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門川市長記者会見(2011年12月19日)

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2023年4月12日

「いのちを守る 橋りょう健全化プログラム」

 この度,橋りょうの耐震補強及び老朽化修繕のスピードアップを図るため,「いのちを守る 橋りょう健全化プログラム」を策定しました。
 橋りょうは,市民生活,社会経済活動を支える極めて重要な都市の基盤施設であります。とりわけ,災害時には,避難,救援,また,その後の復旧・支援活動の要となる施設であります。
 このプログラムは,限られた時間内に最大限の財源を確保して,いつ起こるか分からない大規模地震に対して耐震補強と老朽化修繕を効率的,効果的にスピード感を持って推進する実施計画で,2つの特徴があります。
 1つは,「重要路線」の設定によりまして,優先順位を明確にすることであります。これは,市内の緊急輸送道路の中でも,特に救助,支援活動のために重要となる路線を「重要路線」と位置付け,この重要路線上にある橋りょうの対策工事を最優先して取り組みます。
 2つ目は,5年を区切りとした具体的な取組目標を定めることにより,早急に災害時における避難ルートや道路ネットワークの確保を目指すことであります。
 プログラムの4ページを御覧いただきたいと思います。
 まず耐震補強でありますが,本市では,阪神・淡路大震災を踏まえまして,大規模災害時の緊急輸送道路上にある橋りょう等92橋を「都市防災上重要な橋りょう」と位置付けまして,取組を進めてまいりました。今年度で40橋の耐震補強を完了させる予定であります。しかし,残り52橋の耐震補強が必要でございます。
 次に,老朽化修繕であります。
 本市が管理する15m以上の橋りょうや,緊急輸送道路上の橋りょう等680橋について,その健全度を点検致しましたところ,損傷が比較的大きく,早期に老朽化修繕を必要とするものが244橋ございました。
 来年度からの5年間の取組目標でありますステップ1(第1期のプログラム)では,国に対しまして必要な制度改革や財源の拡充を強く要望するとともに,本市として必要な財源約150億円を確保して,最優先すべき橋りょうの健全化に取り組みます。今年度の橋りょう改修等予算(約5億2900万円)の約5~6倍の予算を確保して,スピード感を持って取り組んでいきます。
 まず,フロー図の左側の耐震補強でありますが,耐震補強の必要な橋りょう52橋のうち,緊急輸送道路上にある橋りょう28橋については,「重要路線」上の橋りょう15橋を最優先で取り組みます。5年以内に14橋の対策を完了させます。残りの1橋と,架け替え予定の2橋,さらにもう1つの橋の計4橋については,5年以内に着手します。
 鉄道,道路をまたぐ24橋については,新幹線・緊急輸送道路上をまたぐ3橋の対策を最優先し,5年以内に完了するとともに,鉄道等をまたぐため,工期の関係でどうしても5年以内に完成できない1橋についても,5年以内に着手します。
 次に,フロー図の右側の老朽化修繕でございますけれども,損傷度や路線の重要性を考慮して,特に優先すべきと判断した橋りょう37橋の修繕に最優先で取り組みます。このうち34橋については,5年以内に対策を完了させ,残り3橋は着手しますけれども,完成は5年より少し時間がかかります。
 ステップ2では,5年後にプログラムを見直し,改めて具体的な取組目標を定めますけれども,当初の5年以内に,耐震補強については,比較的健全な緊急輸送道路上の橋りょう10橋,及び鉄道をまたぐ人道橋など20橋の対策に着手するとともに,老朽化修繕についても,優先順位を定めまして,効果的,効率的に取り組んでまいります。
 絶対に確保しなければならない路線を決めまして,その路線上にある橋に最優先で取り組み,災害時においても輸送路が途絶えてしまうことのないように,効率的,効果的に,また予算も集中的に投下してやっていきたいと思います。
 これらの対策が完了した橋りょうについては,最小の投資で最大の効果が得られるように,事前に修繕を行うことにより長寿命化を図ります予防保全型修繕(アセットマネジメント)を実施し,予算を効果的に執行していきたいと思っています。
 市民の安心安全のために,いつ起こるか分からない地震のために,万全の対策を講じていきたいと考えております。

