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区民ライターがゆく!頑張る中京人・魅力再発見(中京のすごい人!)紀平張 紀平さん

ページ番号317150

2023年9月29日

紀平張 店主 紀平さん(令和5年9月29日更新)


 油小路夷川上ル、閑静な住宅街に「紀平張(きひらはり)」はあります。創業120年余の京都の老舗であり、三代目を務める紀平 昌基(きひら まさき)さんは、京の名工(京都府伝統産業優秀技術者)であり、京友禅仕上部門の伝統工芸士((一財)伝統的工芸品産業振興協会認定)です。今回は、紀平さんに、「張り」の技法や和服の魅力、地域活動への思いについて語っていただきました。

 紀平張では、能装束から着物の「張り」を行っています。「張り」とは、字のとおり伸ばしシワを取る工程のことで、天然の海藻であるフノリ(布海苔)等を用いて、生地を固くしたり、柔らかくしたり、生地目を真っすぐにしたりします。「うちは和装のクリーニング屋です」と紀平さん。そう話されるように、工場内にはお客様から依頼された様々な反物(織物)があり、大きな洗濯機や加工材料がありました。

「張り」という工程は和装にとって非常に重要です。洋服の場合は、肩や襟などは丸く、スカートは生地目に対して斜めに裁つこともあるため、端材が多く残ります。一方で、和装は、生地目に対して縦・横真っすぐに、直線で裁ちます。そのため、衿(えり)や袖といったすべてのパーツが長方形になり、端材が出ません。「捨てる部分が全くなく無駄がないため、和装は環境に優しく、究極のSDGsだと思います」と紀平さん。「張りを行い、生地目を真っすぐに戻すことで裁断しやすくなり、着物の丈を再度調整することができ、同じ着物を何度も、何世代でも着ることができます」と話され、実際に、「お母さんが着ていた着物を私も着たい」、「娘に着させたい」という方が訪れるそうです。「着物生地の洗い張りやアフターケア、和服のことなら何でも相談してください」と話されました。



 そして近年、レンタル着物で観光を楽しむことが主流となっていますが、その着物の多くは大量生産品で、通常の生地とは異なります。「『それは着物ではない』と言っても意味がないと思います。着物を着たいという方がいらっしゃるのは大変嬉しく、その方々に着物の良さを伝えていくのは、我々のような業界関係者の役目です」と話され、時代が変わっても日本の和装文化、また日本人のもつ「もったいない」精神は大切にしていきたいと、紀平さんのお話を通じて改めて感じました。

  また、紀平さんは市政協力委員や梅屋学区保健協議会の会長、下御霊神社の総代を務められるなど、様々な地域活動に積極的に参加されています。地域活動の魅力について伺うと、「仕事もあるので準備はしんどいと感じることもありますが、中に入って初めてそのまちの歴史や文化、祭りの意義がわかります。しんどさを超えて得られるものではないかと思います」と話され、例えば、紀平さんの町内は終戦後の2週間後という状況でも地蔵盆をされていたそうで、古くから京都には地蔵盆の行う価値、信仰心というものが根強いことがわかります。
 京都は古くから続く文化と、新しい文化が融合することで発展を遂げてきたまちであり、地域活動も同様に、「新しく地域に入ってこられた方が古くから続く地域行事に参加することで、そのまちはさらなる発展を遂げると思います」と、今後の新しい方々との出会いを楽しみに話されました。

紀平張 店主 紀平 昌基(きひら まさき)様からのメッセージ

 パリやローマなど、有名観光地に住む人々は、自分が住むまちに誇りを持っています。私自身、京都のまちは日本を代表する文化都市であると思っています。これから住む人も、今住んでいる人も、特に若い人には、このまちの良いところをたくさん見つけて、誇りに思ったり、愛着を持ったりしてもらえたら嬉しいです。そして、まちの良さを世界に向けてどんどん発信してほしいと思います。


<詳細情報>
 紀平張
 所在地:中京区油小路夷川上ル橋本町492
 電話番号:075-231-6692
 会社ホームページ:http://www.kihira-hari.com/index.html外部サイトへリンクします

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