市長記者会見(2002年7月24日)
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2013年6月7日
平成14年7月24日 桝本市長定例記者会見資料
はじめに
本日は,皆様に3点ご報告を申し上げたいと存じます。
1点目は,京都大学桂キャンパスの隣接地に,新産業の振興拠点を整備する「桂イノベーションパーク構想」の策定及びその推進体制についてであります。2点目は,「ものづくり都市・京都」の活性化を図るための,産学公による「戦略会議」の設置についてでございます。3点目は,「町家を保全・継承するための制度の創設」についてでございます。
1 「桂イノベーションパーク構想」の策定及び推進体制について」
まず最初に,「桂イノベーションパーク構想」の策定及び推進体制についてでございます。
本年3月,京都の優れた技術・研究成果・ビジネスモデル等,多様な資源の融合により,21世紀における新たな「ものづくり都市・京都」の構築を図る「京都市スーパーテクノシティ構想」を策定いたしました。その具体的戦略の一つが,このたび策定いたしました「桂イノベーションパーク構想」で,平成15年度の開設を目指して建設が進められている京都大学桂キャンパスの隣接地,約3.2haを「京都ナノテク事業創成クラスター」をはじめとする産学公連携による新産業の振興拠点として整備しようとするものであります。
本市では,かねてから産学公の共同研究拠点となる「研究成果活用プラザ」やベンチャー企業等の新事業の創出を支援する「大学連携型インキュベータ」の誘致活動を進めてまいりましたが,今後,構想に掲げておりますとおり,広く国内外の「研究開発型企業」の集積を図り,研究者と起業家・技術者の出会いの場を提供することにより,京都大学が有する世界最高水準の研究成果を産業界へ橋渡しし,世界的な競争力を有する企業の育成,新産業の創出を目指してまいります。
同パークの整備は,本市の重要な産業振興施策であり,京都を挙げての推進体制を早期に構築し,本構想の事業を強力に進めていくため,産業界,京都大学をはじめとする関係機関の方々のご参画を得て「京都市桂イノベーションパーク整備推進協議会」を設置いたします。
この協議会におきまして,京都市が産業振興やまちづくりなど総合的な観点から関係機関の方々のご意見を取りまとめ,同パークにふさわしい整備のあり方と方向性をお示ししてまいりたいと考えています。具体的には,研究施設を活用した効果的な新事業の創出や育成方策,京都大学とのより具体的な連携,都市計画の決定,さらには企業誘致の手法等について積極的に議論いただき,協議会に設けます「企業誘致」,「環境整備」,「研究施設」の3つの部会におきまして,その具体化に向けて取り組むことといたしております。
なお,顧問には,「京都ナノテク事業創成クラスター推進本部長」であり,「京都市スーパーテクノシティ構想」の策定に携わっていただくなど,京都市の戦略的産業振興政策に貴重なご助言を頂戴しております堀場製作所の堀場雅夫氏に就任をお願いしております。
これらの取組により,「京都ナノテク事業創成クラスター」の事業期間である2006年度(平成18年度)を目途に,桂の地を,産学公による世界水準を超える「知的産業創造拠点」にしてまいりたいと考えております。
2 「京都市スーパーテクノシティ構想推進戦略会議の設置」について
次に,「京都市スーパーテクノシティ構想推進戦略会議」の設置についてでございます。
新たなものづくり都市を目指す「京都市スーパーテクノシティ構想」に掲げた事業につきましては,ただいまご説明申し上げました「桂イノベーションパーク構想」をはじめ,順次,着手いたしておりますが,これらを総合的かつ効果的に推進するため,このたび,産業界と大学界から専門的なご意見を伺う「京都市スーパーテクノシティ構想推進戦略会議」を設置することといたしました。
