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市長記者会見(2001年1月4日)

ページ番号13422

2023年4月12日

平成14年1月4日 桝本市長定例記者会見資料

 

 新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日は,年頭の記者会見でございますから,まず,「年頭に当たっての私の抱負」を申し上げます。次に,地下鉄東西線の西伸に伴いまして,新たに設置いたします(仮称)天神川駅周辺地域の一体的まちづくりを行うために策定いたしました「天神川駅(仮称)周辺整備基本構想」について,皆さんにご報告申し上げます。

 

1 年頭にあたっての私の抱負

 

 まず,平成14年の市政推進にあたっての私の抱負でございます。
 昨年は,21世紀という新しい時代の幕開けでしたが,長引く景気低迷をはじめ,未だに不安感や閉塞感が払拭されないまま新年を迎えました。
 私は,新しい年を迎え,今一度,市民の皆様の英知の結集である「京都市基本構想」を読み返しました。そして,「安心と安らぎのあるくらし」と「活力と華やぎに満ちたまち」を実現していく中で,「信頼が基礎にある社会」を再構築することこそが,混沌とした時代にあって,京都を再生へと導く確かな道筋であることを,改めて深く胸に刻み込みました。そして,京都をこよなく愛する多くの皆様の期待と信頼に応えるために,私を先頭に全職員が一丸となって,市政を推進してまいる決意を新たにしたところでございます。
 来年度予算につきましては,現在,編成作業を進めておりますが,現下のたいへん厳しい情勢にあって,着実に歩みを進めていくためには,「市民生活を守るため,そして,将来の京都の発展のため,今,真にやらなければならないことは何か」という政策の「選択」を行い,その実現のために京都市の持つ資源を「集中」させる必要があると考えております。
 また,京都市は,147万人の市民の皆様の暮らしに直結する仕事を預かる基礎的自治体であり,今私どもに求められているのは,何よりも,市民の皆様の「不安感を払拭」することであろうと存じております。
 本年は,こうした観点から,「安心と安らぎのあるくらしづくり」を基本とし,その上に将来の京都発展を見据えた「活力と華やぎ」を産み出す政策を展開していきたいと考えております。
 それでは,私が特に重点を置きたいと考えております政策の中から,いくつかを簡潔に申し上げます。
 まず,不況対策といたしまして,昨年12月の荒巻禎一京都府知事との懇談会で申し合わせましたように,中小企業の資金繰りを改善するために,新たな緊急借換融資制度を創設いたします。それとともに,国の緊急地域雇用創出特別交付金を活用し,京都の特性を踏まえた雇用の促進と伝統産業の振興策を充実いたします。
 また,少子長寿化社会にあって,老後の生活や子育てに対する不安を取り除くため,引き続き,介護保険基盤の整備や保育ニーズへの対応に努めるとともに,地球温暖化への対策を,4月にオープンします「京(みやこ)エコロジーセンター」を拠点に一層強化するなど,市民の皆様に「安心」を実感していただくための政策を進めてまいります。
 次に,京都の将来の発展を見据えた政策としましては,現在策定中の「京都市21世紀産業振興ビジョン」に基づき,大学,研究者,ベンチャー企業が集積する京都の特性を十分に活かして,新産業の創出を柱に,ベンチャー企業の育成,21世紀の京都の基幹産業となり得る先端産業分野の企業誘致などを進めてまいりたいと考えております。
 また,「観光客5000万人構想」につきましては,様々な取組の成果として,ここ数年,修学旅行生を初め,入洛観光客は増加に転じてきており,一昨年は4000万人台を回復するに至りました。本年6月には,サッカーワールドカップが日本で開催されます。また,4月からは学校完全週休2日制が実施されます。こうした機会をしっかりとらえ,京都府,商工会議所,仏教会,観光協会等とも連携し,京都の魅力的なまち並みや文化遺産を活用して,市民の皆さんにも楽しんでいただける新しいイベントを企画するなど,オール京都の体制で,観光振興に努めてまいりたいと考えております。
 最後になりますが,年末には市政推進の基本である「信頼とパートナーシップ」をより確実なものとするために,「市民参加推進計画」を策定いたしました。財政的には誠に厳しい状況ではありますが,京都を愛する市民の皆様の積極的な市政参加を賜り,智恵と力をお借りしながら,全職員が総力を挙げて臨めば,必ずや道は開けるものと確信いたしております。
 「いつまでも京都に住み続けたい」「安らぎと華やぎのあるくらしを実感したい」という市民の皆様の願いを実現するため,本年も引き続き「立ち向かう楽観主義」で挑戦してまいりたいと決意を新たにしているところでございます。

