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門川市長記者会見(2012年9月5日)

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2012年9月24日

はじめに

 まず,8月下旬に,中華人民共和国の青島市及び西安市を訪問してきましたので,御報告させていただきます。

 青島市とは,市民間の交流が深まる中で,7月に,張 (チャン)青島市長が京都市にお越しになられ,8月に,パートナーシティ盟約を締結することで合意しました。

 これを受け,この度,市民交流団の方々と共に青島市を訪問し,経済,環境,文化,スポーツ,教育等について,民間交流を促進するために,パートナーシティ提携書の調印を行いました。また,「経済協力パートナーに関する覚書」も結びました。今後,経済や教育等の分野,とりわけ留学生の受け入れなどで更に交流を深めていきたいと思っています。

 なお,平成26年に,青島市におきまして,「2014青島世界園芸博覧会」が開催されます。相当の意気込みで準備をされております。青島市から,「京都の庭園文化は世界最高である。ぜひ出展してほしい。」とおっしゃっていただき,また,本来出展者が負担するべき建設費等も青島市で負担していただけるとの申出をいただき,パートナーシティ締結をした記念として,出展させていただくこととしました。京都ならではの庭園文化を世界に発信していきたいと思っています。

 また,この4月に中国の世界的企業であるハイアールに,京都市内に研究開発拠点を新たに開設していただきましたが,そちらの副社長と一緒にハイアールの本社も訪問してきました。これからもしっかりと経済面の協力関係も充実していきたいと思っています。

 青島市は,非常に美しい街でした。ヨーロッパのような街並み,そして,1千万人近い人口を抱える活力あふれる都市であり,発展する中国を目の当たりにした感じでありました。市民交流を更に促進していけたらと思います。

 また,西安市につきましては,日中国交正常化40周年,そして,陝西省の仏教会創立50周年を記念し,日中仏教書画展が開催され,有馬賴底京都仏教会理事長をはじめ,宗教界の方,マスコミ関係者,そして文化人の方々30数名と訪問してまいりました。開会式に立ち会い,御挨拶申し上げました。大変熱気にあふれたすばらしい書画展であったと感じております。

 日中関係,非常に厳しい時期の訪問でありました。テレビでは色々な報道がされておりましたけれども,私自身中国で,反日感情的なものは一切感じませんでした。また,国と国との関係が複雑な問題を抱えるときこそ,改めて,都市間交流,市民交流というものが大事だと実感いたしました。

 青島,西安,それぞれ市を挙げて,また,多くの市民の方々から歓迎していただき,本当に交流の大事さを実感しております。

 京都市と西安市は,2年後に京都・西安友好都市40周年を迎えます。その事業等についても色々議論させていただきました。実り多きものにしていきたいと思っています。

 世界歴史都市会議の加盟は95都市にまで広がってきましたが,京都市長が会長,西安市長が副会長を務めています。今後更にアジア等において,加盟都市を広げていこうということも話し合ってきました。

大規模災害時における観光客等帰宅困難者対策

 続きまして,私から3点御説明申し上げます。

 1点目は,大規模災害時におきます通勤・通学者,観光客等の帰宅困難者対策の構築であります。東日本大震災を教訓に取り組むべき大きな課題であります。

 京都市では,東日本大震災発生後,直ちに,「京都市防災対策総点検委員会」を立ち上げ,専門家や市民の代表を含めまして,侃侃諤諤の議論をしていただき,中間報告に続き,12月に最終報告として,130項目に及ぶ具体的な取り組むべき施策について提言いただきました。

 これを受けまして,直ちに提言を具体化すべく,緊急度の高いものから優先順位をつけ,スピード感を持って実行しているところであります。

 具体的には,京都市の防災対策の根幹であります「地域防災計画」の総点検を行って必要な見直しを図るとともに,新たに,国に先駆けまして「京都市原子力発電所事故対応暫定計画」を策定しました。同時に「いのちを守る橋りょう健全化プログラム」を策定しました。また,「まちの匠の知恵を活かした京都型耐震リフォーム支援事業」を創設し,民間住宅の耐震補強に関する支援策を大幅に強化しました。さらに,市内107箇所の福祉避難所の事前指定を行い,ボランティアの受入れ準備,「地域における見守り活動促進事業」,「避難所運営マニュアル」の策定等の取組を急ピッチで進めているところであります。

 今日,説明申し上げますのは,帰宅困難者対策についてであります。京都市は,御承知のとおり,国内外から年間5000万人もの方が訪れる,日本を代表する,世界に冠たる国際観光都市であります。この課題解決に向けては,大学や民間企業等の事業所に加えまして,観光関係団体や鉄道事業者と共に取り組んでいく必要があります。

 大規模災害が発生した場合,鉄道や道路の被害,交通規制等に伴う公共交通機関の停止や自動車の通行止めなどの影響により,約37万人(通勤・通学者数24万人,観光客数13万人)が帰宅困難者になると推定しています。

 そこで,今般,京都市として帰宅困難者対策の基軸とする4つの対処方針を定めました。一つ目は,正しい情報を伝える。二つ目は,安全な場所にとどまっていただく。帰宅の見通しが立つまで,むやみに移動していただかない。三つ目は,ターミナルに人を集中させない。四つ目は,帰宅困難者の食糧,防寒具等の支援の充実を図る。以上4点であります。

