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門川市長記者会見(2013年1月4日)

ページ番号134262

2013年1月30日

年頭の抱負

 新年あけましておめでとうございます。昨年は何かとお世話になりました。新年も,どうぞよろしくお願いいたします。

 市長に就任しまして,5回目の新しい年を迎えました。厳しい社会経済状況の下でありますが,「市民の皆さんのいのちとくらしを守る」,「経済の活性化と雇用の創出を図る」,さらには,「未来の京都に責任を負う」政策の実現に向けて,また,東日本大震災の発生から2年を迎えようとしていますが,被災地,被災者に心を寄せて,息の長い支援活動の一層の充実に向けて,市民の皆さんと一緒に,また,市職員一丸となって,議会とも連携を深めて取り組んでまいりたいと思います。

 さて,昨年は様々な面で前進の年であったというように思います。2月に市民の皆さんの御支援の下に再選させていただき,そして,「はばたけ未来へ京プラン」実施計画におけるリーディング事業について,その9割に初年度に着手することができました。厳しい財政状況の下でありますが,しっかりと選択と集中を行い,政策を融合させ,また,京都ならではの地域力,市民力を生かして取り組んでまいりたいと思います。特に区役所改革については,地方分権,地域主権時代に,区役所,区長が果たすべき役割をより重視して,区民の皆さんと一緒に頑張っていくための新たな制度として「区民提案・共汗型まちづくり支援事業予算」を発足させましたが,この間300もの事業が生き生きと展開されており,改めて市民力,地域力を実感いたしております。同時に区役所も含めまして,市役所職員の職員力というものも実感しています。第一回の京都マラソンは大成功でした。多くの市民の方の御理解,御協力を賜りましたが,職員が一丸となって努力した成果でもあります。また,京都水族館,鉄道博物館,岡崎の京都会館をはじめとした地域の活性化に資する事業が着実に進んでおります。こうした取組に更に勢いをつけていきたいと思っております。

 年頭に当たりまして,感じましたこと,特に重点を置きたいこと,いくつもあるんですけれども,ここでは3点に絞ってお話しさせていただきます。

 市長就任以降,とりわけこの1,2年実感いたしますのは,「日本の京都」,「世界の京都」の存在感,また果たすべき役割の大きさであります。今,時代はどんどんグローバル化いたしております。その中で,世界から,日本の文化が高く評価されています。同時に日本人自身がもう一度日本の文化や伝統に着目し,再認識してみようという流れがようやく起こってきたかなと感じております。身近なところでは,若い人が和服を愛するようになってきました。あるいは昨年,あの厳しい国会情勢の中で,「古典の日に関する法律」が超党派の議員により提案され,全会一致で成立いたしました。京都がこの4年間取り組んできたことが,ようやく実を結びました。しかし,これからであります。また,12月には,京都市会で全会一致で,「京都市清酒の普及の促進に関する条例」が制定されました。これは単に日本酒で乾杯しようといったことではありません。日本人が大事にしてきた伝統,文化を再認識しようというものです。「日本酒は世界で愛されており,消費が右肩上がりの国が多くあるのに,日本だけが右肩下がりである。どうしてだろう。」ということを酒造組合の方々,幅広い市民の方々が訴え続けられまして,文化の拠点都市,歴史と伝統のまち,またお酒と深く関わっている,この京都が「先頭を切ろうじゃないか」ということでもあります。千年を超えて日本人が大事にしてきたものを再認識して再評価して,それをきっちりと生活の中に生かしていこう,同時に全国に発信していこう,世界に発信していこう,こんな時であります。私たちが果たすべき役割は大きいと思います。皇室のどなたかに京都にお住まいいただこうという双京構想につきましても,数年前にはなかなか受け入れられなかったことですが,東日本大震災を経て,皇室の弥栄(いやさか),日本社会の発展,こういうことが大きな世論の支持を受けるようになってきました。また,リニア中央新幹線の京都駅ルートについても,単に「リニアを京都駅に停めてほしい。」ということではありません。「千年を超える日本文化の拠点都市・京都を国土軸から離してよろしいのですか。」,「100年後,1000年後の日本を考えたときに,それでいいのですか。」という大きな課題の提起であります。世界を見たときに,「軍事力,経済力も大事だけれど,文化力,ソフトパワーが極めて大事である。」,こういうことが言われ出して久しゅうございます。そうしたときに,何よりも日本が日本であるために,京都を大切にしていかなければならない,そのようなことが全国的にもじわじわと評価され始めました。京都市として,京都府,経済界,文化団体,あらゆる京都の力を結集して,より一層取り組んでまいりたいと思います。

