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市長記者会見(2006年1月4日)

ページ番号13805

2023年4月12日

平成18年1月4日 桝本市長年頭記者会見資料

はじめに

 

 新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いを申し上げます。
 本日は,年頭の会見ですので,皆様に年頭に当たっての私の抱負を申し上げたいと存じます。

 

年頭に当たっての抱負

 

 昨年は,世界的には各地でのテロの発生や大型ハリケーンのアメリカ上陸,国内では児童殺害事件の続発など,安心安全が脅かされる年でありましたが,他方,景気が上向きになるなど,明るい兆しが見えてまいりました。また,京都市では京北町との合併や「京都迎賓館」の開館など,京都の発展に夢を託す大事業が実現致しました。
そして新しい年が幕を開けました。この平成18年という年は,私にとりましては,京都市長として10年が過ぎ,3期目の折り返しとなる重要な年であります。明るさの見えてきた景気の足取りを確かなものとし,市民の皆様との契約である「ますもとマニフェスト」や京都市基本計画第2次推進プランに掲げた政策を一つ残らず実現するため,積極果敢に挑戦し,「京都の発展に弾みをつける一年」にしたいと決意を新たにいたしております。
それでは,年頭に当たり,私が決意を新たにしていることを3点に絞って申し上げたいと存じます。

 まず,1つ目が,「市民の誰もが安心して暮らせる安全なまち・京都」の実現であります。
 先程も申し上げましたが,昨年は,子どもを取り巻く凶悪な犯罪に心を痛めました。また,JR福知山線の脱線事故や耐震強度偽装問題,アスベスト問題など,市民の安心・安全な暮らしを脅かす様々な出来事がございました。
 京都市では,平成11年度,「京都市生活安全条例」を制定し,いち早く地域における安心安全ネットの構築を進めてまいりました。昨年には,安心・安全に関する京都市の施策を市民の目線に立って充実・強化した「京(みやこ)の安心安全ネット総合プラン」を策定し,現在,このプランに基づき,全区・支所の管内で,地域住民の皆様による安全パトロールや声掛け運動などのモデル事業に取り組んでいただいております。これらは,まさに京都ならではの「地域の力」を生かした取組であり,今後,できるだけ早期に全学区への拡大を図ってまいります。
 私は,これからも起こり得る様々な危難にもいち早く全庁一丸となって対応し,市民の皆様と力を合わせて,市民生活の安心・安全をしっかりと守ってまいります。

 2つ目は,「京都創生と景観の保全・再生・創造」であります。
 昨年は,京都創生推進フォーラムの設立や住民参加型まちづくりファンドを活用した「京町家まちづくりファンド」の創設,二年坂,産寧坂地区における電線類地中化のスーパーモデル地区指定など,数多くの成果を挙げてまいりました。また,国レベルでも,京都を中心とする歴史都市の維持・再生を目指す国会議員連盟が設立されるなど,京都創生の取組は,各界各層に大きな広がりを見せております。
 とりわけ,京都創生の重要な柱の一つである景観問題につきましては,現在,「時を超え光り輝く京都の景観づくり審議会」において,50年後,100年後の京都を見据えて,建物の高さやデザインなどの大胆な規制・誘導方策についてご検討いただいており,今後引き続き,三山や鴨川などの眺望景観や庭園からの借景の保全などについて,ご議論をいただくことといたしております。
 景観問題はまさに時間との戦いであります。幸い,5回に亘る審議会では,私が,最も懸念しております
「クリーピング・ディストラクション」(しのびよる破壊)を阻止するため,精力的に活発なご意見を交わしていただいております。タウンミーティングなど市民の皆様との意見交換も経て,3月には中間まとめをいただける運びでございますので,不退転の決意で早期に具体化を図ってまいりたいと考えております。

