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区民ライターがゆく!頑張る中京人・魅力再発見(飲食店・ショップ)草々庵

ページ番号305732

2022年11月14日

草々庵(令和4年11月14日更新)


 衣棚通の御池通を少し下がったところに、画房「草々庵」があります。明治元年に建てられた歴史ある町家に絵師(画工)の殿村 栄一さんが画房として構え、玄関には赤鬼のオブジェ「鬼っ子むぅ」が訪れるお客様を温かく迎えています。

 殿村さんは関東から京都に居を移してから12年が経ちました。4年前にこの風情ある町家と出会い、殿村さんの作品とそれをモチーフにした絵はがきや缶バッチ、Tシャツなどを扱うショップとしてオープンされました。殿村さんが描く絵は優しくてあたたかく、そして時にユーモラスであったり、またホッとする一言を添えた作品もあったりと、お店の中に一歩入ると、日常を忘れさせてくれるような雰囲気を醸し出しています。

 どのようにしてこの表現力を培ったのか、最初に絵との出会いについて伺ってみると、「お父さんが絵を描いていたこと」でした。絵を描いている姿を間近に横で見ていたことで、絵がもつ表現力やエネルギーに魅了されていきました。また「京都は絵の題材が多く、魅力的な場所がたくさんある」と話され、京都に来られてからも、さらに表現力に磨きがかかり、国内だけでなく海外のお客様にも画房に足を運んでいただけるようになりました。殿村さんの「絵師」としての歩みは、人と場所のつながりによって導かれていきました。

 殿村さんは50歳まで、全国の百貨店やギャラリーを巡って個展を開催する日々を過ごされました。「どこか拠点を構えたい」と考え始めた時に、京都に使われていない町家がたくさんあることを知り、ご縁もあって現在お店を構えている町家にたどり着きました。「百貨店やギャラリー等での展示の場合、コンクリートの壁に作品を取り付けますが、趣ある空間に作品を展示してみたところ、家や飾りたい場所での“飾るイメージ”をお客様に感じていただくことができ、こういう空間が自分の作品を生かしてくれるんだと思いました」と町家との出会いのエピソードを教えていただきました。

 草々庵ではアート教室も開催しています。絵画だけでなく彫刻といった立体の作品も指導されています。「スポンジが水を吸収するように、知識をすぐに吸い込んで、生徒さんが自分なりの形にしていくのを見ていると、とてもやりがいがあります」と話され、ご自身も小さい頃からプラモデルに興味を持ち、オリジナルに工夫して作ってみたり、中学生の時には写真や彫刻、モトクロス、音楽などさまざまなことに興味をもったりと、知識や経験をたくさん吸収され、それが今の作品づくりに生かされています。何事にも興味を持ち、真摯に向き合ってきたからこそ、表現の幅が広がり、今の作品につながっているのだと感じました。
 また殿村さんは「ここでしかできないこと、ここへ来たいと思う人が来てくれる場所にしたい」とおっしゃいました。絵のもつ表現力とエネルギーをぜひ体感しに行かれてみてはいかがでしょうか。





草々庵 殿村 栄一(とのむら えいいち)様からのメッセージ

 自作のカレンダーの中に、「根は根の、茎は茎の、葉には葉の役割がある 花が咲くのと同じにね」という詩を書きました。「花」がいつもメインで、スターのような役割ですが、根や茎、葉がないと咲きません。とは言っても、それらは花を咲かせるために生きているわけではなく、自分の役割を全うしているだけだと思います。お互いに協力し合うことも大切ですが、自分に与えられた使命を全うし、自分の時間というものを大切に、生きてほしいなと思うこの頃です。世の中がどんなに便利になったとしても、60歳になるには60年生きないと60歳にはなれません。自分に対しての戒めでもあるのですが、「生きるための時間を省略しないこと」が大切だと思っています。


<詳細情報>
 草々庵(そうそうあん)
 所在地:中京区長浜町157-1
 ホームページ:https://sosoann-kyoto.moo.jp/外部サイトへリンクします

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