令和4年度みやこユニバーサルデザイン賞 受賞作品概要
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2020年10月27日
アイデア部門 大賞
だれでもけいほうき 今田 咲笑(桂東小学校・4年)
【作品概要】
学校で地しんがおこった時に、さわがしくてほうそうが聞こえなかった。だから、これをつかえば、しかくしょうがい者も、聴覚しょうがい者でも、にげおくれないと思ってこれを作った。あと、学校のほうそうはなにがあったか分からないから、なにがあったか分かる 。いつおきてもいいように、ソーラーパネルで充電できる。

【審査員コメント】
視覚障がいや聴覚障がいのある人、大人、子どもに関係なく、緊急時にどのことについての警報か知ることができ、多くの人の命を守ることにつながるアイデア。自身の経験を通して、他の人の困りごとにも目を向け解決しようとする姿勢も素晴らしいです。
アイデア部門 優秀賞
くふうバス 森﨑 心愛(桂東小学校・4年)
【作品概要】
不自由な方、おとしより、おこさま、にんぷさん、こどもづれなど、だれもがのってもいい、だれでもバスを思いつきました。おとしよりの方々の気持ちを考えると、だんさがこわい、のっていいのか、なやむことがあるようなので、板が自動で出たり、目の不自由な方のため、行き先をきちんとバスの外がわにいても聞こえるように音声つきにしました。この人たち全員乗ってOKという気持ちをこめてOKバスカードの発行も思いつきました。

【審査員コメント】
乗車の際にスロープが自動で出てきたり、車内に赤ちゃんが泣いたときの防音コーナーがあるなど、誰もが乗れるバスのアイデア。様々な人のことを想像しながらアイデアをまとめる過程でユニバーサルデザインの考え方を実践していて、頼もしく感じました。
WORLD自動販売機 松宮 有希(桂東小学校・4年)
【作品概要】
飲み物を自動はんばい機で買おうとしたとき、上にある飲み物を買えなかった。
普通の自動はんばい機とちがうところは、おつりを出すところがレバーじゃなくてぼたんのところや、くるまいすの人や子どもでもぼたんをおせるように下にもぼたんがあるところや、くるまいすの人が入るようにつけたくぼみなど。

【審査員コメント】
自らの不便な経験を発展させ、より使いやすくするために数々のアイデアを加えた自動販売機に感心しました。車いすの人が利用しやすいように、下にくぼみをつけるなどの心配りもユニバーサルデザインとして優れています。
色で分かる!白線の改良 久貝 知弘(下鴨小学校・4年)
【作品概要】
色できけんかが分かったり、目の見えない人でもでこぼこがあり、また赤い所には熱を感知するセンサーがついていて、感知すると「左によってください」とこうか音がなる。

【審査員コメント】
視覚や聴覚で訴える方法で、誰にでも優しい歩きやすい道路になると思います。熱で感知し、音声で脱線を知らせてくれるアイデアにも感心しました。
みんなでわくわく遊園地 寺元 沙帆、江口 瑠香、大石 陽菜、渕橋 妃椛(洛北中学校・1年)
【作品概要】
遊園地なので、アトラクションの楽しさをそのままでより乗りやすいようにと考えました。主に車いすに乗っているという前提の物が多いですが、子ども、外国人などでも使いやすいようにと考えたものもあります。
それぞれ、金具を付ける、追加でちょっとした機能をつけるといった簡単なものですが、「追加でつける」ということで元のアトラクションでも楽しめるといった工夫もあります。

【審査員コメント】
一般的なアトラクションは、車いす使用や身長の制限があるものがほとんどですが、なぜ誰でも楽しめるユニバーサルデザインとしての発想で遊園地をとらえなかったのか、大切なことに気づかせてくれた作品です。
ブラインドマップ 石井 そら、﨑原 奏太、中村 琉成、堀 恋杏(洛北中学校・1年)
【作品概要】
現在、多くの人が使用しているナビゲーションでは、車、徒歩、電車などでの移動方法を選ぶことができます。しかし、私達が考えたナビゲーションは、それだけでなく、「目が見えない」、「車椅子」、「ベビーカーあり」などの条件も入れて、目的地へのより安全な経路を検索することができます。

【審査員コメント】
多くの人がスマホのナビ機能を使用していますが、車いすやベビーカーを使用している方は、エレベータの情報が、目の見えない方には音声案内が必要です。いろいろな人にやさしいナビゲーションシステムが実現すればいいですね。
濡れずに車内へ Driver Roof 嶋田 瑚次郎(西賀茂中学校・3年)
【作品概要】
一般の方、高齢者の方、体の不自由な人みんなが使える物を考えました。
工夫した所は、よりコンパクトにするために屋根になるシートを蛇腹折りにした所や子どもでも簡単につけられるようにアシストグリップや窓をつかって固定できるようにした所です。
また、あまりめだたないカラーにしたり、シートははじく素材にしたりなど材料にも工夫してみました。

【審査員コメント】
雨をしのげることは多くの人に恩恵をもたらせます。ちょっとした身の回りの不便さを解消することに着目し、多くの人が喜ぶアイデアにまとめた発想がすばらしい。イラストも分かりやすく、伝え方にもユニバーサルデザインの考え方が表れていて好感がもてました。
点字ブロック「やわら」化 宮本 佳歩(西賀茂中学校・3年)
【作品概要】
このデザインは母との会話の中で思い付きました。点字ブロックは視覚障がいをもつ方にとって大切なものだと思います。しかし、道が狭く、やむを得ずブロックを踏むとき、「でこぼこ」により不自由さを感じ方がいると思いました。
そこで、私は「でこぼこ」の部分のみを「やわら」化し、“見た目は変えない”というユニバーサルデザインを考えました。ポイントだけを変えることで視覚障がいのある方はもちろん、「たくさんの誰かの負担をちょこっとずつ減らしていける」そんなデザインになりました。このデザインが誰かの助けの一つとなれば嬉しいです。

