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第13回食の拠点機能充実戦略委員会

ページ番号83653

2010年5月1日

 このたび,京都市中央卸売市場第一市場第13回食の拠点機能充実戦略委員会を開催いたしましたので,その内容について以下のとおり,お知らせします。

 

1 日時 平成22年4月16日(金曜日)午後2時から午後4時まで

2 場所 リーガロイヤルホテル京都 桔梗の間

3 出席委員 20名 (50音順・敬称略)

出席委員
 京都市中央卸売市場協会     副会長 池本周三
 京都青果小売商組合連合会   会長 石塚清三
 京都府漁業協同組合連合会   販売部長 今井昭敏
 京都市中央卸売市場協会     会長 内田昌一
 京都水産物小売団体連合会   会長 岡本 勲
 京都市小学校給食研究会     会長 小川初美
 京都たべもの文化研究会     代表 河本ひさ子
 株式会社日本旅行西日本営業部営業推進本部 マネージャー 関 敏弘
 ジャーナリスト(元株式会社京都新聞社論説委員) 関根英爾
 京都市中央卸売市場協会       副会長 田中憲一
 京都商工会議所                副会頭 田中田鶴子
 京都市中央卸売市場協会       副会長 田中 一
 京都女子大学家政学部         教授 中山玲子
 みやこ女将の会                会長 西村明美
 京都大学大学院農学研究科    教授 伏木 亨
 京都大学大学院農学研究科    特定准教授 細野ひろみ
 市民公募委員 門間敬子
 KBS京都 ラジオパーソナリティー 山崎弘士
 株式会社京都リビング新聞社   編集部編集長 山舗恵子
 京都市中央卸売市場第一市場  場長 北山俊二

4 内容

(1)開会あいさつ

  京都市中央卸売市場第一市場 場長 北山俊二

(2)新委員紹介

(3)平成21年度食の拠点機能充実事業報告

  1月以降の実施事業について,パワーポイントを使い,事務局から報告

(4)平成22年度食の拠点機能充実事業計画(案)について

    レジュメを使い,事務局から説明

(5)意見交換

    議長:内田委員長

○前回の委員会で,市民などがもっと京都市場を訪れやすくなるようにしてもらいたいという話をしたが,調理実習施設の建設に向け,今後さらに具体的な動きが出てくると思う。また,ハード面だけでなくその運営についても,具体的にどのようなところに協力を依頼し,どのように進めていくのかが一番難しい問題になると思うが,早急にきちんとした方向性を見出し,よりよい京都市場作りのための将来展望を立てて動く必要がある。

○ 昨年の鍋まつりに行った際,そのにぎわいに驚いた。しかし,その場に行った人の感想はとても良いが,イベント自体を知らない人が多い。食の安全に対する意識が高まるなか,市場を訪れたいという読者も多い。そのため,会員にならなくても京都市場を訪れることができるような機会がもっとあればと思う。

○ 一般市民の市場への来場ということについて,一部の新しい市場では,見学者用通路を設けているところもあるが,ほとんどの市場ではそのような施設はない。また,あったとしても有効に利用されず,物置場となっているところもある。市場開放に当たって,いかに安全を確保し,興味を持って場内を移動してもらうかが問題である。

 また,卸売業者,仲卸業者,小売のそれぞれの役割や責務があるなかで,それらの枠を取り払うことについての問題もある。例えば,気候不順で野菜の価格が高騰しているなかで,消費者からすれば,生産者が形の悪い野菜などを安い価格で市場に提供してくれればよいという発想があると思うが,生産者からすると,運送代等のコストをかけてそれを下回る価格で売るくらいなら,廃棄したほうがましであるという考えに繋がる。さらに,形の悪い野菜を安く売ると,その価格が相場になり他の野菜の価格も引き下げてしまう恐れがある。このような問題をどのように処理していくかについても一つの課題となっている。

○ 今,築地市場は海外旅行客等のツアー内容の一部に組み込まれており,観光客が団体で入場し,様々なところで市場の業務に支障を来たしている。その一方で,市場開放は福岡市場を始め,各地の市場で月に1,2回のペースで行われだしており,入場者数も一日に1,000人以上,多いところでは約15,000人の一般市民が市場を訪れるという状況があり,近々,福岡市場に視察に行く予定である。

 京都市場においては,調理実習室や資料展示室の建設に向け,今年度,場所の選定を行う予定であるが,施設の完成には最短でも2年を要する。そのため,まずは市場開放日を設け,一般市民に京都市場を知ってもらうことから始め,開かれた市場づくりを行っていきたい。しかし,市場の第一の使命は,卸売業者,仲卸業者,小売の役割分担による安定した生鮮食料品の供給にあるため,頻繁に市場開放を実施することはありえないが,3箇月に1回くらいのペースからやっていきたいと考えている。

