京都の森林は今
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2022年9月9日
京都の森林は今
京都市の市域面積の約74%(60,996ha)が森林で、東京23区(62,760ha)と同じぐらいの広さがあります。
平安京造営以来の歴史ある林業地で、まちなみから日々の暮らしに至るまで、森林の恵みに感謝し、巧みに使う「木の文化」が育まれてきました。
しかし、林業を取り巻く現状は厳しく、京都の林業従事者もこの10年間で36%も減少するなど、手入れの行き届かない森林が増加しており、今後放置された森林の荒廃が進むことが懸念されています。
森林、とりわけ人の手によって植えられた人工林は、継続的な手入れが不可欠です。
手入れ不足の森林では、丈夫な木が育たず、倒木や土砂崩れなど、山地災害の発生が懸念されます。
また、近年の自然環境の急激な変化や、病害虫の蔓延、シカの増加によって森林に深刻な被害も発生しています。
マツ枯れ・ナラ枯れ
京都三山において、外来生物の媒介により京都の景観を支えてきたマツやミズナラなどが集団で枯損する「マツ枯れ」や「ナラ枯れ」の病害虫被害が広がりました。
京都市では、マツ枯れやナラ枯れによる倒木や土砂流出等による景観や災害の被害を防止するため、病害虫の駆除や被害木の撤去、被害地の植生回復に取り組んでいます。
大文字山でのナラ枯れ被害(赤く見える箇所がナラ枯れ被害を受けている場所です)
チマキザサの枯死
2004年から2007年ごろに、ササが開花後に一斉に枯死した後、新芽がシカによる食害に遭って回復せず、地域によってはササの出荷がほぼ途絶えました。
京都市では、地元や京都大学の研究者等とともに「チマキザサ再生委員会」を立ち上げ、ササの植生地に防鹿柵を設置するなど再生に向けた取組を進めています。
課題
これらの影響により、清らかな水や空気を育み、二酸化炭素の吸収や土砂災害の防止など暮らしに不可欠な森林の機能を維持することや、豊かな森林資源に支えられてきた京都の文化、伝統産業、景観、観光など「京都らしさ」を守り伝えることが課題となっています。
お問い合わせ先
京都市 産業観光局農林振興室
電話:【農林企画課】075-222-3351【林業振興課】075-222-3346
ファックス:【農林企画課】075-221-1253【林業振興課】075-221-1253