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門川市長記者会見(2008年4月30日)

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2023年4月12日

平成20年4月30日門川市長記者会見

はじめに

 市長就任後,二箇月が過ぎました。この間,土日も一日も休まずに現地現場主義を徹底しまして,現場訪問を続け,99箇所を訪ねました。また,様々な市民活動の場にも寄せていただき,多くの市民の方々から直接にいろいろなお話も伺ってきました。
 同時に,肉付予算の編成に全力を投球してきました。現場を訪ね,現場から話を聞き,市民の方々からも話を聞き,同時に役所のデスクワークとして,1万6千人の職員の代表から政策について提言を受け,予算編成について侃侃諤諤の議論をする。現場と政策形成,更に予算編成,それがうまく融合した感を強くいたしまして,充実した毎日を送っています。
 市役所の幹部職員がとても有能で,現場を知りながら,政策形成,予算の論議の積み上げをしてくれているなと改めて痛感したところであります。平成20年度の当初予算は,市政に1日たりとも停滞が許されないため,初登庁と同時に,骨格予算の発表となりました。
 そしていよいよ,門川市政の本格的なスタートとなります肉付補正予算の編成が,最終段階になりましたので,予算規模や特徴,予算編成に当たりまして私が特に重点を置いた,思いをこめた点について,説明させていただきたいと思います。
 なお,本日発表させていただく以外の予算案全体につきましては,議案発送と同時に担当部局から発表させていただきますので,よろしくお願いします。

平成20年度肉付補正予算案の概要

 まず,肉付補正予算ですが,市民とともに汗をかく「共汗」,そして,共に感じる「共感」,「市民との共汗,共感で進める地域主権時代をリードする総合的なまちづくり予算」として編成しました。
 三位一体の改革,これは一体なんだったのか。地方交付税は,平成15年度の改革前と比べまして,480億円減少しています。国の総額が25%の減少に対して,本市は37%という大幅な減額であります。こうした大変厳しい状況下での予算編成でありましたが,市民の皆様とお約束しました「未来の京都まちづくりマニフェスト 門川大作戦2008」に掲げる124の施策をどんなことがあっても4年間で実現するという決意の下に,その7割に当たります88の施策について,初年度に具体化する予算を組みました。力強い予算が組めたと自負いたしております。
 この予算に込めました私の思いを2点に集約しますと,一点目は先ほど申しました「共汗」であります。私は市長選挙におきましても,また就任以来,市民の皆様と共に汗をかく,市民と行政が共に汗をかく「共汗」ということを申してきました。もっとも,私の124のマニフェスト,その殆どは,またその基本となる理念は,市民の方々が,京都の町衆が,誇りと責任を持って共に行動していく,そして地域主権時代のモデルとなる京都ならではの都市経営をしていきましょうというものであり,それを実現するための予算であります。
 例えば,「DO YOU KYOTO?環境にええことしよ!プロジェクト」。
「KYOTO」という言葉はヨーロッパで動詞になっている。それなら,この京都議定書の誕生の地にふさわしい,京都市民が行政と一緒になって誇り高き行動をしていこう,
