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区民ライターがゆく!頑張る中京人・魅力再発見(飲食店・ショップ)御幸町 関東屋

ページ番号307113

2023年3月27日

御幸町 関東屋(令和5年3月27日更新)


 味噌の醸造元「御幸町 関東屋」は、御幸町通の夷川通を少し上がったところにあります。1847年(江戸時代末期)の創業以来、175年にわたり、味噌づくりに携わられています。

 日本の味噌づくりは、飛鳥時代に中国から味噌づくりの原型が伝わり、奈良時代にかけて日本で始まったといわれています。味噌は、米や豆、麦からつくる麹と大豆、塩を用いてつくられますが、当時は貴重品で上流階級の食材として扱われました。今では一般的に使用される調味料ですが、一般に出回るようになったのは農業が発達し、穀類が主食になってからであり、また室町・鎌倉時代以降、武家社会でお味噌汁を食する文化が生まれ、味噌が保存できる調味料として一般に流布するようになりました。

 京都では、貴族の領地で収穫されたお米を用いた味噌づくりが行われました。味噌といえば、「塩味」を連想される方も多いと思いますが、貴族に献上される味噌は米をたっぷりと使用し、米から出る甘みを含んだ味噌は、当時の人にとっては貴重品であったと想像されます。砂糖がなかった平安時代では、「甘味」は乾燥させた果実や木の実、蔦の樹液を煮詰めたものしかなく、塩を減らす(通常の味噌で使用する塩分の3分の1程度にする)ことで甘酒のように麹の甘みが出ます。それが今なお続く「白味噌」の製造方法につながり、京都では、炙り餅や柏餅といった和菓子の「味噌あん」に白味噌が用いられ、「甘味」として楽しむという平安時代の名残を感じることができます。

 「御幸町 関東屋」では、地下60mから汲み上げる比良山系の地下水を利用し、機械だけに頼らない「人の手をいれる」つくり方で製造されています。「米麹(糀)の菌は生きているため、日々様子が違います。そのため、手のひらで糀を揉んでその様子を感じることで、昔ながらの味を守っています」と六代目の西田有一郎さん。料理屋や和菓子屋に味噌を卸しているため、それらのお店の味に影響するので、特に慎重に、味を変えないようにされています。また、日本だけにとどまらず、フランスやオーストラリアのレストランでも味噌は用いられています。「海外の料理、特にフランス料理では、味付けに牛乳と油、クリームが使われるため、それらに合うのが白味噌で、白味噌の繊細な香りと甘味、塩分の少なさが使いやすいと言われており、ドレッシングやソースなど、日本とは違った使われ方をされることで、味噌の可能性が広がっています。」と話されました。

 海を越えても愛される味噌ですが、京都では7社ほどしか味噌の醸造元はありません。味噌を次代に継承し、日本の食文化を守り続けたいという思いから、西田さんは、御所南小学校の6年生に味噌の仕込みができる手作り体験教室を行われています(現在はコロナ禍のため休止)。糀を崩したり、炊きあげた大豆をつぶしたりと、子どもたちが実際に手で触れて、素材の感触を楽しむことで、味噌や食物に興味を持ち、さらに完成した味噌を、3月の卒業の際にお渡しし、ご家庭で味わっていただくことで、食育による食文化の継承に励まれています。

 「一人一人、味覚が異なるため、おいしいという感覚も千差万別です。そのため、お客様の要望に応じた味噌づくりを行い、今では150種類ほどの味噌をつくっています。」と西田さん。一人一人の味覚を大切にされた御幸町 関東屋ならではの味噌づくりへの思いを伺うことができました。

御幸町 関東屋 代表 西田 有一郎(にしだ ゆういちろう)様からのメッセージ

 味噌は大豆とお米が主な原料であり、タンパク質等のいろいろな栄養素がバランスよく配合されているので、免疫力を高めてくれます。味噌を食べて、病気に負けず、良い1年を過ごしましょう!


<詳細情報>
 御幸町 関東屋/合名会社 関東屋商店
   所在地:中京区御幸町通夷川上ル松本町582
   電 話:075-231-1728
   ホームページ:https://www.kantoya.com/
   営業時間:午前10時~午後5時
   定休日 : 土日祝(変更有)

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