令和6年度みやこユニバーサルデザイン賞 受賞作品概要
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2020年10月27日
大賞
ドアブロック/小玉 すみれ(西ノ京中学校・3年)
【作品概要】
視覚障害者が安全に歩行するためにある点字ブロックに付属するかたちで、ドアの位置、種類が分かる(踏むことで)ブロック。「1人の時どう開けるか分かりにくい」を解消する、だれにでも公平に利用できる公平性、組み合わせて使えるため自由度が高い、ドアが開くときの軌道のままでデザインしているので、直感的にドアの種類が分かるかんたんなデザインを工夫した。それにより必要な情報をすぐ理解できる。色弱の方にも見分けやすい、黄(点字ブロック)と青(このブロック)のカラーリングも工夫した。

【審査コメント】
誰しも一度は経験したことのある困りにアプローチしている作品だと感じました。視覚障害者だけでなく、多くの人がドアの位置と形状を直感的に理解できる、シンプルながらも画期的なアイデアです。
様々なドアの種類に対応できる点や、色使いに工夫している点も評価できます。実現可能性の高いユニバーサルデザインではないでしょうか。
優秀賞
声であくくつ/田中 楓夏(七条第三小学校・4年)
【作品概要】
声であくから、手の不自由な人にも、目が見えにくい人にも、小さな子どもやお年寄りにも便利です。くつひもタイプだけでなく、長ぐつもつくって、雨でもはじけるようにしたところは工夫したところです。ボタンの工夫したところは、目が不自由な人が少しでも見やすくなるように、黄色にしたところと分かりやすいように光らせたところです。くつひもタイプはほどけない所も工夫しました。

【審査コメント】
外出時には誰もが使う靴の不自由を解消したいという着眼点が素晴らしいです。
声で調整できる発想は、誰にとっても便利な面白いアイデアだと思います。「とくていの言葉」も魔法の言葉みたいで楽しいですね。
マルチレーザーカットくん/宮木 奏実(個人応募・小学4年)
【作品概要】
玉ねぎを切っていると目がしみ、あけられなくなったことをきっかけに、目や耳、身体が不自由な人をはじめ、高齢者から子どもまで安全に食材をカットできる方法を考えた。
カットの種類は9種類あり、高圧水であらったり、皮むきもできる。野菜の重さや位置(形)をデータ化してレーザーでカットする。音声反応機能搭載なので、音声だけで機械を動かすこともできる。

【審査コメント】
応募者自らが玉ねぎを切っていた時の経験に着想を得て生まれたアイデアに感心しました。アイデアを考えるにあたり身体が不自由な人だけでなく小さな子どもや高齢者にも思いをはせ考えた過程がユニバーサルデザインを体現しています。この作品が実現すればぜひ使ってみたいです。
感知時計~3種類の機能搭載~/水戸 愛葵、ファム・ホン・ジィエップ(京都教育大附属桃山中学校・1年)
【作品概要】
この時計に取り入れた工夫点は3つあります。これらの工夫は、聴覚障害者や高齢者向けに取り入れました。
1つ目は、クラクションや自転車のベルの音を感知すると、時計が振動を起こすと共に画面が点滅するという点です。2つ目は、人と話すとき、中モードにしておくことで言葉を文字に起こし、画面に表示する点です。3つ目は、災害時に停電が起こったとき、時計の側面のボタンを押すと、音を感知したときに光るところが点灯するという点です。
他にも、充電や時間も表示するように多くの工夫をしました。

【審査コメント】
振動や点滅で危険を知らせることができる時計は、より安全に過ごすためのいいアイデアだと思いました。普段身につける物で事故や災害から身を守る工夫は、気軽に誰でも利用できるものであり、ユニバーサルデザインの考えに通じると思います。
みえほん/山下 さくら(西ノ京中学校・3年)
【作品概要】
誰にでも便利に楽しく使えるように、ページをめくりやすいようにとってをつけたり、絵本で幼児にも視覚しょうがい者も楽しめる、色が分かりやすいカラフルであざやかなにじのような色のとってにしたり、紙だったら手をけがしてしまうのをプラスチックで手をけがしないように防げたり、水がかかってもしみず、はじくのできれいに保てるというメリットもたくさん増やすことを工夫しました。

【審査コメント】
カラフルで楽しい作品です。子供向けの絵本は自分でコーティングするキットが市販されていますが、最初からついていると楽ですね。グラデーションのきれいなつまみは実際に欲しい機能です。
肉ワカ/長谷川 七海(西ノ京中学校・3年)
【作品概要】
視覚障害をもつかたや、子供、肉を焼くのが苦手な人が肉の焼け具合が分かるようにするアプリ。アプリ自体の色を色覚障害者が比較的見やすい青をメインの色にした。また、認しきした肉をかこむ枠の色も見やすいかつ、お店の色にもなじまず分かりやすいような黄色にした。視覚障害をもつかたは、見ても分からないと思ったので、話せる機能をつけた。子供でもわかるように、基本ひらがなかカタカナ。漢字もルビつきにした。

