第150回京都市中小企業経営動向実態調査

　京都市では、市内の中小企業者の経営実態や経営動向を把握するため、四半期ごとにアンケート調査を実施しています。第150回（令和6年1～3月期）調査を実施し、併せて「令和6年度の設備投資計画」についても調査しましたので、それぞれの結果を公開します。

調査目的：京都市域中小企業の経営実態を把握し、経済行政に反映させる。

調査時点：令和6年3月

調査対象期間：令和6年1月～3月期（3箇月実績）／令和6年4月～6月期（3箇月見通し）

調査方法：郵送アンケート

回収状況：製造業372社、非製造業428社、計800社に対しアンケートを送付。482社が回答（回収率60.3％）

○  DI＝Diffusion Index（ディフュージョン・インデックス）

　増加、上昇などと回答した企業の企業割合から、減少、低下などと回答した企業割合を差し引いた数値。50を基準として、それより上である場合は、上向き傾向を表す回答が多いことを示し、下である場合は、下向き傾向を表す回答の割合が多いことを示す。

• 　今期の企業景気DIは、全産業で▲4.9ポイント（52.5→47.6）。8期ぶりに基準となる50ポイントを下回る結果となった。原材料価格の高騰や、担い手不足等の影響により、厳しい状態であるという意見が多く見られた。一方で、コロナ禍から社会経済活動の正常化が進展して受注が増加しているなどの意見も見られた。
• 　業種別では、製造業で▲2.7ポイント（50.0→47.3）。非製造業で▲6.8ポイント（54.6→47.8）。
• 　製造業では、「染色」「印刷」「窯業」「化学」「機械」の5業種でDIが低下（他3業種は上昇）。非製造業では、「卸売」「小売」「情報通信」「飲食・宿泊」の4業種でDIが低下（他2業種は上昇）。
• 　観光関連については、原材料費や人件費の更なる上昇を懸念する意見があり、DIは▲1.8ポイント（74.6→72.8）となったが、一方で、国内外からの観光客が増え、業績が好調であるなどの意見も多く見られ、引き続き、高いDI値を維持している。

• 　来期の見通しについて、全産業の企業景気DIは、今期実績と比較して＋1.0ポイント（47.6→48.6）。コロナ禍からの回復を示す前向きな声もある一方、物価高騰の継続や担い手不足の影響を懸念する声が見られ、基準値の50ポイントを下回った。
• 　業種別では、製造業は＋1.1ポイント（47.3→48.4）。非製造業は＋1.0ポイント（47.8→48.8）。
• 　製造業では、「西陣」「印刷」「金属」の3業種でDIが上昇（他4業種は低下、1業種は横ばい）。非製造業では、「卸売」「小売」「情報通信」「飲食・宿泊」の4業種でDIが上昇（他2業種は低下）。
• 　観光関連については、観光客の増加による売上増加見込など前向きな意見が多く、＋3.6ポイント（72.8→76.4）となった。

• 　当面の経営戦略として、「人材確保・育成（57.3％）」と回答した企業が最も多かった（前回調査比＋1.0ポイント）。次いで「営業力の強化（56.2％）」、「新商品の開発・販売（31.3％）」、「生産・経営の合理化（30.9％）」であった。前回調査に引き続き、「人材確保・育成」と「営業力の強化」と回答した企業が多かった。

• 　経営上の不安要素では、「人材育成（37.5％）」と回答した企業が、4四半期連続で最も多かった（前回調査比▲3.8ポイント）。次いで「売上不振（36.3％）」、「原材料価格上昇（32.9％）」、「人手不足（32.1％）」であった。
• 　製造業では、「原材料価格上昇」と回答した企業が最も多く、次いで「売上不振」、「人材育成」であった。非製造業では、「人材育成」と回答した企業が最も多く、次いで「人手不足」、「売上不振」であった。

• 　企業の直近の売上（令和5年12月、令和6年1月、2月）について、約6割の企業が、コロナ前の同月（令和元年12月、令和2年1月、2月）と比較して「売上が減少した」と回答した。
• 　また、前年同月（令和4年12月、令和5年1月、2月）との比較では、「売上が減少した」と回答した企業が約5割であった。

「（報道発表資料）第150回京都市中小企業経営動向実態調査結果　4ページ」　及び

「（別紙2）付帯調査／令和6年度の設備投資計画について」

を御参照ください。

令和6年4月30日

産業観光局産業企画室（電話：075-222-3325）