 

2 天神川駅(仮称)周辺整備基本構想

 

 次に「天神川駅(仮称)周辺整備基本構想」についてでございます。
 地下鉄東西線の二条から天神川までの西伸につきましては,国の来年度予算案において,着工の準備を進めるための予算確保に見通しがついたところであり,平成19年度開業を目指しております。
 このたび,新たに設置いたします天神川駅の周辺地域におきまして,地下鉄整備の効果を最大限に生かし,交通拠点づくりや右京区の新しいにぎわい空間,街並みづくりを一体的に行うため,「天神川駅周辺整備基本構想」を策定いたしました。この基本構想は,昨年1年間にわたって,地元住民の方々を中心とする「太秦地下鉄駅周辺まちづくり検討会」において,協議・検討いただいた成果をもとに策定したものでございます。
 それでは,基本構想の概要についてご説明いたします。
対象となる区域は,こちらの地図にございますとおり,御池通を中心に,三条通と天神川通に囲まれた,約55,000㎡でございます。
 整備にあたりましては,「人々が集いにぎわう右京区の新しい拠点づくり」と「安心して住み続けられる持続性のあるまちづくり」をコンセプトとし,4つの整備方針に基づき,事業を進めてまいります。
 まず,第1の方針「右京区の中心となる交通拠点づくり」であります。
 天神川駅を中心に,地下鉄や京福電鉄,路線バスやタクシーなどの交通機関を円滑に接続するための交通拠点づくりを行います。このため,嵐山線の山ノ内駅~蚕ノ社駅間に新駅を設置するとともに,地下鉄駅及び京福新駅に隣接して,駅前広場及び駐輪場などの整備を行います。
 第2は,「右京区民が集えるにぎわい空間づくり」でございます。
 御池通の南側に,右京区総合庁舎や地域体育館を中心に,にぎわい施設を整備いたします。
 右京区総合庁舎につきましては,現在の区役所・福祉事務所及び保健所を移転・統合するもので,区民の皆様の利便性の向上を図るとともに,右京区の拠点としての機能を強化いたします。また,地域体育館は,本市の設置するものでは8館目となるもので,地域における市民スポーツ活動の拠点となるものでございます。
 第3は,「右京区の顔となる街並みづくり」でございます。都市計画道路である御池通の整備や,地区内の幹線道路の整備などにより,右京区におけるシンボル空間としての街並みづくりを目指します。
 最後に第4は,「住民が安心して暮らせる居住環境づくり」でございます。
 今回の整備に伴って移転される方々が,引き続き地区内で,安全・快適に居住いただけるよう,道路や公園の整備を図ってまいります。
 以上の4つの整備方針に基づいて整備を進めるため,お手元の資料にございますとおり,「にぎわい施設ゾーン」,「中高層ゾーン」,「中層ゾーン」,「低層住宅ゾーン」の4つに分類し,土地利用を誘導してまいります。なお,これらの周辺整備は,土地区画整理事業と市街地再開発事業の一体的施行により進めることとしており,こうした事業手法は,全国で初めてのケースでございます。総事業費は170億円を見込んでおります。
 今年度中に,整備事業についての地元説明会を実施するとともに,国土交通省や京都府などの関係機関との協議を進め,より具体的な事業計画を作成してまいります。そして,来年度には土地区画整理事業に,その翌年の平成15年度には市街地再開発事業に着手し,平成19年度の地下鉄開通にあわせて整備を進めてまいりたいと考えております。本事業は,地下鉄延伸の効果を最大限に生かすものであり,右京区はもちろん京都市のまちづくりに大きく寄与するものと期待しております。

 

 以上でございます。

 

(市長記者会見資料)

 

平成14年1月4日
京都市
都市計画局都市企画部交通政策課
222-3483
建設局都市整備部区画整理課
222-3511
交通局建設室
822-9176
文化市民局市民生活部区政推進課
222-3048
市民スポーツ振興室スポーツ企画課
315-3501

 

「天神川駅(仮称)周辺整備基本構想」について

 

 京都市では,地下鉄東西線の二条から天神川までの西伸に伴い新たに設置する天神川駅(仮称)の整備にあわせて,周辺地域のまちづくりを一体的に行うため,「天神川駅(仮称)周辺整備基本構想」を策定しました。
 この基本構想は,京都市基本計画(平成13年1月策定)及び右京区基本計画(平成13年2月策定)に基づき,地元住民を中心とした「太秦地下鉄駅周辺まちづくり検討会」(平成13年1月設置・計8回開催)において行った,都市施設の内容や整備手法などについての協議・検討の成果を踏まえて策定したものです。
 今後は,この基本構想に基づき,平成19年度の地下鉄開業にあわせた周辺整備を進めます。

