門川市長記者会見(2009年1月21日)
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2023年4月12日
平成21年1月21日門川市長記者会見
和装産業の活性化に向けた戦略の展開
門川市長
和装産業,きもの産業の活性化に向けた戦略につきまして発表させていただきます。
和の文化を象徴し,我が国を代表する伝統産業であります京都の「きもの」産業を活性化するため,和装業界の方々と京都市が新年度,強力な連携のもとに打って出る戦略的な具体策について説明させていただきます。後ほど各代表からも説明を加えさせていただきます。
永年にわたり,華やかで品質の高いきものをつくり,和の文化の継承・発信に大きく貢献してこられた京都の和装業界を主役に,京都市が舞台を整えまして,一体となって取り組んでいく戦略プランでございます。
この新事業は,最大の市場であり,情報発信の要であります「首都圏」で,「大人の女性」をメインターゲットに,きものが「身近なファッション」の一つとして楽しまれる,その魅力を定着させることを目指すもので,京都市が今年度に予算化して策定を進めております「和装産業活性化戦略プラン」に基づいた事業でございます。
具体的には,まず1つ目といたしまして,「ジャパン・ファッション・ウィーク」,「東京ガールズコレクション」などの日本最大級のファッションイベントへの京都のきものの出展であります。「東京ガールズコレクション」へのきものの出展は,史上初めてであります。
2つ目は,洋服中心の人気ファッション誌などとタイアップした京都のきものの特集であります。プラン策定に御協力いただいている小学館の「プレシャス」や「ドマーニ」といった著名な雑誌で,買い物やパーティーに出かける際の“おしゃれなきもの”を提案いたしたい。
3つ目は,これまでに前例のない,首都圏のオフィス街,例えば丸の内,日本橋などやおしゃれなショッピング街,表参道,代官山などで催す「きものファッションショー」であります。例えば,ショッピング施設やオフィスの入った丸ビルのフリースペースで行い,多くの買い物客やOLの目を引きたい,そして東京から全国に,また世界に発信していきたいと考えております。
こうした話題性のあるメニューを,京都の和装業界と京都市が共に汗する「共汗」で展開していきたいと思っております。
和装産業は今,業界の懸命な努力にもかかわらず,たいへん厳しい状況にございます。更に,100年に1度とも言われるこの金融危機が景気に厳しい追い討ちを掛けております。市内製造業全事業所の約4分の1が和装関連製造業であります。そこの経営支援は,今クローズアップされております雇用の確保という側面からも「待ったなし」だと思っております。
こうした状況を何とか打開していきたい,そのために最大の市場である「首都圏」にターゲットを当てる。そして今まさに活躍されている方々にお集まりいただいた,「和装産業活性化戦略プラン」策定委員会を昨年9月に立ち上げまして,これまで2度にわたって東京で委員会を開催し,真に有効な議論,提案をいただいており,現段階で「きものを身近なファッションの一つに」「首都圏の大人の女性をターゲットに」という方向性が確立してきました。そのため,新年度予算に盛り込むべく詰めの作業を今いたしております。その事業メニューをお示しすることとしました。
そして,3月に京都で開催を予定しております3回目の委員会で,京都の和装業界の方々と十分な意見交換を行っていただき,制作や販売の現場からの声,知恵,そして課題等を取り入れてプランに更に磨きをかけて,年度内に固めきりたいと思っております。
この度の新たな事業展開は,これまで京都市が企画してきました万人向け,総花的な催しとは明確に一線を画したものにしたい。きものの需要に直結するような効果的なプロモーション事業を展開することにより,和装業界と京都市がスクラムを組み,和装産業の活性化を強力に推進して,質・量ともに全国随一であり,日本のきもの産業を牽引する「Made in KYOTO」のきものの需要を首都圏で開拓していきたいと考えております。各代表の方々に説明していただきます。
私からは以上でございます。
渡邉理事長