 2点目は,民間の知恵,力,資金力を生かして,京都のあらゆるストックを活用して,京都を元気に,京都から関西を,日本を元気にしていく取組に,より拍車をかけていきたい。梅小路公園の北側の空き地スペースが水族館に生まれ変わりました。反対の声が声高に叫ばれましたけれども,大変好評でございます。お正月に隣の県の方から,「子供が遠足で行った。子どものあまりに喜んでいる姿を見て,家族で休みの日にもう一度行った。」,こんなことも聞きました。そして長年の懸案でありました鉄道博物館の平成28年春の開館をJR西日本が公式に発表されました。水族館に隣接する中央卸売市場の活性化についても取組が始まりました。また,岡崎では民間資金を活用した京都会館の再整備が始まりました。同志社大学の新しいキャンパスが完成し,この4月には7千人の学生さんが帰ってこられます。天神川には,京都学園大学が京都太秦キャンパスを開設され,また,深草には龍谷大学が国際文化学部を大津から移されて,2年後には,新たに3千人の学生が京都で学ばれることになります。大学も含めた民間の力をしっかりと生かして,民間企業の誘致,あるいは民間と一緒になった産学公連携の知恵産業の推進,そうしたことも含めて取り組んでいきたい。

 3点目は,市民の皆さんのいのちとくらしを守る福祉,介護,医療,子育て支援策など地域に根差した取組を更に活性化させていきます。同時に,東日本大震災を教訓にした安心安全の取組,産学公連携による活性化,さらに中小企業の活性化,そうしたことにしっかりと取り組んでいきたいと思っています。特に民間と力を合わせ,あらゆる縦割り行政,二重行政を打破し,京都府や新しい政権の政策とも連携しながら京都で実現していく。そうした取組にまい進してまいります。常々申し上げている政策の「融合」と市民の皆さんと共に汗する「共汗」を更に強化していきたいと思っています。

梅小路公園の拡張再整備~新たな賑わいと憩いの場の創出~

 梅小路公園に京都水族館ができ,そして鉄道博物館の開館がJR西日本から正式に発表されました。それに併せまして,京都市において計画している「市電広場(仮称)」を含めた梅小路公園の拡張再整備について御説明申し上げます。

 梅小路公園は,建都1200年を記念して創設されたものであります。都心部にありながら,非常に花と緑が豊かであります。JR梅小路駅貨物跡地にできた「いのちの森」は狭い所ですが,御所よりも生物多様性に富んでおり,世界的に注目されています。そうした所が京都駅から歩いて十数分の所にあります。正直申し上げると,一昨年まで年間を通じてはさびしい所でありましたが,水族館によって大きく活性化されました。それをより加速させるのが日本最大級の鉄道博物館であります。また,蒸気機関車館は,7両の蒸気機関車が動態保存されている世界に冠たるものであります。隣の中央卸売市場もどんどん活性化していきます。そうした中で市電の展示・活用をしていきたい。京都市は,日本で最初に路面電車が走ったまちであります。その電車も含めて,大正,昭和の電車を大切に保存してきました。それらを生かしまして,「市電広場(仮称)」を開設します。また,梅小路公園に隣接しますJRの社宅跡地約半分を活用しまして,「すざくゆめ広場(仮称)」を開設いたします。そして,この2つの広場をチンチン電車でつなぎ,日本最大級の鉄道博物館と日本で最初の路面電車であるチンチン電車が一体となった鉄道の広場にしていきたいと思っています。

