まちねこ活動支援事業の10年間の事業評価
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2023年11月9日
本市では平成22年度から「まちねこ活動支援事業」を実施し,地域における野良猫対策の一環として「まちねこ活動」の支援を行っています。支援事業の実施から10年が経過したことから,あらためて本事業の効果を検証しましたので報告します。
京都動物愛護センターの収容頭数と路上死亡猫の頭数との関係
評価
活動地域数や手術頭数が増えていくにつれて,動物愛護センターに収容される所有者不明猫の頭数と路上で死亡した猫の頭数が減少しています。動物愛護センターに収容される所有者不明猫の多くは,産まれたばかりで自活できない子猫であり,「まちねこ活動」の広がりによって新たに生まれる野良猫が減少したことが,収容数(44%減)と路上死亡数(28%減)の減少につながった一因と推測されます。
毎年,一定数の新規の活動地域がありますが,活動中の地域数はここ3年横ばいとなっています。これは,昔から活動していた地域が,猫がいなくなった等の理由により,「まちねこ活動」を終了している場合もあるためです。
活動地域における猫の増減について
令和元年度に活動地域から提出された活動報告書をもとに,猫の頭数の変化を調べました。各地域を活動期間ごとに分類し,猫の増加地域数,減少地域数,変化のない地域数の割合を調べました。
評価
活動1~2年目では,新たに野良猫の存在を把握するなど,頭数が増加した地域もみられましたが,3年目になると猫が減少した地域が増えています。活動6年目以降では猫が減少した地域は100%となっており,一定期間,活動を継続することが地域の野良猫の減少につながることが分かりました。
活動地域当たりの猫の減少頭数について
評価
活動期間が長い地域ほど,一地域当たりの猫の減少頭数が多くなる傾向がみられました。活動期間が3年目を超えるあたりから,猫の頭数が大きく減少しています。避妊去勢手術の実施率を高く保ち,活動を長期間を継続させることが,野良猫の減少に大きな効果があると推測されます。
各地域の活動年数と猫の頭数の変化を示す散布図
評価
まとめ
「まちねこ活動」の10年間の効果を検証した結果,地域の野良猫の頭数は活動期間が3年目を超えるころから減少し始め,5年目以降になると大きく減少していくことが分かりました。野良猫の寿命は約3~5年程度と言われており,地域で管理されている野良猫達が活動期間中に寿命をむかえ,徐々に減っていることが推測されます。
「まちねこ活動」は開始してすぐに目に見える効果があるものではありませんが,長期間継続していくことで効果のある活動であることが分かりました。現在,地域の野良猫の問題でお困りになっている方がおられたら,ぜひ一度「まちねこ活動」の実施を検討していただければと思います。
お問い合わせ先
保健福祉局 医療衛生推進室 医療衛生企画課
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