 そして,この対処方針の下に,今回,特に帰宅困難者が集中しますターミナル周辺における安全確保,観光客等への情報伝達手段の確保,一斉帰宅の抑制など,帰宅困難者への対応策として,必要な調査を早急に実施したうえで,遅くとも今年度中に「ターミナル対策協議会」を設置するとともに,年内には「観光地対策協議会」と「事業所対策協議会」を設置し,具体的な検討につきスピード感を持って進めてまいります。

 まず,1点目の「ターミナル対策(京都駅周辺)協議会」でありますが,市内ターミナルの中でも最も多くの帰宅困難者の発生が予測される京都駅周辺をモデル地区とした「都市再生安全確保計画」を策定いたします。計画を策定するために,想定される帰宅困難者数などの基礎データを収集し,課題を整理したうえで,遅くとも年度内には協議会を設立します。そこで,帰宅困難者が数日間滞留するための施設の確保や,駅ターミナルでの備蓄食糧,飲料の確保や提供時のルールなどを検討してまいります。

 なお,基礎データ収集のための調査費用として1,000万円を要しますが,これにつきましては,9月市会の補正予算案として提案を予定いたしております。

 メンバーは,鉄道事業者をはじめ,地下街,百貨店,ホテル,大規模な複合ビルの管理者,国,京都府,京都府警など,京都駅周辺の関係者で構成したいと考えております。

 次に2つ目の「観光地対策協議会」についてであります。

 観光地で身動きのとれない観光客を円滑に誘導するための基本的な対応パターン等をまとめた取組指針を策定いたします。併せて,観光地ごとの地域特性に応じた対応が必要であることから,地域ごとの避難誘導計画の雛形となるマニュアルを作成いたします。

 年内に協議会を設立し,年度内に取組指針及びマニュアルを策定します。来年度は,観光客が集中する清水・八坂地域と嵯峨・嵐山地域において,マニュアルに基づき,具体的な一時滞留場所や避難誘導方法を明記した「地区避難誘導計画」を策定いたします。

 このメンバーは,寺院・神社,商店街,観光施設等の観光関連事業者に参画いただくことを考えております。

 次に3つ目の,「事業所対策協議会」は,市内に通勤・通学しておられる方が多く留まることになる事業所向けの指針を策定いたします。

 事業所を,1 ホテル等の宿泊施設,2 大型集客施設,3 工場等の施設,4 大学等の学校施設の4つに区分し,それぞれの事業所の関係者を委員とする検討部会を設置いたします。業種ごとに指針を策定し,一斉帰宅の抑制・分散化,安全な一時滞留場所の確保や非常用物品の備蓄などについても,きめ細かく検討してまいります。

 この協議会は年内には設立し,全体を通じた方向性を定め,来年度に,業態に分けて4つの部会を設置し,業態ごとの指針を策定してまいります

 以上3つの協議会での検討結果等を踏まえまして,庁内に新設する関係部局からなる「帰宅困難者対策総合調整会議」を設置し,市民ぐるみで進める協議会と庁内体制をしっかりと連携させまして,進ちょく管理を行い,最終的に「京都市地域防災計画」に反映させてまいります。

 東日本大震災では,首都圏で約515万人もの帰宅困難者が発生したと言われております。この事例を見ても分かるとおり,帰宅困難者対策は,行政だけでできることではなく,民間事業者,地域と一体となった取組が不可欠であります。

 これまで,観光客を含めた総合的な帰宅困難者マニュアルの検討や策定は,他の自治体では行われてきておりません。

 全国に先駆けて,京都モデルとなる総合的な帰宅困難者対策について,民間事業者,観光関連事業者,市民の皆様と連携し,スピード感を持って取り組み,あらゆる事態を想定して,通勤・通学あるいは観光客の皆さんに安心していただけるような取組を進めてまいりたいと考えています。

京の食文化ミュージアム・あじわい館の開設

 次は,「京の食文化ミュージアム・あじわい館」の開設についてであります。

 世界無形文化遺産登録を目指す和食,その代表が京料理といってよいと思います。“京都の四季を五感で味わい,京都の食文化に親しむ!”,これをコンセプトに,「みる,つくる,あじわう」ことができる全国で初めての施設として,食材の宝庫であり,また,京都の食文化を支えてきました京都市中央卸売市場内に「京の食文化ミュージアム・あじわい館」を開設いたします。

 京都は日本文化の源といわれ,また,その文化の中で大きな役割を果たしているのが,食文化であります。平安京建都以来,京都は,日本の食文化,和食の文化の源流であります。

 そこで,今年開設85周年を迎え,日本で最も古い歴史を誇る京都市の中央卸売市場に,「あじわい館」を開設します。

 ここでは,伝統的かつ創造的な四季折々の京料理の素晴らしさを,市民の皆さんはもとより,多くの観光客の皆さんにも体験していただく,味わっていただきたいと思います。また,世界無形文化遺産の登録への機運の盛り上げも行っていきたいと思っています。京料理の普及啓発を行うほか,中央卸売市場の豊かで新鮮な食材,京都府との連携による京都産農水産物の普及拡大を図るための施設としても役割を果たしていきたいと思っています。