(会見席の後方に飾ってある几帳を指して)まずこれを見てもらったらわかるわけですけれども,皆様から向かって右が,西陣で作った織物,紋様織物です。左側が京友禅です。ともに「几帳」という形でもって皆さんの前に展示しているわけですけれども,これは京都市が発注して作らせたものです。このように平気で飾っているわけですが,これは100年経ったら京都市の宝になって,500年経ったら国宝になる。こういったものを常々平気の平座で作っていることが,我々の業界の誇りでもあるし,かつ又,西陣,あるいは京友禅のすごさやと。この産地をどのようにやっていくかとなると流通との摩擦もあるし,利益の配分などいろんなこともあるけれども,しかしながらこれだけのものを作っているという矜持をきっちりと持ってやっていく。幸いこういうものは,日本の国宝みたいなものですから,あまり流行もないし,今後も一番いいものをきっちり提供していくという産地の強い姿勢を何とか出していきたい。かつ又,産地としても本当に消費者が全然望んでいないのに,買え買え言っても無理な話ですから,そこにおいて,いろんな人との共通のこうした施策を京都市の方からきちっとやって,最大マーケットの東京へ持っていく。
これは10年も前からその兆しは出ていたが,皆さんご存知の様に和への回帰現象というのがあります。ファッション感覚の高い人ほどきものが好きだと,きものを着たいという,こういう期待度がものすごく高まっている中で,産地がだんだん滅んでいくとか,流通が力をなくすとか,いろんなミスマッチ現象が出てきている。このミスマッチ現象をどういう風に解決していくのかといったことは,外から,東京の現場の人にもいろいろ聞いて,我々も現場へ出て行って,そういったことに対応していくという非常にいい,タイムリーな機会だと思う。市長をよいしょするわけではないが,皆様方も大きなエールを送っていただきたい。
我々は国宝を作っているのだと。奈良の正倉院御物で皆さん行って崇めて見ていますけれども,1300年あんないい保存状態でよく残したと。そういう奇跡みたいなことをやって,そして今国宝になっている。あの程度といっては何ですが,我々は国宝クラスのものをどんどん作っています。これぐらいの矜持を持ってやっています。是非,京都のこういった文化産業に大きな期待をしていただいて,京都の未来は文化の創造,産業の創造にあるという風に考えている。小澤理事長
今,渡邉理事長からお話がありましたように,まず何より,世界に冠たる日本の染織。もっというなら京都の染織。染であれ織であれどちらにしても世界に冠たるという言葉を申し上げて差し支えない。織にあっては,西陣織の右に出るものは世界中にないでしょう。また染の方でも一部ヨーロッパにプリントという世界があります。しかしあれは我々のいう染という言葉の中へは入れておりません。やっぱり糊置きしているとか。しかしまたプリントというものを入れたところで,これだけの染織の多岐にわたるものはない。それを背景に,あるいはそれが育ちつつ,一緒にこの日本でも最古と言ってもいいんじゃないかと思うけれども,有数に古い集産地として京都の室町があります。
今までは,産地がよかっても室町が悪かった。あるいは染屋さんがよかっても織屋さんが悪かった。あるいは産地,我々室町の問屋がよかっても小売屋さんが悪かった。どこかがよかってもどこかが悪かったという時期がありました。まあNC(ナショナルチェーンの大手呉服店)さんしかり,あるいは,たけうちさんが,以前売上げが多かったのはご案内のとおりだと思いますが,あの時もはっきり言って室町もメーカーの方もしんどかった。どこかがよくてどこかが悪かった。
今回は,そのたけうちの倒産以来,正直申し上げてサブプライムじゃないけれど,あれは室町の一部の問屋が影響を受けたことやと,アメリカの一部の金融機関で起ったことやというのと同じような見方を一旦はしたんですが,それが雪崩のようになって,あるいは津波のようになって,それが世界不況になってきたのと同じで,あの一件以来,消費者に不審をすごく持たれている。
我々は,流通業の真ん中におります。リテーラーの方とメーカーの方との間におりますが,京都の室町は物を作る,加工する力も持っております。その中で,いかにして消費者の信用,信頼を回復するか。あるいは消費者のお持ち合わせの感性,価値観,それに合わせたものづくりをどうするか。消費者に欲しがっていただくものをどうするんだと。それがニーズなのかウォンツなのかと。ニーズも一部ありますが,今現在「和風」,日本の風として風はあるんです。和文化の。この風をどうもきっちり帆をかけて,それが捕まえてない。そこにどこか消費者との間にギャップがあるんじゃないかと。ここで言ってはいけないかもしれないが,売れることがすなわち振興になるわけで,売れなければ振興倒れに終わります。
