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中京の年中行事 五節句

ページ番号308457

2023年4月7日

五節句

 京都市では、伝統文化に親しみ、生活文化を継承していく機会となっている年中行事の価値を見つめ直し、継承していく大切さを再認識するとともに、その意義を広く市民に発信していくため、「京の年中行事」を“京都をつなぐ無形文化遺産”に選定しています。

 そのなかから、中京で楽しむことができる「京の年中行事」について、その歴史や楽しみ方を紹介するコンテンツ「中京の年中行事」。第6弾の今回は、「五節句」を取り上げます。

1 動画について

 「五節句」とそれを彩る京の菓子文化を京菓子の老舗「京都くりや」による「柏餅」の作り方の実演とともにご紹介しています。
https://youtu.be/btEa3qGKXrA外部サイトへリンクします

下記の京都くりや 店主 山名さんへのインタビュー記事も合わせてご覧ください。

※下の画像をクリックすると動画ページへ移動できます。


2 インタビュー記事(令和5年3月1日更新)


★ 中京で楽しむことができる「年中行事」に注目し、その歴史や楽しみ方を紹介するシリーズ企画「中京の年中行事」。第6弾の今回は、「五節句」と行事を彩る京の菓子文化について紹介します。

 今回取材にご協力をいただいた「京都くりや」さんは、昨年3月の火災による一時休業を乗り越えて、昨年11月に営業を再開されました。火災に遭われましたことに心からお見舞い申し上げますとともに、この災厄に屈することなく、営業を再開されましたことを心からお祝い申し上げます。


 「節句」は、中国から伝わった陰陽道の風習を起源とします。そこで縁起が良いとされる奇数が重なる日は陽が強すぎて逆に不吉になると考えられ、禍を避けるための行事が行われてきたことが節句に発展したと言われています。五節句の「節」とは季節の変わり目のことで、日本では、1月7日の人日(じんじつ)、3月3日の上巳(じょうし)、5月5日の端午(たんご)、7月7日の七夕(たなばた)、9月9日の重陽(ちょうよう)の五つの節句が四季を彩る年中行事として親しまれています。

 そんな五節句ですが、それぞれの節句にまつわる食事とも強く結びつき、様々な文化が現代に伝わっています。今回は、京菓子協同組合の理事を務められ、栗を使った商品が人気の京菓子の老舗「京都くりや」の店主 山名 清司(やまな きよし)さんに、五節句をはじめとした年中行事と京の菓子文化についてお聞きしました。

 京の菓子は、その格別な魅力により、長い歴史の中で多くの人々に愛されてきました。長年、政治・文化・宗教の中心地として栄えた京都では、茶の湯の発展とともに、茶と一緒に出される上質な菓子としての需要に応えるため、他の地域とは一線を画す存在へと洗練されていきました。

 その多くが、四季折々の美しい情景や年中行事が表現された、視覚でも楽しめるものとなっており、菓子からその情景を思い浮かべ、季節や年中行事に思いを巡らせるなど、単なる食事にはとどまらない役割を果たしてきました。

 「1年の12箇月の間で、毎月その季節に合わせ、違うお菓子が並ぶ和菓子屋さんのショーケースを覗いてみるのはとてもおもしろいですよ」と山名さん。京都三大祭をはじめ、多くの年中行事が営まれる京都だからこそ、それぞれの季節・行事に紐づいた個性的な菓子が生まれています。「社寺仏閣が多いのも京都の特徴ですが、和菓子屋はそれらの門前にあることが多い。これも京都の菓子文化の発展につながったのでは」と話されます。

 このように季節や行事と結びつきながら発展してきた京の菓子文化ですが、五節句にちなんだ代表的な菓子は、どれもそれぞれ季節の植物などを由来としています。上巳の節句には、邪気を払うとされるヨモギを使った「草餅」、そして草餅などを小さく引きちぎった土台の上にきんとんや餡をのせた「引千切(ひちぎり)」。端午の節句には、新芽が出るまで古い葉が落ちないという柏の葉の特性から、子孫繁栄を願う「柏餅」。一般的な粒餡に加え、白みそ餡を入れた柏餅も京都では好まれるといいます。重陽の節句では、菊の花に見立てた「こなし(白小豆のこし餡に小麦粉などを入れて混ぜ、蒸し上げたもの)」の上に白の「きんとん(練って裏ごししたそぼろ状の餡)」をのせた「着せ綿(きせわた)」が代表的です。菊に長寿の効能があるとの思想から日本独自の文化として発展した、菊の花を真綿で覆い、翌朝に朝露がついた綿で体をぬぐって健康を願うという「菊の着綿」という風習から着想を得た和菓子です。


引千切


着せ綿

 「和菓子は洋菓子などと比べ、視覚的な表現が抽象的なものが多いのも特徴です」と山名さん。それは、召し上がられるお客さんに何を表現しているのかを考えてもらいたいという思いからなのだそう。「お客さんに考えていただき、季節や年中行事を感じてもらうことで完成する」のだと京の菓子の奥深さを語ってくださいました。

 また、山名さんは地域の小学校や「京の食文化ミュージアム・あじわい館」での菓子づくり教室を通して、伝統的な年中行事や京の菓子文化を多くの子どもたちに伝えられています。「今では、『端午の節句といえば柏餅を食べるんやで』といったことも小さい頃に親から教えてもらわない家庭も多くなっていると感じます」という山名さんは、こうした文化を子どもたちに伝えていくことが、菓子だけでなく、伝統行事、そして京都の文化そのものを次の世代へと継承していくことに繋がっていると信じて活動されています。

 季節の節目に、家族の健康や長寿、成長を願い、その時期にちなんだ行事食を楽しむ五節句。そして、その味わいや装いで人と人との間に和やかな雰囲気をもたらしてくれる京の菓子。菓子を通して会話が生まれ、季節の流れに思いを馳せながら家族が語り合う。そんな時間を皆さんのご家庭でも過ごしてみてはいかがでしょうか。


京都くりや


京都くりや 店主の山名 清司さん

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