 「みる,つくる,あじわう」ことによって,伝統ある京の食文化を,幅広い人々に五感で味わい,体験していただきたいと思います。

 まず,「みる」機能としては,市場の歴史や流通の仕組み,取り扱う食材を紹介するほか,京焼・清水焼のお皿や京漆器のお椀,あるいは京刃物,砥石など調理に用いる,また,料理を引き立てる,これらの伝統産業製品も展示します。食に関する書籍等の配架も行い,京都の中央市場で取り扱います京都ならではの加工品の展示販売も行っていきたいと思います。

 「つくる」では,市場の新鮮な旬の食材を使った京料理,あるいはおばんざいの料理教室を開催するほか,様々な料理教室にも御利用いただきます。

 「あじわう」では,京の歳時記や大寒,立春などの二十四節気と合わせた伝統的な行事食の試食,懐石料理,おばんざいをいただきながら京の食文化を学んでいただく講習会など,様々な取組をしたいと思っています。京の名店の料理を味わうイベントなどにより,季節季節の,京都が大事にしてきた文化を感じてもらいたいと思っています。

 「あじわい館」は,12月16日から来年3月までをプレオープン期間として,中央卸売市場開設85周年記念事業と銘打って,多くの市民,観光客の方々に楽しんでいただけるよう,準備を進めてまいります。無料の企画展示や一部無料の料理教室,あるいはワンコインで試食していただける京料理等,多彩な事業を展開していきたいと思っています。そして,皆様のニーズなどをしっかりと把握したうえで,25年4月に本格オープンさせる予定であります。

 8月5日にオープンした「すし市場」,梅小路公園の水族館などと連携し,下京区西部地域全体の活性化,さらに,市場の活性化の原動力にしていきたいと思っています。ちょうど,すし市場が1箇月を迎えましたが,さすが京都の中央市場の仲買の関係者の皆さん,そしてオール京都のすし組合の皆さんが力を込めて店を作っていただき,大好評でございます。「あじわい館」が,第2弾ということになろうかと思います。

通学路の安全確保に向けた取組

 3点目は,通学路の安全確保に向けた取組であります。

 本年4月に,東山区,亀岡市で相次いで発生した痛ましい交通事故を契機に,万全の対策を進めてまいりました,通学路の安全確保に向けた取組について,これまでの取組と今後の方針等を御説明申し上げます。

 京都市では,事故発生を受けまして,直ちに,建設局,教育委員会を先頭に,市内の全市立小学校170校の通学路の総点検を実施しました。その結果を基に,各行政区単位で設置しております「土木事務所・警察署道路交通連絡会議」において,対策を必要とする箇所を洗い出すなど,京都府警や学校,地域の皆さんとも連携を深めながら,全庁一丸となった取組を進めてきました。

 第1次対策では,ハード対策として,市内8箇所の土木事務所の職員が,最優先課題として,直営で,ポストコーンや電柱幕の設置について,全力で取り組んできました。また,路面標示の補修等を請負業者に委託するなど,緊急に対応が必要な2,380箇所については,1億1,200万円の予算を投入しまして,8月までに完了いたしました。

 また,ソフト対策といたしましては,通学路の変更,あるいは,京都の地域力を活かした見守り隊の充実,交通安全指導などの取組を進めてきたところであります。

 お手元に,路面標示を補修した箇所の通学風景の写真をお配りしておりますが,子どもたちが,広げた路側帯の中を白線をしっかりと見ながら登校しております。

 今後は,第2次対策といたしまして,議会に補正予算をお願いし,土木事務所,小学校,区役所等が一丸となって,地域の協力も得ながら,更なる安全対策に取り組んでまいります。

 具体的には,学校の校門から200メートルの範囲を一つのゾーンとして,警戒標識を新たに設置し,歩道のない通学路の路側部分,あるいは見通しの悪い等の課題がある交差点部分のカラー化や路面標示の補修等を行います。これによりまして,ドライバーの方々に対して,「学校が近いですよ」,「気をつけて運転してください」と,しっかりと注意喚起していきたいと思います。

 京都市は,歴史都市・京都にふさわしい美しい景観の保全と創造に取り組んでおります。道路を舗装する際にも,厳しいガイドラインを作っております。カラー化に当たりましては,道路の安心・安全の確保と景観の保全との両立,調和を図るため,創意工夫を凝らしました。交差点については,路側部を地道色(じみちしょく)で塗り,交差点を浮かび上がらせるような工夫をしております。

 また,歩道整備などの道路改良につきましては,安全な歩行空間を確保するために,路肩の整備や水路の蓋掛け,あるいは防護柵の設置を行ってまいります。

 さらに,市内に合わせて10校ある私立と国立の小学校につきましても,既に,現地確認のうえ,各学校と協議を進めておりまして,必要な安全対策を講じてまいります。

 京都市が全国に先駆けて,こうした取組をしっかり進めてまいります。そのために,9月市会で6億8千万円の補正予算をお願いしたいと考えております。市会で議決いただいた後,年度内に対策を完了したいと思っています。

 子どもたちが安心して通学できるよう,市民の皆さんのお力も得ながら,より一層充実した取組を進めてまいります。

質疑応答(要旨)

<報告案件に関する質疑>

(帰宅困難者対策について)

記者
 帰宅困難者対策について,東日本大震災から一年半が経過しているが,この間具体的にどのような取組を行ってきたのか。

市長
 各々の部署で主体的な取組を行い,様々な行政活動をしてきました。そして,国とも連携しながら東日本大震災でどのようなことが起こったのかといった実態を把握してきました。