こうしたプロジェクトを市民の主体性を尊重しながら進めてまいります。
 また,「未来まちづくり100人委員会」でありますが,これは従前の審議会というものではなしに,政策形成過程においてもより一層,実施段階においても市民の皆さんと行政が共に汗して行動していく,そのための仕組みを作る予算を計上しました。
 もう一つは,「総合,融合」であります。行政の最大の問題は,縦割り行政であります。同時にお役所的な発想を打破していく。新しい柔軟な発想で,様々な知恵を融合して,政策の相乗効果,波及効果を発揮することであります。
 私はよく,8Kに例えてきました。「健康」「環境」「公共交通」「子育て・教育」「コミュニティ」「景観」「観光」「経済」,この8つを融合する。例えば,「歩いて楽しいまち」,これは「公共交通」の面からのみ捉えるのではなく,マイカーから公共交通への転換によって,地球に優しい生活をしていきましょう。歩くことによって「健康」にも寄与する。地域コミュニティの再生や子育て支援もできる。今年から特定健康診査も始まります。40歳以上の方,ほぼ全員に受けていただく。メタボについても国民的課題となっています。メタボの人が,お医者さんからアドバイスを受ける。朝30分早く起きて,マイカーから歩いて,公共交通で通いましょうと。その間に道で子供にあったら,「おはよう」と声をかけましょう。こういうことをすることによって,様々なことができる。私も最近,できるだけ歩くようにしてますと,京都のまちは,車から見る景観にはない,歩いてみるとまちの景観に,より感動を覚えます。観光対策にもなる。そうしたことを融合していく。お医者さんから,公共交通に関わる人間から,市民みんなが融合して,健康で,地球にもやさしい生活をする。そして公共交通の利便性も高まる。そんな融合した力を発揮していこう。そのためには,役所が縦割り行政をまず打破しなければならない。そうした取組をしていくための予算を組みました。
 以上の点から編成しました,平成20年度一般会計肉付補正予算案の総額は,256億円であります。補正後の一般会計予算総額は6,852億円と,前年度当初予算と比較して,
57億円,0.8%の減となります。
ただし,国会において,「道路整備費の財源等の特例に関する法律」が今,論議されており,改正法が成立した場合には,地方道路交付金事業として44億円を追加提案させていただきます。
 この場合の数字につきましては,補正予算額は,300億円であります。補正後の一般会計予算総額は,6,896億円,対前年比13億円減の0.2%減となります。そして,公営企業を含めた全会計では,1兆7,142億円となり,対前年比では2%減となります。追加提案した後の市債の発行額ですが,前年度当初と比較しまして,71億円下回る728億円と,4年連続で減少させるとともに,公営企業を含めた全会計の市債残高を,43年前,昭和39年の現行の財務会計制度となって以来初めて,前年度との予算比較で,93億円減少させることができました画期的な年となります。20年度決算から国の基準が,連結決算となります。こうしたことにも考慮して,市債残高を増やさない,減少させる。その第一歩ができたと思っております。ただし,これから,大変な緊張状態の下に引き続き予算勘定していかなければならない。そのように思います。

