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共同記者会見(2012年6月14日)

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2023年4月12日

きょうと減災プロジェクト共同記者会見

ウェザーニューズ 草開社長

 無事調印を終えたことうれしく思います。

 この減災プロジェクトは,京都市が6番目で,特に昨今西日本では東南海・南海地震の発生が心配されています。また,これから梅雨シーズンに入りますが,京都市でも昨年ゲリラ豪雨が多く発生しています。このプロジェクトは,西日本の政令市では初めてとなり,京都市とプロジェクトを始められることに大きな意義を感じています。また,今回初の取組として,河川の浸水区域の表示が新たに加わっています。

 また,この減災プロジェクトでは,多くの市民が参加することにも意義があります。単に,サイトを作っただけでは多くの市民の参加は得られません。魅力あふれるコンテンツがあるからこそ人々が集うのではないかと考えています。減災の基本である自助・共助・公助。このうち,公助について,京都市は,全国に先駆けて行政の持つコンテンツ(データ)を出していただきました。今後,大雨の際に市職員の活動情報や避難所開設状況などもシェアー(共有)できるようになれば,このサイトに重要な情報がある。だからもっと参加しようという機運になるのではないかと考えています。

 我々ウェザーニューズは,民間気象会社の使命として,昨今のゲリラ豪雨に対応し,従来の気象レーダーではとらえられない雨雲をとらえるため,新たなレーダー網を整備しています。全国で80箇所ほどありますが,京都市にはまだ設置していないので,今回のことをきっかけに早急に設置し,その情報もこのサイトに生かしていきたいと考えています。

 さらに,今回の東日本大震災に鑑み,津波の予測は困難ですが,津波が20~30キロ沖にあるとの実況を把握することにより,避難行動のリードタイムを稼ぐことができないか。このような試みの一環として,東北地方の沿岸に10箇所ほど津波レーダーを設置しています。

 減災プロジェクトは,正にこれからがスタートだと思っています。多くの皆さんに参加してもらい,当社としても魅力あふれるコンテンツによる場づくりを,京都市と共にやっていきたいと考えています。

門川市長挨拶

 東日本大震災の発生から1年3箇月が経過しました。ここから何を学ぶかが重要です。本市としては引き続き被災地への支援を市民ぐるみで進めていくこととしています。

 一方,147万市民が暮らすまち,国内外から年間5,000万人の方々にお越しいただくこのまちを,より安全なまちへと高めていくため,減災ということは大事なことです。そのために,世界最大の民間気象会社であるウェザーニューズと新たな取組を進めることとしました。

 この取組は,今年2月に京都大学で防災シンポジウムが開催されたことがきっかけになっています。その折に減災プロジェクトリーダーの中神氏の講演を本市職員が聴講し,その実績をぜひ京都市にも導入したいということで,今日までに至る協議が始まったものです。

 草開社長のお話にもあったように,自助・共助・公助,これは減災の基本的な理念です。阪神・淡路大震災の際90%以上の方々が自分で,家族で,又はご近所の方々で救助活動をされました。消防隊や自衛隊が入ったのはずいぶん後のことです。いかに情報を共有するか,そして行動するか,その仕組みを行政と民間で,そして市民の皆さんと構築していくことが今一番急がれていることです。しっかりと,多くの市民の参加を得ることに取り組んでいきたいと考えています。

 京都市でも水災情報システムを4年前に構築しました。これは,様々な河川の情報,雨量を把握した上で,消防団員,自主防災会,あるいはあらかじめ登録された事業所に情報を伝達していくというシステムです。

 今回のプロジェクトは,もっと広範囲な人々にお知らせする,そして行動するために役立てることができるものです。観測機器を設置し,多くの職員が注意深く気象情報や災害情報を把握して,加えて147万市民に見守っていただく,そして情報を発信していただく。この仕組みがいかに力強いものかということは,説明するまでもありません。重ねて,こうした取組によって常日頃から気象情報,また身の回りの気象の変化に目をやり,注意をして,それを共有することによって行動することで防災意識の向上にもつながるのではないかと思っています。

 しっかり取り組んでいきますので,多くの市民の皆さんの参加をお願いします。

質疑応答

記者

 取組を始めたきっかけ。

草開社長

 ウェザーニューズは千葉市幕張に拠点があり,減災プロジェクトを行うに当たって,まずは自分たちの足元から始めようと考えました。しかし,発想自体は,2007年の新潟県中越沖地震から始まっています。この地震は,7月の雨の多い季節に発生し,地震と相まって多数のがけ崩れが発生しました。気象予報会社としては,雨が降るのは分かっていますが,いつどこでがけ崩れが発生するかは予測がつきません。がけ崩れが発生しても,その情報の伝達が難しいという課題もありました。有識者や新潟の市民の皆さんにも参加していただき,当社は何ができるかを議論していく中で,本プロジェクトの基本理念である,情報がシェアーできるような場を設ければよいのではないか,ということで「がけ崩れ予測メール」を作ったというのがきっかけとなっています。

