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京都市中京区

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中京の年中行事 祇園祭

ページ番号298702

2022年9月30日

祇園祭

京都市では、伝統文化に親しみ、生活文化を継承していく機会となっている年中行事の価値を見つめ直し、継承していく大切さを再認識するとともに、その意義を広く市民に発信していくため、「京の年中行事」を“京都をつなぐ無形文化遺産”に選定しています。

そのなかから、中京で楽しむことができる「京の年中行事」について、その歴史や楽しみ方を紹介するコンテンツ「中京の年中行事」。第1弾の今回は京都の夏を華やかに彩る祇園祭を取り上げます。

1 動画について

令和4年の「山鉾巡行」や「粽づくり」、「曳き初め」の様子を美しい映像とともにご紹介します。中京の夏にぴったりのお祭りに関する伝統産業品の紹介もございますのでぜひご覧ください。
https://youtu.be/1TLJ7NKTAyE外部サイトへリンクします

下記の放下鉾保存会へのインタビュー記事も合わせてご覧ください。

※下の画像をクリックすると動画ページへ移動できます。

中京の年中行事1 祇園祭

⇧画像をクリックして動画へジャンプ

2 インタビュー記事(令和4年5月31日更新)


 日本三大祭の一つで,毎年7月に開催される祇園祭。約1150年前の平安時代前期,京都をはじめ日本各地に疫病が流行した際に,神泉苑に66本の鉾を立て,祇園(八坂神社)の神を祀り,神輿を送って疫病退散を祈った御霊会(ごりょうえ)が起源と伝えられています。

 1箇月間にわたり,多彩な行事が行われますが,なかでも祭のハイライトとして毎年注目を集めるのが「山鉾巡行」です。八坂神社の神輿が渡御(とぎょ)する神幸祭(しんこうさい)(17日)と還幸祭(かんこうさい)(24日)に先立ち,町の邪気や穢れを清めるための行事として巡行は行われます。「動く美術館」と称されるきらびやかな装飾が施された山や鉾が連なり「コンチキチン」の祇園囃子が響くなか通りをゆくその眺めは壮観で,巡行順を確認する「くじ改め」や大迫力の「辻廻し」など,見所が盛りだくさんです。

 今回は,祇園祭を盛大に盛り上げる山鉾の一つ「放下鉾(ほうかほこ)」を管理する公益財団法人放下鉾保存会で理事長を務めておられる川北昭さんに,祇園祭への思いやその楽しみ方などについてお伺いしました。

 千年以上続いている祇園祭。その意義はどういったものなのかとお尋ねすると,「この現代においても,疫病の克服を祈るための神事であることは変わらない」とのこと。山鉾の巡行が中止となった2021年7月,放下鉾保存会は新型コロナウイルス感染症の退散祈願のため「厄除け粽(ちまき)」を京都市へ提供。一般的に,厄除けのお守りとして玄関に吊るされるこの粽は,市内の社会福祉施設へと配布されました。昨今のコロナ禍によって,祭の起源である疫病退散への祈りが改めて強調されることとなりました。

 また,「長く受け継がれてきた伝統ある祭を守っていかなくてはならないという『使命感』を強く感じている」と川北さんは強調します。祭を継続していくことは,長く続く「祭」そのものの文化を絶やさないということに加え,その祭を支えている様々な文化を守ることとつながっています。例えば,山鉾を形作る部材の確保や修繕を行うような職人の技術は,祭が継続されていくことで次の世代へと継承されていきます。こうした周辺文化を守っていくことも祭の継承に内包された「使命」の一つなのかもしれません。その点では,今年約200年ぶりに山鉾巡行に本格復帰する「鷹山」へ,放下鉾からは,車軸の上で櫓(やぐら)全体を支える役割を担う部材である「石持」を提供されています。放下鉾が提供した石持は約130年使われたもので,長年使用できるものではないものの,新しい部材を確保することは簡単ではないことから,鷹山が新材を確保できるまでの臨時部材として使用されています。このように,各山鉾同士のつながりも強く,公益財団法人祇園祭山鉾連合会を中心として支え合い,協力し合ってこの祭の継承に尽力されています。

 そんな祇園祭に私たち中京区民はどう関わり,この素晴らしい行事を次の世代へとどのように継承していくことができるでしょうか。

  「祭自体を楽しんでいただくことが,文化の継承への一番の貢献になるのではないでしょうか」と川北さん。山鉾を華やかに彩る絨毯やタペストリーなどの懸装品と呼ばれる装飾品は,有名な画家によって描かれたものや,インドやベルギーなど異国のものまで,多種多様です。伝統工芸品や文化財としての価値も非常に高く,宵山や巡行の際に鑑賞して楽しむことができます。保存会としては行事中になかなか丁寧な解説ができないため,「誰が描いたどういった作品なのか」など,ある程度前もって調べてから鑑賞するのもオススメなのだそう。さらに,実はその装飾品も毎年全く同じというわけではなく,その年度によって掛け変えることがあるといいます。毎年お目にかかる機会がある地域の方々にとってはそういった変化に注目することもこの年中行事の楽しみの一つになっているようです。

 また,私たちが祭に関わることができるのは,山や鉾を鑑賞できる宵山や巡行に限りません。山鉾町のお会所で販売される「厄除け粽」は町内の方のみならず,地域のボランティアの方々の手によって心を込めて作られてきました。さらに,山鉾が組み上がった後,巡行に先立ってきちんと動くかどうか試運転をする「曳き初め」では,その場に居合わせた人なら老若男女どなたでも参加することができ,山や鉾が実際に動く迫力を間近で感じることができます。

 京都市民はもちろん,日本全国,海外からも大きな注目を集める祇園祭。その舞台の中心で暮らす中京区民として,祭を楽しみ,祭に愛着を持ち続けることが,魅力あふれるこの文化を後世へ継承していくということなのかもしれません。

 ぜひ今年は,3年ぶりに実施される「山鉾巡行」をはじめとした祇園祭をじっくりお楽しみください。


公益財団法人放下鉾保存会
川北昭理事長


お会所での粽づくりの様子(2019年)


多くの一般客が参加する曳き初めの様子(2019年)

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