 また,値崩れについて,水産でも同じように「大漁貧乏」というような状況がある。これを避けるためにも,調理実習室を利用して魚のいろいろな食べ方を教える料理教室などを開催し,魚食に対する認識を深めてもらいたいと考えている。

○ 事業の中の一つである「小学校出前板さん教室」では,現在,京都市立の小学校に実施校を限定しているが,京都市内の私立小学校などでも実施を検討してはどうか。

 また,市場開放に当たって,「京都市中央卸売市場第一市場」という名称は,長くて呼び辛く,堅苦しい印象を与えがちであるため,別の愛称のようなものがあれば,市民にとってもっと親しみやすくなるのではないか。

○市場に見学者用通路を作るもうまく活用できてないが,市場開放となると市民が押し寄せるという話が出たが,これは,イベントとしては行く気になるが常設の見学者用通路があるだけでは,いつでも行くことができるという思いや,突然行っても場内の解説をしてもらえないという思いから,なかなか足が向かない状況になっていると考えられる。

 また,資料展示室の設置については,京都市場の移り変わりの様子がわかるようなもの等を展示してはどうか。

 さらに,値崩れの問題についての話があったが,これについても,展示室で流通にかかるコストをわかりやすく説明した資料を展示するなどして,市民に理解してもらえるような方法を考えてはどうか。

 

○消費者の興味,関心の第一は,市場の食材の購入であるため,その流れのなかで最後に展示資料についても見てもらえるように積み上げていく必要がある。

○事業報告にあるアンケート結果の内容では,満足という感想が多いが,旅館の経営者としては,お客様の施設に対するアンケートでは,不満という感想がとても大切であり,それにどのように対処していくかが問題となる。そのため,次回からアンケートを取る際には,どの辺りに不満があって,どのようなところを改善していけばよいかがわかるように質問項目などを工夫すればさらに良い。

 市場開放については,京都市場は敷地も広く,豊富な食材等見どころが多いため,実施に当たっては時間を遅らせるなど,危険が少なくゆっくり見て回れるような方法も考えながら企画してもらえればと思う。

 また,卸売業者,仲卸業者,小売の役割分担という話があったが,小売が儲かれば,仕入れ先である市場も栄えると思われるため,「小学校出前板さん教室」のような事業を商店街で実施するなどすれば,小売の集客にも繋がりよいのではないか。

○買い物の主流となっているスーパーでは,販売されている魚について,切り身や調理されたものが多く,丸のままの魚が売られていることは少ない。そのため,市場に来て,丸のままの魚の姿を見て様々な魚があることを知ってもらい,それを実際に家庭でさばき調理してもらうということも,市場開放の一つの目的であると考える。

○京都市場に市民が利用できる新しい施設ができるのはとても喜ばしいことであり,京都を代表する素敵なものにしてもらいたい。特に,今は何でも視覚化して「見せる」という風潮があり,またそれが受けるという時代である。そのため,これまで積み重ねてきた事業について,資料室に展示し,内容をフィードバックできるようにしてはどうか。

○京都市場の正式名称が長いという意見について,市場関係者としても同感であり,市民の皆さんから親しまれる愛称について検討していきたいと思う。

 また,昨年度の料理教室では,果物が使用されていなかったので,野菜と組み合わせたジュースなど,他の食材とコラボレーションしたようなメニューを考えてみるなどして,取り入れてもらいたい。

○京都市場の愛称について,「築地」と聞くと「築地市場」を思い起こすように,所在地名の「七条」を用いて,「七条といえば京都市場」と思ってもらえるようなものにしてはどうか。

 また,情報発信について,今はインターネットから様々な情報を得る時代であるが,京都市場のホームページは堅苦しいイメージで事業をうまくアピールできていないように思う。たとえば,小学校出前板さん教室についても,その様子を動画で配信するなどすれば,事業がよくわかり,実施希望校なども増えると思う。

○会員の年会費に新たに子ども料金ができたことは画期的であり,小学校でも広報したいと思う。

 また,調理実習室の建設が予定されているということであるが,完成した際には小学校にも施設を開放して,親子料理教室などを実施できるようにしてもらいたい。食育は家庭を巻き込み,まずは保護者が食に関する知識を持って子育てをするところから始まると思う。

 さらに,子どもが喜び,食育になるものとして「フルーツまつり」などを開催してはどうか。果物は家庭では価格が高く,なかなか手に入らないものも多いので,子どもたちの教育になると思う。

○京都市場で行われている事業について,ファミリー向けの事業や旬の食材を実感できるような季節感を感じられる事業を取り入れてはどうか。

 また,市場開放などのイベントだけでは,大衆受けする俗化した内容になりやすいため,せりや食の安全といった市場業務の本質に係ることをアピールする事業の2つの柱を立てて同時に進めていくような事業の組み立てをしていってはどうか。