 それらの検討結果に基づいて,全国の先頭を切り,今日発表する取組を進めていくということであります。昨年12月に「京都市防災対策総点検委員会」からいただいた130項目の答申に基づき,福祉避難所の開設,ボランティアセンターの開設,大飯原発の事故の想定など,あらゆる取組を同時並行で行っています。また,大阪市と連携した帰宅困難者対策の実地訓練などもすでに行っています。

 さらに,スピード感も大事でありますので,この度の協議会を設立することとしました。

記者
 外国人対策については何か検討しているのか。

市長
 すでに,3年前から防災訓練に外国人も参加していただいています。また,国際交流会館,さらに通訳等の方々も含めた取組の実績がございます。そうした実績をもとに新たな取組をしていくということです。

記者
 災害時も問題なく対応できるということか。

市長
 問題なく対応できるのであれば,対策は必要ありません。これから外国人対策も含め,改めて取り組んでまいります。

記者
 帰宅困難者のうち,外国人の人数について推計は出ているのか。

市長
 外国人観光客の人数は時期によって異なります。宿泊されている外国人の人数は把握できますが,それ以外の人数について,厳密な調査結果はありません。京都駅におられる方が外国人であるかどうか,高速道路で来られる方が外国人であるかどうかというのは一切分かりません。

 宿泊される外国人観光客については,昨年から多言語対応のコールセンターを設置し,また,今後,市内630箇所において,インターネットを使える環境を整備します。これは本来観光対策なのですが,いざという時の帰宅困難者に対する情報発信等の役割も果たすことができます。

 そして,帰宅困難者対策を具体的に実施するために,1,000万円の予算により,どの範囲でどれだけのことが起こるのかを調査してまいります。

記者
 協議会の中に外国人を支援する団体は含まれるのか。

市長
 含まれます。

記者
 帰宅困難者のための備蓄であるが,普段の避難所の備蓄とは別に用意するのか。

市長
 別に用意します。帰宅困難者には,京都駅や京都駅周辺の大規模な施設,大学や事業所などに留まっていただきます。そのためには,どれだけの物を滞留場所に備蓄しておく必要があるのかを検討し,対策を具体的に示します。

 現在,全国の自治体で住民に対する対策,備蓄等はやっておられるが,京都市では,帰宅困難を前提に対策を行ってまいります。

記者
 現在,備蓄している物資を帰宅困難者対策に使用するのか。

市長
 そのようなことも含めて検討し,対策を決めてまいります。

(通学路の安全対策について)

記者
 通学路の安全対策について,ハード対策以外に,速度制限や通学時間帯の通行止めなどを検討するのか。

市長
 警察署と学校,土木事務所,地域で,「交通安全対策協議会」を設置していただいており,その中で,一方通行にした方がいいとか,一旦停止を新たに作った方がいいとか,横断歩道を作った方がいいといった協議を個別にしていただき,具体的な取組を進めています。

記者
 国立と私立の小学校についても,京都市立の小学校と同じ基準で対策を行うのか。

市長
 同じ基準で行います。ただし,私立や国立の小学校は,ほとんどの子どもが駅から同じところを歩いてこられるということで,市立の小学校とは少し条件が違いますので,各学校の状況に応じて,個別に必要な対策を採っていきたいと思っています。

(帰宅困難者対策について)

記者
 帰宅困難者対策について,他都市に比べて観光客が多いという京都市ならではの課題があるが,今後検討していかなければならない京都特有の問題とは。

市長
 これまでから,観光客の安心・安全の問題は,観光事業者と共に最重点の課題として取り組んでまいりました。そのため,ホテルや宿泊施設等についての対策は比較的進んでいると考えています。外国人対応についても,24時間多言語対応可能なコールセンターを設けているのは京都市だけであります。宿泊されている外国人についても,毎年,事業所の自衛消防隊等々も含めて訓練しています。

 これからは,通勤,通学,観光客という,日帰りの方々への対策が課題となります。東日本大震災では,日帰りの方々が駅に押しかける事態になりました。「安全が確保されるまではむやみに動かない」ということは,このときの教訓として直ちに採るべき措置であります。その次に取らなければならない措置としては,防寒具や食糧の用意,情報伝達がきちっと行われる体制を確立していくことであります。このことについて,現在の状態では不十分ですから,抜本的な対策を講じてまいります。

記者
 対策協議会で決められたマニュアルと地域防災計画との関連性は。

市長
 対策協議会で作られたマニュアルは,地域防災計画に落とし込んでいきます。地域防災計画の弱点が帰宅困難者対策だということで,3つの対策協議会を設置し,よりきめ細かく分類して対策を決定します。そして,決定したものを地域防災計画に落とし込んでいくということであります。

(通学路の安全対策について)

記者
 通学路の第2次対策について,ゾーン対策として取り組む理由は。

市長
 まず8月いっぱいで,土木事務所,警察,学校,地域の方々と一緒に総点検しながら,緊急に対策が必要なものについて,対策を講じてきました。その中で,通学路の安全性を更に高めるためには,とりわけ校門から半径200mに子どもが集中するので,半径200mをゾーンとして,重点的に「学校が近いので,気を付けてください」と通行車両に注意を喚起することが大事ではないかということとなりました。

 なお,ゾーン以外は,個別に対策を講じていきます。

(京の食文化ミュージアム・あじわい館について)