それについて,消費につながっていくような方向性の中で,やっぱりターゲットとしては東京。あの天井の高い,あのビルの中,六本木でもどこでもいいです。あの中でも,日本のきものはびくともしないのです。何か日本のお茶室であるとか,日本の建物の中でしかきものは似合わないんじゃないかという。とんでもない。パーティー会場に行って,素敵なドレスを御召しになっていても,その中できものが入れば,そういう意味では,あの近代化した東京の中で何か我々も考えていかなければと思っていたところもある。それともうひとつは,京都へ観光のお客さんが何千万人もお越しになる。その方々にどうアピールしていくか。出ていくのか,来てもらうのか。しかし,来てもらうお客さんに対して我々が対応することは,業界でも可能性はあるなと思っていました。しかし,東京というあの大海に対して出ていくのには,我々ひとつひとつの組合ではしんどいなと。それぞれいろいろな話をしておりましたが,ここへ今度京都市さんがこういう形でまとまってサポートしていただくことは,本当にありがたいことですし,何とか東京というところ,何とか一点突破,全面展開できたらなと。このように思っておりますので,どうぞよろしくお願い致します。池田理事長
私の京友禅協同組合連合会というのは,まさにものづくりの現場そのものです。京都で一番手間隙掛けてやっている仕事の集団やというように思っていますが,今現在,世界同時不況ということで,日本中でも大騒ぎですが,我々の業界は2,3年前からそういう状況に入っておりまして,それにどうやって対応していっているかという現状であります。現状は非常に厳しいんですけれども,我々よく業種を分散してやっているのが弱いといいますが,実際には分業していることで今耐えられていると思っております。各分野がそこで工夫したり,いろんなことで対応しながら,何とかこういう状況を脱皮したいと思っております。
ちょっとはずれますが,先週の土曜日に実は我々の連合会の中の一組合ですが,京都紋章工芸協同組合というのがありまして,それが60周年の記念事業をしております。この紋章というのは,紋付の紋を入れる業界なんですけれども,今現在の組合員はまだ50件以上ある。ちょっとした宴会なんかの文化的なアトラクションは,組合員の自前でやっている。三味線とか笛とか。結局そういう方々というのは,いわゆる文化のものに接しながらものづくりをしているというのが,京都のものづくりではないかと思っています。そういうことが底力やと思っておりまして,表面の部分は消えていくかも分かりませんけれども,本当の一番底の部分は絶対消えないと私は思っております。
今回,こういうように東京で展開するということで,また今までと違う切り口で,我々は非常に期待しております。そういう意味で,今後こういうことも含めて,我々がへたったら京都はあかんと思っておりますので,それくらい意気込んでやっておりますので,皆さん方もどうぞよろしくお願いします。門川市長
ご覧のとおり今日はスタッフ全員きもの姿で共同記者会見の場を設定させていただきました。京都市の御用始めの日,180人の職員がきものを着てくれました。私も気が付きましたら,今日21日ですか,この間3日は防災訓練などで服を着ましたけれど,あとは全部きもので通していますし,明後日,総理官邸で認証を受けに行きますけれども,きもので行って,国会から関係省庁まできもので回ってこようと。これから東京出張へ行くときは,可能な限りきもので行こうやないかなと思っています。まず出来ることから進めていく。そして同時に,焦点を絞って,戦略的に業界と一緒に努力していきたいと思っています。
去年のG8外相会合の時に,迎賓館できものでお迎えしたら,ライス国務長官が,「ワンダフルきもの。」と仰られた。パリもナンシー市もずっときもので通しました。今話にありましたように,世界中の素晴らしい服飾産業に比べて,日本のきものがいかに優れているかということは,私も実感しますので,必ず結果を出す戦略を立てていきたいと思っています。
渡邉理事長
質疑応答(要旨)
(戦略の目標について)
記者
市長
