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市長記者会見(2004年10月20日)

ページ番号13630

2023年4月12日

平成16年10月20日 桝本市長定例記者会見資料

はじめに

 

 本日は,皆様にお知らせしたいことが2点ございます。
 1点目は,「京都国際マンガミュージアム(仮称)構想」の策定について,そして,2点目は,「京町家再生賃貸住宅制度」の創設についてでございます。

 

1 「京都国際マンガミュージアム(仮称)構想」の策定

 

 まず,はじめに「京都国際マンガミュージアム(仮称)構想」の策定についてでございます。
 昨年,アニメ映画の「千と千尋の神隠し」が,アメリカのアカデミー賞を受賞するなど,日本のマンガとアニメは,その技術力はもちろんのこと,緻密な表現やストーリーの深さ,巧みさが世界から大きく注目されており,今日,マンガ・アニメは,現代の重要な表現手法の一つとして認知されております。
 我が国におけるマンガの原点とも言われる鳥獣戯画絵巻が伝わるここ京都に,日本唯一のマンガ学科を設置しておられる京都精華大学と京都市で,マンガ・アニメの拠点を設置したいと考え,この2月に行われました市長選挙に当たって,市民の皆様にお示ししました「ますもとマニフェスト」の中で,「京都国際マンガミュージアム」の開設をお約束いたしました。
 その実現に向け,京都精華大学と協議を重ね,この度,マンガの研究・人材育成・学習・収集・展示等の機能を備えた日本初の総合施設となる「京都国際マンガミュージアム構想」を大学との共同で策定することができました。今後,京都精華大学との共同事業として,地元の皆様のご協力をいただきながら,平成18年秋の開設に向けて具体化を進めてまいります。
 まず,「京都国際マンガミュージアム」の機能についてでございます。お手元の資料にございますように,この施設には,「研究機能」,「人材育成・新産業創出機能」,「生涯学習機能」,「図書館・博物館機能」の4つの機能を備えることとしており,平成18年の開設時には,第1次事業展開として,まずは,「研究機能」,「生涯学習機能」,そしてそれらの基礎となる「図書館・博物館機能」を備えた施設としてオープンさせてまいります。
 その際,マンガ基本データベースの作成や文化史としてのマンガ研究など,研究機能を持つ施設として整備するため,現代のマンガ本を中心に,江戸時代末期以降のマンガ資料,世界各国の著名マンガ本,雑誌,アニメ映画フィルム等を収集し,特に,マンガ本等の収蔵は日本最多の23万点以上とする予定です。そして,京都精華大学の講師によるマンガをテーマとした生涯学習講座などを開催し,併せて市民や観光客など多くの皆様を対象にマンガ本等を開放してまいりたいと考えております。
 そのうえで,研究機能の高度化を図りながら,キャラクターデザイナーやCG(コンピューターグラフィック)アニメーターといった専門技術者の育成,マンガを活用したべンチャービジネス支援などの「人材育成・新産業創出機能」を開設後の事業展開としてまいる計画でございます。
 次に,ミュージアムの設置場所についてでございますが,ただ今ご説明いたしました様々な機能を最大限に発揮するため,交通至便で,企業が多数集積している中京区烏丸御池の元龍池小学校の校舎を改修のうえ,活用してまいります。
 更に,このミュージアム整備に加えまして,マンガ発祥の地の京都の文化を国内外に向けてアピールすると同時に,マンガを通した国際文化交流を図るため,マンガ研究に関する国際的イベントを平成20年度までに京都に誘致する考えでございます。
 番組小学校として明治2年に開校し,100年以上の歴史と伝統を持つ元龍池小学校が,元開智小学校での学校歴史博物館,元明倫小学校での京都芸術センターに引き続き,全国でも例のない芸術・文化の新たな拠点として生まれ変わりますことは,日本の近代教育の先駆けを担ってきた京都にとって誠に意義深いことであり,地元の皆様のご理解とご協力に対しまして,改めて感謝を申し上げる次第でございます。
 右肩上がりの経済の終焉,そして,それに伴う未曾有の財政危機など厳しい社会環境の中にあって,生涯学習・文化交流・産業・観光振興等幅広い分野で限りない可能性を秘める「マンガ」には,見る人に笑顔と元気を与え,都市に活力を与える,強力なエネルギーが満ちております。
 これを都市戦略として積極的に活用し,キラリと光る国際文化観光都市・京都を実現してまいる所存でございます。

 

2 「京町家再生賃貸住宅制度」の創設について

 

