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門川市長記者会見(2009年4月22日)

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2023年4月12日

平成21年4月22日門川市長記者会見

「世界遺産・二条城ウェディング」の開催について

本日は,築城400年を越えます歴史・文化が息づく世界遺産・二条城で結婚式を挙げていただこうという新たな企画について発表させていただきます。
 これまでも,京都市民の皆様やホテルなど観光関連業界の方々から,二条城での結婚式を希望される声が多数寄せられておりました。
 その期待に応えまして,二条城の庭園や茶室で,結婚という人生の門出を迎えるカップルたちを温かく祝福することはもちろん,お茶のお点前,お琴の演奏,縮緬(ちりめん)を用いた白無垢(しろむく)やウェディングドレス,十二単(じゅうにひとえ)の花嫁衣装など,京都ならではの伝統文化で彩りを添えまして,華やかな「和」の雰囲気を演出したいと思っています。
 この事業の意義は,一つには,二条城が誇ります建築・工芸・絵画等の芸術文化はもとより,京都の有する伝統文化,和装,お茶,琴などを採り入れた挙式とすること,和の文化の多彩な魅力を若い人たちに実感してもらうとともに,その素晴らしさを広く発信できること,こういう点にあります。もう一つは,我が国を代表する名城である二条城の新たな魅力となり,効果的なPRにもつながると考えております。
 京都市の施設であります二条城は,大政奉還をはじめとする日本の歴史の重要な舞台となってきた貴重な文化財であります。また,平和を象徴する城であろうかと思います。江戸時代は,(徳川)家康が,二条城で(征夷大将軍に)任官してから始まりました。そして,大政奉還で江戸時代が終わり,明治時代を迎えた。一度も戦争をしていないお城であります。平和・芸術・文化を象徴するものであろうかと思います。
 そして,桜シーズンのライトアップ,あるいは秋のお城まつり,お正月の特別公開,市民大茶会などの多彩な催しを行っております。修学旅行での思い出深い方もたくさんおられると思います。年間を通じて多くの方々をお迎えいたしております。これもかつては,120万人ぐらいでしたが,昨年は150万人にまでなりました。歴史都市・芸術都市京都の象徴ではないかなと思っています。
 こうした類まれな魅力,美しいロケーションを有する世界遺産・二条城での結婚式を素晴らしい想い出,記念にしていただき,京都の,日本の歴史・文化を次の世代へ伝えていくことを考えています。
 今後,プロポーザル方式で企画・提案を募りまして,5月下旬には,京都の伝統文化,伝統産業などの振興に努めておられる方々で構成する選考委員会において,事業運営を担う企業を決定いたします。
 京都の婚礼サービスのプロの皆さんの斬新なアイデアを期待しております。
 なお,早速でございますが,西陣織工業組合からこのウェディング事業への協力ということで,花嫁衣裳の一つとして,十二単を提供するというお申し出をいただいております。数千万円もの西陣織の素晴らしい十二単です。
 結婚式の応募は,6月下旬から30組を受け付け,京都が最も魅力的に輝く季節であります秋の10月下旬から,世界遺産・二条城を舞台に素晴らしい結婚式を挙げていただきたいと思っております。
 また,非常に人気がございます京都国際マンガミュージアム,年間28万人の方々が来館していただいております。京都市と京都精華大学で共同事業として運営しておりますが,そこでも地元・龍池学区自治連合会の発案を受けまして,ウェディングを企画中であります。決定すれば,また関係者から発表させていただきます。

「二条城ライトアップ2009」の入城者数について

なお「二条城ライトアップ2009」の入城者数が過去最高を記録いたしました。先週の日曜日,4月12日午後9時30分まで開催していましたが,100,954人の皆様にお越しいただきました。この間,お昼にも16万人お越しいただきましたから,昼夜合わせて26万人を超える皆様に二条城へお越しいただきました。
 かつては二条城に桜の名所というイメージは,正直言ってあまりございませんでした。私も近くに住んでおりますが,二条城の桜があんなに美しいとは知りませんでした。約50品種・400本の桜を擁しております。そして1期,2期,3期と桜の見頃の時期がうまく移り変わりまして,1ヶ月近く満開の桜を楽しんでいただける,有数の桜のスポットであります。
 また桜だけではなく,新緑の季節はツツジ類,秋はイチョウなどの紅葉,冬にはツバキなど,四季折々の樹木や花々を楽しんでいただけます。平成19年度は145万14百人でしたが,平成20年度は156万95百人と8.1%入場者が年間で増えています。
 私からは,以上であります。

質疑応答(要旨)

(二条城ウェディングの実施効果について)

記者

今回の事業は,市の活用できるものを広く活用していこうという市長の意欲の現われかと思う。
 しかし,市内にも数多く結婚式場があり,「民業圧迫」について考えたとき,今までの客以外の方を呼び込むことが必要だと思うが,そのためのPR等についてどう考えているのか。

市長

 「信州の方へ行って結婚式をしよう。」,「外国へ行って結婚式をしよう。」といった風潮がある。この数年,ありがたいことに,和の結婚式が少し復活してきており,今回のウェディング事業が「京都で結婚式をしよう。」という雰囲気を更に高めるきっかけになると思います。
 二条城で今回30組,また,平安神宮や清水寺で結婚式をされる方もいる。しかし,結婚式の場所としての京都は,まだまだ発信できていない。
 先だって「京都市名誉親善大使」に委嘱したフランス人のバルベリさんは,奥さんが作家でご主人が写真家ですが,「世界中をまわって,住むのは京都だと思った。」と仰いました。今回の事業を一つの契機に,京都の有する和の文化を発信すると同時に,「京都で結婚式をしよう。」というブームを引き起こしていきたい。
 また,「二条城ウェディング」では飲食等について,二条城の中ではしていただけませんので,近くの料亭・ホテルを使っていただく。宿泊についても,民間の施設を使っていただく。民間企業を圧迫するのではなく,民間企業が活気づくことになると思います。