記者
 「京の食文化ミュージアム・あじわい館」の概要は。

市長
 「京の食文化ミュージアム・あじわい館」は,京都市中央卸売市場第一市場のマスタープランの一つに入っている事業であります。新たにできる青果配送加工センターの3階を借り,事業費は,約4900万円です。センターの建設はすでに始まっており,12月にはオープンできます。

(帰宅困難者対策について)

記者
 ターミナル対策協議会を設置するにあたって,課題になることはあるか。

市長
 どの範囲までを京都駅周辺として位置づけるのかといったことがあります。したがって,まず調査を行い,その後で協議会を立ち上げるという2本立てにしているわけです。机上のプランで,京都駅周辺の施設に協議会のメンバーになっていただくということではなく,専門家も含め,大規模災害時にどれだけの人が京都駅に集中するのか,きちっとしたデータを1000万円の予算をいただいて調査し,それに基づいて,協議会のメンバーを決めていきたいと思っています。

(海外出張について)

記者
 反日感情は感じなかったということだが,領土問題に関する話はあったか。

市長
 ございませんでした。最近のホテルは有線で日本のテレビがほとんど映ります。ちょうど,駐中国大使の車両の国旗が盗られたというニュースが流れたときに西安におりましたが,反日感情というものは特に感じませんでした。皆さんにこやかでした。

 なお,私の方から,国同士の色々な課題について,主張すべきことはきちっと主張しなければならないが,国同士の困難な問題があるときほど,都市間交流,市民交流をしっかりやっていくことに意義があるということを,挨拶で申し上げました。

(通学路の安全対策について)

記者
 通学路の第2次対策は,全小学校を対象に行うのか。

市長
 すべてではありません。すでに一定の対策ができているところもありますし,画一的に行うわけではありません。

記者
 第2次対策の箇所数は。

市長
 165校で1100箇所です。

<その他の質疑>

(大阪維新の会の国政進出について)

記者
 大阪市の橋下市長が,大阪維新の会を率いて,国政進出の準備を進めているが,京都市への影響は。

市長
 特にございません。国政に対する多様な国民の意見を反映させようと取り組んでおられるのだと思いますが,私としては今後具体的な政策を見極めてまいりたいと思っております。現時点で,京都市政に何らかの影響があるということはございません。

(節電期間の終了と大飯原発の再停止について)

記者
 節電期間が終わるが,これまでの節電の取組をどのように捉えているか。また,今後の原発再稼働の在り方はどうあるべきか。

市長
 まず,市民ぐるみの節電が,目標を上回った成果を出しつつあります。京都市も率先垂範し,やればできるということを改めて実感しております。環境問題を含めて,エネルギーをできるだけ消費しないエコな生活に,節電を契機に,市民ぐるみで,また京都議定書発祥の地の誇りにかけて取り組んでまいりたいと思っています。同時に,熱中症等がございますので,くれぐれも無理はしていただかないように,啓発してまいりたいと思っております。

 大飯原発の稼働は,暫定的な安全基準の下での再稼働であります。私どもは国に対して,早期に原子力規制委員会を発足するよう求めてきました。そして,新しい安全基準のもとで,大飯原発を点検することを求めてまいりました。法律は制定されましたが,原子力規制委員会は発足しておりませんし,安全基準もできておりません。これらは国が責任を持って行うよう,関西広域連合においても,国に要望してまいりたいと思っております。

 産業界,市民が節電に取り組んだ今夏は,計画停電という最悪の事態は回避され たので一安心ですが,今後については,エネルギーの需給状況を関西広域連合においても検証します。また,国においても検証したうえで,中長期にわたるしっかりとしたエネルギー政策を作っていく必要があろうかと思います。節電期間が終われば,関西広域連合としても見解をまとめていきたいと思っています。

(大阪維新の会の国政進出について)

記者
 橋下大阪市長による大阪維新の会の国政進出について,政令指定都市の首長でありながら,国政に進出することについて,同じ政令指定都市の首長としてどのようにお考えか。

市長
 橋下市長が両立できるというお考えの下に行動されていることについて,私から見解を申し上げることは避けたいと思います。

(教育委員会の廃止について)

記者
 教育委員会を廃止するという考えについて,市長はどのようにお考えか。

市長
 教育委員会は,戦後の日本の教育において大きな役割を果たしてきたと私は思いますし,これからもしっかりとした役割を果たしていくべきと考えます。

 教育委員は,市長が議会の同意を得て任命しています。そうした教育委員の任命,教育長の実質的な任命というところで,市長として責任を果たしていきたいと思っております。

(大飯原発の再停止について)

記者
 大飯原発について,節電期限が過ぎれば止めるべきという意見があるが,市長はどのようにお考えか。

市長
 原発問題というのは,短期と中長期と分けて考えるべきです。可能な限り早期に原発に依存しないエネルギー政策の大転換が必要です。同時に,自然エネルギーや再生可能エネルギーの促進,また短期的には火力発電,さらに節電の取組を組み合わせて全力を投球していくべきです。そして,直ちに節電の総括をしていく必要があると思います。この夏の需給状況,今後の見通し,これらを,先ほども申し上げましたが,エネルギー政策は国の大きな政策でありますので,そうしたことも踏まえて関西広域連合や国において検討していくべきであります。関西広域連合でも話題になりましたが,節電期間が終われば逼迫期間が終わったということでもないという意見もあります。広域連合での検討については,私もしっかりと関わっていきたいと思っています。

