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京都相国寺門前町計画

ページ番号305167

2022年11月14日

 京都市では、地域の魅力を活かした宿泊施設を開業しようとする事業者から相談を受け、地域住民の生活との調和を前提として、地域貢献や活性化に寄与するとともに、そこでしか味わえない奥深い京都の魅力が体験できる宿泊施設計画となるよう支援する「上質宿泊施設誘致制度」を運用しています。

 この度、同制度に基づき、上質宿泊施設計画者から上質宿泊施設計画書の提出があったため、本市において、外部有識者の意見を聴取しつつ、計画書の内容を確認し、下記のとおり、上質宿泊施設候補として選定いたしました。


1 上質宿泊施設計画者名

  三菱地所株式会社(代表執行役 執行役社長 吉田 淳一)

 (計画名:(仮称)京都相国寺門前町計画)

 

2 建築計画等の概要 (詳細別紙)

 ⑴ 所在地 京都市上京区相国寺門前町709-1、2

 ⑵ 敷地面積 12,216.25㎡

 ⑶ 建築面積 6,403.22㎡

 ⑷ 延床面積 20,553.63㎡

 ⑸ 建物高さ 約12m

 ⑹ 構造・規模 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造) 地上3階 地下1階

 ⑺ ホテルブランド ローズウッドホテルグループ

 ⑻ 客室数 135室(最低面積約50㎡、最高面積約225㎡)

 ⑼ 付帯設備 レストラン、バー、フィットネスルーム、スパ、プール、宴会場

 ⑽ 主な都市計画上の条件等

 

用途地域

第二種中高層住居専用地域

高度地区

15m第1種高度地区

建ぺい率

60%

容積率

200%

その他

美観地区(旧市街地美観地区)

眺望景観保全地域(眺望空間保全区域、近景デザイン保全区域、遠景デザイン保全区域、事前協議区域)

屋外広告物規制区域(第2種地域)

【位置図】

 

 

【外観イメージ】※イメージ上には電柱は反映していません。


     計画地北東側から


     計画地北西側から

3 「上質宿泊施設候補選定のための有識者会議」による意見概要

 「上質宿泊施設誘致制度要綱」では、上質宿泊施設計画者から計画書の提出があった場合、本市が上質宿泊施設計画に期待する事項(地域・周辺との調和や京都経済活性化など約30事項)について外部有識者の御意見を聴取しつつ、本市において、上質宿泊施設として適当であるかどうかを総合的に判断することとしています。

 本計画について、令和4年10月27日に有識者会議を開催し、御意見を聴取した結果、以下のように御講評いただきました。

【令和4年10月27日:有識者会議講評】

⑴ はじめに

〇計画地が隣接する相国寺は、茶道や華道、香道などの伝統文化が確立した室町文化の中心地であり、寺僧から優れた学者や芸術家を輩出するなど、日本の文化芸術を牽引し、常に人々の憧れであり続けた。計画地は、かつて相国寺の塔頭・却外軒が所在した、同寺とは一体不可分の土地であり、事業活動を行うに当たっては、その歴史性への敬意と配慮が重要となる。

〇また、計画地は、第二種中高層住居専用地域に指定され、低層の住宅が立ち並び、旧市街地の落ち着きのある景観を色濃く残していることから、良好な住環境への配慮と地域景観との調和が求められる。加えて、幹線道路から計画地へのアクセスについては、十分な交通計画の検証と安全対策の立案が必要となる。

〇さらに、過去には、計画地の周辺で、高さ規制上限一杯のマンション建設に対する反対の活動が生じるなど、地域住民が主体的に住環境と景観を維持してきた経過があり、ホテルの計画検討に当たっては、こうした住民の思いを受け止め、その理解と協力を得る努力を重ねる必要がある。

⑵ 周辺住民との合意形成状況について

〇事業者は、2021年11月から周辺住民との協議を開始し、まず初めに、本計画に至る経過や考え方、地域との調和策等を住民にしっかりとお伝えするため、周辺住民の全戸(669軒)を事業者が個別訪問した上で、計画に対する意見を丁寧に聴き取り、その対応策等について検討し、計画への反映を行っている。

〇その後、事業者は周辺住民に対して全体説明会を開催するとともに、計画の検討状況をまとめたニュースレターの各戸配布による意見照会を行うなど、様々な手法を通じて意見を求めるとともに、住民から示されたプライバシーや交通安全等への懸念に対しても、具体的な対応策の提案を行ってきた。また、本計画の車両動線として設定されている範囲にも計画の周知を行うなど、積極的に計画に関する意見を求める事業者の姿勢については評価できる。

