京の伝統産業品展
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2020年12月4日
京の伝統産業品展
伝統行事やくらしの文化,歴史的景観等の文化資源が豊富な中京区では,文化や芸術と密接に結びつきながら,日々のくらしの中に伝統産業品が溶け込んでいます。
区民が気軽に作り手である職人の匠の技や心に触れ,伝統産業品をより身近に感じてもらうため,京都伝統産業ミュージアムや中京区に工房・ショップ等を持つ事業者などの協力を得て,令和2年11月20日から12月3日までの期間,中京区役所の区民ホールにて「京の伝統産業品展in中京区役所」を開催しました。この度,展示した作品を「なかなか中京」でも紹介しますので,ぜひ御覧ください。
京友禅
(京都伝統産業ミュージアム様より提供)
白生地に花鳥風月などの模様を染め上げる京友禅。その華やかさは京友禅の大きな特徴です。手描友禅と型友禅に大別されますが,手描友禅は,江戸時代中期(17世紀後半)に京都の宮崎友禅斎によって技法が大成され,友禅染の名前のもととなりました。型友禅は明治時代初期に京都の広瀬治助によって開発されたもので,模様を写し取った型紙を使って染める技法です。多くの工程を経てつくられる京友禅の華麗さは,わが国を代表する工芸品にふさわしいものです。
京扇子
(京都伝統産業ミュージアム様より提供)
扇子は日本で生まれ,中国やヨーロッパにまで伝わった工芸品です。京都はその発祥の地だといわれています。平安時代初期(8世紀末~9世紀頃)からつくられはじめ,16世紀頃には現在のような技法が確立されました。茶道,香道,舞踊などの文化が花開いた京都だからこそ発達した工芸品だといえます。
京扇子には非常に多くの種類があり,形状,素材など用途に応じた美の形が追求されています。木板を束ねた板扇と,竹を骨にして紙や絹を貼った貼扇とに大別されます。
京人形
(京都伝統産業ミュージアム様より提供)
災厄を身代わりしてくれるものとして,また愛玩用として日本人の生活に深い関わりをもってきた人形。京人形は,平安時代(8世紀末~12世紀),貴族の子どもたちの遊び道具であった「ひいな人形」がその起源だといわれ,今日では,浮世人形,雛人形,五月人形,御所人形,市松人形など多くの種類がつくられています。頭,髪付,手足,小道具,着付などに製造工程が分業化されているのが特徴です。技術の高さと,細部まで丁寧に仕上げる伝統が高く評価されています。
京こま
(雀休様より提供)
古代のこまは宮廷の儀式として用いられていましたが,時を経て,神祇性が薄れたこまは貴族階級の遊具となりました。京こまは,安土桃山時代(16世紀)に上流階級の女性たちが着物の端切れを竹の棒を芯にして巻き付け,こま状にして室内で回した遊具に由来します。
木を削り出した通常のこまと異なり,竹の心棒に先染めの糸を帯状にした紐を巻き付けているのが特徴です。西陣織や友禅の絹を細長く裁断した紐を用いることもあります。回して遊べる色鮮やかな京こまは,かざりものとしても親しまれるようになりました。
薫香
(株式会社松栄堂様より提供)
香りによってその場の雰囲気をつくる香の文化は,1300年ほど前に中国から伝わりました。貴族の間で流行し,室町時代(14世紀~16世紀)には茶道に取り入れられて,やがて香道として完成されました。
仏教,茶道の中心地であった京都では早くから薫香の生産が行われ,現在では寺院各本山で使われる焼香や線香,また宮廷文化から発展した匂い袋や練香などさまざまな製品がつくられています。日常生活に潤いをもたせる香りの文化は,海外からも注目されています。
京袋物
(山田繊維株式会社・むす美様より風呂敷を提供)
装粧品が一般に広く用いられるようになるのは,桃山時代(16世紀)以降のことです。紙入れ,たばこ入れ,風呂敷,手提げなどの京袋物は,江戸時代(17世紀~19世紀)以降,京都のみやげものとして盛んに求められるようになりました。現在,京袋物は,友禅染などの優れた生地によってつくられています。四季折々に新しい柄がデザインされ,気品のある形や色彩が特徴となっています。
京の色紙短冊和本帖
(長谷川松寿堂様より千代紙を提供)
(長谷川松寿堂様より懐紙入れを提供)
平安時代(8世紀末~12世紀)に染紙を使った歌集や詩書がつくられ,金銀の切箔を蒔いた華麗なものもありました。これが色紙や短冊の原型とされています。
短冊は色紙の略式化されたもので,鎌倉時代(13世紀)に寸法などが決められたようです。いずれも宮廷や寺院から一般へと普及しました。和紙を金泥や金銀箔を使って飾った色紙・短冊は古くから京都の特産品として発達し,各産地へと伝えられました。現在も昔ながらの技法が受け継がれています。
お問い合わせ先
京都市 中京区役所地域力推進室総務・防災担当
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