スマートフォン表示用の情報をスキップ

御室花伝抄計画

ページ番号293949

2022年1月24日

 京都市では,地域の魅力を活かした宿泊施設を開業しようとする事業者の皆様等から相談を受け,計画検討の初期段階から地域住民と事業者を橋渡しし,地域住民の生活との調和を前提として,地域の活性化等に寄与するとともに,そこでしか味わえない奥深い京都の魅力が体験できる,より良い宿泊施設計画となるよう支援する「上質宿泊施設誘致制度」を推進しています。

 この度,同制度に基づき,上質宿泊施設計画者から上質宿泊施設計画書の提出があったため,本市において,外部有識者の意見を聴取しつつ,計画書の内容を確認し,下記のとおり,上質宿泊施設候補として選定いたしましたので,お知らせいたします。

 

                               記

 

1 上質宿泊施設計画者名

  株式会社共立メンテナンス(代表取締役 中村 幸治)

 

2 建築計画等の概要 (詳細別紙)

 ⑴ 所在地 京都市右京区御室芝橋町1番3,1番4,1番22,3番,30番4

 ⑵ 敷地面積 3,866.79㎡

 ⑶ 建築面積 1,612.03㎡

 ⑷ 延床面積 5,818.88㎡

 ⑸ 建物高さ 9.98m

 ⑹ 構造・規模 鉄筋コンクリート造,地上3階,地下1階

 ⑺ 客室数 67室(最低面積40.0㎡,最高面積87.69㎡)

 ⑻ 付帯設備 レストラン,バー,茶室,温泉,エステ

 ⑼ 事業予定期間 50年間

 ⑽ 主な都市計画上の条件等

 

用途地域

第一種住居地域(過半)/第一種低層住居専用地域

高度地区

12m第二種高度地区/10m高度地区(風致地区による高さ10m)

建ぺい率

60%/50% (風致地区による40%)

容積率

200%/80%

その他

風致地区(第三種地域),眺望景観保全地域(事前協議区域),

地域景観づくり協議地区【仁和寺門前まちづくり協議会】

【位置図】

 

 

【外観パース】


▲仁和寺二王門から


▲参道から

3 「上質宿泊施設候補選定のための有識者会議」による意見概要

 「上質宿泊施設誘致制度要綱」では,上質宿泊施設計画者から計画書の提出があった場合,本市が上質宿泊施設計画に期待する事項(周辺住民との合意形成など約30事項)について外部有識者に御確認いただき,その御意見を聴取しつつ,本市において,上質宿泊施設として適当であるかどうかを総合的に判断することとしています。

 本計画について,令和3年3月31日に有識者会議を開催し,御意見を聴取した結果,以下のように御講評いただきました。

【令和3年3月31日:有識者会議講評】

⑴はじめに

○計画地は,1994年世界文化遺産に登録された「古都京都の文化財」の1つ「仁和寺」のバッファゾーンに位置する。そのため仁和寺の長い歴史と登録後26年の取組,また「遺産影響評価(HIA)」(※1)の主旨に沿って,京都市の景観政策手法を駆使し,地域住民を含むより幅広い関係者の理解を得た仁和寺の普遍的価値への影響を考慮した計画が求められる。

 ※1(出典)『世界文化遺産の遺産影響評価にかかる参考指針』文化庁,2019年

 https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/sekai_isan/pdf/r1416448_01.pdf外部サイトへリンクします

○また,計画地は,都市計画で敷地の過半が第一種住居地域,残りが第一種低層住 居専用地域の用途地域に指定されており,敷地全体に第一種住居地域の制限が適用される。第一種住居地域は,住居の環境を保護するため定める地域であるが,3千㎡までの店舗やホテル,50㎡までの小規模な工場等を建てることはできる。