 そのチンチン電車とは別に7両の市電が残されております。明治45年から昭和41年までに製造された,その時代時代の典型的なモデルを残しております。そのうち,1両については,運行当時の姿を再現し常設展示致します。残り6両のうち,2両は梅小路公園の総合案内所として活用し,あとの4両につきましては,貸店舗として活用していきたいと考えております。この市電6両につきましては,民間の夢のあるアイデアを募集していきたいと思っています。現在運行しているチンチン電車は,電線から電気を引いておりますけれども,今回は,京都の最先端のものづくりの力を生かしまして,最新鋭の蓄電池(EV)を動力源として活用し,最新のEV電車に改良します。そして,緑に包まれた公園環境と調和させるため,市電の軌道敷も緑化します。「すざくゆめ広場(仮称)」の面積は約5700㎡を予定しております。芝生を敷き詰めまして,主要部には子どもたちが伸び伸びと遊べる市内最大級の大型遊具を新設したいと思っています。これらについても市民の皆さんのお知恵,アイデアを募集していきたいと思っています。また,水族館の開業によりまして,多くの人にお越しいただいていますが,その結果,「休む所がない。」,「お茶を飲む場所がない。」という声も聞いています。商店街等も活性化のために,様々な取組もしていただいておりますが,この広場の中に,民間の提案を受けまして,カフェを開設したいと,その店舗の募集も民間から受けたいと思っています。

 今後のスケジュールですけれども,平成25年4月に市電の展示・活用と店舗運営事業者の募集を行います。6月には拡張整備工事に着手いたしまして,平成26年1月に全面開園したいと考えております。

 水族館,鉄道博物館,そして「市電広場(仮称)」,「すざくゆめ広場(仮称)」,さらに,中央卸売市場,あるいは,リサーチパーク,東西の本願寺をはじめとした京都の歴史と伝統を誇ります地域の文化遺産,あるいは嶋原商店街等が一体となって,下京区全体の活性化に結び付けたいと思います。

質疑応答(要旨)

<報告案件に関する質疑>

(梅小路公園の拡張再整備について)

記者 

 どういう経緯で新しい広場を作ろうと考えたのか。

市長

 今年度は京都市の公営交通100周年ですが,市電の車両は先人の方々により,保存され続けてきました。また,鉄道博物館の開業がようやく決定しました。その時機を捉えて活かすことが狙いであります。蒸気機関車館の奥に京都市の土地があり,そこに鉄道博物館が開設されます。そして,梅小路公園の芝生広場と水族館の延長上にJR西日本の社宅跡地があります。その跡地の半分をJR西日本から借り受けるなどにより,総事業費5億7千万円の予定で再整備を進めます。

(年頭の抱負(25年度予算編成)について)

記者 

 政権交代があり,国の来年度予算編成が遅れているが,京都市への影響は。

市長

 影響が出ないよう最大限に知恵を絞りたいと思っております。19年前に予算編成が越年し,年度内に国の予算案が確定しないという今回と同じ様な状況がありました。基礎自治体である京都市としては,4月からスタートしないことには,事業が成立しません。また,経済対策等々は待ったなしであります。そうしたことから,あらゆる情報を集めて,苦渋の選択も時にはあろうかと思いますが,ベストの選択をして,京都の経済の活性化,福祉,子育て支援,安心・安全の取組に万全を期する予算編成を当初予算で組みたいと思います。

 また,国では暫定予算が組まれ,15箇月予算とも言われております。私も12月26日に市会最終本会議が終わりまして,すぐに国に行ってまいりました。国会議員や省庁の代表の方に会ってきましたが,国の政策をしっかりと京都で実現していく,同時に国に対して政策提言していく,こうした取組を今全庁を挙げてやっております。そうした中で,情報もきっちりと集め,最大限努力して予算を組んでいきたいと思っております。また,国の予算が決まった段階で,補正予算を組んでいくということも大事だと思いますので,柔軟に対応しながら取り組んでいきたいと思っております。

(梅小路公園の拡張再整備について)

記者 

 梅小路公園を拡張再整備することで,どの程度の賑わいが創出されると見込んでいるか。

市長

 平安遷都1100年を記念して開設された岡崎公園の周辺地域は,それぞれの施設を合わせますと,年間500万人の方が利用されます。ただ美術館に来られた方に次の施設に行っていただく,音楽会に行かれた方が帰りに美術館に寄られるなど,施設同士の連携,相乗効果を生み出すということができておりませんので,MICE戦略などを進めることで,更に活性化し,より賑わいを生み出していきたいと思っています。

 一方で,梅小路にある水族館は,初年度の来場者数の目標200万人を7箇月半で達成されました。また,鉄道博物館の建設に約70億円が投資され,新たに年間100万人近い方が来られるようです。動物園の4倍の土地,15万平米の敷地がある中央卸売市場,さらに,先端企業等200社を超える企業が集積するリサーチパークや島原などもありますが,下京全体は,都心部でありながら,必ずしも活性化していません。こうしたことから下京にかかわるすべての事業者の参画を得まして,下京活性化のプロジェクトが動き出しました。その勢いをつける起爆剤の役割を梅小路公園や中央卸売市場が果たしていきたいと思っております。

