市長記者会見(2004年4月21日)
ページ番号13651
2023年4月12日
平成16年4月21日 桝本市長記者会見資料
はじめに
本日は,皆様にお知らせしたいことが2点ございます。
一つ目は,「伏見桃山城運動公園(仮称)基本構想」の策定についてでございます。そしていま一つは,「区政改革に向けた今後の取組」の策定についてでございます。
1 「伏見桃山城運動公園(仮称)基本構想」の策定
最初に,「伏見桃山城運動公園(仮称)基本構想」の策定についてでございます。
この基本構想は,平成15年1月に閉園されました近鉄の「伏見桃山城キャッスルランド」の跡地を活用して,市民の皆様がスポーツに気軽に親しめ,また,憩いの場ともなる運動公園を整備するため,その基本理念や施設の整備計画などを定めたものでございます。
伏見桃山城キャッスルランドは,お城と遊園地から成るレジャー施設として昭和39年に開園されて以来,多くの市民や観光客に親しまれてまいりました。特に,天守閣を有するお城については,約40年もの歳月の中で伏見桃山丘陵の景観に溶け込み,伏見のシンボルとして定着しており,キャッスルランドの閉園が決まると,地元の皆様方を中心にお城の存続を求める声が上がり,多くの皆様から要望書が提出され,これを真摯に受け止めるべきであると考えてまいりました。
京都市では,こうした状況を踏まえ,跡地全体の土地を借り受けると同時に,天守閣を中心とする建築物を無償で譲り受け,お城の存続を図ることといたしました。また,併せて,遊園地の跡地部分につきましては,運動公園として整備することとし,平成16年度予算に造成工事費等を盛り込んだことは,ご承知のことと存じます。
このたび基本構想を策定したところでございますが,伏見桃山丘陵という立地条件を有効に活用し,第1に「桃山御陵等周辺の景観との整合性」,第2に「市民のスポーツニーズへの対応」,第3に「隣接する伏見北堀公園との調和」という三つの基本理念の下に,天守閣及び伏見北堀公園と一体的な施設となるよう,整備を進めることにいたしました。
メインとなる施設としましては,公式な大会での使用が可能な野球場,ソフトボールやサッカーなどの球技,運動会など様々な用途に使える多目的グラウンド,そして利用者の更衣室等を備える管理棟を整備いたします。
また,駐車場や庭園等の既存施設を活用しつつ,隣接する伏見北堀公園と一体化を図るため,散策路を新たに設置するとともに,緑豊かな公園として,緑地の割合を現在の27%から40%に向上させ,併せて災害時の広域避難場所としての機能も確保いたします。
整備事業費としては,約6億円を見込んでおり,すでに着手しております設計や測量,埋蔵文化財の調査等を経て,今年度中に着工し,平成18年度末の完成を目指してまいります。
この整備事業が,市民の皆様のスポーツ振興に寄与すると同時に,「お城のある運動公園」として,京都・伏見の新たな賑わい施設となることを期待しております。
2 「区政改革に向けた今後の取組」の策定
次に,「区政改革に向けた今後の取組」の策定についてでございます。
本格的な地方の時代を迎え,地方自治体,更には大都市における行政区の役割は,ますます重要となってきております。
また,高度情報化の進展,暮らしの多様化など様々な社会の情勢の変化や,市民の皆様による市民参加と市民主体のまちづくり活動が進む中,市民にとって最も身近な総合行政機関である区役所の在り方も大きな変革が求められています。
京都市では,こうした状況を踏まえ,「各区の個性を生かした魅力ある地域づくりを推進するための区長権限・区役所機能の強化」と「市民の目線で良質なサービスを提供する区役所づくり」を一層推進する観点から,このたび,「区政改革に向けた今後の取組」を策定し,本格的に改革をスタートさせることといたしました。