【審査員コメント】
車いすやベビーカーでの通行時の問題を解消するため、点字ブロックの役割や意味をきちんと調べ、素材のことなど詳細に調べ検討している点が評価できます。視覚障がいの人にとって、点字ブロックの柔らかさをどこまで許容できるか、我々も調べたいと思います。
点字識字手ぶくろ 貝﨑 絢仁(鴨沂高校・1年)
【作品概要】
元々点字を識字できる人との差がでないように手ぶくろのつくりにした。
場所を問わずにつかえるよう、音声をイヤホンやヘッドホンも使えるようにした。
視覚に障がいのある方のためにあるはずの点字の視覚障がい者内での識字率は1割だと知って、少しでも視覚障がいのある方が便利に過ごしてほしいと思ったことからアイデアが出た。

【審査員コメント】
視覚障がいのある方の点字識字率の低さを知り、その解決法を考えた発想、新しい技術を活用したアイデアが素晴らしいと思います。点字識字率の向上にも役立つだろうと思います。
停まって替えよう 諫本 桃花(鴨沂高校・1年)
【作品概要】
動いているバス内において、人が多い中、わざわざ前まで移動するのは大変だし、足腰が悪い人にとっては危険になりかねない。そこで、バスを待っている間に急かされることなく、ゆっくり両替できるようなものにした。それに加え、車いすや背の低い人にも利用しやすいようにした。ICカードチャージ機能などをつけたら、もっとよくなるかもしれない。

【審査員コメント】
バスの中で両替するという当たり前になっていることから発想を転換し、誰もが慌てず余裕をもって両替ができ、車内事故の防止にも繋がるアイデアだと思います。
音で分かる計量カップ 恩田 結愛(鴨沂高校・1年)
【作品概要】
目が見えない人は料理のとき、どのように調味料の計量をしているのかと思い、このテーマを思いつきました。
目で見ずに計量するために、重さで計量し、音がなるというのがポイントです。又、はかりたい所まで急に「ストップ」とならないようにするため、5秒前からカウントするということを工夫しました。

【審査員コメント】
視覚障がいのある人を想定して考えられたアイデアですが、音で分かることは誰にとっても便利だと思います。
混雑具合予告パネル 菊地 日菜花(鴨沂高校・1年)
【作品概要】
このパネルはバスの混雑具合を色と音声で伝える点がユニバーサルデザインであり、特に色は分かりやすく3色に分けられています。
赤色は座席が満席で立っている人も多いことを、黄色は座席に少し空席があり、立っている人も若干少ないことを、青色は座席に空席があり、立っている人もとても少ないことを表しています。バスの乗車口と降車口にセンサーをつけ、乗車人数・降車人数から車内の人数を割り出すため、乗り降りに影響はありません。
視覚だけでなく、聴覚でも判断できるような点は工夫した点だと思います。

【審査員コメント】
自身が普段バスを利用する際に目にする光景から考えられたアイデア。予め混雑状況が分かれば、ルートの変更を考えることもでき、混雑の分散化にもつながるのではないでしょうか。また、混雑を避けたい弱者への気遣いも自然とできるようになると思います。
エピソード部門 大賞
「おたがい様」 加茂野 眞之介(朱雀第四小学校・5年)
【作品】
母は、ぼくが赤ちゃんの時、階段ばかりの地下鉄構内で、ベビーカーと多くの荷物をかかえながらの移動に、とても苦労したと言う。
だから父は、駅で困っている親子を見かけたら、荷物を持って一緒に階段を上がるなど、手助けをしていたそうだ。「おたがい様」だから。
ぼくも、さっと手を差し伸べられる人になりたいと思う。
【審査員コメント】
ご家族の素敵なエピソードが子どもに受け継がれ、子どもの心を育てているエピソードに心が温まりました。「おたがい様」と助け合おうとする気持ちが、ユニバーサルデザインのベースだと思います。
エピソード部門 優秀賞
「あの時の気持ち」 加古 詩織(桂東小学校・4年)
【作品】
じゅくに行く時、バスに乗っているとおとしよりの方が乗ってきました。席をさがしている様子だったので、勇気をふりしぼって声をかけました。
席をゆずると「ありがとう。」といってくれてうれしくなりました。今でも、その時の気持ちがわすれられません。
これからもわたしたちのまちをゆずりあって笑顔がふえるまちにしたいです。
【審査員コメント】
勇気を振り絞って声をかけ、「ありがとう」と言われた時の気持ちを大切にしていってほしいと思います。こうした気持ちをみんなが持つことでユニバーサルデザインが広がると思います。
「気を使わないで」 津﨑 慶也(京都すばる高校・2年)
【作品】
僕は、サッカーをしている。ある日試合で腕が不自由な方とマッチアップをした。当然、僕は気を使ってしまい体をぶつけ合うときも躊躇をしていた。
しかし僕は考えた。相手が本気でぶつかってきてくれなかったら、相手が本気でゴールに向かってきてくれなかったら、自分はどんな気持ちになるだろうと。
その後自分は相手がどんなハンデを背負って試合に挑んできても、自分は遠慮することなく本気でぶつかろうと思った。
【審査員コメント】
スポーツの場面で手加減することが相手にとってどうなのかということを、自分に立場を置き換えて考えた点が素晴らしいと思います。本当のやさしさとは、「相手にとってどうか」を考えられることだとあらためて気付かされました。
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