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中京の年中行事 瑞饋(ずいき)祭

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2023年1月17日

瑞饋(ずいき)祭

 京都市では、伝統文化に親しみ、生活文化を継承していく機会となっている年中行事の価値を見つめ直し、継承していく大切さを再認識するとともに、その意義を広く市民に発信していくため、「京の年中行事」を“京都をつなぐ無形文化遺産”に選定しています。

 そのなかから、中京で楽しむことができる「京の年中行事」について、その歴史や楽しみ方を紹介するコンテンツ「中京の年中行事」。第3弾の今回は、五穀豊穣を感謝する秋の祭礼「瑞饋祭」を取り上げます。

1 動画について

 10月、中京区と上京区にまたがる一帯の地域で開催される北野天満宮の秋の祭礼「瑞饋祭」を紹介しています。祭や秋にちなんだ伝統産業品の紹介もございますのでぜひご覧ください。
https://youtu.be/GDG_XsdTgu4外部サイトへリンクします

下記の「西之京瑞饋神輿保存会」の荒田会長へのインタビュー記事も合わせてご覧ください。

※下の画像をクリックすると動画ページへ移動できます。


⇧画像をクリックして動画へジャンプ

今回動画で紹介した伝統産業品は京都伝統産業ミュージアム外部サイトへリンクしますでお買い求めいただきます。

2 インタビュー記事(令和4年9月29日更新)


瑞饋御輿の巡行(平成27年)

★ 中京で楽しむことができる「京の年中行事」について、その歴史や楽しみ方を紹介する「中京の年中行事」。第3弾の今回は、五穀豊穣を感謝する秋の祭礼「瑞饋(ずいき)祭」について紹介します。

 瑞饋祭は、五穀豊穣を感謝するために、京都市上京区にある北野天満宮で開催される秋の祭礼です。上京区民だけではなく中京区民にとっても重要な年中行事の一つで、開催期間中、秋の野菜や穀物等でつくられた祭の象徴ともいえる「瑞饋御輿(ずいきみこし)」が西ノ京の北野天満宮御旅所(おたびしょ)に飾られ、10月4日に北野天満宮まで巡行する様子はこの祭の見どころの一つです。

 今回は、その瑞饋御輿を作り・奉納をしている「西之京瑞饋神輿保存会」の荒田会長に、瑞饋祭への思いや瑞饋御輿の歴史についてお伺いしました。

 10月1日から5日間にわたって行われる瑞饋祭。1日には北野天満宮の本社から西ノ京の御旅所まで神幸行列が行われ、2日、3日に御旅所にて献茶会などが執り行われた後、4日の還幸祭で御旅所を出発した御輿行列が氏子地域を練り歩きます。

 祭の始まりは平安時代にまでさかのぼるといわれています。西ノ京の神人(じにん)が秋の収穫時期に五穀豊穣を感謝し、農耕に必要な雨をもたらす雷神(天神)として崇拝される菅原道真公を御祭神として祀る北野天満宮に、穀物や野菜をお供えしたことが始まりといわれています。お供えする穀物、野菜の飾りつけは年々工夫を凝らしたものへと変化していき、約400年前に「御輿」になり、約200年前から現在の形になって巡行が行われていたといわれています。

 瑞饋御輿は「ずいき」の読みにちなんでサトイモの芋茎(ずいき)で屋根をふき、御輿の四方の角を飾る「瓔珞(ようらく)」や「真紅(しんく)」と呼ばれる柱などの各部品も野菜や穀物等で飾り付けられます。御輿の各部品は、そのほとんどが保存会会員の畑で栽培した農作物を使って飾られており、御輿づくりは、9月1日の千日紅(せんにちこう)摘みから始まります。奉納までの1箇月間、集会所では保存会の方々の作業が続きます。「真紅(しんく)」には赤白の千日紅で「天満宮」の文字を浮かび上がらせ、欄間(らんま)、桂馬(けいま)、腰板(こしいた)と呼ばれる御輿の側面を飾る部品は、会員が趣向を凝らし、歴史上のお話や流行の題材を取り入れながら、毎年新しく作ります。

 「完成した瑞饋御輿を見ていただき地域の皆さんに喜んでもらえることが嬉しい」と荒田会長。「この伝統ある祭を継承していくというプレッシャーもあるが、御輿を作り上げた達成感は非常に大きく、やりがいを感じることができる」と、毎年の御輿の制作への強い意気込みも語ってくださいました。

 こうして農作物で鮮やかに彩られた御輿は4日に、中京区と上京区にまたがる地域を、五穀豊穣を感謝しながら賑やかに巡行し、巡行が終わり解体されるまで、多くの人々の目を楽しませてくれます。

 野菜の栽培から始まり、飾り付けや技術の継承など、保存会によって伝統が受け継がれてきたこの祭ですが、保存会の会員だけでなく、地域の方々も御輿制作や巡行に参加されており、大学生などの若者も含め、多くの方々によって支えられています。今年は3年ぶりに巡行が行われますが、コースが短縮されます。来年は従来どおりのお祭りに戻せることを願っておられます。地域に根付き、長年守り続けられてきたこの伝統行事に私たちが楽しみながら関わることで次の世代へつないでいきましょう。


瑞饋御輿(令和3年)


瑞饋御輿の制作の様子(令和3年)


西之京瑞饋神輿保存会の荒田会長

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