 

1 整備目的
地下鉄東西線天神川駅(仮称)の開業に合わせて,右京区の新しい地域拠点として,にぎわい空間や右京区の顔となる街並み,安心して暮らせる居住環境を創出する。

2 整備区域
御池通を中心にした三条通と天神川通に囲まれた区域 約55,000㎡

3 基本構想の概要
(1)整備コンセプト
・人々が集いにぎわう右京区の新しい拠点づくり
・安心して住み続けられる持続性のあるまちづくり

(2)整備方針
4つの方針に基づき整備を進める。
① 右京区の中心となる交通拠点づくり
地下鉄天神川駅(仮称)を中心に,地下鉄,京福電鉄,路線バス,タクシー,自家用車,自転車,徒歩の各交通機関相互を円滑に接続するための交通拠点づくりを行う。京福嵐山線の新駅を設置するとともに,駅前広場の整備,駐輪場の整備などを行う。
② 右京区民が集えるにぎわい空間づくり
右京区の中心地づくりを実現するため,御池通の南側ににぎわい施設ゾーンを設け,右京区総合庁舎や地域体育館,住宅などからなるにぎわい施設を整備する。
右京区総合庁舎については,現在の区役所・福祉事務所,保健所を移転,統合することにより,区民の皆様の利便性向上を図るとともに,地域づくりの拠点としての機能を強化する。また,地域における市民スポーツ活動の拠点として,地域体育館を設置する。
③ 右京区の顔となる街並みづくり
右京区におけるシンボル空間としての街並みづくりを目指す。都市計画道路である御池通を整備し幹線道路の充実を図るとともに,地区内幹線道路の整備を行う。
④ 住民が安心して暮らせる居住環境づくり
整備に伴って移転される住民の方々が,引き続き地区内に安心して住み続けていただけるよう,道路や公園の整備を行う。

(3)土地利用構想
4つの整備方針に基づき整備を進めるため,地区内をにぎわい施設ゾーン,中高層ゾーン,中層ゾーン,低層住宅ゾーンの4つのゾーンに分類し土地の利用を誘導する。

(4)施設整備構想
① 京福嵐山線の新駅設置
三条通東側の御池通南側に京福嵐山線の新駅(山ノ内駅~蚕ノ社駅間)を設置する。
② 駅前広場の整備
地下鉄駅及び京福電鉄新駅に隣接した御池通の南側に駅前広場を整備し,バス,タクシー,自家用車からの乗り継ぎの利便を図る。
面積 約4,500㎡
③ 駐輪場の整備
駅前広場の地下に駐輪場を整備し,自転車からの乗り継ぎの利便を図る。
収容台数 約2,000台
④ 幹線道路の整備
都市計画道路の御池通を整備し,幹線道路の充実を図る。
⑤ その他の道路の整備
御池通の北側ゾーン及びにぎわい施設ゾーン南側に地区内幹線道路を整備する。既存道路の三条通を改良することにより道路網の充実を図る。北部低層住宅ゾーンに区画道路等を整備し,安全で便利な居住環境の充実を図る。
⑥ 街区公園の整備
北部低層住宅ゾーンに隣接して街区公園を整備し,潤いと憩いのある快適な居住環境の充実を図る。
⑦ にぎわい施設の整備
御池通南側の駅前広場に隣接し,右京区総合庁舎や地域体育館,住宅等からなる再開発ビルを建設する。
再開発ビル 建築敷地面積 約9,000㎡
規模 右京区総合庁舎  約10,000㎡
地域体育館    約 3,200㎡

(5)事業手法
土地区画整理事業と市街地再開発事業の一体的施行により進める。
* この事業手法は全国初のケースである。
具体的には,土地区画整理事業区域の中に市街地再開発事業区域を設定し,にぎわい施設として再開発ビルを建設する。

(6)総事業費 約170億円
土地区画整理事業費  約70億円
市街地再開発事業費 約100億円

4 今後のスケジュール
今後,太秦地下鉄駅周辺まちづくり検討会における住民の方々の意向を踏まえ,引き続き,国土交通省や京都府等関係機関と協議を進めながら,平成19年度の地下鉄開通にあわせて整備を進める。
平成13年度 地元説明会
平成14年度 土地区画整理事業計画決定,事業着手
平成15年度 市街地再開発事業計画決定,事業着手
平成19年度 事業完了(予定)

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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