この「今後の取組」は,3月末に京都市行政区制度検討調査会から提出されました「京都市における行政区制度のあり方について」の報告を踏まえ,更には,庁内の「区政改革検討委員会」での検討内容に基づき,大きく4点にわたって,具体的な方策等を取りまとめたもので,「新京都市都市経営戦略」の重要課題と位置付け,推進してまいります。
それでは,区政改革の具体的な取組について,資料に沿って簡潔にご説明いたします。
まず,1点目の「各区基本計画の推進と区民の声を市政に反映するためのシステムの構築」についてでございます。これは,各区の基本計画の中で,区役所が重点的に取り組むべき事項について,区役所からの政策提案と事業予算の要求を行うシステム,並びに区役所配分予算内での区長裁量による予算執行の仕組みを新たに導入するものでございます。
また,単年度ごとに区の基本姿勢と重点項目を表わす区長のマニフェストとも言うべき「区運営方針」を各区長が策定することにより,各区の基本計画の着実な推進を図り,併せて市民しんぶん区版やホームページなどで公表し,説明責任の強化を図ってまいります。
2点目は「区の独自性を発揮し,総合性の強化を図る組織づくり」でございます。ここに掲げる「まちづくり担当部署の再編」につきましては,本年4月に,区長の裁量により柔軟にまちづくりの執行体制を整備できる機構改革を行ったところであり,これらを有機的に使いながら,市民活動の支援を強化してまいります。
また,区長をはじめとする区の幹部職員による「区役所経営会議(仮称)」を各区ごとに設置し,経営感覚をもった区役所運営を推進すると同時に,区長のリーダーシップのもとで区民生活全般にわたる総合性を発揮するため,区役所をはじめ,区内の国・府・市の各行政機関,警察,大学などで構成する「区行政推進会議(仮称)」を設置し,情報の共有と課題解決のための横断的な協議・調整を行います。
3点目は「区民の目線に立ったサービスの改革のための取組」でございます。先般お知らせいたしました区役所・支所全課における昼休み時間帯の窓口業務の実施をはじめ,各区で実施している職員の自発的な市民サービス向上の取組を更に推進し,サービスの質の向上を図ると同時に,インターネットによる電子申請・届出や自動交付機の導入,総合案内人の配置,開庁時間の延長,まちづくり活動支援のための学区担当制の導入など,新たなサービスの提供に向けた検討を進めてまいります。
最後,4点目は,「区役所・支所」の呼称についてでございますが,区民の皆様により親しみやすいものとなるよう「呼称」を公募のうえ,区役所・支所に代わる新たな呼び名を使ってまいりたいと考えております。
こうした区政改革を着実に推進するため,全庁横断的な「区政改革推進委員会」を設置し,京都市都市経営戦略会議の下部組織に位置付けてまいります。
以上,「区政改革に向けた今後の取組」の概要について,ご説明申し上げましたが,本格的な地方分権の時代において,京都が「世界の京都」として,その魅力と活力を高めていくためには,各行政区が個性豊かなまちづくりを推進することが重要であり,その中核を担う区役所・支所が機能と権限を拡充し,地域や区民の皆様の視点でまちづくりを進めると同時に,サービスの充実を図っていくことが必要不可欠であると認識いたしております。
今後とも,職員と一丸となって,区政改革を積極的に推進し,市民の皆様の期待と信頼に応える市政を実現してまいる所存でございます。
私からは,以上でございます。
(市長記者会見資料)
平成16年4月21日
京都市
文化市民局市民スポーツ振興室スポーツ企画課
315-3501
建設局水と緑環境部緑政課
222-3589
「伏見桃山城運動公園(仮称)基本構想」の策定について
平成15年1月末に閉園された「伏見桃山城キャッスルランド」の跡地について,京都市では,市民の皆様が気軽に利用でき,また憩いの場ともなる運動公園として整備するため,この度,整備に当たっての基本理念や,施設の規模や配置等の整備計画などを定めた「伏見桃山城運動公園(仮称)基本構想」を下記のとおり策定しましたのでお知らせします。