 3つ目は,「立ち止まることのない改革への挑戦」であります。
 私は,これまで凛とした姿勢で市政改革に取り組んでまいりました。私が市長に就任した平成7年度から平成17年度当初までに,市民サービスの低下を来たすことなく,行財政改革に間断なく取り組み,約1,170億円の財政効果を生み出しました。とりわけ,職員数については,2,732人,率にして14.1%削減するなど,国や他都市に先んじて大胆な改革を推し進めてまいりました。
 また,国との関係においては,この度の三位一体改革において,国から地方への3兆円の税源移譲が実現したことは大きな前進でありましたが,地方の自由度の拡大にはつながらない単なる補助率の引き下げが中心であります。地方財政の自立を図り,地域主権の確立を実現するためには,第二期改革が本当の正念場になると考えております。地方一丸となって国への要望を強めてまいります。
 改革に終わりはありません。これからも決して改革の手綱を緩めることなく,凛とした姿勢で更なる改革に邁進してまいります。

 以上,3点をお話し致しましたが,日本の人口は,昨年初めて減少に転じ,いよいよ本格的な人口減少社会を迎えました。
 これまでのように右肩上がりの経済成長は期待できず,国力の低下を憂う声もありますが,もはや量を追い求める時代ではありません。「豊かさ」のものさしは,「量」から「質」へ,「物質的」なものから「精神的」なものへと確実にシフトしてきております。
 このような時代にあっては,人々に癒しや安らぎを与えることができる「精神文化の拠点都市」,「日本人の心のふるさと」である京都の持つ価値が,世界中から改めて注目を集めるものと確信しております。
 こうした視点に立って,本日は,新年最初の記者会見でございますので,もう一つ,新しい年の幕開けにふさわしい私が実現したい政策についてお話し致します。
それは,景観問題と並んで,「京都創生」の最重点課題の一つとして都心部の交通環境を改善し,魅力あふれる都心のまちづくりを実現することでございます。
 これまで,嵐山と東山において,観光地の魅力を高めるため,マイカーの流入抑制やパークアンドライドなどの取組を行い,関係者の皆様のご協力のおかげで,交通渋滞がかなり緩和され,観光客,市民の皆様から高い評価をいただいてまいりました。
 本年は,こうした観光地での取組に加え,都心部を観光客の皆様,市民の皆様に,ゆったりと歩いて,楽しく買い物などができる魅力あふれる空間としていくため,その取組を本格的に進める年にしたいと考えております。
 ご承知のように,本市の都心部は,市内有数の繁華街を有する「賑わいの空間」であると同時に,京町家に代表される伝統的な町並みや,職住が共存する「歴史ある空間」でもあります。
京都の活力と魅力が凝縮された都心部,いわゆる歴史的都心地区において「歩いて楽しいまち」を実現させていくことは,地域の皆様にとってはもとよりのこと,京都全体の魅力を高めることに直結するものと考えております。
 しかしながら,残念なことに,現状は,道路に自動車が溢れ,週末や春秋の観光シーズンなどには,渋滞を引き起こす一方,狭い歩道を人々が行き交わざるを得ないという,自動車が主役の空間になっております。
 私は,京都の顔である都心部が,広々とした歩道で,ゆったりとウインドウショッピングや界隈の散策などを楽しむことができ,また,車道には定時性に優れた公共交通機関が行き交うような市民・観光客にとって魅力あふれる空間になればと常々考えております。また,京都は京都議定書採択の地であり,自動車交通に頼らない「歩いて楽しいまちづくり」は,全国をリードする環境共生型都市・京都の新しいシンボルとも成りうるものであります。
 実現には様々な難しい課題があることも事実であり,地元住民の皆様や商業関係者の皆様のご協力なくして成しうるものではありません。しかしながら,歩行者優先の「歩いて楽しいまちづくり」は,京都らしい優れた景観や町並みの保全創出とともに,日本の財産,世界の宝である京都の更なる魅力アップに必ずや繋がるものと確信しておりますので,市民の皆様のご理解とご協力を心からお願いしたいと存じております。
 困難な時代であるからこそ,マイナス志向を排し,立ち向かう楽観主義の精神で全職員が一丸となって京都市政の推進に邁進してまいる決意でございます。

 私からは,以上でございます。

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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