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令和5年市長年頭訓示

ページ番号307165

2023年1月5日

 皆さん、新年あけまして、おめでとうございます。

 皆さんの凛としたお顔を拝見していると、今年も市民の皆様のために頑張ろうとの熱い気持ちが伝わってきます。大変心強い限りです。私も身の引き締まる思いで、この場に立たせていただいております。

 そして、年末年始も休日を返上し、市民の命と暮らしを守るため懸命に職務に当たっていただいた皆さんに、心から敬意を表します。ありがとうございます。

 

 さて、昨年は、長引くコロナ禍、ロシアによるウクライナ侵攻と、これまで以上に命の尊さや人と人とのつながりの大切さを実感する1年でありました。また、「コロナ禍から市民の皆様の命と健康、暮らしを守り抜く」、「財政危機を克服し、持続可能な行財政の実現に向け、改革に邁進する」。これらへの挑戦を職員一丸となって行い、市民の皆様の御理解と御協力の下に、大きな前進を見た1年でもありました。

 まずは、かつてない規模とスピードで感染拡大した第6波、第7波でのコロナ対応。更に、コロナ禍やそれに追い打ちをかける物価高騰で影響を受けられた市民の皆様、中小企業への支援。市民の皆様のため、京都のため、日夜知恵を絞り、スピード感をもって懸命に対応いただいている皆さんの働きぶりに、改めて頭の下がる思いであります。

 現在も、第8波のただ中にありますが、「感染拡大防止」と「社会経済活動・文化や地域活動」の両立をより強固なものにするべく、引き続き、全力で対応していかなければなりません。

 更に、「行財政改革」。京都の今と未来に責任を持つ視点から議論を尽くし、あらゆる見直しに着手しました。おかげさまで、この2年間で447億円の収支を改善。今後も着実に改革を進めることにより、令和7年度末の公債償還基金残高は、必達目標とした1,000億円を大きく上回る1,400億円を確保できる見込みではあります。しかし、引き続き、気を引き締めて改革を進めていかねばなりません。

 また、昨年は、都市の成長戦略を推進させる大きな一歩を踏み出した年でもありました。例えば、これまでの景観政策の骨格を大切にしつつ、若い人が魅力に感じる働く場や住む場をつくるための都市計画の見直し。侃侃諤諤の議論の末、多くの方々から御賛同をいただきました。そして、これと連動した企業誘致。「オフィス空間や産業用地の創出」と「企業立地支援」を両輪として、ビジネス拠点としての京都の強みを更にアピールし、地域企業の発展はもとより、企業の京都への進出、定着までを支援します。先般の記者会見でも申し上げましたが、この春から、これらを一体的かつ強力に推進してまいります。

 さらに、「2030年CO2排出量正味ゼロ」への挑戦。昨年、環境省の「脱炭素先行地域」に選定されたことを弾みに、「京都議定書」、さらにパリ協定の実行を支える京都ガイドライン誕生の地としての誇りと使命感を胸に、全国に先駆けた取組を、全庁挙げて、また、市民・事業者の皆様と共々に加速させていきます。

 このような、市民の皆様の豊かさや将来の担税力強化、さらには京都の魅力向上につなげていく取組の種が、今まさに様々な分野で芽を吹き始めています。この苗を育て、花を咲かせ、実を結ぶことへ繋げるために、共々に力を尽くす時、京都は更に魅力溢れる都市となります。共々に頑張りましょう。

 

 「コロナ」と「厳しい財政」。この間、本市を取り巻く2つの危機を克服し、京都の未来を確かなものとする、その明るい兆しが見えてきました。まさに、今が正念場であります。

 この間、私が繰り返し申し上げている、「危機の時にこそ、人は成長し、組織は活性化し、まちづくりは前進する。」。京都の歴史が教えてくれています。どのような困難な課題であっても、かならず解決策を見出すことができる。課題が山積していることは、可能性が山積していることでもあります。苦しい時にこそ、一人一人の人間力とチーム力の真価が問われます。

 皆さん、10年後、「あの令和5年の苦しい時に、職員一丸となって、全力で取り組んだから今の自分があり、そして、今の魅力溢れる京都がある。」このように思える、また、市民の皆様からそう評価していただける1年にしていけるよう、決意を新たに、共々に頑張ってまいりたい。

 

 改めて、新年に当たり、皆さんにお願いしたいことを3つに絞り、申し上げます。

 まずは、「行財政改革の一層の推進と、文化を基軸とした成長戦略の本格展開」であります。

 行財政改革の集中改革期間もいよいよ最終年度であります。当初の計画を大きく上回る改革を進めているところではありますが、財政は依然として厳しい状況にあります。職員一人ひとりが、将来を見据え、危機感をもって、改革に取り組む。既存事業を聖域なく見直す。国の財源や民間の資金を積極的に活用する。歳入歳出の両面にわたり、徹底して知恵を絞って取り組むことをお願いします。

