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市長記者会見(2001年4月18日)

ページ番号13389

2023年4月12日

平成13年4月18日 桝本市長定例記者会見資料

はじめに

 

 本日は,平成13年度最初の記者会見ですので,まず,年度当初にあたっての所感を若干申し上げました後,21世紀当初の10年間に取り組む京都市基本計画を着実に実行するために策定しました「安らぎ 華やぎ 京都21 推進プラン」について,ご報告いたします。

 

年度当初に当たって

 

 年度当初にあたっての所感でございます。
 平成13年度は,21世紀のスタートの年であり,京都のあるべき姿を示す「京都市基本構想」を実現するために策定いたしました「京都市基本計画」及び「各区基本計画」を本格的に実施していく出発点となる重要な年であります。
 そのため,4月1日付けで実施いたしました組織改正及び人事異動におきましては,これらの計画を着実に推進するとともに,新たに策定いたしました「京都新世紀市政改革大綱」に基づいて,直面する厳しい財政状況を克服するための取組を強力に進めるなど,時代や市民の皆様のニーズに的確に対応するための体制を整備いたしました。
 組織改正につきましては,政策の企画・推進体制の整備や税の徴収体制の強化など,本格的な地方分権時代や厳しい財政状況に的確に対応できる執行体制の整備に万全を期すとともに,IT社会や循環型社会に対応した機動的な組織づくりを目指しました。
 また,人事異動では,環境や福祉はもちろんのこと,IT戦略や南部開発,交通政策など,京都の発展に大きなウエイトを占める計画の策定など,将来の京都の礎,布石となる事業に重点を置きました。
 そして,情熱と能力のある人材について,年齢,性別,職種の枠にとらわれない斬新な配置を行い,特に,市民サービスの第一線である区役所では,初の女性区長をはじめ,若手職員を多数配置するなど,その体制整備に力を注いぎました。
 これらによりまして,21世紀という大海原に自信をもって船出する体制が整ったと考えており,このあとご説明いたします推進プランをはじめとして,できる限り出足の早い取組と,全庁的な連携強化による総合行政を進めてまいりたいと年度当初にあたり決意いたしております。

 

安らぎ 華やぎ 京都21推進プランの策定

 

 それでは,「安らぎ 華やぎ 京都21推進プラン」についてでございます。
 京都市では,21世紀のまちづくりの方針を示す「京都市基本構想」を具体化するため,2001年から2010年までの10年間に,全市的観点から取り組む主要政策を示す計画として「京都市基本計画」を本年1月に策定したところであります。
 このたび,「基本計画」を着実に実施するとともに,市民の皆様に京都市の取組を具体的にお示しするため,計画期間の前半5年間(平成13年度~平成17年度)に着手・実施する主要な施策・事業とその年次計画を「安らぎ 華やぎ 京都21推進プラン」として策定いたしました。
 「プラン」策定に当たりましては,「基本計画」に掲げました政策の中から,今日の社会経済状況などを踏まえ,21世紀の京都の基盤づくりに資するという観点から,「地域経済の活性化」,「環境」,「まちの基盤づくり」,「IT革命」への的確な対応を図る中で,とりわけ,「福祉」,「教育」,「観光」の分野に重点を置きました。
プランは全部で203項目の施策・事業からなり,事業規模はおよそ5,800億円程度を見込んでおります。
 本日は,これまでに皆さんに詳しくご説明する機会のなかった特徴ある事業の中から4つの事業を紹介いたします。
 まず,市民・事業者・行政の一体的取組による総合的なまちの美化推進についてでございます。
 まちの美観を損なっている散乱ごみや不法投棄,違法駐車・放置自転車,違反広告につきまして,市民・事業者の皆様と一体となって,総合的な取組を強力に進めてまいります。そのため,まず各局区等による横断的な取組を進める「京都市美しいまちづくり推進本部」を設置いたします。私が本部長となり,明後日の4月20日に発足会議を開催いたします。
 さらに,関係団体によるネットワーク「(仮称)美しいまちづくり連絡会」を組織いたします。そして当面,「まちの美化市民総行動」の拡大・充実,繁華街や観光地等における取組強化,(仮称)放置自動車防止条例制定に向けた検討,子供たちによる学校門掃きなどを重点的に進めてまいります。
 これらの取組に先行いたしまして,本年4月から,毎朝,市職員のボランティアによる本庁舎周辺等の門掃きを実施いたしております。