【審査コメント】
肉の焼き加減は誰しも判断に迷うことがありますが、このアプリがあれば簡単に安全に食事を楽しむことができます。様々なユーザー層が使いやすいように考慮された点も評価できます。
AOD-アード-/福永 光希(西ノ京中学校・3年)
【作品概要】
僕は、足を使わずに演奏できるドラムを考えた。まず、このドラムの最大の特徴は、腕だけで演奏できるという所だ。バスドラムやハイハットのフットをドラムスティックについているボタンで操作することで、腕だけでの演奏を可能にしている。また、可動域を小さくすることで、省体力とスペース確保ができる。色は寒色系をメインにしていて、集中しやすいようにしてある。また、面に黒い円状の大きめの印をつけることで、色弱者でも識別しやすいようにしてある。ドラムスティックを持つ所を指の形に合わせることで、持ちやすく飛んでいかないようになっている。

【審査コメント】
手足を使わないと演奏できないドラムを、足を使わずに演奏できるデザインにしている革新的なアイデアです。
車いすのまま演奏できるように配慮されている点も評価できます。
みんなで食べれるミネストローネ/宮田 倖々梛(西ノ京中学校・3年)
【作品概要】
半身麻痺の人でも楽しい食事ができるようにカップには、持ち手の部分を広くしたり、あつくないようにシリコン部分を入れること、中がななめになっているので最後まですくいやすくすること、底にシリコンをつけることですべりにくく食品を支えなくても食べれるようにしました。また、カップの色を暖色系でまとめることであたたかみがましたり、食欲がますようにしてみました。スプーンには、つかみやすいよう凹凸をつけることで手にフィットしやすくしたり、シリコン素材ですべりにくいこと、ひっかけがあり、スプーンがカップにすべりおちないこと、先端をまげて手をまげなくても口にスプーンが運びやすいように工夫しました。中には、パン入りミネストローネにしました。半身麻痺のある人は、日ごろパンなどが食べられないと知ったので、パンを入れて口の中でもまとまりがあるようにしました。

【審査コメント】
カップとスプーンに多くの工夫が施されていて、身体の不自由な人だけでなく、子どもから高齢者まであらゆる人々にとって使いやすく、実用性の高いアイデアです。色使いの心遣いも素敵です。
にぎりたカッター/井本 康介(西賀茂中学校・3年)
【作品概要】
形が球体で、力がない人でも引くと紙が切れるようになっている。球体に力を少しいれるとカバーがはずれたり閉じたりできる。

【審査コメント】
力がうまく使えない人がいることを知って考えたアイデア。誰でも握りやすい球体を採り入れる発想が面白いです。安全性も考えられていて、誰でも使いやすいデザインになっています。
「にぎりたカッター」というネーミングも、このアイデアを見事に言い表していますね。
エンボストランプ/小田 詩珠(西賀茂中学校・3年)
【作品概要】
端にある記号と数字を盛り上がらせることによって、触れば視覚障害のある方は何の形か分かり、小さな子供が数を覚えるのにも役に立つ、といった点からユニバーサルデザインだと考えました。
工夫した点は、現在販売されているトランプには点字がついているものもありますが、点字の読み書きができる視覚障害者の方は視覚障害者全体のうち、10%前後と言われていて、視覚障害者の方全員が点字を理解できるわけではない為、点字が分からなくても視覚障害のない方と同様に楽しめるようにしようとした点です。

【審査コメント】
「みんなが一緒に楽しめる」という今回のテーマにぴったりなアイデアです。子どもが楽しく数の勉強ができるという、通常のトランプにはない利点も素敵です。
点字の識字率を調べて、別の解決策を考えた過程も評価したいです。
Octorella(オクトレラ)/吉川 幸歩(すばる高校・3年)
【作品概要】
雨の日の電車内で座っている人の傘が通路に出ているとき、目の不自由な人が傘に躓くのを防ぐことができる。工夫した点は、吸盤が取れやすいように、ハートの出っ張りを付けたところです。

【審査コメント】
簡単な仕組みで使いやすさがありつつ、色みやハートのデザインで明るく楽しい雰囲気があり、機能性とデザインのバランスに優れた作品です。電車に限らず、傘の置き場に困る場面で広く活用できそうですね。
お問い合わせ先
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