第117回京都市中小企業経営動向実態調査
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2016年1月28日
第117回京都市中小企業経営動向実態調査
調査概要
調査目的:京都市域中小企業の経営実態を把握し,経済行政に反映させる。
調査時点:平成27年12月
調査対象期間:平成27年10月~12月期(3箇月実績)/平成28年1月~3月期(3箇月見通し)
調査方法:郵送アンケート
回収状況: 製造業368社,非製造業432社,計800社に対しアンケートを送付。480社が回答(回収率60.0%)。
○ DI=Diffusion Index(ディフュージョン・インデックス)
増加,上昇などと回答した企業の企業割合から,減少,低下などと回答した企業割合を差し引いた数値。50を基準として,それより上である場合は,上向き傾向を表す回答が多いことを示し,下である場合は,下向き傾向を表す回答の割合が多いことを示す。
結果概要
<今期(平成27年10月~12月期)実績>
・ 今期の企業景気DIは,全産業で2.6ポイント上昇(45.0→47.6)。製造業で5.2ポイント上昇(43.0→48.2),非製造業は前期と変わらず横ばい(47.0→47.0)。
・ 全体として2.6ポイント上昇し,改善が見られた。また,業種によって企業景気DIの水準や変動幅に大きな差が見られた。
※ 調査は,前年同期比での「上昇・増加や下降・減少」を問うもの
・ 製造業は,「受注生産が追いつかない状況。メーカーの実質的減少で新規客先からの引合いも多数」(上京区/西陣),「問屋からの受注生産だけでなく個人客への在庫販売があった」(中京区/染色),「公共投資・民間(スマホ関連)設備投資が動いている」(右京区/機械),「海外からの観光客の増加」(東山区/その他の製造)などにより,西陣,染色,化学,機械,その他の製造の5業種が上昇。一方,「受注量の減少」(右京区/印刷),「売上減少」(東山区/窯業)などにより,印刷,窯業,金属の3業種が低下。
・ 非製造業は,「マイナンバー関連の受注増」(上京区/情報通信),「外人客の増加」(上京区/飲食・宿泊)などにより,情報通信,飲食・宿泊の2業種が上昇。一方,「人件費の増加」(上京区/卸売),「原材料価格の高騰」(左京区/小売),「インターネット普及による受注減」(伏見区/サービス)などにより,卸売,小売,サービス,建設の4業種で低下。
・ 観光関連は,5.6ポイント低下しているが,引き続き,高い企業景気DIとなっており,外国人観光客が寄与しているものと見られる。
<来期(平成28年1月~3月期)見通し>
・ 来期の企業景気DIは,全産業で1.4ポイント低下(47.6→46.2)。製造業で1.7ポイント低下(48.2→46.5),非製造業で1.0ポイント低下(47.0→46.0)。
・ 先行きについては,全産業で1.4ポイント低下となっているものの,業種別に見ると,改善を見込む企業と慎重な姿勢を示す企業とが混在しており,業種間での差が見られる。
・ 製造業では,「生活様式の変化による生産の縮小」(下京区/染色),「原材料価格の上昇」(中京区/化学),「価格競争による受注難」(南区/金属),「国内外の受注減少」(南区/機械)などにより,染色,化学,金属,機械,その他の製造の5業種が低下。一方,「注文の増加」(上京区/西陣),「営業活動の強化」(西京区/印刷),「陶芸体験の増加」(東山区/窯業)などにより,西陣,印刷,窯業の3業種が上昇。
・ 非製造業は,「人件費の上昇」(下京区/小売),「人材不足」(東山区/飲食・宿泊)などにより,小売,飲食・宿泊の2業種が低下。一方,「得意先での売上増加と販路開拓の効果」(山科区/卸売),「新商品・新サービスによる販売機会の増加」(中京区/情報通信),「機械・機器の設備投資が引き続き堅調」(下京区/サービス),「元請・下請共に受注が好調」(左京区/建設)などにより,卸売,情報通信,サービス,建設の4業種が上昇。
・ 観光関連では,16.9ポイントの低下。「前期の売上増による反動」(北区/飲食・宿泊)などの声も聞かれた。
前期(H27/7-9月) | 今期(10-12月) | 来期(H28/1-3月) | |||||
増減 | 増減 | 増減 | |||||
企業景気DI | 全産業 | 45.0 | ▼0.5 | 47.6 | △2.6 | 46.2 | ▼1.4 |
製造業 | 43.0 | ▼0.4 | 48.2 | △5.2 | 46.5 | ▼1.7 | |
非製造業 | 47.0 | ▼0.6 | 47.0 | 0.0 | 46.0 | ▼1.0 | |
生産加工量・ 販売量DI | 全産業 | 44.4 | ▼0.3 | 47.2 | △2.8 | 46.0 | ▼1.2 |