 次に,「京町家再生賃貸住宅制度」の創設についてでございます。
 京都は,世界に誇る山紫水明の都であり,中でも伝統的な意匠を持つ京町家が並ぶ町並みは,文化的価値が高いまさに京都ならではの優れた景観となっております。
 しかし,平成10年度には,約2万8千戸あった町家が毎年2%弱減少している状況にあり,一方,京町家で暮らしてみたいという方が昨今,社会ニーズとして増えつつあることから,京都市では,「建築物としての京町家の改修促進」,そして「京町家を生かしたまちづくりの推進」,また「町家文化を継承・発展させるネットワークづくり」の3つを京町家保全・再生政策の柱に据え,「歴史的景観保全修景地区制度」による改修等への補助をはじめ,京町家の伝統的なデザインを残した新築や改築を可能とする本市独自の条例の制定,更には京都市景観・まちづくりセンターにおける居住者・所有者に対するきめ細やかなセミナーや町家の活用支援など合計29の事業を推進いたしております。そして,これらの事業に加えて,このたび,京町家を賃貸住宅として再生しようとされる事業者の方々を支援する「京町家再生賃貸住宅制度」を新たに創設することといたしました。
 この制度は,建築基準法が施行されました昭和25年までに建築された木造建築物を,所有者,又は所有者から管理を委任されている公益団体や事業者が,賃貸住宅として再生される際の主体工事や屋内設備工事等に要する改修費用の3分の2を限度に補助するものでございます。
 制度のメニューといたしましては,「中堅所得者向け賃貸住宅」と「高齢者向け賃貸住宅」の2つを用意しており,補助基準としては,お手元の資料・別紙1にございますように,供給戸数が5戸以上であるほか,入居者や面積,構造,管理体制などについて要件がそれぞれございます。
 次に,当制度を活用した再生事業のイメージについてでございます。プラン1のように,規模の大きな町家の場合には,屋内に新たな壁と必要な設備を設け,複数の住戸をつくることが可能であり,またプラン2のように,小規模な個室を設けたバリアフリー対応の高齢者向けのグループ住宅への改築を行うことも可能でございます。また,長屋形式で規模の小さな町家が連なっているような場合には,プラン3のようにそのままの形状での整備をはじめ,プラン4のような住戸の結合・分割による住戸面積の増加プラン,更にはプラン5のように点在した5つ以上の住戸を改築することも可能で,規模や所有者・事業者のニーズに即したプランづくりができるよう柔軟な制度として運営してまいりたいと考えております。 
 このような,日本の宝ともいうべき京町家などの伝統的な木造住宅を活用した再生賃貸住宅制度の創設は全国で初めてであり,世界に誇る京都の歴史的景観の保全と再生に寄与し,併せて,京都特有の文化を継承した良好な住宅の供給にも大きな役割を果たせるものと期待を寄せております。
 今後とも,日本人の心のふるさとである京都の町並みや自然景観,文化資産を保全・再生・創造するため,市民の皆様はもとより全国の京都を愛していただいている方々と一体となって京都創生策を推進し,京都にとどまらず国を挙げて大きな展開が図られるよう,全力を傾注してまいる所存でございます。

 

私からは,以上でございます。

 

(市長記者会見資料)

 

平成16年10月20日
京都市
総合企画局プロジェクト推進室
222-3103
教育委員会企画課
222-3768

 

日本初の総合的マンガ収集・研究機関「京都国際マンガミュージアム(仮称)構想」の策定について

 

 日本のマンガやアニメが世界的に大きな注目を集め,現代の重要な表現の一つとして認知されつつある中,この度,国際文化観光都市・京都の発展を目指す新たな都市戦略として,マンガ・アニメの拠点施設である「京都国際マンガミュージアム(仮称)」構想を下記のとおり策定しました。
 この構想は,日本唯一のマンガ学科をもつ京都精華大学と共同で策定したもので,京都市と京都精華大学との共同事業として,元龍池小学校(中京区)の既存の校舎を改修し,平成18年秋の開設を目指します。本ミュージアムが完成すると,生涯学習・文化・観光・産業振興など,幅広い分野で限りない可能性を秘める「マンガ」の研究・人材育成・学習・収集・展示等の機能を備えた日本初の総合機関となります。
 なお,このミュージアム整備に加え,平安時代の「鳥獣戯画絵巻」が伝わる京都の文化を国内外に向けてアピールするとともに,マンガを通した国際文化交流を図るため,平成20年度までにマンガ研究に関する国際的イベントの誘致を図ります。



1 機能
(1)研究機能(開設時/第1次事業展開)
※マンガの文化史や教育との関わり,著作権等に関する研究
※収集した各種資料の基本データベース作成
※マンガ情報センター機能や国内外の研究機関との交流機会の整備(開設後/第2次事業展開)
(2)人材育成・新産業創出機能(開設後/第3次事業展開)
 蓄積された研究成果の実用化・事業化による人材育成と産業創出を図る。
※専門技術者(キャラクターデザイナー,CGアニメーター等)の育成
※産学公連携による研究開発
※ベンチャービジネス支援    
(3)生涯学習機能(開設時/第1次事業展開)
 京都精華大学マンガ学科からの講師を招き,生涯学習講座を市民に提供する。
※ワークショップ
※各種公開講座 等
(4)図書館・博物館機能(開設時/第1次事業展開)
 現代の国内マンガ本を中心に,江戸末期以降のマンガ関連歴史資料や,世界各国の著名マンガ本,雑誌,アニメーション,映画フィルム等を収集・展示(マンガ本等の収蔵数は日本最多の23万点以上)。また来館者向けのショップを併設する。  
<図書館機能>
※市民や観光客等にマンガ本等を開放
※マンガに関する調査・相談
※京都市の図書館との連携
<博物館機能> 
※常設展示
※企画展示
※作家の作品発表の機会の提供