戦略会議のメンバーは,京都大学の長尾 真(まこと)総長,(財)高度技術研究所最高顧問の堀場 雅夫氏と私の3人でございます。
今後,産業界と大学界を代表される重鎮お二方と,幅広い観点から忌憚のない意見交換を行い,産学公が一体となった産業振興戦略を進めてまいりたいと考えております。
3 町家を保全・継承するための制度の創設について
最後に,京町家に代表される我が国固有の伝統的な木造建築物を保全・継承するための制度の創設についてでございます。
京都が世界に誇る優れた景観をもつ歴史都市として輝き続けるためには,伝統的・歴史的な町並みが将来にわたって良好に保全・継承され,「町並みに歴史が見える」まちづくりを進めていく必要がございます。
しかし,伝統的な木造建築物や歴史的な町並みが残る地域の多くは,都市計画法による防火地域や準防火地域に指定されており,新築や改築等を行う場合には,外壁をモルタルなどで不燃化させなければならないなど,伝統的なデザインを残した建築物として再生することが極めて困難となっております。
そこでこの度,歴史的な町並みを保全・継承するための,京都市独自の制度を創設することといたしました。
新設いたします制度は,1つには,地区の自主的な防火に対する取組が充実していること。今1つは,建築物内部の不燃化等を講じることなどにより,防火性能を維持すること。の2点を前提に,防火地域または準防火地域の指定を解除し,伝統的な木造建築物の新築や改築等を可能とするものでございます。
制度の対象となる地区や建築物につきましては,お手元の広報資料に掲げておりますが,この制度を活用することにより,土塗りや腰板張りの外壁,木製の格子や建具など,京町家のデザインを継承することが可能となります。
今後,制度の詳細につきまして検討を加えたうえで,条例の制定を9月市会に提案し,年度内の実施を目指してまいります。
こうした全国でも例のない,京都ならではの画期的な制度の導入は,老朽化の進む町家の建て替えや改築を促進すると同時に,町家の建築誘導施策としても効果を発揮し,世界に誇る京都の歴史的景観の保全と再生に大いに寄与するものと考えております。
私からは以上でございます。
(市長記者会見資料)
平成14年7月24日
京都市
産業観光局産業振興課
222-3324
「「桂イノベーションパーク構想」の策定及び推進体制について
~世界最高水準の「知的産業創造拠点」の形成に向けて~
この度,京都市では,「京都市スーパーテクノシティ構想」(本年3月策定)に掲げている「桂イノベーションパーク」を「京都ナノテク事業創成クラスター」をはじめとする産学公連携による新産業の振興拠点として整備するため,下記のとおり「桂イノベーションパーク構想」を策定しました。本構想は,京都大学等と連携のもと,産学交流研究施設,研究開発型企業を誘致することにより,世界最高水準の「知的産業創造拠点」の形成を目指すものです。なお,顧問には,「京都ナノテク事業創成クラスター推進本部長」である堀場雅夫氏にご就任いただきます。
記
1 「桂イノベーションパーク構想」の策定
(1)目的
京都市西京区桂・御陵坂地区に建設される京都大学桂キャンパス地区の隣接地を「桂イノベーションパーク」と位置づけ,「京都ナノテク事業創成クラスター」をはじめとする産学公連携による新産業の振興拠点として整備する。
(2)特徴
京都市では,同パークを「研究成果活用プラザ」と「大学連携型インキュベータ」の有力な候補地とし,国等に対する誘致活動に積極的に取り組んでいる。また,「京都大学桂キャンパス」には,工学,情報学の研究科及び「国際融合創造センター」が移転し,「桂インテックセンター」が整備される予定であり,同パークは,京都大学のこれらの施設と一体的利用を図ることが可能となる。今後,国内外の「研究開発型企業」の集積を図り,研究者と起業家・技術者の出会いの場を提供し,京都大学が有する世界最高水準の研究成果を産業界へ橋渡しし,世界的な競争力を有する企業の育成,新産業の創出を目指す。