○この計画地は長年,資材置場等,住環境にふさわしくない用途に使われていた。その後も,結婚式場や給油所とコンビニ等の建築計画が出るたびに,周辺住民が対処してきた。現在は,この経過を踏まえ,仁和寺門前まちづくり協議会(※2)を組織され,地域景観づくり計画書を定め,仁和寺門前の景観を保全する取組が続けられている。

 ※2 「仁和寺門前まちづくり協議会」は,京都市市街地景観整備条例に基づき2016年4月28日付で「地域景観づくり協議会」として認定を受け,同年7月7日に「地域景観づくり計画書」の認定を受けた。また,協議会はこの計画書の内容に沿って意見交換を行う仕組みとしている。

⑵周辺住民との合意形成状況への評価

○今回の計画は,周辺住民(※3)の理解と協力を得るため,事業者が,2017年10月に仁和寺門前まちづくり協議会と協議を始め,2018年5月の協議会総会で承認された後,同年6月に第1回周辺住民説明会を開催,2019年6月の協議会総会で経過報告をし,同年12月に第2回周辺住民説明会を開催,その後2020年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため各戸ポスティングで周辺住民を対象とした意見照会等を2021年2月まで続けてきた。

 ※3 「京都市上質宿泊施設誘致制度」において,合意形成の対象となる住民のこと。計画区域の土地の境界線からの水平距離が100m以内を目安に,市と住民組織が協議のうえ,決定する区域に居住し,又は周辺区域に存する事務所若しくは事業所に勤務する者。

○事業者は周辺住民から示された住環境や景観等の保全に関する意見に対して計画を変更するなどの意見調整を重ねた。一方,世界文化遺産仁和寺の環境を考える会から京都市長宛に「世界文化遺産仁和寺周辺地域の景観と住民の生活環境を守る要望書」が2019年9月に提出された。また,2019年12月には京都・まちづくり市民会議から市長宛に「世界文化遺産仁和寺門前のホテル計画に関する公開質問書」が出される等,ホテル計画の中止への賛同を募る活動が続けられた。

○懸案だった計画地の利用を巡って,長年活動してきた仁和寺門前まちづくり協議会の努力を思うと,今回,計画中止を求める意見がでていることはたいへん残念である。事業者の努力だけでは乗り越えるのは難しいが,周辺住民に対して説明と意見調整を粘り強く重ねてきたこれまでの努力と,上質宿泊施設候補の選定後も説明を続け,意見を聴き,地域貢献に取り組んでいくと宣言した姿勢は,評価できる。

⑶計画内容への評価

○事業者は,この計画において,真言宗御室派総本山仁和寺門前に建つがゆえに総本山への敬意を払う(※4)とともに,御寺の支援の下,参拝等を通じて宿泊客の崇仏の念に応える取組を提案している。京都,御室仁和寺門前に固有の伝統と文化を理解し,その門前に立地することをよく理解した上で,地域の伝統的特質の継承を目指す姿勢は上質な宿泊施設として期待できる。

 ※4 UNWTO(国連世界観光機関)が提唱する持続可能な観光では,Travel Enjoy Respectを提唱し,文化遺産や伝統的地域社会への理解と尊敬を観光の重要な目的に掲げている。

○この計画では,事業者と設計者が京都市の定める「京都市優良デザイン促進制度」による専門家のアドバイスを受け,「事前協議(景観デザインレビュー)制度」の歴史的景観アドバイザーと協議し,建物デザインを検証し,世界文化遺産・仁和寺とその周辺への影響を抑え,優れた景観を創出する努力を続けてきた。これらの制度は,1994年の世界文化遺産登録後,京都市が1995年の市街地景観整備条例制定,2007年の新しい景観政策として,全国で初となる眺望景観創生条例を制定し,2018年に同条例を改正するなど発展させ,市民・関連事業者と協議を重ね,進化させた制度であり,世界遺産の緩衝地帯にふさわしい建築デザインを実現する制度である。この計画の事業者は,その点を理解し,再三にわたり計画変更を重ねている。

