2003年6月 京都市代表団のプラハ訪問
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2015年7月31日
京都市代表団のプラハ訪問
河内隆副市長を団長とする京都市の代表団4名が2003年6月にドイツ連邦共和国のケルン市との姉妹都市提携40周年記念事業に出席する為に渡欧した際に,同じく京都市の姉妹都市であるチェコ共和国のプラハ市を訪問しました。代表団は2002年8月にプラハを襲った洪水からの復興状況の視察を行うとともに,プラハ市庁舎およびチェコ日本友好協会を訪問し交流を深めました。
1.洪水の復興状況の視察
日時
2003年6月13日金曜日 9:00~
場所
ヴルタヴァ川沿いのプラハ市街
内容
プラハ市は2002年8月にヨーロッパを襲った集中豪雨により洪水の被害を受けました。京都市から,桝本京都市長・磯辺京都市会議長の連名によるお見舞い状と,100万円のお見舞金をプラハ市に送りました。
プラハ市開発局のジリ・トーマンさんの案内で復興状況を視察しました。
洪水の最高時には,市内中心部の地下鉄はもちろんのこと,地上2mの高さまで浸水したそうです。また,下水管を逆流した被害が多かったとのことでした。
被害額は市の財産だけで約150億コルナ(1コルナ=約3円),地下鉄だけでも80億コルナの被害がありました。
復興状況の説明を受ける。
至るところで復旧工事
洪水の発生は,豪雨の状況から予想することができ,発生の初期から最高の状態になるまでに3日間ありました。この間を利用して,軍隊や警察が強制的に住民を退避させたことにより,プラハ市内では死者は出ませんでした。被災に対する対応が早かったので伝染病は流行りませんでした。
現在は,市内の多くは日常生活をおくれる程度に回復し,地下鉄は100%開通しているとのことでしたが,まだ至るところで復旧工事が行われていました。
街路も大きな被害を受けた。
洪水で倒潰した家屋
100年ほど前に,チェコの工業化に伴い多くの労働者がプラハ市に流入しました。この当時に建設された労働者用の住宅は,それ以前の建物に比べて壁が薄いなど造りが弱く,今回の洪水で多くが倒潰しました。
プラハの旧市街では,歴史的建造物や町並みの保存に力を入れていますが,労働者用の住宅が集った地域は再開発の計画地域となっており,オフィス街をつくる予定です。これまではこの開発計画が進みませんでしたが,今回の洪水によって建物が倒潰したことで開発事業に弾みがつくとのことです。
2.プラハ市表敬訪問
日時
2003年6月13日金曜日 14:00~
場所
プラハ市旧市庁舎
内容
代表団はプラハ市旧市庁舎2階ホールにおいて,ヤン・ベルゲマイスター副市長に会見しました。両副市長は挨拶を交わして歓談し,両市の友情を深めました。
旧市庁舎での会見
歓談する両副市長
旧市庁舎の天文時計
旧市庁舎は,1338年頃に開設され,数世紀にわたって増築や,隣接する建物の買収を繰り返し現在の姿になりました。プラハのシンボルになっている天文時計は,1490年頃に造られました。もともと塔の横にも建物がありましたが,第2次大戦中にナチス・ドイツにより破壊され,その記憶を忘れないように空き地のままになっています。
第2次世界大戦後,行政機能は新市庁舎に移されましたが,今も結婚式場やレセプション会場として使用されています。
3.チェコ日本友好協会訪問
日時
2003年6月13日金曜日 17:00~
場所
チェコ日本友好協会
出席者
河内隆副市長ほか,京都市代表団
クリスティーナ・コパチェコヴァ チェコ日本友好協会副会長
ヤン・シーコラ チェコ日本友好協会副会長
ダニエラ・ハトレオヴァ チェコ日本友好協会副会長
山田晴美 チェコ日本友好協会副会長理事
藤原知史 在チェッコ日本大使館二等書記官
内容
チェコ日本友好協会は,1946年にチェコスロヴァキア・日本友好協会として設立されました。日本の歴史・文化の広報,日本の各分野の情報の広報,日本チェコ両国の相互理解の促進などを目的とする,日本に好意を持つ方々を会員とする団体です。
茶道(裏千家)・生け花(草月)・書道の練習,各種日本文化広報のための文化行事,日本語講習,広報誌の発行,日本書籍の翻訳出版(皇后陛下の書籍の翻訳など)等を行っています。在チェッコ日本大使館の広報文化班とは連絡を密にしており,各種文化行事,チェコ文化人との交流などを互いに協力しながら行っています。
会員は,各種行事を実施するに際しては,無報酬のボランティアとして活動しており,財政的には苦しいそうです。
副会長のヤン・シーコラさん(中央)から歓迎の挨拶と協会の活動内容についての説明を受けました。
シーコラ副会長は日本語がたいへん流暢で,日本文化にも精通されています。
在チェコ日本大使館では和服1セットを所有し,各種行事等に使用していましたが,前年の洪水により損傷してしまいました。そこで,京都市から,在チェコ日本大使館と緊密な関係にあるチェコ日本友好協会に和服3セットを寄贈しました。
代表団の訪問に合わせて,京都市が寄贈した和服をはじめ,生け花や短歌の短冊などの展示会が開催されていました。
京都市が和服を寄贈したことに対する感謝状をいただきました。
この日本間はチェコ日本友好協会の方々の手作りだそうです。
お問い合わせ先
京都市 総合企画局国際都市共創推進室 国際担当
電話:075-222-3072
ファックス:075-222-3055