 そして、いよいよ本年、文化庁が京都へ全面的に移転します。また、京都芸大、美術工芸高校も京都駅東部の崇仁地域へ移転します。一つの学校の移転ではなく、この機に、文化を基軸とした都市経営を一層展開し、文化芸術が経済価値を生み出し、経済が文化を支える、京都ならではの文化と経済の好循環を創り出し、市民の皆様の暮らしの豊かさ、京都経済の活性化につなげなければなりません。既に梅小路や東九条など、全市の各地で文化を基軸とした新たなまちづくりが次々と展開されつつありますが、更に広げ、加速させてまいりましょう。

 さらに、住む場所・働く場所を創出して若い世代にも選ばれるまちへ。DXや脱炭素などグローバルな時代の潮流を捉えた創造的な取組にも積極的にチャレンジする。魅力あふれる京都を未来につないでいくため、都市の成長戦略を「基盤づくり」から「本格展開」させていく、極めて大事な年であります。また、全国トップ水準の福祉や教育・子育て支援等の取組を市民の方々、特に若い方々に知っていただく努力も必要であります。高い志と気概を持ち、行財政改革と成長戦略の推進、この両輪を進めていただきたい。よろしくお願いします。

 

 2つ目は、「ウィズコロナ社会への対応と、SDGsの一層の推進」であります。

 本年は、我が国においても、コロナとの共存、ウィズコロナがよりスタンダードになると思います。コロナ禍により命の尊さ、社会の在り方などが問われている時、学問、精神文化の拠点都市・京都の果たす役割は、より一層重要であります。

 また、社会・経済・文化活動が活発になり、国内外のより多くの観光客の御入洛や国際会議の開催が期待できます。コロナ禍で大きなダメージを受けた多くの地域企業・中小企業・文化団体にとって、回復から成長へ繋げる大きなチャンスでもあります。

 一方、市民生活に配慮した「持続可能な観光」や、コロナ禍で浮き彫りになった貧困、格差、孤立、虐待など様々な社会課題を抱える方々への重層的な支援の充実が極めて重要になってまいります。社会課題解決へのスタートアップにも更なる注力が必要です。

 持続可能で、誰一人取り残さない「SDGs先進都市・京都」の真価が問われる年となります。これまで以上に本質に照らして考え、また、きめ細かく、一人ひとりの市民の皆様や事業者に寄り添った対応をよろしくお願いします。

 

 そして3つ目は、「コンプライアンスの徹底と、風通しの良い組織風土づくり」であります。

 昨年発生した、局長級職員による収賄事件。市役所の信頼を大きく揺るがすものであり、本事案を市役所全体の教訓として行かねばなりません。

 新年にあたり、改めて、「市民の皆さまからの信頼は何物にも代えがたい行政の根幹である」という公務員倫理の基本に立ち返り、個々の職員の倫理観の向上はもとより、「風通しの良い職場づくり」これらに徹底して取り組んでまいります。

 昨年末の「全庁“きょうかん”推進本部会議」で、私から「質問力」と「対話力」の向上を訴えました。

 上司・部下・同僚のコミュニケーションがしっかりと確立している。対話の中で、職員の抱えている課題や悩みを共有する。そして、職場で、解決への知恵が湧いてくる。そんな風通しの良い創造的な職場を作っていく。この場におられる局長級の職員の皆さんには、ぜひ率先して推進していただきたい。

 また、風通しの良い職場は、新しい発想やイノベーションが生まれるきっかけにもなり、モチベーションの向上にも資するものです。1人では解決できない大きな課題も、チームで乗り越える。創造的で、市民に信頼される市役所づくりを、更に、強力に、進めてまいりましょう。よろしくお願いいたします。

 

 結びに、今年は卯年であります。

 大きな耳で周囲の状況を把握し、力強く跳躍するうさぎのように、京都を取り巻く様々な情報にアンテナを張り、未来に向けた取組を前に進め、大きな飛躍へと繋げていく、そのような1年にしてまいりたいと思います。

 皆さんの常日頃の献身的な御尽力に心から敬意を表し、京都市の明るい未来を切り拓くため、共々に全力を捧げる事を誓い合って、新年のあいさつといたします。よろしくお願いいたします。

 


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京都市 行財政局人事部人事課

電話:075-222-3232、業務改善推進担当、きょうかん推進担当075-222-3050、育成推進・能力開発担当075-222-4572、安全衛生担当075-222-3270

ファックス:075-213-3803

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