(年頭の抱負(福祉)について)

記者

 社会福祉に関する予算が増えていく中で,政府も生活保護費を削減すると言われているが,市長のお考えは。

市長

 基礎自治体であり,かつ広域行政を担う京都市として,市民の皆さんのいのちとくらしを守り,同時に,未来に責任を持つために,経済の活性化や雇用の創出に取り組んでいきます。厳しい財政状況ではありますが,「はばたけ未来へ!京プラン」に掲げたしっかりとした政策を着実に実行していきます。そのために,なお徹底した行財政改革も進めていきます。

 生活保護につきましては,「必要な人に必要な保護をする」ということをしっかりと守ります。そのために,京都市ではこの間,ケースワーカー等に100名の職員を増員して,万全の態勢で取り組んでいます。また,不正は一切許さないということで,徹底した取組を進めております。医療機関に対する様々な調査を行い,医療機関の指定取り消し等も行いました。さらに,不正受給に対する告発など,京都市としてできることはすべて行ってきました。

 また,生活保護は国の制度であります。国の制度改革を求めなければ実現できないことが数多くあります。例えば,地方自治体が行う資産等の調査について,調査対象者に回答が義務付けられていなかったり,不正受給に係る返還金を生活保護費から天引きできないといった状況にあります。こうしたことについて,制度改革を国に迫っております。

 さらに,生活保護費の44%が医療費であります。必要な人に必要な医療は不可欠ですが,あまりにもコスト意識が無さ過ぎるのではないかと思うこともあります。生活保護受給者に対する医療が抑制されることのないような体制を取りながら,医療費の一部自己負担化,生活保護費の中に医療費を含めるような方法もあります。医療費の一部負担等については,近畿市長会,指定都市市長会として,議論の結果をまとめて国に要望しています。生活保護制度が国民の信頼を得られるものになるように,単に生活保護費を切り下げるといったことではなく,必要な人に必要な生活保護費がきちっと払われる,必要でない人には一切受けてもらわない,しっかりとした制度になることを引き続き国に求めていきたいと思います。

(梅小路公園の拡張再整備について)

記者 

 チンチン電車に活用する蓄電技術は,新しい技術なのか。

市長

 電車を蓄電池のみで動かすということは,どこもまだされておりません。

記者

 京都独自の技術か。

市長

 現在の架線式のチンチン電車を動かすためには,変電所を造らなければならず,技術者の配置も必要で,コストが高い。そこで,設備やランニングコストの低コスト化を図るため,移転に併せて,蓄電池を使った最新のEV電車になるように調整しています。幸い,京都にはものづくりに優れた企業が数多くあります。

記者

 「すざくゆめ広場(仮称)」の東側にあるJRの所有地はどうするのか。

市長

 JR西日本が,今後,活用を考えられます。現在,鉄道博物館の建設予定地となる京都市の所有地には,遊具のある広場がありますが,これを公園の中心部に移し新たな広場として整備することによって,京都市としても公園と広場を一体化でき,一方,JR西日本においても鉄道博物館と蒸気機関車館が一体的に整備できるという構想であります。

(梅小路公園の拡張再整備について)

記者

 梅小路公園への新駅の誘致について,どのようにお考えか。

市長

 下京区西地域全体の活性化にもつながりますので,引き続きJR西日本において主体的に設置されるよう要望していきたいと思っています。

<その他の質疑>

(新政権に対する期待について)

記者

 新政権に期待されている点と,市として新たに要望されることはあるのか。

市長

 京都市では,東日本大震災を教訓に,130項目に及ぶ提言をいただきました。橋の耐震補強を最優先するため,道路の整備等を抑制しなければなりません。橋の耐震補強だけで5年間に150億円が必要です。  

 無駄な公共事業は絶対に駄目ですけれども,非常に厳しい状況の中で,安心・安全のための事業,道路整備事業等を進めていますので,こうしたことについて新政権に期待しております。

 もう一点は,京都市ではかねてから「国家戦略としての京都創生」に取り組んできました。日本人の誰もが,とりわけ政治家・リーダーの方々が「京都は日本の宝である」とおっしゃいます。私たちもそのように思います。しかし,相続税の制度や建築基準法などは全国一律であり,相続の度に京町家を売らざるを得ない,あるいは,潰さざるを得ないといったことがあります。