今後,この基本構想に基づき整備を進め,平成18年度末の完成を目指します。
記
1 整備区域
伏見桃山城キャッスルランド跡地(京都市伏見区桃山町大蔵)
約91,000㎡
2 基本構想の概要
(1)整備に当たっての基本理念
・桃山御陵等周辺の景観との整合性に配慮する。
・市民のスポーツニーズを生かした施設整備とする。
・隣接する伏見北堀公園との調和を考慮する。
(2)施設整備計画
市民の利用を促進する観点から,公園施設は野球場・多目的グラウンド・公園散策路を主に整備するとともに,健康増進,レクリエーションの充実,自然とのふれあい等といった観点から,跡地全体を広く市民に開放し,シンボル的存在である天守閣と一体的な施設となるよう整備を図る。また,広域避難場所としての機能を確保する。
〈施設の概要〉
ア 野球場
公式の大会等でも使用が可能な野球グラウンド(両翼約90m,センター約110m,内野ファールグラウンド約15m),バックネット,内外野ネットフェンス,ダッグアウトを整備する。観客席は設けないが,周囲の芝生地で,観覧場所を確保する。
イ 多目的グラウンド
約100m×約120~140m程度の運動広場,外周ネットフェンスを整備する。
※ 軟式野球2面,ソフトボール4面,少年サッカー2面等の利用が可能
ウ 園路・緑地
道路(幅員3~6m程度),散策路(幅員2m程度)を設置するとともに,施設周辺を緑化整備し,天守閣を含めた公園敷地の緑化率を27%から40%に向上させる。
エ 管理棟
1階建て・延べ床面積250㎡程度で,施設利用者が利用できる更衣室・シャワー室・便所や事務管理室・器具庫等の機能を持つ。
オ 駐車場
既存駐車場を利用するものとし,園内への車両進入は安全性を配慮し原則禁止する。
カ その他
公園施設の意匠・規格については,京都市風致地区条例との整合を図り,必要に応じて雨水貯留施設等の京都市開発技術基準に準拠した施設整備とする。
3 総事業費 約6億円
4 今後のスケジュール
16年度 基本計画,基本設計,実施設計,測量,埋蔵文化財調査,工事
17・18年度 工事
19年度 供用開始
(市長記者会見資料)
平成16年4月21日
京都市
文化市民局
市民生活部区政推進課
222-3048
「区政改革に向けた今後の取組」の策定について~区民の期待に応えられる区役所を目指して~
本格的な地方の時代を迎えた現在,大都市における行政区の役割については確固たる考え方を確立する必要があります。また,高度情報化の進展や暮らしの多様化など,様々な社会情勢の変化を踏まえ,市民にとって最も身近な総合行政機関である区役所の在り方を大きく変えていかなければならない時期にあります。
京都市では,こうした状況を踏まえ,各区基本計画に基づく個性あふれるまちづくりを一層推進し,また市民サービスの向上を図るため,この度,「区政改革に向けた今後の取組」を策定し,本格的に改革をスタートさせることとしました。
この「今後の取組」は,京都市行政区制度検討調査会から提出された「京都市における行政区制度のあり方について」の報告を踏まえるとともに,庁内の「区政改革検討委員会」の検討内容に基づき,具体的な方策等を取りまとめたものであり,「新京都市都市経営戦略」の重要課題と位置づけているものです。
今後とも,全庁を挙げて区政改革を推進し,区民の皆様の期待に応えられる区役所の実現を目指して参ります。
1 区政改革の目的
各区の特性を生かしながら,市民サービスの向上,地域との連携・協働による各区基本計画の推進を図り,「各区の個性を生かした魅力ある地域づくりを推進するための区長権限・区役所機能の強化」及び「市民の目線で良質なサービスを提供する区役所づくり」を,一層推進していく。
2 区政改革の具体的な取組
(1)各区基本計画の推進と区民の声を市政に反映するためのシステムの構築