(3)整備区域
京都市西京区桂・御陵坂地区の京都大学桂キャンパスの南側隣接地平地部分約3.2ha(うち京都市所有分約0.3ha,都市基盤整備公団所有分約2.9ha)
(4)京都市の取組
ア 国の施設(産学交流研究施設)の誘致
○「研究成果活用プラザ」の整備(平成14年度,15年度国家予算要望重点事項)
場 所 パーク内の京都市所有地(約0.3ha)
概 要 文部科学省の「重点地域研究開発促進事業」の一つ。研究開発能力の高い地域に,大学等の研究成果を社会に還元するための活動拠点とする。建設・運営 科学技術振興事業団
○「大学連携型インキュベータ」の整備
(平成15年度国家予算要望重点事項)
場 所 パーク内の都市基盤整備公団所有地
概 要 経済産業省の「新事業創出型事業施設整備事業」。創業や,新たな事業分野の開拓,新事業の創出を目指すベンチャー企業等を支援するために賃貸型研究開発施設の整備及び賃貸を行うもの。 建設・運営 地域振興整備公団
イ 研究開発型企業の誘致
○「研究開発型企業」の誘致
京都大学の研究開発力を生かし,整備区域内に国内外から先端産業の研究開発型企業を誘致する。
(5)今後のスケジュール(予定)
平成14年10月 新事業創出促進法に基づく高度研究機能集積地区の指定
平成15年1月~2月 都市計画審議会に用途地域等変更案を提出
4月 京都大学桂キャンパス工学・情報学研究科移転開始
※研究成果活用プラザ及び大学連携型インキュベータの早期開設を目指して要望中
2 「京都市桂イノベーションパーク整備推進協議会」の設置について
(1)協議会の名称
「京都市桂イノベーションパーク整備推進協議会」
(2)設置目的
「桂イノベーションパーク構想」の事業を強力に進めていくためには,京都を挙げての推進体制を早期に構築する必要があることから,産業界,京都大学をはじめとする関係機関の方々の参画を得て「京都市桂イノベーションパーク整備推進協議会」を設置し,世界最高水準の「知的産業創造拠点」を形成することにより,「ものづくり都市・京都」の更なる発展を図ることを目的とする。
(3)設置期間
平成14年8月~
(4)構成団体
京都大学,京都商工会議所,京都工業会,都市基盤整備公団,地域振興整備公団,(財)京都高度技術研究所,京都市
※協議会顧問として,「京都ナノテク事業創成クラスター推進本部長」である堀場雅夫氏にご就任いただく。
(5)主な協議事項
ア 「桂イノベーションパーク」への企業誘致に関すること
・企業誘致の手法について
イ 「京都ナノテク事業創成クラスター」と連動した産学公連携に関すること
・京都大学との具体的な連携について
ウ 新事業の創出と育成推進に関すること
・産学交流研究施設を活用した新事業創出
・育成推進方策について
エ 構想に基づく基盤整備の推進に関すること
・産学交流研究施設の誘致について
・都市計画の変更について
(6)プロジェクト部会の設置
協議会での議論を踏まえ,具体化に向けて取り組むため,3つのプロジェクト部会を設置する。
(ア)企業誘致プロジェクト部会
(イ)環境整備プロジェクト部会
(ウ)研究施設プロジェクト部会
(7)今後のスケジュール
第1回は,本年8月上旬開催予定
(市長記者会見資料)
平成14年7月24日
京都市
産業観光局スーパーテクノシティ推進室
222-3434
「京都市スーパーテクノシティ構想推進戦略会議」の設置について
この度,京都市では,「桂イノベーションパーク構想」,「京都ナノテク事業創成クラスター」,「バイオシティ構想」など,「京都市スーパーテクノシティ構想」に掲げる事業を推進し,「ものづくり都市・京都」の更なる振興・発展を図るため,産業界と学界の重鎮からご意見をいただき,事業に反映させていくことを目的に「京都市スーパーテクノシティ構想推進戦略会議」を設置します。
記
1名 称
京都市スーパーテクノシティ構想推進戦略会議
