サキョウ見聞録 その15 仁王門通を歩く
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2025年4月10日
左京区の南西部、京阪三条から歩いて5分の所にある仁王門通は、西は川端通から、東は白川通
との交差点から南東に進み三条通
と合流する通りで、新洞学区の真ん中を東西に貫いています。
名前の由来は仁王門通川端の「頂妙寺」を参拝するために山門前の通りが整えられ、仁王門通と名づけられたのだとか。
仁王門通の入口の両端には、川端から東大路までの西600メートルに集まる商店でつくる「仁王門繁栄会」の看板が掲げられていて、往年のにぎやかさは薄れたものの、今でも飲食店、日用品店、石材店、花屋さんなどが並んでいます。

仁王門通沿いに掲げられた案内図
そして、何といっても四方八方に目に入るのは、仁王門通周辺に並ぶ寺院の数々。檀王法林寺、本山頂妙寺、本山要法寺をはじめ宗派を超えた55箇寺が、新洞学区内の面積の2分の1を占めていると言っても過言ではないほど密集しています。

檀王法林寺

本山頂妙寺
歴史的には、宝永5年(1708年)の寺町の大火で類焼した寺院群が集団で移転して新しい街を形成したといわれています。新高倉通、新富小路通…等の通り名もその名残と伝えられています。


本山要法寺
毎年、ほのぼのとしたニュースが流れる「カルガモ親子の引っ越し」は、要法寺境内の本堂前にある清涼池から鴨川まで、地域の皆さん、京都府警察川端署員総出で見守る初夏の風物詩です。今年も可愛いヒナの行列を見るのが楽しみです。

元新洞(しんとう)小学校
2013年 (平成25年) 3月に、144年の歴史に幕を閉じた元新洞小学校は、今年3月に、京都市、建設事業者、新洞連合会の3者により跡地活用に関する基本協定書が締結され、学生寮、有料老人ホーム、自治会の活動スペース、消防団詰所などに整備される予定で、歴史と記憶を未来につなぐ新たなまちづくりの拠点となることが期待されています。

東大路通の角にある信行寺は、江戸時代の画家・伊藤若冲が最晩年に描いた天井画で知られています。

妙傳寺
仁王門通から逸れますが、東大路通東側も新洞学区に属し、二条通角には、年末に歌舞伎の顔見世興行で南座の正面を役者の名前の看板で飾る「まねき」が書かれる妙傳寺があります。歌舞伎の名門、片岡家の菩提寺であるのが縁でここで書かれることになったのだそう。