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令和6年市長年頭訓示

ページ番号321345

2024年1月4日

 皆さん、新年あけまして、おめでとうございます。

 はじめに、元日に発生した能登半島地震におきまして、お亡くなりになられた方々に哀悼の誠を捧げますととともに、被害を受けられた皆様にお見舞い申し上げます。本市でも救助活動等に全力を尽くします。

 既に、被災地に、人命救助活動等を行うための緊急消防援助隊や医療関係者、応急給水のための応援部隊を派遣しております。

 現地の状況をしっかりと把握し、関係自治体等ともしっかり連携したうえで、市民の皆様、職員の皆さんととともに、あらゆる支援活動に全力を尽くしてまいります。

 さて、私が、市長として迎える最後の新年となります。より一層身の引き締まる思いと、感謝の気持ちいっぱいでこの場に立たせていただいております。

 ここにおられる皆さんの凜としたお顔からを拝見していると、今年も市民の皆様のために頑張ろうという熱い気持ちが伝わってきます。大変心強い限りであります。庁内放送で御参加の皆さんも同じ気持ちと拝察しております。

 そして、緊急消防援助隊として、被災地で人命救助に当たっていただいている消防士の方をはじめ、年末年始も休日を返上し、市民の皆様の命と暮らしを守るため懸命に職務に当たっていただいた皆さんに、心から敬意を表します。ありがとうございます。


 さて、昨年を振り返りますと、この間の厳しいコロナ禍を乗り越え、ようやく我が国全土に本来の活気が戻りつつある、そう感じる一年で ありました。同時に、世界に目を向けるとウクライナ・姉妹都市キーウや中東の情勢は予断を許さず、尊い命が失われています。また、長引く物価高もあり国民・市民生活に不安が続いている。さらに、自然災害も厳しい状況にあります。

 そのような中、本市においては、未来への更なる飛躍・発展に向け、大きく取組が進むとともに、4期16年にわたる私の市長としての集大成ともいえる1年でありました。

 

 まずは、「財政再建」であります。

 振り返りますと平成20年の市長就任当時は、リーマンショックの影響を受け、全会計の実質赤字は300億円を超える危機的な財政状況からのスタートでありました。

 こうした状況にあっても京都の未来の礎となる、福祉、子育て支援、教育、安心安全などについては、全国トップレベルの施策・サービス水準を維持・充実しつつ、4,000名を超える職員数の削減など、あらゆる改革を、職員、関係者の御理解の下に断行してきました。

 そして、市長4期目。長年の課題であった財政再建への道筋をつけるため、従来の延長でない「挑戦と改革」を公約に掲げ、改革と都市の成長戦略に全庁を挙げて全力投球しようとしていた矢先の突然のコロナ禍でありました。

 フルオープンでの「行財政審議会」や議会での深い議論を経て、行財政改革計画を策定。議会をはじめ、市民や事業者の皆様の御理解・御協力を得ながら、国との緊密な連携、府市協調の下、あらゆる見直しと都市の成長戦略を進め、10年以上かかるとしていた収支均衡の目標を2年で達成。21年振りの行政改革推進債等を発行しない「特別の財源対策」からの脱却を実現し、財政再建の道筋をつけることができました。改めて、市民の皆様の御理解、御協力に御礼を申し上げ、職員の皆さんの献身的な御尽力に感謝します。

 同時に、これからが大事であります。

 引き続き、気を緩めることなく改革を進めつつ、人口減少対策をはじめ、京都の強みを生かした市民の皆様の豊かさにつながる都市の成長戦略を進め、足腰の強い財政を確立させねばなりません。

 次に、「文化を基軸としたまちづくり」であります。

 私は、この4期16年、一貫して「文化」をまちづくりの基軸に据えるとともに、「京都から文化の力で全国を元気にしたい。」との強い思いで政策を進めてまいりました。

 長年の京都の悲願であった文化庁の全面的な京都移転。明治維新以来初めての中央省庁の移転であります。京都が名実ともに「日本の文化の都」となった誇りとともに、その責任も痛感しております。

 それと軌を一にした、京都芸大・美術工芸高校の移転・開校は、単なる一つの大学等の移転ではなく、文化を基軸とした都市経営に魂を入れる取組であります。

 すでに京都駅の東部や南部エリアで、また、梅小路を中心とした西部エリアで食とアートとものづくりをテーマに文化芸術を中心に、民間主導の新たなまちづくりが大きく始動するなど、文化と経済の好循環が力強く起き始めております。今後こうした好循環を各地に広め、文化で日本を元気に、世界からあこがれられる京都へ一層前進させねばなりません。


 次に、「コロナ禍の克服」であります。

 「市民の皆様のいのちと暮らしを守り抜く。」

 就任以来一貫して私が最も大事にしてきた思いでありますが、この間のコロナ禍ほど、これを強く意識したことはありません。

 3年以上もの長きにわたり、全庁体制で、職員の皆さんお一人お一人が休日昼夜を分かたず総力を挙げて献身していただき、市民の皆様の大切な命と健康を守っていただきました。この本市職員の職員力・チーム力は、私の誇りであります。