まちの匠の知恵を活かした京都型耐震リフォーム支援事業

 この度,大工さん,左官屋さん,板金屋さん,金物屋さん,瓦屋さん,建築士さんなど,京都のすまいづくりを担われている「まちの匠」と呼ばれる方々の知恵を結集しまして,木造住宅の耐震改修を飛躍的に進めるために,新しい助成制度を創設することとしましたので,お知らせします。
 京都市では,いつ起こるか分からない地震に備えるため,木造住宅の耐震改修を最優先に取り組むべき喫緊の課題と捉えまして,耐震改修助成制度を平成16年度から運用しております。
 この度の東日本大震災を受けまして,木造住宅の耐震診断士派遣を申し込まれる方は,約2倍になるなど,非常に関心が高まっております。しかし,耐震改修の助成件数が伸び悩むなど,耐震化に関心はあるけれども,工事着手までには踏み込めない。このような状況がございます。
 そこで,市民の皆さんの意識が高いこの時期を逃さずに,より分かりやすく,手続が簡単で,費用負担が相対的に少ない,新しい助成制度の創設に向けまして,「まちの匠」の皆さんと京都市の関係者が構成する「耐震ネットワーク分科会」を本年7月に立ち上げました。
 この会では,実際に市民と常に接しておられる実務者である「まちの匠」の方と共に,「どのような工事が京都の木造住宅の耐震化に有効であるのか。」,「市民の皆さんや事業者の双方にとって,どのような制度が最も利用しやすいのか。」などについて議論を重ねて,制度を練り上げてまいりました。
 新たな制度の特徴の一つ目は,費用負担が相対的に少なく済む点であります。既存の制度は,完全な耐震化を目指す工事,すなわち構造評価点で1.0以上,震度6強の大地震でも倒壊しない工事を助成対象としており,設計等の費用も非常にかかり,大規模で費用負担が大きくなる。そこで新しい制度では,「まちの匠」の知恵を活かして,耐震性の向上に効果的な工事を助成対象とし,費用負担を相対的に少なくしております。また,助成対象となる工事を予めメニュー化することによりまして,市民,事業者の皆さんにとって,分かりやすく,かつ利用しやすいものとしております。
 例えば,耐震性を向上させるためには,建物の傷んだ部分を健全な状態に戻すこと,建物の重量を減らし,地震の際に建物にかかる負担を軽くすること,地震に耐えられる壁を増やすことなどが重要であります。
 そこで,新しい制度では,腐っていたり,白蟻の被害を受けている柱や土台を補修する工事,瓦を葺くために使っている土を取り除き屋根を軽くする工事,あるいは,建物の四隅に耐震性のある壁を新設する工事など,耐震性が確実に向上する工事を助成対象に列挙しまして,市民や事業者の方々が使いやすく工事がしやすくなるように取り組んでまいります。
 大きな二つ目は,申請手続が簡単に済む点であります。今までの制度では,耐震診断や耐震改修の設計が必要であり,助成を受けるためには,3.5箇月から4.5箇月ほどの日時を要しました。新たな助成制度では,チェックリストや写真を用意するだけで,即日審査し,速やかに着工していただくことを可能にしました。
 現在,この新しい制度を「まちの匠の知恵を活かした京都型耐震リフォーム支援事業」と名付けまして,専門家の皆さん,匠の皆さんと共に助成対象メニューなどの詳細を詰めているところであります。助成率は工事費の90%,上限を60万円とし,来年度は500件分,約2億4千万円の予算を確保したいと考えております。
 4年前,木造の耐震補強のための予算は900万円でした。この間,ずっと増やしてきまして,今年度予算は3倍の2700万円になっています。現在の助成制度も引き続き継続し,来年度は,今年度の10倍の予算を確保したい。そして,この機会に木造住宅の耐震補強を飛躍的に促進したいと思っています。
 こうした「まちの匠」の知恵を活かす,そして,非常にスピード感を持ってできる制度は,全国に例のないものであります。この制度によりまして,木造住宅の耐震工事が大きく前進するものと期待しています。
 また,この制度は,京都市内の事業者に実施していただくことを条件にしております。今,不況の下,建築関係の方々の仕事が非常に減っているということで,大変な状況にありますけれども,そうした方々の仕事おこしにもなる。さらに電気工事の仕事,あるいは,カーペットとか,カーテン,家具なども含めた住宅関連の色々な仕事に携わっている人の仕事おこしにもなり,経済の活性化にもつながると思っています。市民の安心安全と京都経済の活性化,さらに雇用の機会の創出,そうしたことを総合的に考えて制度を発足しました。多くの市民の皆さんに御利用いただきたいと思います。