重点事業の内容

 次に,今回の肉付補正予算の内容ですが,まず福祉や中小企業金融対策などのセーフティネットとしての役割を重視いたしました。同時に,次の3点に重点を置きました。ひとつは「子どもに笑顔,親に安心,子どもたちの命を守り,しっかり子育て」であります。2つ目は「DO YOU KYOTO?市民とともに進める地球に優しい環境共生のまちづくり」であります。3つ目は「産学公連携による京都ならではの知恵産業の創出,推進」であります。
 まず「子どもに笑顔,親に安心,子どもたちの命を守り,しっかり子育て」の重点項目につきましては,個別事業につきましては現在最終精査中でありますが,18億円程度の予算を見込んでおります。2つの事業につきまして,ここでご説明します。
 ひとつは「3人目以降の保育料,保育所の保育料,幼稚園の保育料の無料化」についてであります。 京都市では,これまでから同一世帯の2人目以上の児童が保育所などに,同時に入所している場合,2人目の保育料を,概ね2分の1にするなどの子育て家庭に対する経済的な支援等に取り組んできましたが,さらに安心して子育てしていただくために,マニフェストにおいてお約束した「同時入所の3人目以降の保育所保育料の無料化」,「幼稚園保育料補助金等の増額による保育料のほぼ無料化」を実施します。私立幼稚園の場合,保育料が非常に高いところがありますので,平均額以下であると無料となります。それと幼稚園の場合は,小学校3年生から3歳児までの6年間で3人おられる場合無料とする工夫もしています。
 対象者は約560人程度ではないかと思っています。これに要する経費は,約4,200万円となります。本件につきましては,5月市会において肉付補正予算が可決されましたら,平成20年4月にさかのぼって,適用したいと考えています。
 市民の皆様が,安心して子どもを産み育てることができ,子育てに喜びを実感していただけるまちづくりに,全力で取り組んでまいります。
 次に「小・中学校における土曜学習の実施」についてであります。学校週5日制が平成   14年から完全実施されております。そのことで京都市としては,様々な取組を進めてきましたが,より一歩踏み込んで,小・中学校において,土曜学習を実施していきます。学力の定着,向上は保護者,市民の皆様の切実な願いであります。教育現場からも「週末に勉強しない子ども,漫然と無為に過ごす子どもが増えている。」,学力の2極化などが懸念されています。その中で,独自にそうした取組をし始めた学校もあります。こうした取組の成果や課題も検証しながら,23年度までに全ての小・中学校で,土曜学習の導入へ向けた条件整備をしていく。全小・中学校で土曜学習をしようというのは,京都市が全国で初めての取組となりますが,そうしたことを展望しながら平成20年度は,学校運営協議会,保護者,地域の方々,学生ボランティア等の参画をいただきまして,土曜学習の実践研究を行う50校をモデル校として指定し,経費面で支援を行っていきます。
 次に児童館であります。肉付補正後で15館の取組をおこないます。過去最大規模ではないかと考えております。
 次に「DO YOU KYOTO?市民とともに進める地球に優しい環境共生のまちづくり」であります。5億円を超える予算を見込んでいます。この中で2つ説明させていただきます。
 ひとつは「生ごみ等の分別収集による新たなエネルギー生成モデル実験」であります。京都議定書誕生の地にふさわしい,国の「環境モデル都市」選定に,どうしても,全国10箇所ですけれども,京都が入っていきたい。そして30年後,50年後を展望して,モデルとなる京都をつくっていきたい。それにふさわしい先進的な取組であります。
 家庭ごみの40パーセントを占める生ごみを,そのまま焼却処分するのではなく,分別して,バイオガス化により水素などの新しいエネルギーとして,それで燃料電池をつくり,発電に活かしていく。「焼却ごみの減量」と「温室効果ガスの削減」の両面から極めて有効であります。
 そのために,全行政区,11行政区から市民の皆様のご理解,積極的な参画をいただいて,まずは2000世帯の幅広い市民の方々の協力のもとに,生ごみを分別していただき,そしてエネルギーとして生成していきます。
 仮定でありますが,全世帯の生ごみをこうした形でバイオガスにしていくと,15000世帯の電気がまかなえるということになります。環境負荷の少ないまちづくりを市民ぐるみで進めていく。台所のゴミ箱,生ごみが油田になる。こんな構想で進めていきたいと思っています。
 次に「歩いて楽しいまちの実現」であります。交通政策とまちづくり政策をきっちりと融合させていく。そして,先ほど申しましたように「8K」という観点で進めていきます。
 平成20年度におきましては,市民や有識者の幅広い意見を取り入れるための審議会を設置するとともに,公共交通に関する市民意識調査を実施し,中間とりまとめを行い,ワークショップ等を繰り広げていきたいと考えています。21年夏頃を目処に「「歩くまち・京都」総合交通戦略」仮称でありますが,それを策定していきたいと考えています。
