桝本市長退任記者会見(2008年2月22日)
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2023年4月12日
平成20年2月22日桝本市長退任記者会見
本日は,私にとりまして,最後の記者会見となります。
まずは3期12年にわたりまして,京都市政の推進と発展に温かい御理解とお力添えを賜りました京都市民の皆様,そして,これまで私を力強く支えてくださった市会与党会派をはじめとする議会の皆様に心から感謝申し上げます。
また,市政運営に力強い御支援をいただきました報道関係の皆様,本当にありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
全力で駆け抜けた12年間をこの場で全て語り尽くすことはできませんので,大切にしてきた「改革」,「挑戦」,「信頼」,この3つの言葉に沿って簡潔に述べさせていただきます。
まず,1つ目は「改革」であります。
平成8年の市長就任時は,まさに平成不況の真っ只中にありました。また市税収入も平成9年度をピークに年々落ち込むなど,この12年間は,「極めて厳しい財政のもと,高品質で,満足度の高い行政サービスを提供できるか」という難題との戦いでありました。
私は,組織が健全に発展していくための絶対条件は,不断の改革が実践・継続されることであると信じております。
改革の炎を京都の未来を照らす灯火として,これまであらん限りの思いで燃やし続けて参りました。
総職員の18%にあたる3,439人にも及ぶ職員の削減,全職員の給与カットをはじめとする行財政改革を凛とした姿勢で断行し,1,580億円の財政効果を上げ,財政健全化に道筋をつけました。さらに,戦略的予算編成システムの導入など,職員には大変厳しい成果を求めてきましたが,変化を恐れることなく,大胆に市政の改革を追求していくという熱い思いを多くの職員と共有でき,職員が今もこの情熱を持ち続けていてくれていることは,私の大きな喜びであります。
2つ目は「挑戦」であります。
私は「立ち向かう楽観主義」,「プラス思考」を信条に,市長就任以来,困難な課題にも敢えて高いハードルを掲げて,積極果敢に挑戦して参ったつもりであります。
京都の福祉は,いかなることがあっても後退させないという強い決意の下に行ってきた福祉政策の推進,教育先進都市づくり,独自の環境規格「KES」の創設や,さらに「バイオディーゼル燃料化事業」をはじめとする全国をリードする環境政策,実現まであとわずかとなった「入洛観光客5000万人構想」,50年後,100年後の京都を見据えた全国で最も厳しい「新たな景観政策」,都心部を歩いて買い物や散策を楽しむことのできる空間とする「歩いて楽しいまちなか戦略」,赤ちゃんから長寿者までの安心安全の地域づくり,都市の基盤整備,京都の活力源である中小企業,伝統産業振興対策,国家戦略としての京都創生の基礎づくりなど,未来の京都の礎となる政策に微力ながらも取り組ませていただきました。
京都の発展のためとは言え,新しい「挑戦」には,時には市民の皆様に痛みを伴うことも,御迷惑をおかけすることもございました。
新しい時代の京都を展望し,この「挑戦」を支えてくださいました市民の皆様の高い御見識に心から敬意を表しますと同時に,深く感謝申し上げます。
そして3つめは「信頼」であります。
私は,京都市長の重責を担わせていただいて以来,今日まで,市民の皆様との「厚い信頼とパートナーシップ」を市政運営の基本として参りました。
京都市基本構想や基本計画策定などの各種審議会,区の総合庁舎や公園整備にかかるワークショップ,清掃活動や子どもたちの見守り活動などに,お忙しいにもかかわりませず多くの市民の皆様に御参加いただきました。皆様の熱いお志に触れることは,私にとりまして大きな励みでございました。
しかしながら,昨年度,職員の不祥事を続発させ,市民の皆様の市政に対する信頼を著しく損ないましたことは,まさに断腸の思いであります。ごく一部の職員とはいえ意識改革が徹底できていなかったことは事実であります。
これから先,この日本人の「心のふるさと」である京都が,50年後,100年後においても,世界に誇る「歴史都市・京都」として光り輝き続けるには,市民の皆様と行政との揺ぎない信頼関係が不可欠でございます。
私は,門川大作新市長が,市民参加と現地・現場主義で市役所改革を断行されることにより,市民の皆様の市政への信頼が,120%回復することと信じております。
そして,この京都が,1200年を超える悠久の歴史に育まれた伝統や文化と調和・融合しながら,市民の皆様の進取の気風と溢れる創造力により,常に新しい魅力を秘めた「世界の京都」として,発展,飛躍を続けることを期待いたしております。
市長を辞めました後は,私は一切の公職には就きません。潔く,さわやかに辞めたいと考えております。行財政改革あるいは公務員改革が進行する中で,ささやかな一石を投じたいと考えております。
今後は,一人の市井人として京都市政を見守り,ボランティアとして市政発展のために必要な協力をして参りたいと考えております。
12年間を締めくくるに当たりまして,改めまして,147万人の京都市民の皆様に,この場をお借りいたしまして厚く御礼を申し上げ,私の退任の御挨拶とさせていただきます。
皆様,本当にお世話になりました。ありがとうございました。心から感謝申し上げます。
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