 

 次に,「ファミリー・サポート事業」についてでございます。
 京都市では,次代を担う子供たちの成長にとって最も大切な役割を担う家庭での子育てを支援するとともに,社会全体で子育てを支援する環境づくりに取り組んでおり,子供を安心して産み育てられ,子供たちが健やかに成長できる「子育て支援都市・京都」の充実に努めております。
 新たに実施いたします「ファミリー・サポート事業」は,その一環であり,育児を応援してほしい人や応援できる人がセンターに登録して,育児を助け合おうという,まさに,「共助」を基本とする21世紀型の子育て支援策でございます。 今年度から直ちに創設に向けた検討を行ってまいります。

 

 次に,都市活力の基盤となります企業や大学の誘致・流出防止に関する取組でございます。
 いわゆる「工場・大学等制限法」による規制に関しまして,京都市独自の弾力的な運用方針の骨子につきましては,昨年11月に,皆さんにお知らせしたところでございます。このたび,「京都市工場・大学等制限法の許可等に関する運用方針」を定め,5月1日から運用を開始することといたしました。
 詳細につきましては,お手元に資料をお配りしておりますが,環境にやさしい企業を支援するため,ISO14001を認証取得した工場を許可基準に加えたり,大学につきましても,環境問題や高齢社会,情報化,京都学などに配慮するなど,京都市独自の思いきった許可基準を設けたところでございます。

 

  最後に,「京都ITコミッション」の設立でございます。
 急速に進展し続けるIT革命を積極的に活用し,その経済的,社会的,文化的な恩恵を,市民,団体,企業があまねく享受できる,全国に先駆けた高度情報通信社会を実現するため,「京都ITコミッション」の早期設立を目指します。
 これは,民間事業者が高速・大容量・低料金の情報通信基盤の整備を円滑・迅速・容易に行えるよう,手続きを一括して代行するなど,各種の便宜を図る機関で,わが国初のものでございます。関係機関と共同で設立準備会を発足させ,今年度中に「京都ITコミッション」を立ち上げたいと考えております。

 

 以上,推進プランの中から,特徴的な事業の一部を紹介いたしました。

 

 「推進プラン」の実施をより確実なものとするため,部長級職員からなる企画推進主任において,その進行管理及び局間や区役所等との連絡調整を行ってまいります。
 また,事業の進捗状況を定期的にインターネットなどを通じて,市民の皆様にわかりやすく公表しますとともに,社会経済情勢や市民ニーズの変化に的確かつ柔軟に対応するため,指定都市で初めての取組として,基本計画の点検・評価を行う市民参加の委員会におきまして,市民の皆様のご意見もいただく中で,この推進プランにつきましても,状況に応じて,一定の必要な見直しも行うこととしております。
 「基本構想」に示された「安らぎ」と「華やぎ」に満ちた21世紀の京都を実現するため,「推進プラン」を147万人の市民の皆様とのパートナーシップにより,着実に実施することに全力を挙げてまいりたいと決意を新たにいたしております。

 

(市長記者会見資料)

 

平成13年4月18日
京都市
総合企画局政策推進室政策企画課
222-3035

 

~21世紀の京都の基盤づくり~

「安らぎ 華やぎ 京都21推進プラン」の策定について

 

 京都市では,21世紀のまちづくりの方針を示す「京都市基本構想」(平成11年12月策定)を具体化するため,2001年から2010年までの間,全市的観点から取り組む主要施策を示す計画として「京都市基本計画」を平成13年1月に策定したところです。
 このたび,「京都市基本計画」を着実に実施するための実施計画として,「安らぎ 華やぎ 京都21推進プラン」を下記のとおり策定しました。
 この「推進プラン」は,「基本計画」に掲げた政策のうち,平成13(2001)年度から平成17(2005)年度までの前半5年間に着手又は実施していく必要があると認められる施策・事業を掲げ,年次計画を定めることにより,基本計画の着実な実行を図るためのものです。 今後,「推進プラン」の実施状況をインターネット等により定期的に公表するとともに,市民の皆様からのご意見もいただきながら,状況に応じて,一定の必要な見直しも行ってまいります。





