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中京の年中行事 年末年始

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2022年12月28日

年末年始

 京都市では、伝統文化に親しみ、生活文化を継承していく機会となっている年中行事の価値を見つめ直し、継承していく大切さを再認識するとともに、その意義を広く市民に発信していくため、「京の年中行事」を“京都をつなぐ無形文化遺産”に選定しています。

 そのなかから、中京で楽しむことができる「京の年中行事」について、その歴史や楽しみ方を紹介するコンテンツ「中京の年中行事」。第4弾の今回は、1年の出来事や自分自身の行いを振り返り、新しい1年も健やかに過ごせるように願う「年末年始」を取り上げます。

1 動画について

 「年末年始」の伝統的な京都の食文化を老舗京料理屋「堺萬(さかいまん)」によるおせち料理の実演とともに紹介します。ぜひご覧いただき、ご家庭でもチャレンジしてみてください。
https://youtu.be/yfs4MJJUOEM外部サイトへリンクします

下記の堺萬 店主 澤野さんへのインタビュー記事も合わせてご覧ください。

※下の画像をクリックすると動画ページへ移動できます。


⇧画像をクリックして動画へジャンプ

2 インタビュー記事(令和4年12月2日更新)


★ 中京で楽しむことができる「年中行事」に注目し、その歴史や楽しみ方を紹介するシリーズ企画「中京の年中行事」。第4弾の今回は、「年末年始」の伝統的な京都の食文化について紹介します。


 1年の出来事や自分自身の行いを振り返り、新しい1年も健やかに過ごせるように願う「大みそか」、そして新しい気持ちで新年を祝い、幸福を祈る「お正月」。京都の各所で年末年始の行事が行われ、まちがにぎわう特別な時季です。各家庭では年越しそばやおせち料理を食べたり、大掃除をしたり、初詣に出かけたりと、昔から続く様々な慣わしが今でも私たちのくらしの中に定着しています。

 そんな年末年始に欠かすことのできない慣わしの中から、今回は、京都ならではのおせち料理等の食文化について、京料理の「堺萬(さかいまん)」の店主 澤野 高明(さわの たかあき)さんにお聞きしました。

 京都の老舗料理屋では、おせち料理の準備は12月から始まります。12月になると、各家庭(お客様)から持ち寄られた、様々な大きさや形の重箱がお店に集まります。年末の店舗での営業はクリスマスを迎える頃には終了し、おせち料理の仕込みが本格的に始まります。「おせち料理の仕込みはお店にとって、1年の締めくくりです。1年間の感謝を込めて、料理人として研鑽してきた成果を発揮する年内最後の機会ですので、気合が入ります」と澤野さん。

 子孫繁栄を祈る「数の子」、豊年満作を願う「田作り(ごまめ)」、深く根をはる縁起食材のごぼうを使った「たたきごぼう」の3品が「祝い肴(いわいざかな:祝いの膳に用い、お酒を飲むときに添える食品の総称)」として代表的ですが、京都ならではのおせち料理を伺うと、「一般的なおせち料理である『伊達巻き』だけでなく、『だし巻き』が入っていることも特徴の一つです」と澤野さん。京都は、地下水が豊富に湧き出る場所であり、その水質が昆布や鰹節と相性が良い軟水であったことから、水を使って食材の味を引き出す調理法(出汁)が発達しました。このような理由から「だし巻き」は京都を代表する料理であり、多くのお店でおせち料理としても採用されています。

 また、京野菜の「堀川ごぼう」を使ったおせち料理も京都ならではです。堀川ごぼうは切るとその断面の中心に空洞があることが特徴の大きく太いごぼうで、おせち料理では、空洞部分にひき肉やタラ等の魚介類のすり身を詰め(射込み(いこみ):日本料理で、詰め物をすること)、炊き上げられます。おせち料理は、縁起かつぎや語呂合わせの中に招福の願いが込められていることがあり、この堀川ごぼうを使った料理にも、その空洞から向こう側が見えることにちなんで「未来が見通せる」「将来の見通しが良くなるように」という意味が込められているそうです。


堀川ごぼう


堀川ごぼうの断面

 毎年、自慢のおせちを販売している澤野さんですが、「お店に注文して食べるプロの味ももちろんいいですが、ご家庭の味に勝るものはないと思います」と話されます。澤野さんは地元の小学校で、京料理の魅力を伝える授業をされていて、その中で、「わたしが作る料理はみんなの中で2番目になれるかもしれませんが、1番にはなれません。1番はみんなのご家庭で作られている料理です」と話されるといい、家庭で出される料理の味を大切にしてほしいと、次代をになう子どもたちに伝えられています。

 今では百貨店やスーパー、通販等でも購入することができ、家庭で作らなくてもおせち料理を楽しむことができますが、手軽に挑戦できる一品もあります。おせち料理といえば「黒豆」ですが、「圧力鍋に水で洗った黒豆を入れて、水と調味料(しょうゆ、砂糖等)を入れてひと煮立ちさせたら完成です」。とても簡単に作ることができて、味付けによって家庭の味が出せる一品です。他にも、タラコ煮やごまめ(小魚の佃煮)、紅白なます(大根とにんじんの酢の物)も簡単に作ることができます。

※「ごまめ」と「紅白なます」については動画(12月公開予定)で作り方を紹介しますので、ぜひご覧ください。

 京都の大学に通う学生さんや、お仕事等で家族と離れて過ごされている方は、特に年末年始は家族団らんの時を過ごすことができる大切な時間です。家族の健康や幸せを願ったおせち料理を家族で一緒に作って食べ、ともに過ごし、家庭の味を楽しみながら、伝統的な日本の文化をくらしの中に取り入れてみるのはいかがでしょうか。おせち料理をはじめ、年越しそばやお雑煮など「年末年始」ならではの家庭の味を、次の世代へ受け継いでいきましょう。



堺萬 店主の澤野 高明さん

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