 そして,その具体策の1つが,「歩いて楽しいまちなか戦略」の推進であります。
平成19年度に,100万都市で初めて,四条通の歩道拡幅をはじめとした社会実験を実施いたしました。
 平成20年度においては,四条通の歩道拡幅に向けまして,荷捌きの調査,交通量などの調査を行い,交通処理方法についてさらに検討を進めます。また,市民や関係者の皆様と議論,ワークショップを積み上げまして,平成21年度中の具体化に向け,魅力あるまちづくりを体感できる実証実験を進めてまいります。
 このような調査,実験,さらにゆとりある歩行者空間を四条通で実現するために,道路設計並びに地下空間の有効活用となる四条通の地下駐輪場の基本計画,これらに要する経費も計上したいと考えています。
 市民の皆様とのパートナーシップや市民参加によって,市民の皆様と一緒に汗をかき,知恵を出して,様々な課題はありますが,「京都力」を生かした,全国のモデルとなる「歩いて楽しいまち」の実現に,積極的に取り組んで参りたいと決意を新たにしております。
 次に「産学公連携による京都ならではの知恵産業の創出,推進」であります。これにつきましては,約1億円の予算を見込んでおります。またこれとは別に,中小企業への融資枠拡大のための 預託金として,60億円を肉付補正で見込んでおります。
このことにつきましては,「未来創造型企業支援プロジェクト」と「首都圏等での需要開拓などを目指した和装産業活性化戦略プラン」について,ご説明します。
 「未来創造型企業支援プロジェクト」でありますが,優れた技術を持ちながらも様々な課題を抱えるベンチャー企業,あるいは志の高い方がおられます。これをビジネスとして軌道に乗せるため,新たに,研究開発補助金制度の創設,さらに専任コーディネーターの配置により,ベンチャー企業の発掘・育成から認定・発展に至るまで,きめ細やかでかつ一貫したサポートを行う事業であります。
 京都市では,平成9年度に全国で初めて,企業の事業プランを評価する,認定する「京都市ベンチャー企業目利き委員会」,委員長は堀場雅夫さんですが,これを設立して,これまでベンチャー企業の育成に取り組んできました。大きく成功されている方もおられます。
 しかしながら,全国のベンチャー企業を取り巻く環境は依然厳しく,非常にいい技術を持っておられ,いい商品ができているのに,第一には資金調達面,さらには経営や広報戦略に関するノウハウ,販路開拓,あるいは会社経営という部分についてのノウハウがない。そうしたところでつまづいておられることがあります。こうしたことから,技術開発以外のクリアすべき課題について支援体制を作っていこうということであります。
 今回の新たな支援策によりまして,ベンチャー企業目利き委員会の最高評価Aランクであります企業数を,現在63社ですが,100社まで増加させていこう。さらに既にAランクに認定されているけれど,ちょっと時期が早過ぎたために,うまく乗れなかったとか,そういう風なことがあります。それらについても,もう一度発掘して,ビジネスとして成功するためのサポート体制をつくっていこうという事業であります。
 最後になりますが,「首都圏等の需要開拓などを目指した和装産業活性化戦略プラン」であります。これまでから,地元京都で様々な取組をしてきましたが,今回は,人気ファッション誌の編集者や,首都圏の和装ビジネスで成功されている「カリスマ和装コーディネーター」の方々の知恵を借りる。さらに首都圏の若者,学生,もちろん京都も含めて,そうした方々と一緒に和装振興の新たな活路を切り開いていこうというものであります。
伝統産業であります京都の和装産業は,今非常に厳しい状況にあります。今日まで,展示会への支援,あるいは「伝統産業の日」の取組,様々な取組を共にしてきました。しかし,和装産業の出荷額が,西陣織ではピーク時の12%であります。京友禅は21%であります。こうした状況を打破するために,京都以外で,若者層などにぶち当たっていこうということであります。ファッションについての関心は非常に高い,しかし,きものを着たことがないという若者が多いです。学生さんは,リクルートスタイルでは,すっきりとしておられる。常は,ジーパンである。その間がないということも言われています。そうしたところに戦略的に食い込んでいこう。今一部の若者で,和装への思いを持っておられる方も増えつつあるという傾向もありますので,それを首都圏でしっかりと捕まえていきたい。そのために発想を変えて取り組んでいきたいと思っています。
 さらには,現代の消費者のニーズに合った和装の提案ということもしていただく必要があるのではないか。策定委員には,ファッション誌業界や学生,若者,和装業界以外の方も参画していただいて進めていきたいと考えております。