(国政における争点について)

記者
 自民党と民主党の総裁選と代表戦が相次いで予定されているが,市長は選挙戦の中でどのような議論を期待されているか。

市長
 何よりも地方分権,地域主権,これが先の総選挙でも最優先課題だと言われました。しかし,現実は前進していない。

 地方のことは地方が英知を集めて政策をつくり,実行していく。これが大きな課題だと思います。同時に,国レベルにおける財政の健全化,地方財政に対する支援,こうしたことも大きな争点になろうかと思います。

(京都会館の再整備について)

記者
 「イコモス」からの意見書を受けて10日から始まる京都会館の解体工事に影響はあるのか。

市長
 ございません。粛々と進めてまいります。平成14年に耐震調査をして以来,約10年の歳月をかけて多くの市民の御意見をお聴きし,また,専門家による委員会も立ち上げ,答申もいただき,パブリックコメントも行いました。専門家委員会には,京都会館の設計者である前川國男さんの御意向を受け継いでおられる前川建築設計事務所,日本建築学会の参加も得て,建物価値を継承しながら,活用可能な公共ホールとしての在り方について,議論に議論を重ねて英知を集めていただきました。多くの方のコンセンサスが得られていると考えています。私は,使えない,危ない,音響効果も悪い,そのような状態の建物を博物館として保存すべきだという考えには立ちません。

 あの素晴らしい建物価値を最大限に引き継ぎ,多くの市民の方々,また全国から来られる方々へ,公共ホールとしての機能をしっかりと発揮させるというのが私の考えであります。長い年月をかけて英知を集めて策定された計画です。できあがったときには,多くの方々の拍手喝采を浴びるものと思います。

 京都のまちは常にこうしたことがあります。例えば,あの素晴らしい国際会議場に対しても自然破壊を懸念した絶対反対の意見が過去にありました。京都水族館も大変な反対運動がありました。そうした反対運動を私は無視していません。しっかりと聴きながら,よりよい政策として磨きあげ,市政を実行していく。そういうことによって京都の都市格は更に高まってきました。建設反対運動があったものが,後に保存運動になるという,色々なことを京都のまちは経験してきました。

(地方交付税の執行延期について)

記者
 地方自治体向けの地方交付税の支払いの延期が閣議決定されることについて,市長のお考えは。

市長
 国の責任においてきっちりと措置していただくべきだと思います。国において予算化されたものが地方に支出されない。そして,現在のところ市町村には影響を与えないという配慮をいただいておりますけれども,直接行政を担う地方自治体における日々の仕事に影響が出ないように対処することが,国政の最大の仕事だと思いますので,そのことは主張していきたいと思います。

(養徳小のプール事故について)

記者
 水位の問題や,監視体制の問題が指摘されていることについて,市長のお考えは。

市長
 本当にあってはならない悲しい事故が起こったことについて,市長としてお詫び申し上げます。現在,考えられる原因等について学校及び教育委員会で徹底して調べており,また警察においても捜査中であると聞いております。その中で,水位の問題,あるいは監視体制の問題等について,教育委員会から報告を受けています。小学校では保護者説明会を開催し,現在把握している状況等を説明するとともに,教育委員会においても臨時の全市学校長・園長会を開き,万全を期すための取組の再徹底を図っております。引き続き,原因の究明と対処について,きっちりと教育委員会において事実確認・検証を進め,より万全を期していきたいと思っております。

記者
 監視体制を厳格化するなどをお考えか。

市長
 教育委員会において,そうしたことを含めてきっちりと対処します。

 

記者会見資料(平成24年9月5日)

大規模災害時における観光客等帰宅困難者対策について~民間事業所や観光関連団体と連携した京都モデルのマニュアルづくり~

行財政局(防災危機管理室 電話:212-6792)

産業観光局(観光MICE推進室 電話:222-4130)

都市計画局(都市企画部都市総務課 電話:222-3610)

消防局(予防部 電話:212-6672)

 大規模災害時には,道路や鉄道等の被害,交通規制等により,公共交通機関の停止や自動車の通行止めなどの影響で,通勤・通学先から自宅への帰宅が困難となる帰宅困難者が37万人にも上ることが想定されています。

 京都市の場合,帰宅困難者には,観光客も多く含まれることから,関係団体や民間企業と連携した帰宅困難者対策の構築が課題となります。

 そこで,帰宅困難者に対する対処方針に基づき,市民はもとより,本市に通勤,通学する方や観光客を含む,全国に先駆けた,京都モデルの総合的な対策を講じるため,「ターミナル対策(京都駅周辺)協議会」,「観光地対策協議会」,「事業所対策協議会」の3つの協議会を設置し,スピード感を持って検討を進めますので,お知らせします。

帰宅困難者に対する対処方針

  • 正しい情報を伝える
  • 安全な場所にとどまらせる
    帰宅の見通しが立つまで,むやみに移動させない
  • ターミナルに人を集中させない
  • 帰宅困難者の食糧,防寒具等支援の充実を図る

1 「ターミナル対策(京都駅周辺)協議会」

(1)概要

 大規模災害発生時には,ターミナル周辺は避難者・帰宅困難者が集中し,大きな混乱が予想されます。そこで,市内ターミナルの中で最も多くの帰宅困難者の集中が予測される京都駅周辺を対象とした「都市再生安全確保計画」を策定します。