質疑応答(要旨)

<報告案件に関する質疑>

(橋りょう健全化のスケジュールについて)

記者 5年間で150億円の財源を確保するということだが,どのように執行していくのか。後半の方が多くなるのか。

市長 初年度は設計という場合はありますが,財源の関係で健全化を後回しにするということではなく,スピード感をもってやっていきたい。そのことによって,厳しい環境にあります建築,土木関係者の仕事起こしにもなればと思っています。

(橋りょう健全化のスケジュールについて)

記者 補強が必要な橋りょうの健全化は,いつ頃までに完了させるのか。

市長 まず,最優先するものを何が何でも5年以内に完了させます。その間に,国に対して抜本的な補助制度の改革を要求しつつ,ステップ2の計画を作り,10年間で概ね重要なものは実施していきます。ただ,鉄道の上を走っているものなど時間がかかるものもあります。また,最大の効果を出すため,工法等を研究しなければならないものもあります。

(住宅の建て替え等への支援について)

記者 リフォームも意味があると思うが,建て替え等が必要な場合はどうするのか。

市長 新制度の一番の特徴は,建て替えの必要がない,または建て替える意思がない,あるいは建て替える資金力がない,そういう人が相対的に少ない費用で,スピード感をもって,耐震補強できるということであります。また,建て替えを行う場合には,国の制度も別にあり,融資制度等もしっかりと活用していただきたいと思います。

(市内の橋りょうの状況について)

記者 市内で使えなくなっている橋や封鎖している橋はあるのか。

市長 ありません。国土交通省の定期点検要領で,橋りょうの健全度をランク分けしたうち,損傷が著しく,緊急対応が必要なEランクの橋りょうはありませんでした。

(市内事業者への優先発注について)

記者 橋りょう健全化の工事も市内の事業者に限るのか。

市長 先だって議会でも答弁しましたが,今,公共事業が減ってきているということで,建設・土木関係は厳しい状況にあります。京都市としては,可能な限り市内事業者を優先してきましたが,今回さらにダンピングを防止していくための低入札に係る制度を改正します。国際的な取り決め等により制限できないものを除いて,京都市としてできるものについては最大限,市内の事業者に発注できるように引き続き努力していきたいと思っています。実際に工事件数としては,9割の工事が京都市内の業者で落札されております。また,下請け等についても京都の事業者を優先してもらうような要請も行っております。そうしたことをより強めていきたいと思います。

(経済効果について)

記者 橋りょうの健全化及び京都型耐震リフォーム支援事業を合わせて,経済効果はどのくらいあるのか。

市長 経済効果の試算の仕方も研究していきたいのですが,例えば耐震リフォームの機会に台所を直されるなど関連の仕事があると思いますので,京都市の助成額は2億4千万円ですが,経済効果はそれを大きく上回ります。助成の上限は60万円ですが,200万,300万,500万の仕事になっていくということがあれば,10倍の効果が出てくることになりますので,まちの大工さん,左官屋さんの大きな仕事起こしになると思っています。

(橋りょう健全化の優先順位について)

記者 健全度のランクがCの所から取り組むわけではないようだが,優先順位はどのように決まっているのか。

市長 被災時に消防車や救急車,市外からの応援部隊や支援物資が,市内の拠点に進出できる路線を最優先しました。京都市トータルとして優先順位を明確にし,これを5年以内にやりきります。そのことによって,支援物資等が途中で止まるということはありません。これがプログラムの一番大きな特徴だと思います。今までは,その都度,地域の要望や老朽化を見ながら補強してきましたが,そうではなく,緊急事態に備えて,全国から車両が入ってこられるよう,一番大事な所を最優先しています。

(橋りょう健全化に係る財源の確保について)

