市街地の関係が絶妙であり,かつては,建築資材,あるいは,薪,炭等の燃料の供給地として,三山が大きな役割を果たしてきました。ところが,生活様式等の変化に伴い,都市の生活と三山とのかかわりが薄れ,森林に人の手が入らなくなってきました。景観の面からも,環境の面からも,また,観光資源としても,大切な京都の宝であります。京都市ではこれまで,「木の文化を大切にするまち・京都」の推進など,あらゆる政策を融合しまして,総合的な取組を今まで進めてきました。
例えば,歴史的文化的資産と四季折々のきめ細やかな彩りが添えられる三山を一体として守っていくために,「京都市三山森林景観保全・再生ガイドライン」を策定し,森林が持つ価値を踏まえ,森林景観の保全・再生のための基本的な考え方,目指すべき森林景観像を導き出すための手順と技術的な指針を示しました。
また,地域産の木材を公共建築はもとより,民間においても使っていただく「みやこの杣木」の取組,東山区を中心に,「京都伝統文化の森推進協議会」を立ち上げ,お寺さんや地元商店街などと連携した地域ぐるみでの森林整備等の取組を進めています。さらに,近年の「ナラ枯れ」に対しましても,「四季・彩りの森復活プロジェクト」の推進等を進めています。
このような取組を行う中で,今回,「小倉百人一首」の選集の舞台であり,数々の詩歌に詠まれ,歴史的にも文化的にも西山の象徴的な場所である小倉山の再生に向けて,地域団体との意見交換会等を進め,事業計画を策定いたしました。
小倉山は,嵐山と共に保津川の渓谷美の象徴であります。そして,それらが一体となって,特にアカマツを中心とした歴史ある森林景観を形成し,山麓部には世界遺産であります天龍寺をはじめとする名所旧跡が数多く存在いたしております。しかし,近年,「マツ枯れ」や「ナラ枯れ」など,景観面はもとより斜面防災等においても多くの課題を抱えております。こうした現状を踏まえ,ガイドラインに基づきまして,京都市が所有する区域(小倉山全体100ヘクタールのうち55ヘクタール)を中心に,山麓寺院からの眺めなど,景観形成,防災上の重要性を踏まえまして森林整備を実施し,美しい森林と豊かな自然環境を回復してまいります。
実施方針としましては,小倉山の景観特性や現状をしっかりと踏まえた森林景観づくり,そしてもう一つは,地域と行政が一体となった共汗による森林景観づくりを掲げています。整備は,本年度から平成34年度までの10年計画で行います。もちろん,前倒しができるものは前倒ししていきたいと考えております。
主な整備内容としては,また病害虫への抵抗力を持つ「アカマツ」,彩りを感じることのできる「花木(花の咲く木)」,しっかりと根を張り斜面を安定させ紅葉も美しい「モミジ」等を植栽します。さらに随分生い茂っています竹藪の整備,密生して生い茂った樹木の伐採を実施します。
整備の具体的な目標として,「整備到達点」を掲げております。主なものとして,1点目は,小倉山の歴史的景観の特徴でありますアカマツ林を再生するということであります。
2点目は,山麓寺院からの借景となる森林を落葉樹や花木を織り交ぜまして,四季の彩りが感じられる森林景観を再生してまいります。
3点目は,寺院等の背景林と連続する竹林景観を改善してまいります。
4点目は,保津川及び沿岸からの景観とナラ枯れ跡地の斜面防災に配慮した,安全で健全な森林景観を再生してまいります。
なお,「景勝・小倉山を守る会」,「三菱東京UFJ銀行」及び「公益財団法人三菱UFJ環境財団」から支援の申出をいただいておりますので,京都市を含めました4者が,森林景観の再生に向けた夢と責任を共有するため支援協定を締結いたします。そして,役割分担をし,共汗の下,取り組んでまいりたいと考えております。
支援いただく団体や支援の内容ですが,「景勝・小倉山を守る会」につきましては,事業計画の策定に当たり,開催した意見交換会のメンバーを中心に,小倉山の森林景観を次世代に引き継ぐことを目的として4月17日に設立されたボランティア団体でございます。この地域を代表される,そうそうたる方にこぞって参画いただき,非常に心強く感じております。また,「三菱東京UFJ銀行」からは,銀行としてのCSR活動として役割を果たしたいということで,多くの銀行員の方々のボランティアの参画を申し出ていただいております。また,「公益財団法人三菱UFJ環境財団」は,このために必要な苗木をすべて提供していただきます。年間約500本から1000本程度を予定しています。