1 名 称  

「安らぎ 華やぎ 京都21推進プラン」

2 計画年度  

平成13(2001)年度~平成17(2005)年度

3 事業項目数

203項目

第1章 安らぎのあるくらし 103項目
第2章 華やぎのあるまち 79項目
第3章 市民との厚い信頼関係の構築をめざして 21項目

4 事業規模

約5,800億円

5 重点政策
今日の社会経済状況などを踏まえ,21世紀の京都の基盤づくりという観点 から,
○ 依然として長引く不況を克服するための「地域経済の活性化」
○ 緑豊かな地球を守り,美しいまちを築く「環境」の取組
○ 市民のくらしとまちを支える「まちの基盤づくり」
(歩いて楽しいまち,交通基盤整備,南部開発)
○ 都市経営・行政経営の基盤となる「IT革命への対応」
への的確な対応を図る中で,とりわけ次の分野について重点を置いている。
○ 少子長寿社会に対応した「福祉」,「教育」の充実
○ 21世紀の京都経済を牽引する「観光」の振興
(観光客5000万人構想の実現)

6 特徴ある施策・事業
(1) 市民,事業者,行政の一体的取組による総合的なまちの美化推進
[散乱ごみ・不法投棄・違法駐車・放置自転車・違反広告]
世界一美しいまち・京都を目指し,まちの自然景観や市街地の景観・美観 を守るため,市民・事業者・行政が一体となり,総合的な取組を進める。
○ 桝本市長を本部長とする「京都市美しいまちづくり推進本部」の設置
各局区等の連携による横断的な取組をより強化するため,市長を本部長, 副市長・収入役を副本部長,局区長等を本部員とする推進本部を設置する。
発足会議:平成13年4月20日(金)午後3時~
○ 関係団体によるネットワーク「美しいまちづくり連絡会(仮称)」の設置 散乱ごみ・不法投棄・違法駐車・放置自転車・違反広告等の関係団体に よるネットワークを組織し,行政との一体的な取組を進める。
○ 当面の重点取組
門掃き等の日常的な清掃活動の奨励,「世界の京都・まちの美化市民総行 動」の拡大・充実,繁華街や観光地等における取組強化,放置自動車防止 条例(仮称)制定に向けた検討,児童・生徒による学校門掃き
○ 先行する取組
本年4月から,毎朝,市職員のボランティアによる本庁舎周辺等の門掃 きを実施。

(2) 会員が相互に育児援助を行う「ファミリー・サポート事業」の創設
「共助」を基本とした21世紀型の子育て支援策として,育児の応援を受 けたい人と,応援したい人が会員となって,育児を相互に助け合う,「ファミ リー・サポート事業」を創設する。
保育所の開所時間前後や急な残業,軽い病気のときなどで,育児の応援を 受けたい会員(依頼会員)は,京都市が開設する「ファミリー・サポート・ センター」に応援を依頼し,センターにおいて,協力してくれる会員(提供 会員)を紹介するシステム。
会員同士で応援を受けたり,応援をする相互援助制度。育児は提供会員の 自宅等で行い,依頼会員は提供会員に,応援を受けた時間帯や時間に応じた 報酬を支払う。
平成13年度:直ちに創設に向けた検討を行う。

(3) 都市活力の基盤となる企業・大学の誘致・流出防止
(企業立地に関する総合相談の実施,大学・学術研究機関への整備支援)
*「京都市工場・大学等制限法の許可に関する運用方針」の策定
 都市の生産力や活力に影響を及ぼす工場や大学の市外流出を防ぐため,そ の要因の一つとなっている,いわゆる「工場・大学等制限法」(近畿圏の既成 都市区域における工場等の制限に関する法律)による工場や大学の新増設に 係る許可基準について,京都市独自の運用方針を定める。