○ 区政策提案予算システムの創設(平成16年度)
区役所が区民の声を踏まえ,各区基本計画の推進や区内の課題を解決するために,二つの仕組みを創設する。
・各区から各局等に政策・施策を提案し,市政への反映を図る。
・各区が独自に企画・実施する事業予算を要求し,各区の実情に応じた施策展開を図る。
○ 区役所業務関連予算の一元化・枠配分(平成17年度)
各局等が所管する区役所業務関連予算を一元化して区役所に配分し,区役所の予算執行権限を高め,区長のマネジメントの下,区民ニーズをより反映した柔軟で効率的な事業展開を目指す。
○ 区運営方針の策定,公表(平成17年度)
区行政運営の理念,基本姿勢や各区基本計画の単年度ごとの重点的取組項目などからなる「区運営方針」を策定し,ホームページなどにより区民に公表する。
など
(2)区の独自性を発揮し,総合性の強化を図る組織づくり
○ まちづくり担当部署の再編(平成16年度)
各区の状況に応じて,柔軟にまちづくり執行体制を設置する(平成16年4月実施済み)。
○ 「区役所経営会議(仮称)」の設置(平成16年度)
経営感覚に根ざした区役所運営を進めるため,区長を先頭に副区長,課長級職員から構成される「区役所経営会議(仮称)」を設置し,行政区の課題や区運営方針等の確認,協議,調整を行う。
○ 「区行政推進会議(仮称)」の設置(平成16年度)
区長のリーダーシップのもと,区民生活全般にわたる総合性を発揮するため,行政区に関係する本市行政機関はもちろん,各区ごとに必要と認める本市以外の機関(警察署,大学等の教育機関など)から構成される「区行政推進会議(仮称)」を設置し,情報共有と課題解決に向けた分野横断的な協議・調整を行う。
(3)区民の目線に立ったサービスの改革のための取組
新たなサービスの提供とまちづくりの支援強化のための検討を行い,順次実施する。
○ 新たに具体化に向けて検討する取組
・インターネットによる電子申請・届出,自動交付機による証明書交付
・総合案内の実施(コンシェルジュ(総合案内人)の配置など)
・ホームページでの各種届出・証明書の交付などの業務案内の充実
まちづくりに関する情報の発信・提供・公開
・開庁時間の延長
・地域のまちづくり活動の支援強化のための学区担当制の導入
など
<参考>これまで取組を進めている主なサービス
・個性あふれる区づくり推進事業 <平成10年4月から>
・窓口フロア・サービス員の配置 <平成14年6月から>
・各課への直通回線(ダイヤルイン)導入 <平成15年3月から>
・「ターミナル証明書発行コーナー」の土曜日開所 <平成15年10月から>
・全課における昼休み時間帯の窓口業務の実施 <平成16年6月実施予定>
など
(4)区役所・支所の親しみやすい呼称 (平成16年度)
市民に親しみやすく,「新しい区役所・支所」にふさわしい呼称を公募する。
3 推進体制
○ 「区政改革推進委員会」等の設置(平成16年度)
市民サービスの向上,区長権限・区役所機能の強化のほか,行財政運営の効率化に向けた業務・組織の見直しを図るための検討を行い,併せてその進捗状況等を一元的に把握,評価するため,全局長及び全区・支所長により構成する「区政改革推進委員会」を設置する。
区政改革推進体制の構成

※「区政改革推進委員会」は,「新京都市都市経営戦略」に掲げる都市経営戦略推進体制の「市政改革調整会議」の部会に位置付ける。
4 その他
(1)「区政改革に向けた今後の取組」冊子の配布
配布開始 平成16年4月22日木曜日から
配布場所 京都市役所内市政案内所,情報公開コーナー,区役所・支所のまちづくり推進課
規格等 A4判,無料
(2)ホームページ「京都市情報館」への掲載
掲載開始 平成16年4月22日木曜日から
お問い合わせ先
京都市 総合企画局市長公室広報担当
電話:075-222-3094
ファックス:075-213-0286