記者 橋りょうの健全化にはかなりの予算が必要と思われるが,例えば,国の補助金が入るなど,確保できる目途はあるのか。

市長 必要な予算はきっちりと確保します。もちろん,国に対しても強く要望していきます。しかし,今の日本の財政状況,あるいは今回の東日本大震災を考えると,甘い見通しを持ってはいけないと思います。したがって,この5箇年のプログラムは,京都市として,不退転の決意で,必要な予算を確保して実施していきます。

<その他の質疑>

(関西広域連合への参加について)

記者 橋下大阪市長が関西広域連合への参加について言及しているが,京都市はどう考えているか。

市長 関西広域連合の重要性についてはかねてから認識しています。1月に関西4政令市の市長会議を京都で行った際にも,関西広域連合にはオブザーバーとして積極的に参加し,その役割をしっかりと果たすことや,国からの権限移譲時には4政令市揃って正式加入することを確認しています。また,以前,大阪市が先行して加入する意向を表明された時には,他の3政令市が賛意を示しています。
 関西広域連合が果たしていく役割は今後も大きいと思います。しかし,かねてから申し上げているとおり,広域連携でできることと連合組織でなければできないことがあります。例えば,観光振興や被災地支援などは連携組織でもでき,現時点においてもしっかりと役割を果たしています。
 本音を申しまして,1月時点では,地方分権改革がもっと具体的な政治日程に上り加速されるのではないかと期待していました。しかし,なかなか厳しい状況であり,具体的な権限や税財源の移譲がいつになるのか見通しが立たないのが現実です。こうした事態を受け,加入時期の前倒しも含めて,神戸,堺の両市長と相談するとともに,何よりも市会と協議させていただき,市民の皆さんの御意見もお伺いしながら検討を進めていきたいと思います。

記者 権限移譲より前に入るということか。

市長 権限移譲まではまだまだ時間が掛かりそうな雰囲気です。また,権限移譲を関西から加速するという事も含め,加入時期を早めるのが良いかどうかを市会,そして市民の皆さんの御意見をじっくりと聞きながら研究していきたいと思います。

記者 加入時期は4政令市同時の方が良いと考えているのか。

市長 以前にも,大阪市が先に加入したいという意向を表明されたときに,他の3政令市は,「大阪市がそう判断されるならそれで結構です」ということを言っていた訳ですから,何が何でも揃わなければならないということではないと思います。

(地下鉄の今後の運営について)

記者 橋下大阪市長が地下鉄運賃の値下げについて言及しているが,今後の地下鉄運営についてどう考えているか。

市長 大阪市は,バスが大幅な赤字であるのに対し,地下鉄はドル箱です。戦前には既に御堂筋線が開通していたことなど,京都市とは根本的に条件が異なります。京都市は地下鉄に着手したのが遅く,今年ようやく開業30年を迎えました。開業以来27年間は現金収支も赤字で,それが28年目にようやく黒字となり,昨年度は43億円まで黒字幅を拡大することができました。しかし,経常損益はなお大きな赤字です。現在,コスト削減,利便性の向上に努めるとともに,稼げる部分はなんでも稼ぐということで駅ナカビジネス等も展開し,おかげ様で大変好調です。経営改革は大きく前進していますが,今後も市民の皆さんの御理解と御協力のもと,京都市一丸となって更なる経営改善,利便性の向上に全力投球していきたいと思います。

(関西4政令市の連携について)

記者 関西4政令市の連携についてどう考えているか。

市長 関西の発展のためは,京阪神,そして堺の連携が非常に大事だと思います。関東は全てが東京圏であると言っても過言ではありません。川崎にしろ横浜にしろ,全部が東京圏として発達し,東京の一極集中を加速させています。しかし,関西は,京都圏でもなければ,大阪圏,神戸圏でもありません。それぞれが歴史と伝統,強い個性と意志を持って互いに連携しながら発展してきました。その連携を更に強化していかなければなりません。
 例えば,観光の分野において,京都は欧米に強く,大阪はアジアに強い。京都と大阪が連携することによってその価値は更に高まります。また,関空から京都の四条河原町までを南海,大阪地下鉄,阪急を使って1,200円で行けるという乗車券を今年発売しました。これが予想を2倍近く超える売れ行きで,販売期間を来年まで延長することになりました。こうした実のある連携を模索しながら,ひとつひとつ着実に実行していきたいと思います。