最後に

 最後になりますが,「未来の京都まちづくりマニフェスト」に掲げた事業を実施していくためには,市役所の職員が一丸となって取り組むとともに,なんとしても幅広い市民の方々のご理解とご協力が大切であります。
 ご理解を得られるように,十分な話し合いをし,企画段階から参画していただき,進めてまいりたいと思っております。
 私からは以上であります。よろしくお願いします。

質疑応答(要旨)

予算案の全体的な評価について

記者  
「力強い予算が組めた」との言葉もあったが,今回の肉付予算案の全体的な評価は。

市長  
非常に厳しい財政状況であり,借金を増やさず,財政健全化を行っていくことをしっかりと押さえる。同時に,市民生活を守り,経済の活性化,子育て支援を進める。それから,福祉,厳しい状況にある中小企業等に対するセーフティーネットをしっかりと構築する。そうしたことに思いを凝らしました。様々な政策を選択,集中,融合することにより,良い予算が組めたと考えています。
例えば,子育て支援政策では,私自身がマニフェストに掲げ,期待の大きかった「3人目以降の保育料無料化」について,しっかりと予算措置することができ,また,児童館についても,継続事業も含め,思い切って15館の整備を進める予算を組むことができました。
もう一つは,環境問題を市民ぐるみでやっていこうとする第一歩となる,「生ごみの分別収集によるエネルギー生成モデル実験」を予算化できました。
更には,「素晴らしい技術,意欲を持っている。しかし,経営のノウハウや販路開拓についての知識,ツテがない。」,そうしたベンチャー企業の方々にきっちりときめ細かいサポートを行うことを予算化できたと思っています。

「門川カラー」について

記者  
この予算案における「門川カラー」をひと言でいうと。

市長
「共汗」であります。市民と一緒に取り組むということから,生ごみの分別収集あたりが,「門川カラー」かと思います。

編成時期について

記者  
桝本市長の初当選のときの肉付予算は,もう少し遅い時期であったと思うが,この時期に敢えて組まれたというのは,どのような思いからか。

市長  
地域主権時代のモデルを作ろう,市民の方々に政策形成過程から御参加いただき,一緒にやっていこう。そのためには,機を逃さず早く始めることが一番大事であると思い,一刻も早い予算編成をしました。

記者  
市民の意見をより一層採り入れるために,早い時期にしたということか。

市長  
そうです。

暫定税率に関する国の動きについて

記者  
暫定税率に関する国・国会の動きを,京都市としてどのように捉えられているか。

市長  
自民・公明の与党において責任ある取組をしていこうという動きをされている。同時に,民主党においても,地方に心配を掛けないことを明言されている。
従って,国会において論議され,きちんとした対応がなされると確信しています。

予算編成で苦慮した点等について

記者  
厳しい財政状況下における予算編成作業のなかで,苦慮した点や難しかった点,実際に感じられたことなどがあれば教えていただきたい。

市長  
現在予算編成作業中のため,最終の仕上げとはなっておらず,また,先ごろ発足した「同和行政終結後の行政の在り方総点検委員会」の中でも議論をしていただきますが,空いている改良住宅を改修して留学生に入居していだくということも肉付補正で予算編成していきたいと思っています。
今ある財産を最大限に活用し,縦割り行政を廃し,あらゆる行政を市民の視点に立って進めていけるよう,全庁的に議論もし,予算編成した。新たな一方を踏み出せたと思っています。

残りのマニフェストの具体化について

記者  
初年度でマニフェスト124施策のうち88施策が具体化できたということですが,残りはいつ頃を目途に具体化していこうとお考えか。

市長  
基本計画を策定する予算も改めて組んでおります。また,「未来まちづくり100人委員会」や,現在の「京都市基本計画」が平成22年をもって終結となっていますので,その新しい基本計画を議論する場として,円卓会議のようなものを設けようと考えています。更に,21年度以降のマニフェストの実施と融合していくような取組を進めていきたい。
124のマニフェスト項目は,4年間に実行するのはもちろんですが,今後5年,10年を展望した取組としていかなければなりません。こうした新たな政策を市民ぐるみで検討し,策定していく。そのための組織についても,肉付補正予算の中で作っていきたいというように考えています。