 この間の皆さんの献身的な働きに、改めて心から敬意を表するとともに、再びこのような健康危機が生じた際は、この経験を貴重な糧とできるよう、組織的な継承をお願いしたいと思います。


 こうしてこの間の取組を振り返っていますと、私が繰り返し申し上げてきた「危機の時、その危機に真正面から全力で向き合った時にこそ、人は成長し、組織は活性化し、まちづくりは前進する。京都の千年を超える歴史がそれを教えてくれている。」まさに、今、その思いを実感しています。

 職員一丸となり危機的な状況を克服し、明るい未来に向け、確かな展望が開けてきたところであります。同時に、これからが正念場であります。

 決意を新たに新年を迎えるに当たり、皆さんにお願いしたいことを2つに絞り、申し上げます。


 1点目は、「人口減少対策をはじめ重要政策の一層の強力な推進」であります。

 若い世代から選ばれる持続可能な都市を実現するため、この間、景観政策の骨格を大切にしつつ、全市的な都市計画の大胆な見直しを行いました。そして、これと連動した企業誘致やオフィス空間・産業用地の創出、若い方が入手しやすい住居の創出などを一気呵成に推進してきました。

 さらに、先般公表した105もの「人口戦略アクション」に基づき、「住まい・子育て」、「しごと」、「地域」の多様な観点から、市民ぐるみで、まさに一気呵成に飛躍させる必要があり、その目玉事業の1つが「洛西“SAIKO”(さあ、いこう)プロジェクト」であります。

 洛西の魅力を最大限に活かし、それを深化させ、あらゆる取組を集中して進める。そして、この取組を全庁一丸で成功させ、モデルケースとして向島、醍醐、山科をはじめ他の地域、ひいては市域全体に波及し、実行する、これが極めて大事であります。

 同時に、この間のコロナ禍で加速・顕在化した貧困・孤立・格差などの様々な社会的課題。これにしっかり対応し、誰一人取り残さないSDGsの理念を市民の皆様と共有し、これまで以上にきめ細かく重層的に対応することも重要であります。

 そして、これらの重要政策を進める中で、改めて、立ち返っていただきたいのが「現地現場主義の徹底」であります。

 「現場に課題がある。しかし同時に、答えも現場にある。あらゆる課題解決への知恵もエネルギーも現場にある。」この思いの下、13,000箇所を超える市民活動の場などを訪問してきました。

 この経験から、京都の最大の宝は、「地域力」「文化力」そしてそれを支える市民の皆様の「人間力」である、私は改めて確信しています。

 市民の皆様とビジョンと課題を共有し、共に汗を流す「共汗」で、解決に向け取り組んでいく。改めてこのことを胸に刻んでいただくよう、よろしくお願いします。

 

 2点目は、「風通し良く、意欲と活気に満ちた職場づくり」であります。

 16年前の市長就任に当たっては、早朝から全ての職場を私自身が訪問し、「不祥事根絶と市政の刷新」を政策の柱の一つに据え、訴え続けました。それほど組織風土改革は喫緊の課題でありました。現在、職員の意識や組織風土は画期的に大きく改善し、隔世の感があります。

 しかし、組織風土改革に終わりはありません。上司・部下・同僚のコミュニケーションがしっかり確立しており、対話の中から新しい発想や解決への叡智が湧いてくる。一人では解決できない大きな課題も、チームで乗り越える。そこに人は育つ。そんな風通しの良い創造的かつモチベーションが高いクリエイティブな職場を作っていく。この場におられる皆さんには、ぜひ先頭に立って、各職場で特に若い職員に参画してもらいながら、全職員とともに、取り組んでいただきたい。

 では、そのためにどうすればいいか。私はよく、「一笑懸命」という言葉を使います。「一生懸命」の「生」という字を「笑」という字に置き換えた働き方、これが理想であります。笑顔で仕事を楽しむことであります。

 「しかめっ面で懸命に」働いても、「笑いながらいい加減に」働いても、そこに真のチームワークは生まれません。「笑いながら懸命に働く」からこそ、風通し良く、互いに助け合い、また、高め合う意識が醸成され、その結果、仕事の成果も上がり、楽しい職場になっていきます。

 先ほど申した、京都の宝である「市民力」。それを引き出すのは、皆さんの一人ひとりの「職員力」であり、チーム市役所としての「組織力」であります。是非、よろしくお願いしたいと思います。


 結びに、今年は辰年であります。

 龍は「力強さ」の象徴と言われており、本市においても、龍の如く、天へ向かって力強く昇るよう、大きな飛躍の年にしていかねばなりません。

 皆さんの常日頃の御尽力に心から敬意を表しつつ、私自身が市民の皆様、職員の皆さんとともに「画龍点睛(がりょうてんせい)」をしっかりと描きたい。残りの任期、魅力と活力あふれる京都の未来のために、皆さんと共々に全身全霊を捧げることを誓い、新年の挨拶といたします。

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