和装産業は,昭和40年~50年来をピークに,ずっと下り坂にある。京友禅の出荷量は,ピーク時の4%を切っているという状況です。高級品が売れていますので,出荷額はそこまでいっていませんが。これを上向きに転じたい。
首都圏で団塊の世代の方々への大規模な調査を実施したが,17%の人がきものに関心を持ち,着たいと答えておられる。そうした人たちに焦点を当て,きものの良さを感じてもらい,きもの文化を発展させていく。そこが焦点であり,良い御質問をいただいていますけれど,何着売りますといった目標を立てているわけではありませんので,御理解いただきたい。(消費に結びつける仕組みについて)
記者
今回の首都圏でのPRで,おそらく首都圏の女性も良いきものだと感じると思う。それを消費に結びつける仕組みについては,どう考えているのか。
例えば,私の妻もきものを買いたいというけれども,数十万掛かる,じゃあやっぱりやめるとなるわけですね。販売に結びつかなければ,「いいものだね」で終わってしまうので,そのあたりをお訊きしたい。
渡邉
まさにその道を見つけるために頑張っていく。可能性が大きいのは,大阪や九州じゃなく,やっぱり東京。そこで,そういう可能性を見つけに行こうということやと思います。
例えば,奥様が15万円やったら買うけど,20万円やったら買わないとか,非常に微妙なところになってくると思うんですね。そういうところまで,きっちりと追求してやっていく。そのためにはどうしたらいいかをこれからいろいろやっていかなあかんと思っています。で,その中で,努力が報われるような,発想がきっちり生きてくるようなキャッチ・アップをしていく。
細見
今の御質問,そのとおりです。ですが,我々が目指すのは,きものに対しての興味とか関心,それも離れていますから,その山をひとつ動かしたいということ。これは,業界の方々が一つになって,今まで何回もトライされていますが,これが最後のチャンスではないかという人もいるわけで,行政も一緒になってトライしたい。
私は,3年ぐらい前に,商工会議所と経済同友会でイタリアに行ったが,ロンバルディア州ミラノの方が言っていました。「25万の中小企業があるけれども,それがイタリアの20%のGDPを稼いでいる。平均従業員数は6.5人だ。」という話を聴き,日本でこういうことができるのは京都だけじゃないかと思った。イタリアだって,スカーフやネクタイ,靴,鞄,照明器具に家具など,ローテクでしょう。ですから,伝統産業,和装産業を中心に,なんとか山を動かしたい,そう職員一同で期待しているところです。
市長
(ターゲットについて)
記者
20代後半から40代の女性にターゲットを絞るということですが,需要に直結させるためにどのあたりがポイントになるのか。もしお考えがあればお伺いしたい。
小澤
高学歴の方々など女性の社会進出が一番激しいのは,やっぱり東京やと思うんですね。アパレルでいえばキャリアガールの人たちがファッションに対して相当な意識をお持ちですから,そこの方々の感性に合う商品開発がこれからの軸になるのではないかなと。
ただし,東京というところは地方との所得格差がものすごく出てきました。だから,東京で売れるものは必ず地方に持っていってもということについては,私は少し懐疑的ですけれども。
しかし,オピニオンリーダーであることは間違いない。ですから,オピニオンリーダーをつかまえていくことによって,それが広がっていけばと思う。これが従来手法やといわれたらそれで終いですけれども,キャリアガールの層が一番おしゃれに関心も強く,これからの時代のファッションを形作っていかれる人たちではないかと。決して年輩の方々を否定しているわけではないですが。
(東京進出と国宝級のきものについて,今後の販売手法について)
記者
2点お伺いしたい。
まず,渡邉理事長にお訊きしたいのですが,先ほど京都市の宝,国宝級といったお話をされていた。今回,東京に進出してコレクションだのファッションショーだのという話になっていて,それがこの戦略の一番おもしろいところでもあるのですが,国宝級,京都が凝縮されているものと,ファッションショーとは,何かしっくりこない部分もあると思う。 「京都の矜持」と仰っていましたが,ファッションショーに出展しても残していきたい部分とは。
もう1点は,小澤理事長にお訊きしたい。流通の話が出ていましたが,東京ガールズコレクションというのは,例えばファッションショーをやっている間に携帯電話で注文できるといった販売手法でも注目を浴びていると思う。