(北朝鮮金正日総書記の死亡について)

記者 金正日総書記の死亡についてどう感じているか。

市長 急なことで驚いています。日本と北朝鮮との間には,拉致問題やミサイル,核兵器開発等非常に困難な課題が横たわっています。今後は,新しい体制のもと,東アジアの平和と安定に貢献されることを切に望んでいます。
 また,横田めぐみさんのお母様の横田早紀江さんは私の高校の先輩であり,私も十数年前から救う会に参画し,様々な活動をしてきました。心休まることのない御両親の辛い毎日を察すると本当に心苦しい限りです。この機会に,日本政府には拉致問題の解決に向け,より一層努力していただきたいと思います。
 かつては,北朝鮮からチョウセンオオカミ等の動物が京都市動物園に来て,京都からもカンガルーやフクロウ等の動物を贈ったり,京都市交響楽団が北朝鮮で公演したこともありました。また,北朝鮮の開城(ケソン)は,私が会長を務める世界歴史都市会議の加盟都市であり,代表団が京都を訪問されたこともあります。平和な状態で,こうした交流が復活できればありがたいと思いますし,そのための必要な努力はしていきたいと思います。

(技能労務職の採用再開について)

記者 この時期に技能労務職の採用再開を決められた理由と京都党などが再凍結を求める議案を2月議会に提出するとしているが,今後の見通しはどうか。

市長 私は,技能労務職の職場を徹底的に現場訪問してきました。大きく変わってきています。同時に,技能労務職24職種のうち22職種は,引き続き採用を凍結しています。
 東日本大震災が起きまして,市民生活の根幹になります道路や河川の維持管理の部門,あるいは衛生,ごみ収集部門については,一定の直営を維持していかなければならないということで,試行的にごみ収集業務に5名程度,道路や河川の維持管理業務に1名から3名程度の採用を再開することになりました。そのことで,より一層現場の活性化を図っていく。さらに,被災地での採用を考えたうえでのモデル的な採用再開であります。
 来年度から採用を再開しまして,職場に与えた影響などを含めまして,結果をきっちりと検証していきたい。原則的に民間でできるところは民間の活力を生かしていく。そして,効率的な行政執行をしていく。この考えは微動だにいたしません。
 ごみ収集業務につきましても,既に41パーセントが民間委託になりました。民間委託を競争入札でやるという画期的なことも実施しています。そして,平成27年には,実質3年で目標の50パーセント委託は完了する。そうしたことを見据え,2職種に限っての極めて人数を限定した試行的な採用再開であります。
 なお,議会に対して丁寧な説明が欠けていたという点については,今後の教訓にして参りたいと思っております。

(京都マラソンについて)

記者 京都マラソンの開催まで3箇月を切ったが,交通対策など課題が指摘される中,開催に向けての市長のお考えは。

市長 多くの市民の皆さんの期待がものすごく高まっていると感じています。申し込んだけれども落ちたという方が,ボランティアで参加しますということをおっしゃっている。ありがたいなと思っています。同時に,ちょうど東日本大震災から1年に当たり,鎮魂と復興への祈願,さらには活力ある京都をつくっていこう,自粛だけでは何も生まれない,そんな願いが込められていると思います。
 話が飛びますが,昨日まで10日間開催しておりました「嵐山花灯路」の来場者は,対前年度比25%増の128万人でした。去年は102万人,その前年は80万人でした。今年の12月も寒かったのですけれども,嵐山の夜に128万人の方にお越しいただける。やはり自粛するのではなく,経済を活性化することも大事だと改めて実感しています。

(関西広域連合への参加時期について)

記者 関西広域連合の参加時期について,大阪市は早期加入という方針になったが,京都市はどのようにお考えか。

市長 正直言いまして,すぐに入らなければ,関西を元気にしていくために京都市が役割を果たせないということではないと思います。したがって,今は関西広域連合のオブザーバーとしてしっかりと役割を果たしたい。
 同時に,いずれ加入することも意思確認しているわけです。権限移譲の具体的な日程があと少しで決まってくるだろうと思い,いずれ加入することになっていたのですけれども,まだ閣議決定もなされていない。こうした先行きが読めない状況のもとでは,正式参加の時期を権限移譲の時と決めたのを前倒しすることも含めて,京都市会並びに市民の皆さんの御意見,御意向,さらには神戸市長等と相談しながら研究,検討していきたい。

