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区民ライターがゆく!頑張る中京人・魅力再発見(伝統産業)竹影堂

ページ番号311228

2023年5月29日

竹影堂(令和5年5月29日更新)


★今回は、京都の大学に通う学生さんに区民ライターとして執筆いただいています!

 麩屋町通を上がり、押小路通を左に曲がると、「錺(かざり)」の大きな文字が現れます。落ち着いた佇まいが印象的な京町家、ここが京都で200年続く金属工芸の工房「竹影堂(ちくえいどう)」です。

 竹影堂では、金・銀・銅をはじめとする金属をもって飾るものを作る仕事「錺」を手がけています。今回お話を伺った7代目 中村 佳永さんは、15歳から工房で働き始め、金属産業の機械化が進んだ現代においても、手作業にあえてこだわり、茶道具の制作や高い芸術性を生かした作品展を開催するなど、伝統の金工技術を受け継ぎ活動されています。

 竹影堂の作品は手作業だからこその温かみある表情が特徴です。「手作業のため大量に生産することが難しいというと一見デメリットに思えますが、商品の細かい調整など、お客さんのオーダーにも柔軟に対応できることは、一点一点手作りだからこその大きなメリットだと考えています」と手作業への強いこだわりを語られます。



 しかし、「機械による大量生産をベースとした金属産業が主流である現代において、金属工芸の職人として生計を立てていくことは非常に難しく、このままでは伝統技術を次の若い世代へと継承できなくなっていくのでは」と危機感を抱かれています。

 そこで、中村さんは職人としての仕事のみならず、多彩な方法で金属工芸の裾野を広げる取組を展開されています。気軽に金属工芸の技術に触れてもらおうと、YouTubeを活用し、アクセサリーの作り方や工具の使い方などをわかりやすく解説した動画を配信されています。「金属工芸を今まで興味がなかった人にも知ってもらい手に取ってもらうことが、若い職人を育てることにつながると考えています」と積極的に新しい取組にも挑戦されています。

 さらに、講師としても活躍され、京都伝統工芸大学校でものづくりを志す若者たちに金属工芸の技を伝えられています。「生徒たちには必ずしも金工の職人になってほしいとは考えてはいません」と中村さん。「機械を使わなくても、金属が『手』でこんなに多様な方法で加工できることを意外と皆さんご存じではないと思います」と、溶かす・伸ばす・縮める・曲げる・くっつけるなど、バリエーション豊かな加工方法が特徴の「金属」という素材の面白さを学生に伝えられています。昨年7月には、中京区役所とも連携し、区内の小学生を対象にしたオンライン講座を開催し、工房見学や実験、ものづくりワークショップを通して、手作業にこだわった作品や道具へのこだわり、金属の性質などを多くの子どもたちに伝えられました。



 また、工房の表玄関には、竹影堂のアンテナショップ「かざりや鐐(りょう)」を展開されています。高額で敷居の高い印象を持たれがちな「伝統工芸品」ですが、ここでは、しおりやペーパーナイフなどの実用的なものからイアリングや髪飾りなどのアクセサリーまで、「手に取りやすい身近な銀細工」をテーマにした商品が取り扱われています。「若手職人たちが手掛けた魅力的な作品が並んでいます。皆さんに気軽に手にとっていただきたいです」と美しい銀細工が並んだ店内を披露してくださいました。

 「若手職人たちに憧れられる存在になることが私の今の目標です」と中村さん。自分自身が作品と誠心誠意向き合い功績を上げていくことが、これからを担う若手職人が金工職人として生きていくための道標になると信じ、日々鍛錬を重ねておられます。



竹影堂 中村 佳永(なかむら よしなが)(竹影堂 榮眞(ちくえいどう えいしん)※)様からのメッセージ

 京都は、とても面白いまちです。遠方から来る方々に関心をもってもらえる素晴らしい建物や歴史がたくさんありますが、地元の方々がその魅力に気づいていないことも少なくないと思います。身近に希少で面白いものが溢れている環境にいることを気づければ、とても豊かな生活になるかもしれません!「世界にアンテナを張るまち」京都で様々な出会いを楽しんでみてください。

※4代目竹次郎の時に、工芸作品が高く評価され、有栖川宮(ありすがわのみや)より「竹影堂 榮眞」の号を授けられた。


<詳細情報> 
 竹影堂
 所在地:〒604-0944 京都市中京区押小路通麩屋町西入橘町621
 電話:075-241-2636
 公式ホームページ:https://www.chikueidou.com/外部サイトへリンクします
 YouTube:https://www.youtube.com/@user-hx5ud4ix1p外部サイトへリンクします


今回ライターを務めていただいた学生さん
立命館大学 2回生 小越 美緒 さん


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