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区民ライターがゆく!頑張る中京人・魅力再発見(寺院神社)矢田寺

ページ番号323666

2024年3月15日

矢田寺(令和6年3月15日更新)


 地元の方々や観光客でにぎわう京都の中心地、三条寺町にある矢田寺。平安時代に大和国(奈良県大和郡山)の矢田寺の別院として、官僚であった小野篁(おののたかむら、小野小町の祖父といわれている)と住僧の満米上人(まんまいしょうにん)により、五条坊門(※)に建立されました。

 それ以降、火災に見舞われ、天正18(1590)年に現在の地へと移りました。本尊の地蔵菩薩は高さ5尺2寸(170cmほど)の立像で、優しく穏やかな表情をされています。「満米上人が地獄に招かれた際、成仏できなかった者を救っている生身の地蔵菩薩を目にした」といわれており、その生身の地蔵菩薩と等身大の地蔵が「矢田地蔵」といわれています。これらの背景により、人の苦しみを代わりに受けてくださる「代受苦地蔵」と呼ばれています。多くの地蔵菩薩は右手に杖、左手に如意宝珠を持っておられますが、矢田寺の地蔵菩薩は、右手の親指と人差し指を結び、左手は二指で輪を作り宝珠を持っているという独特のスタイルで、「矢田型地蔵」とも呼ばれています。

※平安京では東西路と朱雀大路との交差点の左京側・右京側にそれぞれ1箇所ずつ「坊門」が設けられたといわれていて、五条坊門は壬生寺の南側とされている。

 また、このお地蔵様をモチーフにした手作りの「ぬいぐるみ地蔵」はかわいらしいお顔で、良縁成就、安産祈願、無病息災などのご利益があり大人気だそうです。


 矢田寺で行われる祭事は、節分(いただいた豆の数(数え年)と同じ数の豆をお供えするそう)、花祭り、お盆の送り鐘、地蔵盆、かぼちゃ供養等があります。その中でも特ににぎわいをみせるのは、お盆の「送り鐘」です。8月16日に、先祖の精霊が浄土に戻れるよう「送り鐘」をつき魂を送り出すというもので、五山の送り火を見終えた人も訪れるそうです。

 過去にはこの名鐘は焼失して不明になっていましたが、この名鐘の銘文(めいぶん)を拓本したものが見つかったため(個人(コレクター)の方が所有していたそう)、表具屋に預けたところ、残念ながら戦災で表具屋とともに拓本も焼失してしまいました。そのため銘文の写しのみが残り、本堂内に大切に掲げられています。現在の名鐘は、1947年に新たに設置されたものです。

名鐘の拓本(うつし)


 また、矢田寺の年末の風物詩、「かぼちゃ供養」も有名です。冬至の日に、無病息災を祈願し、かぼちゃを振る舞う行事を開催していましたが、コロナ禍以降は中止され、昨年は、「重要文化財矢田地蔵縁起絵巻絵解き法話会」に形を変え、約100人の方が参加され、大きくにぎわいました。

 京都の中心地に、たくさんの提灯のやさしい明かりが神秘的で、風情を感じる矢田寺。年間の祭事を通して地域に根付き、心を癒す地となっています。ぜひ一度行かれてみてはいかがでしょうか?

矢田寺 前住職 西尾 道博(にしお どうはく)様からのメッセージ

 「安心、安全」を求めるのは宗教の基本となります。私利私欲にはとらわれず、ひとが最後に求めるものは「安心、安全」。そして、周りの安全を願うことが平和な世界へと導きます。どうぞいつでも矢田寺にお参りください。

<詳細情報>
 矢田寺(やたでら)
 所在地:中京区寺町通三条上ル523
 電話番号:075-241-3608

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