なお,協定の締結は,小倉山の山麓にございます二尊院の境内で5月10日に行います。去年の秋の「そうだ京都、行こう」キャンペーンの舞台になった所であります。
本事業の実施により,京都市の所有地をはじめとして,御支援いただくボランティアの皆さんと共に,また,民有林も含めまして,取組の輪を広げていき,小倉山全体の再生を図ることによって,嵯峨・嵐山周辺の魅力の更なる向上を図っていきたいと思っております。
また,この取組をモデルケースといたしまして,各地域において住民参加の方法,あるいは,活動の取組等につきまして,しっかりとまとめ,こうした地域の住民,企業,これらの皆様方と一緒に,この三山を再生していく取組のモデルケースとして,しっかりと検証しながら,全市的に広げていきたいと思っています。様々なイベントを開催するなどしまして,啓発にも取り組んでまいります。
平成25年度「夏のエコオフィス運動」について
伝統産業の振興,そして京都に伝わる日本の文化の継承,こうした視点を取り入れた京都ならではの「夏のエコオフィス運動」について御説明させていただきます。
京都市では,これまでから「京都市役所CO2削減率先実行計画」に基づきまして,市役所自らが率先して,市民,事業者の先頭に立って,温室効果ガスの排出削減,省エネの徹底について,全庁を挙げて取り組んでまいりました。
これから冷房が稼働し,電気等のエネルギーの使用量が増えていく夏を控え,国及び関西広域連合におきましても,様々な取組が進められ,京都市も率先して取り組みますが,同時にそれに加えまして,伝統産業の振興,京都に伝わる日本の文化の継承にも配慮した取組を強力に進めていきたいと思っています。
従来から取り組んでいる執務室の温度管理28度の徹底,あるいは,クールビズ(軽装勤務)の励行については,昨年度と同様,全国と同じように5月1日から10月31日まで進めてまいります。ただし,「クールビズ=ノーネクタイ」,これがやや定着している感がありますが,そうではなく,気温の状況や公務のTPO,時間・場所・場合に応じた適切な服装をすることが大事であります。そのことを積極的に周知してまいりたいと思います。
市役所本庁舎正面玄関におきまして,京都の地場産業の西陣織のクールビズ仕様のネクタイ等を展示するなど,市役所が率先して情報発信をさせていただきます。あるいは,京扇子,京うちわ,京都に伝わる「打ち水」でありますとか,まちの緑化にもつながります「緑のカーテン」,風鈴なんかもいいかと思います。そうしたことに積極的に取り組んでまいります。
京都に伝わる「もったいない」でありますとか,「始末する」,こうした生き方の哲学,暮らしの美学を大事にしながら伝統産業の振興にも取り組んでまいりたいと思います。
5月から10月の半年間がクールビズの実施期間となります。5月と言いますとまだ涼しいときもありますし,10月なら早くも肌寒い時もありますが,それでもこの期間はネクタイを締めないのが定着し,西陣織のネクタイなどは大変な経営の危機にもなっております。カッターシャツ等は,織り方,素材によって涼しいということはありますけれども,レースのネクタイであっても,普通のネクタイであっても,締めればあまり暑さは変わらない。なぜ,西陣で夏用のネクタイが織られたかというと,見る方に涼しさを感じてもらう,これが日本の美意識なんです。風鈴が鳴ったからといって涼しくない。しかし,涼しさを感じる。実際の温度は下がらなくても体感温度は下がる。こういう京都の先人たちの暮らしの知恵を大事にしながら,夏の省エネに取り組みたい。そして,豊かに生きる。エネルギーを節約しながら,日本の文化を大事にし,更に伝統産業の振興にも,貢献していきたい。このようなことを市職員が,市役所が率先して取り組んでまいりたいと思います。
西陣織におかれましても,クールビズ仕様のネクタイを積極的にアピールしていこうということで取り組まれますので,京都市も連携して取り組んでまいりたいと思っています。
なお,祇園祭の日等の浴衣で勤務も引き続き,奨励していきたいと思っています。
質疑応答(要旨)
<報告案件に関する質疑>