記者

 ウェザーリポートは,2005年から始めたということであるが,京都では過去どれくらい参加したのか。

草開社長

 京都府内であるが,3年間で3万件の情報が寄せられています。

記者

 投稿される情報の真偽は,どのようにチェックされるのか。

宇野沢プロジェクトリーダー

 インターネット上に投稿された時点で,どこの誰かは判明しています。間違った情報や悪意を持った情報は,ウェザーリポーターセンターでチェックしています。明らかに間違っているものは除外します。会員制ではない減災プロジェクトについても同様のことをやっています。しかし,これまで運用してきた中では,間違った情報や悪意を持った情報というのはほとんどありません。

記者

 減災プロジェクトが実際に役立ったという事例はあるか。

宇野沢プロジェクトリーダー

 東日本大震災の直前に千葉市とプロジェクトを開始しました。大震災では,多くの被害情報が寄せられ,その結果,千葉市で一番被害が大きいのは液状化であるということが判明しました。もう一つ,コンビナートの爆発火災がありましたが,それは千葉市ではなく,隣接の市原市であることが判明しました。千葉市では,この情報を活用したと聞いています。

記者

 京都市として災害対策にどのように生かすのか。

門川市長

 京都市の面積は,830万平方キロメートルで,大阪市の約4倍の市域を持ちます。またその4分の3は山間部で,京都市は津波の心配はありませんが,地震,台風,大雨,山崩れといった災害危険にさらされています。そうしたことを踏まえますと,災害発生時に市民からの迅速な情報が共有され,我々もそれを確認しながら市民に情報発信していくように情報がつながっていくということが大事であると考えます。

記者

 情報の真偽をどう判断していくのか。

宇野沢プロジェクトリーダー

 投稿された写真から地点は推測できます。通常のリポートでは,他の全員が晴と言っているのに,一人だけ大雨と言っていることは状況的におかしいことになります。また,悪意を持った投稿がなされた場合は,周りの人々がそれを否定する投稿を寄せてきます。ネット上のコミュニティではそういった自浄作用も働きます。

記者

 京都における他都市と比べて新しいコンテンツは何か。市から提供できるもの,ウェザーニューズから提供できるものはそれぞれ何か。

宇野沢プロジェクトリーダー

 京都市からデータ提供されたものは,避難所と河川の浸水想定区域に関する情報です。

記者

 浸水想定区域の情報はこれまでも京都市が公開してきた情報であるが,改めて減災プロジェクトに載せる意味は何か。

下遠防災危機管理室長

 このような情報は,あらゆる機会とあらゆる手段を通じて公開していく必要があります。京都市のWEBサイトでは,避難所,浸水想定区域を公開しています。また,平成22年度には地震と水害のハザードマップを市内全戸に配布しています。今後ともあらゆる機会を通じて市民に対する安全情報を発信していきます。

門川市長

 今後このプロジェクトに参加する市民が増えることにより,プロジェクトにより得られた情報がパソコンや携帯電話に届くことになります。このような広がりの効果を期待しています。

 ウェザーニューズ社では,今後独自の気象観測網の構築や気象衛星の打ち上げといった話もあるそうです。そうしたことからのリアルタイムの情報も含め,今後プロジェクトが進化していくことを期待しています。

 また,それに応じて,我々京都市の取組においても情報共有が最も大事だと考えており,基幹的情報システムが損傷を受けた時の代替について,東日本大震災においてもインターネットが大きな役割を果たしたということがありました。これで完全というのではなく,様々な取組,複数の取組を並行して行っていくことが大事だと思います。

記者

 プロジェクトの参加目標人数はあるか?

草開社長

 このプロジェクトにおいては,何人が参加するといった目標は持っていません。ただ,減災に関わらない人はいないと思いますので,理想は全市民が何らかの形で,ある人はパソコンで,ある人は携帯電話で,ある人はアナログな方法でも良いので,多くの人が関わっていただくことが最終目標だと考えています。

 

共同記者会見資料(平成24年6月14日)

~自助・共助の市民力を減災に活かす~「きょうと減災プロジェクト」に関する協定締結式について

株式会社ウェザーニューズ(広報・マーケティング 電話043-274-5525)

京都市(行財政局防災危機管理室 電話075-212-6796)

事業の概要

 気象をはじめとする自然現象がもたらす災害に対して,自助・共助によるネットワークによって情報を共有し,減災に寄与することを目的とした取組です。具体的には,会員(減災プロジェクトにおいてはブラウザから誰でも投稿できる)が身の回りにおきていることをウェザーリポートとして投稿し,プラットフォームである電子地図(減災リポートマップ)上にプロットすることで,災害情報の共有を図るとともに「アリの目」を集めることによって災害の大局的状況を把握しようとするものです。

実施体制

  1. ウェザーニューズ社は,自社サーバ上に本サイトを構築し,運営を行います。投稿内容のチェック,分類,減災メールの運用も同社が行います。
  2. 京都市は,サイトの構築に必要な避難所等のデータ,サイトに表示する本市の紋章等を提供するとともに,本プロジェクトが多くの市民に利用されるよう広報やリンク等を行います。

利用,閲覧

  1. インターネットサイト
    http://weathernews.jp/gensai_kyoto/外部サイトへリンクします
  2. 携帯サイト
    http://wni.jp/?kyoto外部サイトへリンクします

(配布資料)

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お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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