記者 前倒ししたいというお考えがあるという理解でよいのか。

市長 前倒しするのも一つの選択肢であるということです。

記者 関西4政令市で今年1月に正式参加の合意をした時点以後,大阪市だけが加入することについて,話はあったのか。

市長 広域連合の事務局に対しては,早期加入の件についてはきっちり説明されている。我々は広域連合の事務局を通して,色々な意見や情報を交換しています。

記者 大阪市から誘われたりしていないのか。

市長 現時点ではないです。

記者会見資料(平成23年12月19日)

「いのちを守る 橋りょう健全化プログラム」の策定について~橋りょうの耐震補強と老朽化修繕の進め方~

建設局土木管理部調整管理課 電話222-3568

 京都市では,阪神・淡路大震災を踏まえ,平成7年度から,緊急輸送道路上の15m以上の橋りょう及び跨線・跨道橋を「都市防災上重要な橋りょう」と位置付け,耐震補強を進めてきました。
 しかし,災害時における避難ルートや道路ネットワークの確保を図るとともに,平常時においても市民生活を守るために,橋りょうの耐震補強や老朽化した橋りょうの修繕をスピードアップすることが喫緊の課題となっています。
 この度,限られた時間内に最大限の財源を確保し,耐震補強と老朽化修繕を並行して効率的,効果的かつスピード感を持って推進するため,「いのちを守る 橋りょう健全化プログラム」を策定しましたので,お知らせします。

1 本市の橋りょうの現状

  1. 耐震補強の現状
     都市防災上重要な橋りょう92橋のうち,40橋の耐震補強が完了し(平成23年度末時点),今後,残る52橋の耐震補強についてスピードアップを図る必要があります。
  2. 老朽化修繕の現状
    ○本市が管理する橋りょうのうち,橋長15m以上の橋りょう,緊急輸送道路上の橋りょう,跨線・跨道橋等の680橋について,その健全度を調査・点検した結果,損傷が比較的小さい橋りょうは415橋で全体の約6割を占め,緊急に対応が必要となる橋りょうはありませんでした。
    ○軽度なものを含め,何らかの損傷が認められた橋りょうは555橋あり,そのうち早期に老朽化修繕を実施する必要のある橋りょうが265橋(都市防災上重要な橋りょう21橋を含む)あることから,老朽化修繕のスピードアップも大きな課題となっています。

2 プログラムの特徴

  1. 「重要路線」の設定による優先順位の明確化
     緊急輸送道路の中でも,特に重要であると判断する路線を「重要路線」と位置付け,この重要路線上の橋りょうの対策工事を最優先で進め,救助,支援活動のための骨格となる道路ネットワークの確保を早期に実現します。
    ※重要路線:
     ・他都市から京都市への進出ルート
     ・上記ルートを補完し,市域の骨格ネットワークを形成する路線
  2. 最優先に取り組むべき橋りょうについて,5年以内(ステップ1)に対策を完了
     国に対して,制度改革や財源の拡充を強く要望するとともに,最大限の財源を確保し,重要路線の健全化を完了させます。
    (ア)「重要路線」上の橋りょう(15m以上)15橋のうち14橋,及び新幹線または緊急輸送道路をまたぐ橋りょう3橋の耐震補強を5年以内に完了させます。
    (イ)特に老朽化修繕を急ぐ必要がある橋りょう37橋の修繕に着手し,工程的に6年以上かかる3橋以外の34橋について,5年以内に老朽化修繕を完了させます。

3 プログラムの概要

 本プログラムは,今後の橋りょう対策全体の考え方を示すとともに,特に平成24年度から平成28年度までの5年間の取組目標(ステップ1)を明確に定めた第1期プログラムです。
 ステップ1が完了する5年後には,今後の橋りょうの点検結果などを踏まえてプログラムの見直しを行い,改めて平成29年度から平成33年度までの5年間の取組目標を定めた次期プログラムを策定します。
 また,対策が完了した橋りょうなどについて,最小の投資で最大の効果を得られるよう,事前に修繕を行うことにより長寿命化を図る予防保全型修繕(アセットマネジメント)を実施します。

