第137回京都市中小企業経営動向実態調査

　京都市では，市内の中小企業者の経営実態や経営動向を把握するため，四半期ごとにアンケート調査を実施しています。この度，第137回（令和2年度第三四半期）調査を実施し，その結果がまとまりました。今回は付帯調査として，「令和2年の企業経営実績と令和3年の業績見通し」について調査しましたので，その結果の概要について以下のとおりお知らせします。

調査目的：京都市域中小企業の経営実態を把握し，経済行政に反映させる。

調査時点：令和2年12月

調査対象期間：令和2年10月～12月期（3箇月実績）／令和3年1月～3月期（3箇月見通し）

調査方法：郵送アンケート

回収状況： 製造業375社，非製造業425社，計800社に対しアンケートを送付。486社が回答（回収率60.8％）

○  DI＝Diffusion Index（ディフュージョン・インデックス）

　増加，上昇などと回答した企業の企業割合から，減少，低下などと回答した企業割合を差し引いた数値。50を基準として，それより上である場合は，上向き傾向を表す回答が多いことを示し，下である場合は，下向き傾向を表す回答の割合が多いことを示す。

・　今期の企業景気DIは前回調査からやや回復し，全産業で＋4.4ポイント（13.6→18.0）。2四半期連続の増加となったが，数値としては依然として低く，新型コロナウイルス感染症の感染再拡大の影響により，市内の中小企業が引き続き厳しい状況下にあることが伺われる。

・　業種別では，製造業で＋4.8ポイント（13.4→18.2），非製造業で＋4.1ポイント（13.7→17.8）。

・　製造業については，「印刷」「化学」「機械」の3業種でDIが減少，その他5業種ではDI値が増加している。非製造業では，「情報通信」でDIが低下，「サービス」で横這い，その他4業種でDIが増加している。

・　また，観光関連※については，＋4.2ポイント（1.0→5.2）となっているが，事業者からは，依然として厳しい状況下にあるとの声が数多く寄せられている。

・　なお，今回の調査は緊急事態宣言の再発令前に実施されたものであり，緊急事態宣言の影響が反映されていない。

・　来期の見通しについて，全産業の企業景気DIは，今期実績と比較して＋2.1ポイントとなる20.1となった。今期と比較して，来期には期待を寄せている様子が伺われるが，緊急事態宣言発令前の調査につき，次回の調査時には今回の見込みの数値からの乖離が見られる可能性が高い。

・　業種別では，製造業で＋3.0ポイント。「その他の製造」の減少，「金属」の横這い以外の6業種では今期実績比で増加となっている。非製造業は＋1.2ポイント。「小売」と「サービス」が減少し，その他の4業種ではDIが増加している。

・　当面の経営戦略として，「営業力の強化（61.8％）」を挙げる企業が前回調査に引き続いて最も大きな割合を占めている。

・　前期との比較では，「生産・経営の合理化（39.2％）」が＋0.6ポイント，「情報収集・分析力の強化（18.3％）」が＋1.3ポイントとなっており，コロナ禍が長期化する現下においては，正しく且つ有益な情報を収集するとともに，売上増加が見込めない中，収益性向上のための行動が必要であると見る企業が増加しているといえる。

・　経営上の不安要素は，前回調査に引き続き「売上不振（65.8％）」が最も高い割合となっているが，回答した企業の割合は▲2.9ポイントと二四半期連続で減少している。なお，観光関連が経営上の不安要素として「売上不振」を挙げた割合は85.7％と非常に高く，厳しい現状が伺われる。

・　前回調査と比較して割合が増加しているものとして「原材料価格上昇（11.7％，前期比＋2.8）」や「仕入値上要請（10.7％，前期比＋1.4）」などがあり，コロナ禍の影響により仕入れ環境が悪化している可能性がある。

・　（広報資料）第137回京都市中小企業経営動向実態調査概要　3ページ以降　及び

・　（別紙2）付帯調査／令和2年の企業経営実績と令和3年の見通しについて

をご覧ください。