人事管理等の取組について

記者  
マニフェストでは,民間並みの人事管理を行うなど不祥事対策も含めた改革を進めていくということでしたが,それは予算を伴わなくても行っていくということなのか。

市長  
既に,職員の採用面接については,民間の方に入っていただくということを人事委員会から発表しております。同時に全庁的な共汗(共感)運動,市民の方に職場に入っていただき,窓口評価等を一緒にやっていく,そういったことも大きな額ではありませんが,予算案に盛り込んでいます。

暫定税率の予算編成への影響について

記者  
暫定税率について,実際,京都市は暫定税率の期限が切れた時期に予算編成作業をされて,一番不幸な自治体だとは思うのですが,暫定税率が,国政の状況が見えない中で,予算編成作業を進めるうえで,今回計上を見送った案件など,具体的な影響はあったのか。

市長  
予算案は二本立てになっているため,この肉付補正での影響はありません。
もっといいますと,全国の自治体は,すでに編成した予算が歳入欠損になるわけですので,それをどうするのかということになりますが,京都市の場合は,暫定税率を設定しない肉付補正予算と暫定税率が国会で審議されて復活し,道路財源になることを想定した予算の二本立てで粛々とやってきました。

更なるコスト削減策について

記者  
現場を回られている中で,財政面から見て,無駄があるとか切り詰める点があるとか,感じておられることは。今回の肉付補正予算ではなくても,今後何年か予算編成を行っていかれる中で,こういうことは必要じゃないかと具体的に感じておられることがあればお願いしたい。

市長  
率直に申しまして,更に民間の知恵,活力を導入すれば,もっと上手くいくのではないかと思う分野があります。それについては,私がここで言うのではなしに,皆さんも感じておられていることだと思いますので,「未来まちづくり100人委員会」等で侃侃諤諤の議論をしてもらおうと思っています。
しかし,役所でもここまで頑張っているんだなと改めて感じたこともあります。市立病院では,独立行政法人も含めた検討に入っておりますけれども,現時点においても,様々な工夫を行って,公の役割を果たそうと努力していると感じますし,交通局では,市バスの管理受委託が発足した下で,新しい若い職員は,民間に比べて高いどころか相対的に低いのではないかという給与制度を既に導入しています。この間,民間が参入してきて,非常に厳しい状況の中,管理受委託で五分五分でやっています。それが刺激になっていろいろな改革が進んでいると実感するところもあります。
しかし,同時にさまざまな分野で,更に民間の知恵を借りなければ解決が困難な課題は山積しておりますし,長寿化社会の下で高齢者の福祉,そうしたものに相当のお金を必要とする時代をいよいよ迎えます。そういった中で,コスト削減ということも現状に満足せずに,新しい発想で取り組む必要があると感じています。

マニフェストに対する予算編成について

記者  
124のマニフェストの中で88を初年度に盛り込んだということだが,盛り込みたくても,財政が厳しいということで盛り込めなかった施策はあるのか。

市長  
もちろん財政の制約はありますけれども,もう少し,予算措置ということでは無しに議論を深めたい。「未来まちづくり100人委員会」等で中身を深めた上で具体化しようというものがあります。例えば,「一人暮らしのお年寄りを訪ねます」ということをお約束しています。それについて,役所主導で事業化するというよりも,もっと議論を深めて,市民の皆さんに主体的な参画をしていただけるような条件作りを,まずは行うことが必要ではないかと思っています。
初年度に取り組むべき課題について,着手できる予算と体制はできたと思っています。

市長記者会見資料

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京都市 総合企画局市長公室広報担当

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