2 概 要
「桂イノベーションパーク構想」,「京都ナノテク事業創成クラスタ-」,「バイオシティ構想」など,「京都市スーパーテクノシティ構想」に掲げる事業については,現在,次々と着手しているところであるが,これらの事業を総合的かつ効果的に推進するためには,産業界と学界から専門的なご意見を伺い,事業に反映させる必要がある。このため,「スーパーテクノシティ・京都」の実現を図るため,産学公が一体となった産業振興戦略について,幅広い観点から意見交換するものである。
3 構成(敬称略)
長尾 真(ながお まこと) 京都大学総長
堀場雅夫(ほりば まさお) 財団法人京都高度技術研究所最高顧問・京都商工会議所副会頭
桝本頼兼(ますもと よりかね) 京都市長
4 設置時期 平成14年8月 (年2回程度とし,必要に応じて開催)
(市長記者会見資料)
平成14年7月24日
京都市
都市計画局建築指導部指導課
TEL 222-3620
町家を保全・継承するための制度の創設について
~町家等の新築及び改築等を積極的に推進~
京都市には,町家に代表される伝統的な木造建築物や歴史的町並みが多く残されており,これらが残る地域の多くは,都市計画法における防火地域又は準防火地域に指定されています。この地域内での新築及び改築等に当たっては,外壁面をモルタルなどで不燃化させる等防火上の規制がかかり,伝統的で歴史的なデザインを残した木造建築物の保全・再生は極めて困難となっています。そこで,この度,京都市では,歴史的な町並みを保全・継承するための京都市独自制度を,下記のとおり創設することといたしますのでお知らせします。
記
1 目的
町家に代表される伝統的な木造建築物の保全・再生や歴史的町並みの保全・継承を積極的に推進するため。
2 新たな制度の概要
(1)内 容
○地区の自主的な防火に対する取組が充実していること。○建築物の防火性能について,内部の不燃化等を講じることなどにより,建築物としての防火性能を維持すること。を前提に,防火地域又は準防火地域の指定を解除し,伝統的な木造建築物の新築及び改築等を可能とします。
(2)対 象
①対象となる地区歴史的景観保全修景地区など,伝統的な建築物により歴史的な町並みを形成している地区のうち,次の2点を満たしている地区を対象とします。○景観形成に対する地域住民の方々の意識が高く,自主的な防火に対する取組が充実している地区○将来にわたって伝統的な建築物及び歴史的な町並みを保全・継承していくことが必要と認められる地区②対象となる建築物対象地区の中で,新築及び改築等を行う建築物が,歴史的な町並み景観の保全・継承に寄与するもの。*対象地区内であっても,上記以外のその他の建築物については,現行制度である防火地域又は準防火地域に適用される防火上の規制の対象となります。
(3)制度の活用効果(具体例)(別紙参照)
新たな制度を活用することで,例えば次の事例が可能となり,これまで困難であった伝統的な木造建築物の新築や改築等を行うことができます。○現行制度でモルタル塗りの軒裏については,化粧板張りが可能となる。(一部不燃材を使用。)○モルタル塗りの外壁については,土塗りや腰板張りが可能となる。○アルミサッシなどを使用した窓については,網入りガラスを使用することで,木製格子や木製建具の使用が可能となる。
3 今後の予定
当制度については,9月市会に条例として提案することとしており,平成14年度中の制度の実施を目指します。
*防火地域・準防火地域都市計画法に基づき,市街地における火災の危険を防ぐために定められ,建築基準法と連動して建築物の防火上の構造制限が行われる地域地区のひとつ。 旧市街地の市内幹線道路沿道や住宅密集地を中心に指定されている。
お問い合わせ先
京都市 総合企画局市長公室広報担当
電話:075-222-3094
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