製造業 | 42.9 | ▼0.3 | 48.2 | △5.3 | 47.2 | ▼1.0 | |
非製造業 | 45.9 | ▼0.5 | 46.3 | △0.4 | 44.9 | ▼1.4 | |
経常利益DI | 全産業 | 40.2 | ▼0.6 | 44.7 | △4.5 | 43.2 | ▼1.5 |
製造業 | 39.6 | △1.1 | 45.2 | △5.6 | 42.5 | ▼2.7 | |
非製造業 | 40.8 | ▼2.3 | 44.3 | △3.5 | 43.8 | ▼0.5 |
注:増減は当該期と1期前との差(△は上昇,▼は低下を示す。)
<経営上の不安要素>
・ 経営上の不安要素としては,「人材育成」が45.0%を占め,調査を開始した第80回以降,初めて最多となった。以下「売上不振」が42.5%,「競争激化」が38.1%,「原材料価格上昇」が21.3%,「人手不足」が19.4%,「人件費増加」が17.9%と続く。
・ 前期と比較して最も伸びが大きかったのは,「人材育成」で3.4ポイント増。続いて「後継者問題」で2.7ポイント増,「技術力不足」で0.9ポイント増。
<付帯調査:平成27年の企業経営実績と平成28年の業績見通しについて>
A 平成27年の業績は平成26年と比較していかがか。
~「非常に良かった」,「良かった」の合計が,過去15年間で3番目~
・ 「前年並み」が40.0%,「悪かった」が26.5%,「良かった」が24.4%と続く。また,「非常に良かった」と「良かった」の合計は27.3%と,過去15年間で3番目に高くなっている。
B 平成28年の業績見通しは平成27年の実績と比較していかがか。
~「良くなる」が3.1ポイント上昇,「悪くなる」が5.2ポイント低下~
・ 「今年並み」が50.0%,「良くなる」が23.3%,「悪くなる」が21.5%と続く。「良くなる」が3.1ポイント上昇する一方で,「悪くなる」が5.2ポイント低下。
C 平成27年業績に影響を与えた要因は(複数回答可)。
~「新事業の展開」をプラス要因に挙げた企業が6.7ポイント増と,過去15年で最高の上昇率~
・ プラス要因は「営業努力」が66.1%,「新商品・新技術の開発」が26.0%と続く。平成26年実績との比較では「新事業の展開」が6.7ポイント増と,過去15年間で最高。マイナス要因は「他社との競争」が35.6%,「国内景気」が34.1%と続く。
D 平成28年業績に影響を与えると予想される要因は(複数回答可)。
~「新商品・新技術の開発」,「新事業の展開」,「設備投資」をプラス要因と予想する企業が増加~
・ プラス要因は「営業努力」が56.8%,「新商品・新技術の開発」が34.2%と続く。平成27年実績との比較では「新商品・新技術の開発」が8.2ポイント増,「新事業の展開」が6.4ポイント増,「設備投資」は2.3ポイント増と続く。マイナス要因は「他社との競争」が34.9%,「国内景気」が31.7%と続く。
E Dで選択した平成28年業績に影響を与えると予想される要因のうち,最も影響の大きい要因は。
~最も影響が大きいプラス要因は「新商品・技術の開発」,マイナス要因は「国内景気」~
・ プラス要因は「新商品・新技術の開発」が18.2%,「営業努力」が17.5%,「国内景気」が14.6%。マイナス要因は「国内景気」は18.4%,「他社との競争」,「消費動向」が共に13.2%。
F 平成27年及び平成28年の賃金水準について。
~賃金水準は平成27年及び平成28年共に,「引上げた」「引上げる予定」が上昇~
・ 平成27年の賃金水準は「引上げた」が60.4%と最も高く,2.9ポイント上昇。
・ 平成28年の賃金水準は「引上げる予定」が49.1%と最も高く,5.4ポイント上昇。
G 平成27年及び平成28年の賃金水準の引上げ内容について。
~「ベースアップ+賞与・一時金の増額」が平成27年及び平成28年共に大きく上昇~
・ 「ベースアップ+賞与・一時金の増額」が前回調査との比較では,平成27年の引上げ実績で8.6ポイント上昇,平成28年引上げ予定で7.3ポイント上昇。
H 今後,拡充及び縮小する部門は。
~拡充は「営業部門」がトップで「企画・開発部門」が最も上昇,縮小は「特になし」が76.0%と圧倒的~
・ 拡充する部門は「営業部門」が47.5%,「企画・開発部門」が32.2%,最も上昇したのは「企画・開発部門」で4.8ポイント増。縮小する部門は「特になし」が76.0%,「事務部門」が6.9%。
詳細調査結果
広報資料
第117回京都市中小企業経営動向実態調査(概要版)(PDF形式, 274.32KB)
第117回京都市中小企業経営動向実態調査(PDF形式, 1.83MB)
第117回京都市中小企業経営動向実態調査付帯調査(PDF形式, 844.12KB)
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