〇その一方で、一部の住民団体から、中高層住居専用地域でのホテル建設そのものに反対する意見も表明されており、本ホテル計画が建築基準法上の用途許可を得られるかどうかは、今後の法定手続での判断にはなるが、事業者は当該団体とも意見交換会を実施するなど、本計画への理解を求める努力を継続している。

⑶ 計画内容への評価

〇事業者は、相国寺に協力を得ながら、門前町に立地する施設として、様々な宿泊サービスや文化プログラムを企画している。また、日本の歴史、文化、産業の中心として各時代において輝きを放った「上京」の様々な主体とも連携しながら、その固有の伝統や文化の新たな担い手となることを自覚し、その継承や世界への発信に取り組もうとする姿勢は、京都を代表する上質な宿泊施設となることが期待できる。

〇また、中高層住居専用地域でのホテル計画であるだけに、建築計画については、あらかじめ高さや建物ボリュームを抑え、外周部や中庭に積極的な緑化を施すなど、周辺の環境と無理なく共存し、当該地域の自然豊かな町並み形成への貢献を目指す内容となっている。加えて、事業者は「事前協議(景観デザインレビュー)制度」や「京都市優良デザイン促進制度」も活用しながら、専門家からの助言の下、周囲の景観により配慮した計画となるようデザイン検討を重ねている。

〇さらに、交通アクセスについては、今後継続される法定手続において丁寧な分析・検証が重ねられるが、事業者は、周辺住民の懸念に対し、塀のセットバックによる歩行者の安全性向上のための空間整備や、電信柱撤去による道路の有効幅員の拡幅など、各種の地域調和策を提案している。こうした対策に加えて、開業後の不測の事態に備えて、地域との連絡体制を整えることも提案されており、コミュニティの新たな一員として、運営の改善に継続的に取り組む計画になっている。

⑷ むすびに

〇上質宿泊施設誘致制度における「ラグジュアリー」及び「上質」なホテルとは、単なる豪華な宿泊施設のことを指すのではなく、京都経済や市民生活への貢献はもとより、地域の魅力を活かした質の高いサービスの提供に取り組む施設として定義されている。長きに渡り「上京」地域において形成された歴史的・文化的重層性への深い理解の下、それらを丁寧に紡ぎ合わせた魅力的なサービスを発信することにより、当該地域が世界の旅行者の憧れの地として一層輝きを増し、地域の方々にとっても誇りに思えるホテル運営が実現することを期待する。

4 選定理由

 本市において、上質宿泊施設計画書の内容を総合的に確認したところ、有識者会議で講評いただいた、住環境や景観の保全、周辺住民との合意形成状況、宿泊サービスの提供を通じた地域文化の継承発展などに係る評価に加え、その他の事項についても、以下のとおり、評価することができます。

 その結果、本計画は、地域資源を活用した上質なサービスを提供する宿泊施設であると認められ、本市が市内に立地する宿泊施設に求める、多様で魅力ある施設の拡充に資するものと評価できるため、上質宿泊施設候補として選定いたします。

【主な評価内容】

○伝統産業製品をはじめとする市内産品の積極的な活用に加え、各種サービスにおける市内事業者との積極的な連携が計画されているほか、地元の雇用創出にも資する計画となっており、広く京都経済への貢献が期待される。

○レストランや庭園の一部を宿泊客だけでなく、地域住民も利用可能な計画とするほか、地域活動への参加や地域文化の継承・発信など、コミュニティの新たな一員として様々な地域貢献に取り組む計画となっている。

○スイートルームをはじめとした余裕のある客室空間と長期滞在にも対応可能なスパやプールなどの充実した付帯設備が用意されており、滞在型の宿泊観光の促進に資する文化体験や上質な宿泊サービスが計画されている。 

【上質宿泊施設候補選定のための有識者会議委員】(五十音順敬称略)

氏名

役職

赤星 周平

公益社団法人京都市観光協会 事務局次長

濱崎 加奈子

公益財団法人有斐斎弘道館 代表理事

宗田 好史

京都府立大学名誉教授、関西国際大学教授

山田 陽子

公認会計士

横山 健一郎

ホテルプロジェクトアドバイザー

〇 

◎:座長 ○副座長

上質宿泊施設候補の選定について

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