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区民ライターがゆく!頑張る中京人・魅力再発見(伝統産業)香老舗「松栄堂」

ページ番号304782

2022年10月12日

香老舗「松栄堂」(令和4年10月12日更新)


★今回は、京都の大学に通う学生さんに区民ライターとして執筆いただいています!

 薫香(くんこう)の老舗「松栄堂」は、多くの薬問屋が立ち並ぶ「薬の町」として知られる二条通付近に創業されてから300余年の歴史を持ち、お香の製造、販売、文化活動を通じて、香り文化の継承と発展に寄与されています。

 日本のお香の歴史は、仏教の伝来の頃に遡ります。様々な仏教儀式とともに、お香も大陸から伝えられたと言われており、「日本書紀」にも沈香(沈水香木:長い時間をかけ樹脂の成分が木質部に凝結し、特有の香りを放つようになったもの)についての記述があるなど、日本のお香の歴史は約1500年前から続いていることがわかります。奈良時代には、鑑真が仏教の戒律とともにたくさんの香料と配合技術を日本に伝え、仏様のための宗教的用途で広く使われるようになりました。その後、平安時代に入ると、貴族が日常生活の中で、自ら香料を調合し、煉り合せた薫物(たきもの)を炭火でくゆらせ、部屋や衣服への移香(うつりが)を楽しむようになりました。江戸時代になると、町人にも香り文化が広まり、誰でもお香を楽しめるようになりました。現代においても、お部屋でお香を焚いたり、匂い袋を持ち運んだりと、お香は日常生活の様々な場面で使われています。

 お香の原材料は、主に中国・インド・東南アジア等の海外から運ばれる天然の植物を使用しており、その多くは古来より変わりません。「若い方や海外の方が好まれるようなパッケージにすることはありますが、香りは伝統的な配合を大切にしています。近年、海外旅行者からの需要も増えていますが、広く松栄堂の香りを楽しんでいただいています」と専務取締役の畑 元章さん。長い歴史を通じて発展してきた伝統の香りと技術を守り続けておられます。

 こうした香り文化の伝承と同時に、一方で、新しい香り文化の創造にも取り組まれています。平成30年に開設された香りの情報発信拠点「薫習館(くんじゅうかん)」は新たなファンを取り込む場となっています。その中でも「かおりBOX」は、インスタグラムでもたくさん投稿されている「映えスポット」として若者層を惹きつけています。また、お香の製造と販売だけでなく、ギャラリースペース「松吟ロビー」では様々な企画展、ホールでは講演会やイベントを行うなど、様々な文化活動を通して、社会貢献活動に努めておられます。

 このように伝統を守りながらも、変化を恐れず新たな挑戦をし続けているところが、世代や国を超えて親しまれる所以なのだと学びました。




香老舗「松栄堂」 専務取締役 畑 元章(はた もとあき)様からのメッセージ

 新型コロナ感染症の蔓延から、目に見えないものへの恐れ、不安を感じてきました。香りも目に見えないものですが、人々にやすらぎや安心をもたらしてくれます。コロナ禍でも本店だけは開店し続けましたが、その際に、地元のお客様からいただいたエールが励みとなりました。この場をお借りして感謝の気持ちを伝えたいです。
 まだまだ油断できない状況ですが、松栄堂のお香でホッとしていただけると幸いです。



<詳細情報>
 香老舗 松栄堂(しょうえいどう)
 所在地:中京区烏丸通二条上ル東側
 電話:075-212-5590
 ホームページ:https://www.shoyeido.co.jp/外部サイトへリンクします


★今回ライターを務めていただいた学生さん 京都産業大学 3回生 水田淳実さん

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