 こうした中で京都市では,日本の京都,世界の京都,これをしっかりと大事にしていこうと,「国家戦略としての京都創生」に取り組んできました。日本の宝である京都を守るため,まず京都市民が最大限の努力をします。その大きな取組の一つとして,新たな景観政策があります。建物の高さや建物のデザインの規制を全市的に強化する。看板の政策も然りであります。全国はもとより世界で初めて,屋上にある看板を撤去していく。電飾の看板を全部撤去する。そのために80人体制でローラー作戦を行う。こんなことは世界でも例がありません。京都市民,そして京都市などの自治体も含めまして,世界の宝,日本の宝,京都を守るために全力で取り組みます。同時に,国家として責任を果たしていただきたい。これが「国家戦略としての京都創生」であります。

 第一次世界大戦・第二次世界大戦ではヨーロッパの多くの歴史都市が瓦礫の山になりました。その時に,それぞれが国家の威信をかけて歴史都市を復興させています。にもかかわらず,日本ではそういうことが一切行われていなかった。したがって古都・京都が危機に瀕している。京都だけではなく鎌倉でも同じであります。その中で,例えば「歴史まちづくり法」という新しい法律ができました。ようやくそのおかげで,半分補助金により実現したのが,上七軒の電線電柱の地中化です。あれは「歴史まちづくり法」の補助制度によって実現できたわけです。前政権の時にこれは認証していただきました。

 地方分権・地域主権は補助金制度ではないという政策の転換の下に,必要なものは必要だと訴えてきました。重要文化財などは補助金が無くては守られないわけです。地方のことは地方でやるということを国に訴え続けてきました。京都選出の国会議員の方は超党派で御理解いただきましたが,前政権では理解していただけなかった。「双京構想」も含め,また歴史都市・京都を守るための「国家戦略としての京都創生」について,京都も努力しますが,同時に国家政策が大事であります。安倍総理は「美しい日本」として日本の精神文化を大事にするとおっしゃっていますので,これらの前進を望んでおります。

 また,そういう意味では,これから京都で国際会議を開催することが非常に大事です。かつて全て国費で京都迎賓館を設置いただきました。これは外国の国賓が京都に泊まられることは大事である,京都ならではの「おもてなし」をすることが日本のためになるということで造っていただきました。日本のために京都の果たす役割,これを改めて政府においても認識していただきたい。このことをしっかりと要望していきたいと思います。同時に,これらの要望に応えていただけるのではないかと大いなる期待をもっています。

(首長の兼務について)

記者

 嘉田滋賀県知事が政治団体の代表を辞任されることを正式に発表されたが,市長の所感は。

市長

 賢明な判断をされたと思います。

(首長の兼務について)

記者

 賢明な判断をされたと思われる理由は。

市長

 私が副会長を務める指定都市市長会において,二院制改革,参議院改革を進めると同時に,首長が首長のままで国政に参加するという道は拓かれても良いのではということで,現在とりまとめをしているところです。政令指定都市の市長の中でも色々意見があります。その中で,例えば,過疎地の首長さんが,その立場のまま,参議院で現状を訴えられるなど,日本の国全体の発展のために国政の場で発信されるといったようなことが考えられたら良いと思います。

 首長が首長のままで国政に参加することをすべて否定しているわけではありません。ただ,党首を兼ねるということはなかなか大変なことで,私自身はスーパーマンではないので,なかなかできないということを申し上げてきました。したがって,嘉田知事は賢明な御判断をされたと思います。

記者会見資料(平成25年1月4日)

梅小路公園の拡張再整備について~新たな賑わいと憩いの場の創出~

建設局(水と緑環境部緑政課 電話222-3589)

 梅小路公園においては,昨年3月,京都水族館が開業し,開館7箇月半で初年度の入館者の目標である200万人を突破するなど,多くの市民や観光客の皆様により,賑わいを増しています。

 また,昨年末には,本市がかねてより誘致し,待ち望んでいた,新たな鉄道博物館の計画(平成28年春頃開業)がJR西日本から発表され,梅小路公園において民間活力を導入した公園機能の充実が進んでいます。

 この度,京都市では,梅小路公園の賑わいと御利用いただく方の憩いの場を創出するため,京都水族館と鉄道博物館予定地を結ぶ,公園の中心にあたる広場を下記のとおり拡張整備しますので,お知らせします。