「都市再生安全確保計画」策定のための検討内容(予定)

  • 退避経路の確保
  • 帰宅困難者等が一時的(数日間)に避難するための退避施設の確保
  • 帰宅困難者等に提供するための備蓄食料,飲料の確保や災害時の提供ルール
  • 特に京都駅周辺エリアにおいては,観光客等が多いと想定されることから,災害時においても,災害,安否,交通状況に係る情報に加え,退避経路や退避施設等の情報を確実に提供できる環境の整備
  • 帰宅困難者等に対する避難誘導手順や周辺エリア関係者での役割分担の策定とこれに基づく避難訓練等の実施 など
 

(2)構成(予定)

 鉄道事業者,地下街,百貨店,ホテル,大規模な複合ビルの管理者,国,京都府,京都府警など,京都駅周辺の官民関係者

(3)今後のスケジュール

今後のスケジュール

時期

内容

24年度

「都市再生安全確保計画」策定に向けての基礎データの収集
協議会設立

25年度

「都市再生安全確保計画」の策定
計画策定後,同計画に基づく事業(避難訓練等)の実施

※基礎データ収集について

目的:想定される帰宅困難者数や退避経路及び候補施設の現況等の調査及び課題の抽出

予算:調査費用1,000万円(9月市会補正予算議案として提案予定)

内容:

  1. エリア内の現況を正確に把握する必要があるため,本市で既に保有しているデータの活用を含め,[対象地域内の滞在者人口データ],[対象地域内建築物の耐震性能に係るデータ]などの各データを収集する。
  2. データを踏まえた災害発生時における退避行動シミュレーションを実施のうえ,エリア内の安全確保上の課題整理を行う。

<参考>
 東日本大震災を機に,平成24年4月に,「都市再生特別措置法」が改正され,新たに都市再生に防災の概念が盛り込まれ,駅周辺の防災計画の策定が追加されました。併せて,改正法に基づき「都市再生緊急整備地域」での「都市再生安全確保計画」策定に係る基礎データ収集等のために補助金制度が創設されました。本市の基礎データのための調査費1,000万円のうち半額は本補助金の活用を予定しています。

2 「観光地対策協議会」

(1)概要

 大規模災害発生時における観光客等の避難誘導について,基本的な対応パターン等を定めた「観光地避難誘導取組指針」を策定します。また,観光地ごとの地域特性に応じた対応が必要なことから,地域ごとの避難誘導計画の雛形となる「避難誘導マニュアル」を策定します。

 特に観光客が集中する地域である,清水・八坂地域と嵯峨・嵐山地域においては,「避難誘導マニュアル(雛形)」に,具体的な一時滞留場所や避難誘導方法,それぞれの役割などを具体的に盛り込んだ「地区避難誘導計画」を策定する予定です。

 

「観光地避難誘導取組指針」及び「避難誘導マニュアル(雛形)」策定のための検討内容(予定)

  • 行政の役割と観光関連団体等に期待する役割
  • 発生直後の対応(一斉移動の抑制,情報伝達・提供等)
  • 一時滞留場所への誘導(一時滞留場所の決定,誘導方法等)
  • 一時滞留場所でのサポート(食糧,防寒具等の提供等)
  • 帰宅支援(交通情報の収集,提供等)
  • 従業員教育
  • 観光客への周知方法,手段 など

(2)構成(予定)

 観光施設,寺院・神社,商店街等の観光関連団体など

(3)今後のスケジュール

今後のスケジュール

時期

内容

24年度

~12月

協議会設立

~3月

「観光地避難誘導取組指針」及び「避難誘導マニュアル(雛形)」の策定

25年度

清水・八坂地域,嵯峨・嵐山地域における「地区避難誘導計画」の策定

3 「事業所対策協議会」

(1)概要

市内に通勤・通学していている多くの人が滞留することが予想される一定規模以上の事業所を対象に

  1. ホテル等の宿泊施設
  2. 百貨店等の大型集客施設
  3. 工場等施設
  4. 大学等学校施設

に分類し,それぞれの業態ごとに指針を策定します。

指針策定後は,対象となる一定規模以上の事業所に対して周知を行います。

指針策定のための検討内容(予定※業態別に検討)

  • 一斉帰宅の抑制・分散化
  • 安全な一時滞留場所の確保
  • 非常用物品の備蓄 など

(2)構成(予定)

 ホテル等宿泊施設,百貨店等大型集客施設,工場,大学等部会ごとに構成 

(3)今後のスケジュール

今後のスケジュール

時期

内容

24年度

~12月

協議会設置(全体的な方向性の設定)

25年度

●1 ホテル等宿泊施設部会
 2 百貨店等大型集客施設部会,     
 3 工場等施設部会
 4大学等学校施設部会の設置

●業態に応じた帰宅困難者対策に関する指針を策定
 指針策定後,対象となる事業所に周知

<参考>
  本市で想定される帰宅困難者数:約37万人

  (内訳)
    通勤通学者24万人,観光客13万人

大規模災害時における観光客等帰宅困難者対策について

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「京の食文化ミュージアム・あじわい館」の開設について~伝統ある京の食文化を”みる!””つくる!””あじわう!”~