<工場について>
○ 作業場の新増設に伴い従業者数が増加する場合でも,近年廃止された作 業場の従業者数に相当する人数を超えない範囲ならば認める。
○ 環境への配慮に取り組む企業を支援するため,ISO14001を認証 取得して,1回以上の更新審査を受けている場合には,作業場の増設に伴 う従業者の増加を2割まで認める。
○ 企業の経営の合理化を支援するため,近代化設備の導入等を行う場合は,   作業場の増設に伴う従業者の増加を2割まで認める。
○ 中小企業が生産工程の一部を協業化し,一定の条件を満たす場合は,作 業場の増設に伴う従業者の増加を2割まで認める。
<大学について>(大学設置に関する国の認可が得られることが前提)  ○ 近年の高齢社会等に積極的に対応していくため,高齢者等の保健福祉や 心理カウンセリングなどの分野で資格取得を目指すコースを設置する大学 については,収容定員の増加を伴う教室の新増設を認める。
○ 環境,情報,生命科学などの理・工学系や,京都学などを含む人文・社 会科学系の分野における大学の学部,学科の改組転換で,独創的・先端的 な学術の推進等の観点から極めて重要性が高いと認められる合には,1割 以内の収容定員の増加を伴う教室の新増設を認める。 など この運用方針は,平成13年5月1日から運用を開始する。
(「京都市工場・大学等制限法の許可等に関する運用方針」は別紙参照)

(4) 京都ITコミッションの設立準備
(民間活力による高速大容量で低料金な「京都情報通信ネットワーク」の構 築促進)
すべての市民・企業がITを積極的に活用し,その恩恵を最大限に享受で きる,全国に先駆けた高度情報通信社会「情報新都」の実現に向けて,民間 通信事業者による高速インターネット網とインターネット常時接続環境の整 備を促進するため,民間通信事業者が行う情報通信基盤整備に関する手続を 一括して代行するなど,各種の便宜を図る機関として,「京都ITコミッショ ン」の早期設立を目指す。
京都市に係る手続だけではなく,他の地方公共団体や公共機関などに関す る手続等も対象とし,関係機関が相互に連携して総合的・一体的に取り組む ことにより,民間通信事業者の事業展開環境を向上させ,結果として京都市 民が高速大容量低料金のインターネットを利用できる環境を実現する。

平成13年度
「京都ITコミッション設立準備会(仮称)」の発足
構成:京都市,京都商工会議所,?京都高度技術研究所など
「京都ITコミッション」設立,事業推進
*こうした取組は,全国初のものである。

7 推進プランの進行管理・進捗状況の公表・見直し
庁内に設置している企画推進主任において,推進プランに掲げた施策・事業 の進行管理等を行う。
また,進捗状況を市民の皆様にインターネット等で公表するとともに,市民 参加の委員会において,市民の皆様のご意見もいただきながら,状況に応じて, 一定の必要な見直しも行っていく。
(1) 企画推進主任
企画推進主任(各局区等の部長級職員)において,事務事業の進行管理,問 題点の把握,他局等との連絡調整を行う。
(2) インターネット等による進捗状況の公表
随時,推進プランの進捗状況をインターネット等により,市民の皆様にわか りやすく示す。
(3) 市民参加の委員会における意見聴取,見直し
社会経済情勢や市民ニーズ等の変化に的確かつ柔軟に対応するため,新たに 設置する市民参加の委員会等を通じて,市民の皆様のご意見もいただきながら, 状況に応じて,一定の必要な見直しも行う。
*基本計画等の見直しに際して,市民参加の委員会において,市民意見を聴 取するのは,指定都市初の取組である。

※市民参加の委員会とは
…京都市基本計画に掲げる政策について,必要性や効率性,事業効果等 の観点も含めた点検を行うために,政策の進捗状況が一定見られる時期 に設置するもの。
その点検の結果を踏まえ,必要に応じて計画決定された事業等につい ても見直しを行い,新たな事業等を展開するなど,社会経済情勢や市民 ニーズ等の変化への的確で柔軟な対応に努めることとしている。
(京都市基本計画 「計画の推進 6 計画に掲げた政策の点検」)

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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