(小倉山の再生(整備の意義)について)
記者
2011年にガイドラインが策定されてまもなく2年が経つが,東山や北山よりも先に,西山の小倉山が本格的に事業計画を策定されることの意義,狙いは何か。また,事業計画の実施に係る費用は。
市長
木材を使うということが何よりも大事であるということで,公の建物で木材を使うと同時に,京都市地球温暖化対策条例で,2,000㎡以上の民有の建物についても京都の木を使っていただくなどの取組を進めてきました。緊急の課題であるナラ枯れ対策については,国の支援を受けながら取り組んできました。
西山には素晴らしい魅力があります。今回の事業計画策定に当たって,天龍寺,二尊院など,地域一帯が非常に盛り上がっています。また,京都の三山はほとんどが民有林です。その中でも,京都市が半分以上の面積を所有する小倉山において,まず京都市が責任を果たすということが大事であります。
費用の点ですが,京都市としては,年間1,000万円,10年間で1億円の予算を予定しております。また,苗木はすべて財団の方に御負担いただき,ほとんどの人手はボランティアの方,地域の方,銀行の方に担っていただきます。
(小倉山の再生(防災面での意義)について)
記者
小倉山の斜面は,ナラ枯れなどの影響でどの程度危ない状況なのか。
市長
直ちに山が崩れてくるという状況ではありませんが,このまま放置すると大変なことになるので,今手を入れなけれ ばならないと思っています。
(小倉山の再生(観光産業への影響及び新たな観光拠点づくり)について)
記者
市長として,小倉山整備が周辺の観光産業にどのような影響を及ぼすと考えるか。また,今後,観光の拠点などを設けていくのか。
市長
観光の拠点については,この地域にすでにたくさんございます。京都市が拠点を新たにつくるというより,きちっとネットワークを作り,どんどん情報発信して,生かしていただくことが大事だと思います。
嵐山花灯路は,毎年12月に10日間,開催しておりますが,去年で8年目を迎え,毎年120万人前後の人にお越しいただいております。その昔ですと,12月の夜に嵐山に行く人は皆無であったと言っても過言ではないと思います。これを歴史的なお寺や神社,また,様々な伝統的な文化も含めて,融合し,そして竹林をライトアップするなどの取組を実施することによって,祇園祭と匹敵するくらいの人がお越しになる。これが京都の魅力であります。そうした取組を地道に進めながら,この地の魅力を更に発信していきたいと思っています。
小倉山は地上から見ると今も美しいですが,上空から見ると,マツ枯れやナラ枯れなどがとても目立ちます。今手を入れなければならないという危機感で取り組んでいます。また,マツ枯れやナラ枯れを放置すると,様々な木が茂ってくるので,京都の造園の技術を生かして,本来昔からそこにあった木を植えていこうというわけです。
(小倉山の再生(整備箇所)について)
記者
整備面積はどれくらいか。また,どこから着手するのか。
市長
小倉山全体約100ヘクタールのうち,京都市有林は,その半分以上の約55ヘクタールです。その約55ヘクタールを中心に据えながら,必要な所は,民有林についても協力を要請して一緒に進めていこうと思っています。
よく見える所,あるいは斜面等で早くモミジを植えて土砂の流出を防ぎたい所を優先して整備します。実際に手を入れなければならないのは,約55ヘクタールのうち約20ヘクタール弱だと思っております。
(小倉山の再生(鹿対策)について)
記者
小倉山では,鹿の食害や獣害が出ているが,その対策は。
市長
当面は景観に配慮しながらネットを張ることで対策を進めてまいります。同時に,猟友会や森林組合と連携し,京都市全体としての鹿の捕獲を進めているところです。
(夏のエコオフィス運動(今夏の節電)について)
記者
今夏の節電について,関西広域連合で平成22年比9%減を目安にすることが決まったが,京都市も同様か。
市長
国は,9%弱の節電が定着しているとの見解から節電目標を設定していませんが,今夏は大丈夫と多くの方が思ってしまうと,節電の定着率が下がることも考えられますので,関西広域連合では目標を持って取り組んでいくということになりました。京都市でも積極的に取り組んでいきたいと思います。