2 設置場所
元京都市立龍池小学校(中京区烏丸通御池上る)

元京都市立龍池小学校

 

4 事業主体
京都市,京都精華大学

5 開設時期
平成18年秋

6 今後のスケジュール等
18年4月
施設改修着手
18年秋
施設改修完了・開設
~20年度
マンガ研究に関する国際的イベントの誘

 

(市長記者会見資料)

 

平成16年10月20日
京都市
都市計画局住宅室住宅政策課
222-3666

 

京町家再生賃貸住宅制度の創設について
~全国初の京町家再生に向けた新制度~

 京都は,世界に誇る山紫水明の都であり,中でも伝統的な意匠を持つ京町家が並ぶ町並みは,文化的価値が高い京都ならではの優れた景観となっています。
 京都市では,「建築物としての京町家の改修促進」,「京町家を生かしたまちづくりの推進」,「町家文化を継承・発展させるネットワークづくり」の3つを京町家保全・再生政策の柱に据え,「歴史的景観保全修景地区制度」による改修等への補助をはじめ,京町家の伝統的なデザインを残した新築や改築を可能とする本市独自の条例の制定,更には京都市景観・まちづくりセンターにおける居住者・所有者に対するきめ細やかなセミナーや町家の活用支援など29の事業を推進しています。そしてこれらの事業に加えて,この度,京町家を賃貸住宅として再生しようとされる事業者の方々を支援する「京町家再生賃貸住宅制度」を,下記のとおり創設することとしましたので,お知らせします。

 



1 本制度の概要
 京町家を中堅所得者向け賃貸住宅又は高齢者向け賃貸住宅として,再生する際に必要な建築主体工事及び屋内設備工事費,段差の解消や手摺の設置などの整備工事費等に要する費用の3分の2を限度に補助する。
※中堅所得者向け賃貸住宅:準特定優良賃貸住宅型京町家再生賃貸住宅
※高齢者向け賃貸住宅:高齢者向け優良賃貸住宅型京町家再生賃貸住宅
(1)補助対象物件
 建築基準法施行時(昭和25年)までに建築された木造住宅
(改修後,賃貸住宅として活用する場合は,酒蔵や織工場も対象となる)
(2)補助対象事業者
 所有者,又は町家所有者から管理を委任された民間事業者
(賃貸住宅管理を目的とする公益法人,宅地建物取引業者の免許を有する民間法人等)
(3)補助基準
別紙1のとおり

2 再生イメージ(別紙「プラン1~プラン5」参照)
(1)規模の大きな町家を再生する場合
(2)規模の小さな町家を再生する場合

3 予算額
2,000万円
 
4 運用開始日 
平成16年10月21日から

5 問合せ先
京都市都市計画局住宅室住宅政策課(京町家担当:電話075-222-3666)
(別紙1)

 

京町家再生賃貸住宅の補助基準
中堅所得者向け賃貸住宅高齢者向け賃貸住宅
①供給戸数

5戸以上

②入居者

所得が月額20万円以上60万1千円以下で,原則として同居親族がいる者。

入居者は,高齢者(60歳以上)又は高齢者と同居する配偶者等であること。

③各戸の共用部分を除く床面積

・原則は50㎡以上125㎡以下

・単身入居の場合は25㎡以上125㎡以下

・3人以下の世帯の場合は39㎡以上125㎡以下

・25㎡以上(居間,食堂,台所を共同利用の場合は18㎡以上)

④防火,耐震対策

外壁,軒裏,住戸の戸境壁等は,防火性を向上させた構造とし,床下の柱部分に根絡みを設置するなどの耐震補強を行うこと。

⑤加齢対応

 室内の段差解消や手摺の設置などの加齢対応構造を施すこと。

⑥水周り施設

各戸が台所,水洗便所,収納設備,洗面設備及び浴室を備えたものであること。ただし,高齢者向け賃貸住宅の場合,これらを共用部分に備える場合は,各戸に備えなくてもよい。

⑦家賃額

 家賃の額を近傍同種の住宅の家賃と均衡を失しないよう定めること。

⑧管理者の設定

 本制度を利用するには,町家の維持管理が適正に継続されることが明らかである必要があるため,賃貸住宅管理を目的とする公益法人,宅地建物取引業者の免許を有する民間法人等に町家管理を委任しなければならない。

※  入居者に対して補助対象住宅を賃貸する者は,入居者を公募し,応募多数の場合は抽選により選定する。

 

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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