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区民ライターがゆく!頑張る中京人・魅力再発見(伝統産業)西村吉象堂

ページ番号318461

2023年11月22日

西村吉象堂(令和5年11月22日更新)


★京都の大学に通う学生さんに区民ライターとして執筆いただいています!

 三条柳馬場通りを東に進んだところに、「西村吉象堂」はあります。西村吉象堂は、祖父の西村吉蔵(きちぞう)さんが大正13(1924)年に京都の老舗漆器店「象彦」から独立し、店名を「象彦」の「象」と吉蔵氏の「吉」から名付けたことに始まります。主に漆器や工芸品を扱い、販売だけでなく漆器のオーダーメイドや修理も行っています。

 現在3代目の西村祐一さんは、平成5(1993)年からお店を受け継がれ、30年ほどになります。西村さんは後継者となる以前は横浜の百貨店に就職されていたため、様々な商品を目にし、商売やものづくりについて学ぶ機会がありました。その後、「家業を本格的に継ぐ前に、漆器についてより知りたい」という思いから、京都市産業技術研究所の後継者育成制度を活用し、漆を塗る前の下地から漆に描く蒔絵までの工程を学ばれました。この経験について西村さんは「漆器について学んだことで、職人さんの苦労を理解しつつ、的確にお客様の要望を伝えることができる」と話され、作り手・買い手の両方からの信頼を大切にされています。

 西村吉象堂が扱う「漆(うるし)」とは、木から採れる樹液のことで、天然塗料の1つです。この漆は、1度にとれる量が少量であるため、国内産も少なく、とても貴重なものとされています。西村さんは「漆塗りでしか出せない雰囲気と艶(つや)」があり、長く使うことで色味や質感の変化、味が楽しめるところが漆の魅力だと語られました。そして、「伝統産業品は、環境に優しい作り方をしていて、修理すれば1つのものを何度でも長く利用できるところがSDGsに適している」と考えておられます。

 最近では茶碗やお盆・棗(なつめ)以外にも、部屋に飾る装飾品(アート)やアクセサリーに用いられ、漆塗りを学ぶ女性の作り手が増えてきているそうです。西村さんは、「昨今、漆は高価で特殊なものだと思われがちですが、幅広く用いられるものであることや素材としてとても面白いものであることを知って、気軽に使用してもらいたい」と話され、SNSでも熱心に情報発信をなさっています。

 また西村さんは、中京区の基本計画推進会議や、京の三条まちづくり協議会、京都歴史文化施設クラスター実行委員会などの委員も務められ、地域活動にも積極的に参加されています。その中でも、京の三条まちづくり協議会では、三条通の文化継承や歩く人が優先される通りを目指すため、文化博物館前のウッドデッキを用いて、4年ぶりとなる「神輿まつり」を開催されました。コロナ禍でも、三条通の一部区間を歩行者天国にして、子どもが道路に絵を描けるコーナーなどみんなが楽しめる社会実験を実施しました。
 「まちづくりは人と人とのつながりであると思います。新しい取組をする時は周りの方から、多くの御意見をいただくこともありますが、それを超えてでも知っていただきたいまちの文化・歴史がある」と西村さん。そして、「定期的に三条通を歩行者天国としたいと思っていますが、イベントの準備や片付けなど、一緒に活動してくれる担い手が不足しています。継続のためにも人々の理解と参加が必要です」と語られました。



西村吉象堂 店主 西村 祐一(にしむら ゆういち)様からのメッセージ

 陶器は「china」、漆器は「japan」と言われています。漆器は日本の文化であり、おせちの重箱を始めとした様々な日本の伝統行事に用いられています。実際に使っていただくことできっと素材の良さを感じてもらえると思いますし、日常生活に彩りを添えていただけるのではないでしょうか。是非生活の中に取り入れてみてください。
 また京都には「まるたけえびすに・・・」と、「通り」を大切する考えがあります。中京のまちは、見るだけでなく歩くだけでも楽しいまちなので、街歩きしてみたり、通りのお店に立ち寄ってみたりと「通り」を楽しんでいただけたら嬉しいです。


<詳細情報>
 西村吉象堂(にしむらきっしょうどう)
 所在地:中京区三条通柳馬場東入中之町11
 電話番号:075-221-3955
 会社ホームページ:https://kisshodo.jp/外部サイトへリンクします

★今回ライターを務めていただいた学生さん 立命館大学 3回生 小越 美緒さん

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