きものは,これまで流通のイメージが良くなかったというのは様々な方が仰っていることですが,新しいことを取り入れていくのか。
渡邉
ファッションというものが絶えず流行の先端を走っていなければということではないと思います。
例えば,帯でも50年前と同じように売れているものがある。ホンダの「スーパーカブ」は世界の名車やと思うんやけど,あれはもうこれ以上改良のしようがない。
そういうものもファッションショーの中に取り入れる,そういうものの価値をどういうふうに現代のあわただしい生活の中に入れて,そして真の意味の日本人のファッションを拵えていくぐらいの,崇高な気構えでやっている。
小澤
ストリートファッションときものの大きな違いは,和文化であること。決してストリートファッションが文化でないとはいいません。マンガもしかり,ヨーロッパに行けば,素晴らしい文化と見なされている。しかし,日本古来の文化,その文化性というものが今,見直されている時代。
ですから,京都にこれだけ観光客がお越しになるというのも門川市長はじめ皆さんの御努力ですが,やはりそこに何故京都かということが,これもやっぱり日本人が自国の文化をもう1回再認識しようという動きがあると思うのです。海外へ行って英語が喋れたら国際人やと思っていた時代から,自国の文化を話せなければ国際人じゃないんだという認識ですね。ですから,黒船来航の篤姫のときから150年,ずっと西洋コンプレックスがあった。戦後は,アメリカコンプレックスがあった。
私は,今の日本文化の中で,先ほど申し上げたオピニオンリーダーの方々にきものがどのように御理解賜れるのか,むしろキャリアガールにもたぶん理解されると思います。それをどういう形で,販売・営業につなげていくのかは,我々業者,メーカーが各々努力していかなければならないことであると思っています。
記者
(「きものをどのように変えるか」について)
記者
渡邉
一番最初に僕が必要やと思うのは,きものの信頼性の回復やと思います。あそこの店では騙された,ここの店では安かったんやということをなくして,どういうふうにして売り出していくかということは,我々京都勢がやっていくことであろうし,それから,今仰っている新しい指摘があると思うんですよね。例えば,伸び縮みする糸を織ってもっときものを着やすくするといったアドバイスも受けて,そういうこともしていかなければ。
ですから,きものの,業界の信頼性の回復のためには,きちっとしたスタンダードみたいなものも必要やと思う。
小澤
東京のファッションイベントプロデューサーの永谷さんは,きもののフォルム,形は変えないと仰っていました。流行の先端を走っておられる方ですけれども,形は変えないとコメントしておられるようです。これからいろいろな議論になるとは思うのですが。
市長
永い歴史と伝統のある業界であります。例えば,トヨタの生産方式「ジャスト・イン・タイム」,あの手法は西陣の手法を取り入れたといわれています。それだけ相当きめ細かい,様々な分野が一つの産業を作っている。西陣・室町・京友禅が揃っていただいて,「さあ,東京へ出て行こう」と,これ自体が画期的なことでしてね。業界でもそれぞれに,様々な考え方の方々がおられ,いろいろな課題があるわけですけれども,まず東京へ行って東京の風に当たる,同時に京都の風,和装産業・きものの風を吹き荒らしてくる,更には課題も見つめながら前進しようということであります。
細見
私はこの企画を見たときに一番感心したのは,今度の委員会のメンバー。その業界のコーディネーターにしろ,プランナーにしろ,皆一流の人がメンバーに連なっている。そこが一番,これはいけると感じた点です。
きものの変化についても,委員の方々から,意見が一杯出てくるのではと期待しているところです。
(「和装産業活性化戦略プラン」の内容)
記者
市長
プランに入るものもあります。奥の浅いプランではないし,業界でもない。
まず,需要を開拓していく。そのために,首都圏できものの良さを発信する。そのことが,ひいては,デザイン,流通から,製品開発等について課題を明らかにし,その課題に向かって和装業界と京都市が一緒になって取り組んでいく。こういうことであります。
市長記者会見資料
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