昨年実施した,図書館・保育園・児童館等に家族で出掛けることで,家庭の電気を消して節電をする「家族でお出かけ節電キャンペーン」では,節電効果だけでなく,教育的な効果あるいは地域の絆づくりにもなりましたので,こうしたエコ運動は,今後も積極的に取り組んでいきたいと思います。詳細については,現在,議論をしているところです。
市民の方にお願いするのは,関西広域連合の9%と同じです。
なお,市役所内の目標については,昨年は10%を超える目標を掲げましたが,検証をし,今年も具体的な目標を掲げたいと思っています。
<その他の質疑>
(道州制について)
記者
関西広域連合で検討されている道州制について,国でも改正法案等の議論が行われているものの,一般市民にとっては分かりづらい,関心が高まらないと言われているが,どう考えているのか。
市長
「地方分権」,「地域主権」という言葉や考え方は,ずいぶん浸透しました。地域のことは,地域で決めていこうということです。京都市では,行政の在り方だけでなく,コミュニティの活性化も含めて,市民参加を推進してきました。道州制については,一時期関心が高まったものの,この数年は議論も落ち着いている状況です。本当の意味での基礎自治体重視,地方分権型の道州制について,より一層議論を深めていかなければならないと考えています。また,必要なことは,国にしっかりと意見を言っていかなければならないと思っています。
平成21年に関西の4政令指定都市で,道州制に向けて議論し,「二条城宣言」を発表していますが,この6月には指定都市市長会主催の道州制に関するシンポジウムを開催する予定です。このような取組を行い,市民レベルでの議論を深めていきたいと思っております。シンポジウムでは,これまで,京都市の様々な改革に参加いただき,道州制の第一人者と言える同志社大学の新川先生にも基調講演をしていただきたいと思っております。
記者
道州制のメリットや,暮らしへの影響を市民に伝えていくときに,どこにポイントを置くのか。
市長
まずは基礎自治体重視ということだと思います。地域住民に一番近い行政機関で可能な限り政策決定ができ,地方自治体の行政に市民が参画し,自分たちでより良いまちを作り,より良い教育を実現していくことだと思います。
そして,中間的な行政機関はできるだけスリムに,国の権限,税財源を可能な限り地方に移譲していく。
これらをしっかりと説明していかなければならないと思います。さらに,都市のインフラ,あるいは安心・安全な防災対策,これからの地域の活性化,産業の活性化,観光等につきましても,府県単位を超えて,広域で行政機関を一体化することで,より効率的なものにしていかなければならないと思っています。ただし,日本の国家全体としての一体感は必要ですから,この辺はもう少し議論を深めていく必要があると思います。(関西電力への株主提案について)
記者
昨年に引き続き関西電力に株主提案を行う理由は。
市長
原子力発電に依存しないエネルギー政策の抜本的な転換,再生可能エネルギーの飛躍的な創出,効率的かつ効果的な火力発電の推進が今大事です。これは,昨年市会でも決議をいただいたことです。同時に,発送電の分離,競争原理を働かせて,電気代を可能な限り安価に設定することも,市民生活の厳しさを考えれば,市民の方々の大きな願いだと思います。そうしたことも踏まえまして,株主総会に出席し,昨年に引き続き関西電力の一層の経営効率化,原子力発電に対する考え方の抜本的な転換を求めていきたいと思っています。
記者
昨年の提案はすべて否決されたが,それでも提案する理由は。
市長
昨年,原発の依存度を下げる,経営の透明性,発送電の分離等について,3市での提案,大阪市との共同提案,神戸市との共同提案といった形で行いました。否決されたことは非常に残念ですが,主張し続けなければならないと思っています。発送電の分離,再生可能エネルギーの推進等については,この1年間で国民的な議論も高まり,国の政策も前進しています。株主総会では否決されましたが,関西電力は積極的な対応をされている部分があります。京都市の提案の内容は,多くの国民や市民の願いと一致しているので,これを言い続けることが大事だと思います。
記者
神戸市が今回提案しないことについて,どう感じているか。
市長