記者

潜在的な京都需要を引き起こす先導役を担うと。

市長

 和の文化を発信したい,とりわけ和装産業の振興に寄与したいと考えています。
 洋服でも最近,友禅・西陣織を使った新しい企画がヒットしています。洋式のウェディングドレスも,縮緬や京友禅などを使ったものを衣装にしていただく火付け役にしたいと思っています。

(二条城ウェディングを担う企業について)

記者

プロポーザルで選ばれる企業について,例えばこういう運営方法を採る企業を選びたいといった思いはあるのか。

市長

京都市としては,あまり既成概念を持ち込まないでおこうと思っています。

先ほど申し上げた趣旨の範囲程度で,あとは民間の叡智や,選考委員の方々に

十分に考えていただこうかと。

記者

具体的な要件としては,和の文化を採り入れたものということか。

市長

そうです。お茶,お琴と言いましたが,もちろん雅楽があってもいいですし,京都市交響楽団があってもいいと思います。STS国際会議のとき,建仁寺で京響が演奏し,なかなかよく調和していました。
 あまり固く考えないでいいのではと思っています。
 結婚式をされるカップルが「私はこういうことをしたい」という御希望に柔軟に応えていければ,それがいちばん良いと思っています。

(環境モデル都市としての取組について)

記者

電気自動車等の取組についてだが,今後の京都市の取組目標は。

市長

環境モデル都市に認定されるために,ずいぶん苦労しました。一時期は,京都の理念,京都が市民ぐるみで,経済界も含めて目指しているものと,東京で検討していただいているものとのギャップも感じました。
 しかし,認定していただき,先だっての東京での会議でも,京都のプランが一番多彩で,未来に対して展望を感じるという高い評価を受けています。
 またこの度,環境省から20億円という思い切った予算の中で,13都市が競い合い,3億2千万円余り,実に16%を京都市の事業に措置していただき,非常にありがたいと思っています。
 電気自動車については,単なる電気自動車の購入だけでなく,インフラの整備や,その整備への太陽光発電の活用,カーシェアリングの促進などを盛り込んだことが高く評価されました。市民ぐるみで進めていく,また,都市のインフラ整備も含めて進めていくという部分が評価されたと考えています。今後,そうした取組を更に充実していきたい。京都市の予算をほとんど使わずに,1年目の整備ができることになりましたので,これをバネにしていきたいと思っています。
 もう1点は,京北地域の振興について環境問題を含めて取り組んできましたが,京北の間伐材や,市域の荒れている竹やぶの整備により発生する竹材,更に,コーヒーの残渣(ざんさ)といったものを集め,京北の地で,民間の力によってペレットをつくり,それを燃料として活用していこうというものです。これについては,実に2億5千万円を認定していただきました。
 木材需要を拡大していく取組は,息長くやっていかなければなりません。需要が低迷しているから,山が荒れています。民間も行政も,ペレットを燃料に使うような取組を一歩一歩進めていくことで需要拡大を図ることが,次の段階と思っています。暖房については,新しい施設をつくる場合に,ペレットを活用していくような仕組みも考えたい。

(定額給付金等のDV被害者対策について)

記者

定額給付金のDV被害者への支給に関して他都市が対策を打ち出しているが,京都市の対策は。

市長

DV被害者の方々は,定額給付金や子育て応援特別手当(3万6千円)について,最も必要としている方々であります。
 定額給付金及び子育て応援特別手当については,国に対して,きめ細かい対応が必要であることを要望してきましたが,残念ながら叶いませんでした。子育て応援特別手当についてはこれから拡充される部分もあると聞いていますので,引き続き,きめ細かい対応を要望してまいります。これと併せて,京都市独自の対応も検討しており,DV被害者の方々に定額給付金と子育て応援特別手当の同等額を支給する方向で,具体的な方法を検討しているところです。
 DVを理由に母子生活支援施設に入所されている事例,所帯主に支給する児童手当を特別な事情があり別途支給している事例が,京都で100世帯を超えております。推定ですが,親戚等へ避難されている方などを含め,200世帯はおられるのではないかと思います。

(定額給付金のホームレス対策について)

記者

定額給付金に関連して,ホームレスへの対応は。

市長

 DV被害者の事例は,京都市に住民票があるが,特別な事情のために住所を変えておられる方の定額給付金が,世帯主に給付されてしまうという,非常に矛盾した事例です。極めて特異な事例だと思います。
 住所地が確定されない事例への対策は,非常に難しいと思います。

(全国学力テストについて)

記者

昨日行われた全国学力テストで,初めて国公立全校が参加したことについての所感は。

市長

 全国では,昭和40年代初めに,学力テストが中止されているが,京都市では,小1から中3までの学力テストを,教育委員会と校長会,教育研究会との合同で,一貫して実施していました。それを更に進化させて,例えば,小学校で「ジョイントプログラム」,中学校で「学習確認プログラム」を実施して,約25日以内に学年あたり1万人を超える全児童生徒に対し結果を返しています。結果とともに,問題・解答の分析,その復習教材を配るなど,京都では,より進化させたものとしてきています。
 全校実施を一つの機会に,全国各地で創意工夫あふれる取組が進んでいけばと思っています。

市長記者会見資料

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京都市 総合企画局市長公室広報担当

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