1 再整備の概要

 芝生や緑あふれる広々とした交流ゾーンとして,チンチン電車や市電を活用し,新たな賑わいゾーンとして再整備します。

 京都水族館の西側には,新たに「市電ひろば(仮称)」を整備し,JR社宅跡地の西半分には,芝生広場や大型遊具の新設を中心とした「すざくゆめ広場(仮称)」を整備します。また,両ひろばには乗降場を設置し,チンチン電車を走行させます。

 「すざくゆめ広場(仮称)」には,チンチン電車整備場と合わせて,休憩施設(カフェ)を設置する予定です。

(1)「市電ひろば(仮称)」の整備について~市電の静態展示と新たな活用~

 「市電ひろば(仮称)」などを整備(約700㎡)し,年式の異なる市電車両(7両)を常設展示します。

 京都市の公営交通は,今年度,100周年の節目を迎えました。これを契機として,これまで保管してきた各年代を代表する貴重な7両の市電を,市民の皆様に愛され,親しんでいただけるよう,展示,活用します。

     【1両:運行当時の姿で常設展示】
     【6両:コンシェルジュ機能や貸店舗として活用】

市電ひろば(仮称)イメージ

  市電ひろば(仮称)イメージ

保管している市電一覧(別紙1参照)

型式名

車両製造時期

広軌1型

明治45年

500型

大正13年

700型

昭和33年

800型

昭和31年

900型

昭和32年

1600型

昭和41年

2000型

昭和39年

(2)チンチン電車の動態保存(改良・移設)について

 現在,架線方式で運行している日本最古のチンチン電車を,京都のものづくりの力を生かし,地球環境にも優しい最新鋭の蓄電池(EV化)を動力源とするチンチン電車に改良します。

 なお,公園内の運行にふさわしい緑化軌道(軌道敷の緑化)に整備します。

現在運用しているチンチン電車

  現在運行しているチンチン電車

(3)「すざくゆめ広場(仮称)」の整備について(別紙2参照)

 鉄道博物館の建設を契機に,現在のふれあい広場(鉄道博物館建設予定地内)の広さに相当する面積(約5,700㎡)の広場を整備します。

  ・芝生広場
  ・大型遊具(市内最大規模)
  ・休憩施設(カフェ)

※「すざくゆめ広場(仮称)」の名称及び大型遊具の種類については,今後,市民の皆様の御意見をいただきながら決定します。

すざくゆめ広場(仮称)イメージ

  すざくゆめ広場(仮称)イメージ(西乗降場付近)

  <用地面積>

   「すざくゆめ広場(仮称)」(梅小路公園に隣接するJR西日本梅小路社宅跡地の西半分程度):約5,700㎡

   「市電ひろば(仮称)」(JR西日本梅小路社宅跡地の東側用地の一部):約700㎡

    上記2箇所を結ぶチンチン電車の軌道敷地など,隣接する園路部分:約3,400㎡

     ※1 既存の公園区域を含め再整備面積は,9,800㎡程度の予定

     ※2 社宅跡地の西半分はJR西日本から新たに借受け,社宅跡地の東側用地の一部は,本市所有の梅小路公園敷地と相互貸借することで,公園用地の一体利用を図ります。

2 民間活力の導入

 カフェの設置については,環境や景観に配慮し,公園との一体感を重視した店舗運営提案を,市電の展示・活用については,地域の活性化につながるアイデアを含んだ活用提案を,それぞれ民間事業者から募り,運営事業者を選定します。

 なお,これら公園施設の基盤整備は本市が行います。

3 総事業費

 約5億7千万円(見込み)※平成25年度予算として提案予定

4 スケジュール(予定)

平成25年4月  市電の展示・活用,カフェ運営事業者募集

       6月  拡張公園整備着工

      10月  チンチン電車運行休止

      11月  拡張公園部分開園(大型遊具供用開始)

平成26年1月  拡張公園全面開園(チンチン電車新規運行,カフェ等開業)

   <参考>

     梅小路公園の概要

      開園:平成7年4月29日

      総面積:128,468㎡(平成23年11月22日に公園区域変更告示)

      拡張面積:約6,400㎡

         ・すざくゆめ広場(仮称)約5,700㎡
                     ・市電ひろば(仮称)  約  700㎡

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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