4月25日の関西広域連合の会合で神戸市長とお話しましたが,神戸市長も基本的な考え方は,京都市と同じであるとおっしゃっておられました。ただ,株主提案という形を取らずに,株主総会に自ら出席して,意見表明という形でやりたいということでありました。残念な部分もありますが,基本的な考え方は神戸市や大阪市と一緒ですので,連携しながら取り組んでまいりたいと思います。
(道州制について)
記者
道州制について,京都府の山田知事が京都府と滋賀県との合併に言及したことを,どう考えているか。
市長
山田知事が道州制について議論していこうと積極的に発言されたことは,良いことだと思います。ただし,道州制の議論というのは,単に府県の合併ではありませんので,山田知事も一つの例示としておっしゃったと思います。私としては,京都府と滋賀県の合併を議論するよりも,道州制そのものについて議論を深め,国にしっかりと提言していくことが求められていると思っています。
(地方公務員の給与について)
記者
公務員の給与削減について,京都市の対応は。目途は立っているのか。
市長
国の説明を聞きながら,今慎重に研究・検討しているところであります。現時点でお答えすることはございません。
記者会見資料(平成25年4月26日)
「小倉山の森林再生に向けた事業計画」の策定及び「小倉山再生プロジェクト支援協定」の締結について~地域連携による持続的な森林景観づくりを目指して~
都市計画局(風致保全課 電話222-3475)
昨今,景観資源,環境資源,観光資源として極めて重要な京都の宝である三山の森林が,人との関わりが薄れ,森林に手が入らなくなった結果,危機的な状況にあります。このため,「木の文化を大切にするまち・京都」の実現を目指す本市として,三山の保全を喫緊の課題ととらえあらゆる政策分野を融合させ,森林の文化的価値の普及啓発,地域産木材の活用や「ナラ枯れ対策」を加速させるための取組など,総合的な取組を行ってきました。
この度,「小倉百人一首」の選集の舞台となり数々の詩歌に詠まれ,歴史的にも文化的にも西山の象徴的な場所である小倉山の優れた森林景観美を取り戻すため,地元の方々と意見交換会を開催し,事業計画を策定しました。
また,事業計画を地域組織や地元寺院,民間企業などと共に推進するための支援協定を締結しますので,併せてお知らせします。
今後,この取組をとおして,活動に関わる組織づくりや活動を支える人材育成の在り方などを検証・構築し,オール京都で森林景観づくりの輪を三山全体に広げ,全市的な森林景観づくりの機運を高めていきます。
<総合的な取組例>
・地域産木材の活用
・京都伝統文化の森推進協議会による森林整備や普及活動
・四季・彩りの森復活プロジェクト,京都みどりプロジェクトによるナラ枯れ対策
1 「小倉山の森林再生に向けた事業計画」の策定について
京都市では,歴史的文化的資産と四季折々のきめ細やかに織りなす風景とが一体をなしている三山の山並みの景観を守り続けるため,「京都市三山森林景観保全・再生ガイドライン」を策定しました。
ガイドラインでは,森林景観の保全・再生のための基本的な考え方を示し,目指すべき森林景観像を導き出す手順と技術的な指針を示しています。
(1) 小倉山の抱える課題
小倉山は,嵐山とともに保津川(大堰川)の渓谷美と一体となる森林美を形成し,山麓部には世界遺産の天龍寺をはじめ,数々の寺院や名所旧跡が存在する,京都を代表する風景の一つです。しかし近年,「マツ枯れ」や「ナラ枯れ」など,景観面はもとより斜面防災,生物多様性の面においても多くの課題を抱えています。
(2) 事業計画の策定について
小倉山の現状と課題を踏まえ,「京都市三山森林景観保全・再生ガイドライン」に基づき,小倉山のうち,本市が所有している区域において,景観形成,防災上の重要性を踏まえた森林整備を実施することにより,小倉山の美しい森林と豊かな自然環境を回復していきます。
事業計画の策定に当たっては,京都を代表する景勝地であり,森林景観再生による観光分野への波及効果が高いことなどから,地域団体との意見交換を開催し,「小倉山の森林再生に向けた事業計画」を策定しました。
(3) 実施方針と整備期間について
[実施方針]
○小倉山の景観特性に応じた森林景観づくり
○小倉山の現状を踏まえた健全な森林景観づくり