産業観光局(中央卸売市場第一市場業務課 電話312-6564)

 

 

 

通学路の安全確保に向けた取組について

建設局(土木管理部調整管理課 電話222-3568)

教育委員会(体育健康教育室 電話708-5321)

 本市では,平成24年4月,東山区大和大路通及び亀岡市篠町で相次いで発生した交通事故を契機として,通学路の安全確保に向けた取組を実施しています。

 この取組は,建設局と教育委員会が連携を図り,市内170の市立小学校を対象に実施した緊急総点検の結果を踏まえ,各行政区ごとに設置している「土木事務所・警察署道路交通連絡会議」において要対策箇所を洗い出し,実施しているものです。

 この度,緊急に対策が必要な場所や,各土木事務所,各小学校で速やかに実施できる場所について,第1次対策として8月末までに対策が完了しましたので,その取組内容と,今後,通学路の安全性をより高める第2次対策の取組内容についてお知らせします。

1 緊急総点検の実施概要

  1. 対象:全市立小学校170校の通学路
  2. 実施期間:平成24年4月26日~同年5月10日
  3. 点検内容:安全上の啓発物の視認性,路面標示の状態,交差点の見通し,歩行者空間の有無,道路の幅員,各小学校が把握している通学路の課題の洗い出し

2 第1次対策について(~平成24年8月末)

 総点検の結果を基に,各行政区ごとに設置している「土木事務所・警察署道路交通連絡会議」に,教育委員会や各区役所も参画のうえ,地域の要望も踏まえて,要対策箇所の洗い出しを行い,各土木事務所や京都府警,各小学校が連携し,安全対策を実施しました。

 ハード対策としては,緊急に対応が必要な対策や,速やかに実施可能な対策について,8月末までに対策を完了しました。

 ソフト対策としては,通学路等の変更や見守り活動,交通安全指導の充実に取り組みました。

(1) ハード面の取組内容(2,380箇所) ※別添資料参照

ア 市内8土木事務所の直営業務による対策

路面(舗装)の補修等
(50箇所)

通学路の通行空間を良好に保つよう補修を実施

ポストコーンの設置
(31箇所)

ポストコーンを交差点に設置することにより,車両の左折時の巻き込み事故の防止を図るとともに,歩行者の安全な空間を確保

電柱幕の設置等
(1,000箇所)

電柱幕を設置することにより,通行する車両の運転手に視覚的に安全啓発を実施

イ 請負工事による対策

路面標示の補修,新設
(1,299箇所)

歩行者の通行区分を明確化し,路側線を車道側へ引き直すことにより,歩行者空間を確保

(2) ソフト面の取組内容

ソフト面の取組内容

通学路等の変更
(18校)

15校:より安全な道路を通学路に変更
3校:集団登校の集合場所の変更や登校班を分割

見守り活動の充実
(108校)

見守り活動を行う人員の増加や危険箇所への重点配置

交通安全指導の充実
(122校)

路側帯歩行や左右確認の励行,交通安全教室の増など交通安全指導の徹底

家庭・地域との連携による取組の充実
(92校)

安全啓発看板の設置や安全マップの改訂

その他(児童による取組の充実等)
(30校)

児童会が交通安全標語を作成し,校内へのポスター掲示,全校集会での呼び掛けなどの啓発活動を実施

3 第2次対策について(今後の取組) ※別添資料参照

 各小学校において,引き続き,見守り活動や交通安全指導の充実,必要に応じて通学路の変更等に取り組むとともに,通学路の安全度をより高めるため,教育委員会や各区役所の参画を得た「土木事務所・警察署道路交通連絡会議」で洗い出した取組を第2次対策として今年度中に実施します。

(1) 学校周辺における安全対策

 学校を中心として半径200mの範囲を一つのゾーンとして,警戒標識の設置,洗い出した主要な通学路の路側部及び交差点部のカラー化,路面標示の補修,新設を行うことにより,通行車両に対して小学校が近いことを知らせ,注意を喚起します。

学校周辺における安全対策

路側部のカラー化

路側部にカラーラインを設置することにより,歩行者空間をより明確化し,通行車両に対しても視覚的に歩行者空間を認識させ,安全性の向上を図る。

交差点部のカラー化

交差点の路側部をカラー化することにより,通行車両に対しても交差点を認識させ,安全度の向上を図る。

警戒標識の設置

通行車両に対し,近くに学校があることを認識させ,安全啓発を図る。

路面標示の補修,新設

「通学路」,「速度落とせ」等の路面標示を行い,通行車両に対し安全啓発を図る。

(2) 歩道整備などの道路改良

 安全な歩行空間を確保するため,路肩の整備や水路の蓋掛け,防護柵の新設を行います。

歩道整備などの道路改良

路肩整備,水路蓋掛け

歩行者通行部分の路肩を擁壁などで整備することや,水路に蓋を掛けることにより,歩行者の通行空間を確保する。

防護柵の新設等

歩行者空間と車両通行空間を物理的に分離し,安全度の向上を図る。

(3) 私立・国立の小学校の安全対策

 私立・国立の小学校についても,各小学校の通学路(主に公共交通機関(駅・バス停)から小学校まで)の現地確認を行い,各小学校との協議,警察との連携のうえ,必要な安全対策を実施します。

(4) 事業費

6億8千万円(9月市会補正予算議案として提案予定)

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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