○舞鶴市場では,天候不順等により漁獲量が昨年に比べ約4,000トン減少し,魚の単価もデフレ等の影響により下落している。一方で,漁獲された魚のうち,市場に出回るのは約4割で,残りの約6割の魚が,大きさが小さい等の理由でほとんど食べられていないという現状がある。この魚をいかにして食べてもらうかが漁協の大きなテーマであり,学校給食での利用などの活動を行っている。

 また,京都市場との付き合いは古く,昨年は海援隊ツアーで舞鶴市場を訪問してもらい,京都の方にPRもできた。この委員会の委員に就任したことを機会に,舞鶴市場から京都市場にできるだけ多くの魚を出荷できるようにしたい。

○市場に来場する方は,食に関心の高い方であり,おいしい魚を食べたいと思っている方である。市場開放では,そのような市民に,スーパーなどにはないような珍しい魚や高品質な魚を購入してもらうことで良さを知ってもらい,次回,それを小売に求めていただくという流れを生み出すことができると考える。小売では対話による販売を行っているため,お客様のニーズを生かすことができる。市場開放により魚食の拡大と小売業界の発展が望めると考えている。

○産地に行って野菜を収穫すると,店頭で販売しているようなきれいな形のものだけでなく,形の悪いものもたくさん出てくる。しかし,味はとてもよく,見た目はほとんど関係ないことが多い。そのようなことを,産地での収穫体験等を通じて,子どもたちを中心に皆さんに知ってもらいたい。

 また,先の話でも出たように,小売ではお客様と会話しながら販売しているので,一番おいしい時期や食べ方など,質問には何でも答えることができる。これからも小売をどんどん利用してもらいたい。

○先日,ある大学で学生に1週間の食生活の内容について,一緒に食べた相手や,食事場所,食事の内容等を詳細に報告するという授業が行われ,その報告書を拝見する機会があった。その質問の中に,買い物をする際に,食材の旬や,産地と自分の住んでいる場所の距離等を意識するかという項目があったが,ほとんどの学生がそれらについて考えていないと回答しており,とても嘆かわしく思った。

 これまで,なんとかして京都の伝統食や食文化を伝えていきたいと活動してきたが,今後もあらゆる機会ごとに,大学生を始めとする青少年や若い母親に,旬や産地に対する意識を持ってもらえるように活動していきたいと考えている。この事業のなかでも,その辺りの視点を取り入れていってもらえたらと思う。

○最近は外食や中食が増えて,自分で食材を買って調理するということが減ってきている。そのようななか,食育や食文化,食の安全について啓発していくことがとても大切であり,市場の一つの役割でもあると考える。一般の市民は市場の存在や流通等について知らない人が多いため,日本で最初に開設された市場であり,日本の食文化の発祥の地であることなど,もっと京都市場をアピールしていってもらいたい。

 また,愛称の話が出ていたが,市場を身近に感じてもらうためにも,市民から愛称を公募したり,ロゴマークやキャラクターを作るなど,京都市場と結び付けられるようなものを作ってみてはどうかと思う。

 さらに,各事業の内容についても,子どもや学生,主婦などのターゲットを絞り,それぞれに興味や関心のある内容のイベントを企画してはどうかと思う。そのためには,事業ごとに取っているアンケートで参加者の年齢や性別,職業ごとにどのような事業に興味を持って参加しているのかを把握するようにすればよいと思う。また,イベントの抽選に漏れた場合や市場開放に参加する場合などでも,会員として入会した何らかのメリットがあるように工夫したほうがよい。

○今年度の事業計画では,良い事業が提案されているので,引き続き進めていってもらいたい。

 また,市場開放の内容について,一般市民にとってのそれは,良い食材が手ごろな価格で購入できるということを意味しており,せりや仲卸等の市場業務の見学という意味は含まれていないかもしれないということを念頭に置いて計画する必要があると考える。その意味で,一般市民が本当に見たいと思っているのは場外市場であり,市場でのせり等による価格の変動を間近で感じながら,場外市場で日常の買い物を行うというのが最終の完成形であると考える。そのため,月に数回の市場開放を行うことが最終目標ではなく,せり等の市場業務による生鮮食料品の安定した流通という市場の機能はきっちり守りながら,京都市場の外に場外市場を設け,日常生活のなかで市場の様子を見て取れるようになるという形こそが,開かれた市場の最終形であるといえると思う。

(6)閉会あいさつ

 

  京都市中央卸売市場協会 副会長 池本周三

お問い合わせ先

京都市 産業観光局産業企画室中央卸売市場第一市場

電話:075-311-6251

ファックス:075-311-6970

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