平成25年度第3回京都市医療・福祉施設の省エネ・節電対策普及研究会について
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2020年9月8日
平成25年度第3回京都市医療・福祉施設の省エネ・節電対策普及研究会について
本市では,温室効果ガス排出量が増加傾向にある民生・業務部門の対策強化を図るため,事業者,大学,京都市など様々な主体が協働して,効果的な省エネ・節電手法の検討等を行う「民生・業務部門施設への省エネ・節電対策普及事業」を実施することといたしました。
今年度は,本市の所有する医療施設に,エネルギー管理システム(以下,「BEMS※1」という。)を導入し,得られた情報をもとに,医療・福祉施設における効果的で多様な省エネ・節電手法を検討してまいります。
このため,学識経験者,関係団体,民間企業(BEMSアグリゲータ※2等)及び京都市により構成する研究会を設置し,BEMSの持つ機能の検証,有効な活用方法及び普及促進策の研究を進めることとしています。
この度,第3回研究会を下記のとおり開催いたしました。
(※1)BEMS:Building Energy Management Systemの略語であり,ビル等の建物内で使用する電力使用量等を計測蓄積し,導入拠点や遠隔での「見える化」を図り,空調・照明設備等の接続機器の制御やデマンドピークを抑制・制御する機能等を有するシステムのこと。
(※2)BEMSアグリゲータ:一般社団法人環境共創イニシアチブにより認定された,施設へのエネルギー管理 システムの導入及びエネルギー管理支援サービス(電力消費量を把握し,節電を支援するサービス)を実施する事業者。
概要
日時 平成25年12月10日(火曜日) 午後2時~午後4時
会場 京都市役所本庁舎G会議室
内容
(1)京都市桃陽病院へのBEMS設置及びデータ分析報告について(9,10月分)
ア 桃陽病院の計測ポイント概説(再確認)
イ 計測データ状況報告
ウ これまで判明している桃陽病院への省エネ・節電方法説明
(2)医療・福祉施設の省エネ・節電及びエネルギー管理システム導入に関するアンケート
アンケート結果
(3)意見交換
議事要旨
○ 京都市のエネルギー政策について
・ 京都市では,エネルギー政策の方向性を示す「京都市エネルギー政策推進のための戦略」を策定しており,同戦略では「原子力発電に依存しない社会」を目指すこととしている。
・ 同戦略では2020年度までに2010年度と比べて年間のエネルギー使用量を15%以上削減することとしている。また,再生可能エネルギーの導入拡大についても積極的に取り組むこととしており,2020年度までに2010年度と比べて再生可能エネルギーの導入量を3倍以上とすることとしている。
・ 平成26年度の予算では「BEMS普及コンソーシアム」の創設を掲げており,医療・福祉部門,オフィス部門,宿泊部門(旅館・ホテル)等,民生・業務部門の業種毎の関係者にBEMSの効果などを周知し,中小事業者が導入しやすい環境を整備する。
○ 京都市桃陽病院へのBEMS設置及びデータ分析報告について(9,10月分)
・ 目的はBEMSの導入ではなく省エネの推進及びコストダウンである。BEMSありきの議論ではなく,省エネにおけるBEMSの位置付けを明確にしたうえで議論する必要が有る。
・ 病院施設でも既に省エネの取組は実施しており,BEMSによらず電気料金やガス料金の推移により効果を把握している。
・ BEMSを用いれば,快適性を損なわない省エネと我慢の省エネとを切り分け,快適性を損なわない省エネのみを採用することができる等,様々なBEMSの効果の説明の方法がある。
・ BEMSにより見える化を図るだけではなく,専門家による分析が必要である。
・ 京都市桃陽病院は比較的規模の小さな施設であり,BEMSによるデータ分析の結果もシンプルなものだが,大規模な施設ではデータ分析の専門性が向上し,BEMSの効果がより発揮されるのではないか。
・ 施設規模に応じてHEMSなど簡易版BEMSの適用を検討することが望ましい。
・ 最近の介護サービスは個別のケアが主流となり,利用者の生活パターン多様化に伴い一律の省エネ・節電の実施は難しくなった。
・ BEMSを導入して検討してもコストパフォーマンスが得られないこともあり,コストパフォーマンスを予見する方法についても今後議論したい。
○ 「医療・福祉施設の省エネ・節電及びエネルギー管理システム導入に関するアンケート」の結果
・ 医療・福祉施設における省エネ・節電の実施状況やBEMSの導入について,施設管理担当者の認識の状況を把握することにより,省エネ・節電やBEMSの導入に関する課題を発見することを目的としてアンケートを実施した。
・ 医療施設と福祉施設とでは似たような傾向であり,省エネ・節電に関する関心は同様であることが伺える。
・ 多くの施設で省エネ・節電の取組みがなされているものの,専門的な知識を持った職員が取り組んでいるところは少ない。
・ いずれの施設もBEMSの導入には至っていないが,当研究会における研究成果については8~9割の方が興味を持たれているという状況である。BEMSの費用対効果を明らかすることで普及に繋がるのではないか。
・ 研究成果は,桃陽病院独自の事例と桃陽病院以外でも使える事例とを整理したうえで情報発信するのが望ましい。
・ 研究成果を情報発信したうえで再度アンケートを実施し,結果がどのように推移するかを確認したい。
○その他
・ BEMS,HEMSの次のシステムとしてMEMSという,センサーと中央制御装置との無線通信による安価なシステムも開発されつつある。
・ 無線通信によるシステムを医療・福祉施設で用いる場合,心臓ペースメーカー等医療器具への電波干渉を避ける必要が有る。実験可能な事項であり,データを蓄積することが必要である。
お問い合わせ先
京都市 環境政策局地球温暖化対策室
電話:075-222-4555
ファックス:075-211-9286