○地域と行政が一体となった協働による森林景観づくり
[整備期間]
平成25年度から平成34年度までの10箇年
(4) 具体的な整備計画と内容
[主な整備内容]
○抵抗性アカマツの植栽,斜面を安定させるモミジ等の植栽,彩りある花木
等の植栽
○枯竹の伐採,竹林の密度調整
○常緑樹の一部伐採,ナラ枯れなど枯死木伐採
森林整備をするに当たり,「整備到達点」を掲げています。
1 小倉山の歴史的景観の特徴であるアカマツ林の再生
2 四季の彩りを感じられる森林景観の再生
3 寺院等の背景林と連続する竹林景観の改善
4 保津川(大堰川)からの景観とナラ枯れ跡地の斜面防災に配慮した,
健全な森林景観の再生
2 「小倉山再生プロジェクト支援協定」締結について
(1) 小倉山再生プロジェクトとは
「京都市三山森林景観保全・再生ガイドライン」に基づき,小倉山において良好な森林景観を保全・再生するため,本市や地域組織,森林所有者,地元社寺,企業などの様々な主体が連携し,それぞれの役割分担のもと展開する持続的な森林景観づくりを目指す取組です。
(2) 支援協定について
地域組織や地元寺院等の方々により設立されたボランティア団体である「景勝・小倉山を守る会」,「三菱東京UFJ銀行」及び「公益財団法人三菱UFJ環境財団」から支援の申出を頂いています。
本市を含めた4者が,小倉山の優れた森林景観の再生に向けた夢や責任を共有するため支援協定を締結し,それぞれの役割分担と共汗の下,小倉山の再生に取り組みます。
(3) 協定を締結する団体と支援内容
○「景勝・小倉山を守る会」(*1)
○「三菱東京UFJ銀行」
森林整備後の適切な除伐や下草刈りなどの林床整理や清掃活動など
○「公益財団法人三菱UFJ環境財団」
森林整備に必要な苗木の提供
(年間500~1,000本)
(4) 協定締結式
(ア) 日時
平成25年5月10日 午前10時~午前11時
(イ) 場所
二尊院境内地(右京区嵯峨二尊院門前長神町27)
3 今後について
本事業は,ご支援いただく「景勝・小倉山を守る会」の皆さまとともに,民有林に対しても取組の輪を広げていき,小倉山全体の再生を図ることにより,嵯峨・嵐山周辺の活性化につなげていきます。
今後,小倉山における市民の方々による自主的な森づくり活動の取組をとおして,活動に関わる組織運営や活動を支える人材育成の在り方などを検証していくことにより,森林景観づくりの輪が三山全体に広がっていくための仕組みをオール京都で構築していくとともに,植樹イベントの開催や本事業の進捗状況を広く発信することで,全市的な森林景観づくりの機運を高めていきます。
平成25年度「夏のエコオフィス運動」について
環境政策局(地球温暖化対策室 電話222-4555)
産業観光局(伝統産業課 電話222-3337)
京都市では,「京都市役所CO2削減率先実行計画」に基づき,温室効果ガス排出量削減,省エネルギーに全庁を挙げて取り組んでいます。
この度,国及び関西広域連合と連携し,省エネルギーの徹底,環境負荷の低減に努める「夏のエコオフィス運動」を下記のとおり実施しますので,お知らせします。
なお,実施に当たっては,京都の伝統産業の活性化にもつながるよう,京都市ならではの取組を進めていきます。1 実施期間
2 取組内容
⑴ 執務室の温度管理の徹底
- 市庁舎や事業所等における執務室の冷房温度は,28度を目途に適切な管理を徹底します。
- 京都市主催の各種会議,イベント会場等においても,支障のない範囲で適正な冷房温度の設定を励行します。
⑵ 軽装勤務(クールビズ)の励行
- 執務室の温度管理を徹底するため軽装勤務(ノー上着,半袖シャツ,綿パンの着用など)を励行します。
- 「クールビズ=ノーネクタイ」ではなく,気温の状況や,公務のTPO(時間,場所,場合)に応じ,ネクタイの着用等,「夏のエコオフィス運動」の趣旨を踏まえた服装や身だしなみを意識するよう,積極的に周知します。
- 京都市主催の各種会議,イベント会場等においても,軽装での出席を励行するとともに,外部からの出席者へも支障のない範囲で協力を依頼します。
⑶ 伝統産業振興の観点から進める取組
3 取組内容の周知等
お問い合わせ先
京都市 総合企画局市長公室広報担当
電話:075-222-3094
ファックス:075-213-0286