  1. 優先順位の考え方について
    ア 耐震補強の優先順位の考え方
     (ア) 緊急輸送道路上の橋りょう(15m以上)については,「重要路線」上の橋りょうを優先します。
     (イ) 鉄道や道路をまたぐ橋りょうについては,新幹線・緊急輸送道路をまたぐ橋りょうを優先します。
    イ 老朽化修繕の優先順位の考え方
     損傷度や路線の重要性を考慮し,特に老朽化修繕を急ぐ必要があると判断した橋りょうを優先します。
     また,橋長が短く比較的新しい橋りょうなどについても5年以内に橋りょう点検を実施し,その結果を5年後に策定する次期プログラムに反映させます。
  2. 取組目標について
    ア ステップ1(第1期プログラム:今後5年間の取組目標)
     国に対して,制度改革や財源の拡充を強く要望するとともに,最大限の財源を確保し,重要路線の健全化を完了させます。
    耐震補強については,
     (1)緊急輸送道路上の橋りょうについては,
      ア  「重要路線」上の橋りょう(15m以上)15橋の対策に着手し,工程上6年目以降になる1橋以外の14橋の対策を完了させます。
      イ 架け替え予定の橋りょう2橋,及びその他の橋りょう11橋のうち,特に老朽化修繕を急ぐ必要がある橋りょう1橋の対策に着手します。(工程上,完了は6年目以降になります。)
     (2)鉄道や道路をまたぐ橋りょうについては,
      ア 新幹線又は緊急輸送道路をまたぐ橋りょう3橋について,対策を完了させます。
      イ その他の橋りょう21橋のうち,特に老朽化修繕を急ぐ必要がある橋りょう1橋の対策に着手します。(工程上,完了は6年目以降になります。)
    老朽化修繕については,
     損傷が比較的大きく,早期に老朽化修繕を実施する必要がある橋りょう(健全度「C」)のうち,特に老朽化修繕を急ぐ必要がある橋りょう37橋の対策に着手し,工程上6年目移行となる3橋以外の34橋について,老朽化修繕を完了させます。
    イ ステップ2(6年目以降,5年ごとにプログラムを見直し,具体的な取組目標を定める)当初の5年以内に,
     耐震補強については,比較的健全な緊急輸送道路上の橋りょう(15m以上)10橋,及び人道橋などの跨線・跨道橋20橋の対策に着手します。
     老朽化修繕についても,損傷が比較的大きく,早期に老朽化修繕を実施する必要がある橋りょう(健全度C)について,優先順位を定め,順次取り組んで行きます。
    プログラムは,5年ごとに見直します。

「まちの匠の知恵を活かした京都型耐震リフォーム支援事業」について~費用負担が少なく手続きも簡単に 木造住宅の耐震改修を後押しします!~

都市計画局住宅室住宅政策課 電話222-3666

 地震から市民の皆様の命と財産,そして京都のまちを守るためには,木造住宅の耐震化が急務です。また東日本大震災の発生を受け,市民の皆様の耐震化への関心は高まりつつあります。
 そこで京都市では,京都のすまいづくりを担われている,大工,左官,板金,金物屋,瓦屋,建築士といった実務者の方々と京都市の関係者で構成する「耐震ネットワーク分科会」を平成23年7月に設置し,より利用しやすい耐震改修の支援制度について検討を進めてきました。
 この度,耐震性が確実に向上する様々な工事を助成対象として予めメニュー化することで,より分かりやすく,手続きが簡単で,費用負担が少なくてすむ新たな助成制度「まちの匠の知恵を活かした京都型耐震リフォーム支援事業」の概要をとりまとめたので,お知らせします。

1 事業の特徴

  1. 工事の費用負担が少ない
     完全な耐震化を目指す工事は大規模になる場合が多いため,費用負担が大きくなっています。そこで,まちの匠の知恵を活かし,耐震性の向上に効果的な工事を助成対象とすることで,工事の費用負担を相対的に少なくします。
     また,助成対象となる工事を予めメニュー化(別紙参照)することで,市民,事業者の皆様にとってもより利用しやすいものとしました。
  2. 申請手続が簡単
     事前の耐震診断などは不要です。簡単なチェックリストや写真等を用意していただくだけで,即日審査を行い,速やかに着工していただけます。