○とは言え,この計画建物は3階建ながら,用途地域の制限の3千㎡を上回る,建築基準法の用途の許可が必要となる建築物であり,周辺に長く住む住民に懸念があることは確かである。また,市内では,この間急激に増加した観光客が,新型コロナウイルス感染症の拡大により急減し,ホテル建設の是非を巡る意見がでている。しかしながら,世界文化遺産・古都京都の文化財は,適切に保存しつつも,周辺住民と京都市民が独占すべきではなく,日本人はもとより世界人類にも広く公開すべきものである。古都京都の文化財の公開を通じて,世界の人々が京都に集い,文化や習慣の多様性を認め合いながら自由に交流することは,世界人類の相互理解,ひいては世界平和につながる。このことは十分理解されていると考える。

⑷計画への期待

○これらの点を踏まえ,引き続きこの計画を進める事業者が御室地域の一員として,選定後も住環境や景観の保全に向け,周辺住民との対話を継続していくことが重要である。少子高齢化がさらに進む中で,総本山仁和寺門前の地域社会が持続し良質な住環境が維持されるためにも宿泊事業者の貢献が期待される。なお世界文化遺産・仁和寺や住環境への影響は,今後継続される法定手続でも引き続き丁寧な分析・検証を行い,さらに関連機関とその専門家の意見も出されることになる。その検討を通じて,京都の世界文化遺産の保存と活用の優れた事例として,また京都市の景観政策の成果として評価されるような上質な宿泊施設として発展することを望む。

4 選定理由

 本市において,上質宿泊施設計画書の内容を総合的に確認したところ,有識者会議で講評いただいた住環境や景観の保全,周辺住民との合意形成状況などに係る評価に加え,その他の事項についても,以下のとおり,評価することができます。

 その結果,本計画は,観光の力が地域課題の解決に貢献する好事例として,地域文化の継承,市民の安心安全につながる上質な宿泊施設と認められるため,上質宿泊施設候補として選定いたします。

【主な評価内容】

○建築建材,内装,調度品,食材などにおいて伝統産業製品や市内産食材をはじめ とした多種多様な市内産品の積極活用が計画されるとともに,雇用創出にも資する計画となっており,広範な分野への経済波及が期待できる。

○スイートルームをはじめとした余裕のある客室空間と,天然温泉などの充実した付帯設備,京都らしい設えによる茶室が計画されており,滞在型宿泊観光にふさわしい文化体験や上質な宿泊サービスが計画されている。

○観光,宿泊業においては,新型コロナウイルス感染症の影響が懸念されるところではあるが,計画者は,寮事業等,事業の多角化が図られるなど,リスクが分散されている。

 

5 今後の予定

  令和3年5月~   中高層条例に基づく手続き

              建築審査会(事前相談),美観風致審議会(事前協議)

              建築基準法に基づく公聴会開催

              建築審査会(本審議),美観風致審議会(諮問)

 

【上質宿泊施設候補選定のための有識者会議委員】(五十音順敬称略)

氏名

役職

赤星 周平

公益社団法人京都市観光協会 事務局次長

濱崎 加奈子

公益財団法人有斐斎弘道館 代表理事

宗田 好史

京都府立大学文学部和食文化学科教授

山田 陽子

公認会計士

横山 健一郎

ホテルプロジェクトアドバイザー

○ 

◎:座長 ○副座長

上質宿泊施設候補の選定について(御室花伝抄計画)

Adobe Reader の入手
PDFファイルの閲覧には Adobe Reader が必要です。同ソフトがインストールされていない場合には、Adobe 社のサイトから Adobe Reader をダウンロード(無償)してください。

このページに対してご意見をお聞かせください

このページは役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

お寄せいただいたご意見は、今後のホームページ運営の参考とします。

お問い合わせ先

京都市 産業観光局観光MICE推進室

電話:075-746-2255

ファックス:075-213-2021

フッターナビゲーション