2 事業概要

 木造住宅の耐震改修工事について以下のとおり助成を行います。

  1. 対象となる住宅
     昭和56年5月31日以前に着工された木造住宅(店舗等との併用住宅及び空き家を含む。)
  2. 対象者及び施工者
     対象者は,住宅の居住者(借家人を含む。),住宅の所有者とする。
     施工者は,京都市内の事業者に限る。
  3. 対象工事及び助成額
     建物の健全化や屋根の軽量化など,耐震性が向上する様々な工事を予めメニュー化し,このメニューに該当する工事(付帯工事を含む。)を助成対象とする。
     なお,より使いやすい制度とするため,メニューの拡充について引き続き検討を進める。
     助成額は,複数工事の組み合わせを可能とし,工事費用の90%,上限額は60万円とする。
     ※メニューとそれぞれの助成額の詳細については別紙参照。
  4. 手続
     工事着工前に窓口審査を行い,即日受付書を交付し,その日から工事を行っていただくことを可能とする。
     工事完了後,補助金の交付申請を受け付ける。
     補助金交付申請にあたっては,写真や書類によって審査を行い,適宜現場検査を実施する。

3 初年度(24年度)事業費(予定)

 約2億4,000万円(500件分程度)

4 今後のスケジュール

 予算を確保したうえで,24年度当初から実施する予定です。

(参考)

1 現行の木造住宅耐震改修助成事業との比較について

現行の木造住宅耐震改修助成事業との比較について

「まちの匠の知恵を活かした京都型耐震リフォーム支援事業」

現行の制度
(木造住宅耐震改修助成事業)

工事着工までの期間

申請日から着工可能

工事着工まで約3.5~4.5箇月

耐震診断

不要

耐震設計

不要

助成率

工事費の90%

工事費の1/2+30万円

助成額
(上限)

60万円

90万円

※現行の制度としては,このほかに京町家等耐震改修助成事業及び木造住宅簡易耐震改修等助成事業がある。

2 「耐震ネットワーク分科会」について

 「京都市建築物安心安全実施計画推進会議」の中に「耐震ネットワーク分科会」を平成23年7月20日に設置しました。大工,左官をはじめ,建築士など関係事業者と本市の関係者で構成。完全な耐震化に至らなくとも,耐震性が確実に向上する工事を対象にした助成制度の検討や地域に出向いた普及啓発を実施しています。

◆分科会の構成メンバー

  • 京都府建築工業協同組合
  • 京都左官協同組合
  • 京都府瓦工事協同組合
  • 京都府板金工業組合
  • 京都建築工事金物協同組合
  • 社団法人 京都府建築士会
  • 社団法人 京都府建築士事務所協会
  • 一般社団法人 京都建築設計監理協会
  • 社団法人 日本建築家協会 近畿支部京都地域会
  • 社団法人 京都府建設業協会
  • 社団法人 全国中小建設業協会全中建京都
  • 特定非営利活動法人 コンシューマーズ京都(京都消団連)
  • 株式会社 確認検査機構アネックス
  • 京都市住宅供給公社
  • 京都府建設交通部建築指導課
  • 京都市都市計画局建築指導部
  • 京都市都市計画局住宅室
◆分科会の開催経過

開催日

内容

第1回分科会

平成23831

ネットワーク組織のあり方,活動内容等の検討を行い,併せて,市民が利用しやすい支援制度の議論,市民への普及啓発の取組提案を行った。今後も引き続き,1ヶ月に1回程度で分科会を開催し,議論を踏まえ,平成24年度には民間活力を発揮するネットワーク組織を設立する。

第2回分科会

平成23927

構造評点にこだわらない耐震補強についての意見交換を行った。次回以降,各団体から具体的な耐震補強案の発表を求めた。

第3回分科会

平成231024

新たな耐震補強助成制度の議論を深めるとともに,地域における普及啓発の活動案を本市から説明した。

第4回分科会

平成231212日

 「まちの匠の知恵を活かした京都型耐震リフォーム支援事業」のメニュー及び運用方法についての議論を行った。
また,事業者を対象としたセミナーの実施及び来年度以降のネットワークの活動について京都市から提案し,議論を行った。

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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