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令和4年市長年頭訓示

ページ番号293364

2022年1月4日

 みなさん,新年あけまして,おめでとうございます。

 新型コロナの感染状況に緊張感を共有しながら,皆さんと共に万全の体制を確立して迎えた新年です。こうして皆さんに新年のあいさつができること,大変嬉しく,心強く思います。

 そして,年末年始も休日を返上し,市民の命と健康,暮らしを守るため懸命に職務に当たっていただいた方々に,心から敬意を表します。

 さて,昨年を振り返りますと,「コロナ」と「危機的な財政」という,かつてない大きな課題に,皆さんと共に全身全霊で挑戦した1年でありました。

 「市民のいのちと暮らしを守り,京都の未来に責任を持つ。」

 就任以来,私が最も大切にしているものですが,昨年ほど強く意識した年はありません。

 

 まずは,「コロナ対策」。

 とりわけ,第5波の感染爆発時には,政令市トップを誇る346名の保健師の皆さんをはじめ,全庁からの応援職員の皆さんが,休日昼夜を分かたず,総力を挙げて対応し,自宅療養中に亡くなられる方を一人も出すことなく,大切な命を守り抜くことができました。

 また,前例のない大規模なワクチン接種についても,大きく前進しました。これらはまさに,医療関係者との連携を深めたうえで,京都市職員の職員力,チーム力を存分に発揮いただいた成果であると大変誇らしく思います。皆さんの献身的な働きに,改めて頭の下がる思いであります。

 現在,感染状況は極めて重要な局面となっています。オミクロン株に十分警戒し,第6波を招かない感染防止策を徹底。同時に,第5波の2倍の感染者が出ても対応できる医療・検査・相談体制,保健所体制を整備し,市民の皆様の命を守りぬく。さらに,ワクチンの3回目接種などの迅速かつ着実な推進が重要であります。

 

 次に,「危機的な財政」。

 フルオープンでの「行財政審議会」や議会での侃々諤々の議論を経て,令和7年度までの5年間にわたる「行財政改革計画」を策定しました。特に令和5年度までの3年間の集中改革期間,そして,来年度の予算編成が重要であります。行財政改革計画をきっちりと実現した時,財政危機から脱却し,未来への展望が開けます。

 「まずは隗より始めよ」と,職員数の更なる削減をはじめ,苦渋の選択ではありましたが,職員の皆さんの給与カットもお願いいたしました。

 また,市民の皆様に丁寧な説明を重ねながら,限られた財源を吟味・再配分し,敬老乗車証の利用料金の見直しなど,京都ならではの福祉や子育て支援,教育などを持続可能なものにするための改革を進めてまいります。

 改革は緒に就いたばかりであります。引き続き,聖域を設けずに,持続可能な財政を確立し,魅力あふれる京都を未来へとしっかりと引き継ぐため,あらゆる見直しを進めてまいります。

 

 そして,これらの危機を克服すべく,第一線で奮闘していただいている職員の姿を見て,改めて実感したことがあります。

 「危機の時こそ,人は成長し,組織は活性化し,そして,都市は前進する」。

 京都の千年の歴史は,疫病と自然災害など危機との戦いでありました。そして,その危機を乗り越え,より魅力的なまちづくりを進めてまいりました。

 どのような課題や危機であっても,必ず解決策を見出すことができる。苦しい時こそ,一人ひとりの人間力,チーム力の真価が問われる。

 それぞれの職場で直面している困難や課題に,真正面から立ち向かうことを,皆さん一人ひとりの成長,また,組織の活性化の機会としていただきたい。

 そして,「あの令和4年の苦しい時に,職員一丸となって,市民の皆さんと共に全力で改革に取り組んだからこそ,今の京都があり,今の自分がある。」

 この未曽有の危機を乗り越えたとき,このように思える1年にしていけるよう,決意を新たに,共々に頑張ってまいりたいと思います。

 

 改めて,新年に当たり,皆さんにお願いしたいことを2つに絞り,申し上げます。

 1つ目は,「行財政改革とSDGsをはじめ,CO2ゼロ,デジタル化,働き方改革,成長戦略などの重要施策の一体的な推進」であります。

 先ほども申しましたが,行財政改革は待ったなしで取り組まねばなりません。

 一方,約2年にわたるコロナ禍により,京都の経済は大きなダメージを受け,多くの中小企業や地域企業,宿泊・飲食・伝統産業などの事業者が厳しい状況にあります。また,貧困,孤立,格差など,様々な社会的課題が顕在化・加速化しています。

 厳しい財政状況ではありますが,国の補助金や給付金も最大限活用しながら財源をしっかり確保し,市民生活や経済,雇用の下支えを迅速に行うことはもとより,誰一人取り残さないSDGsの理念をしっかり共有し,きめ細かな対応,困りごとを抱えた方々への寄り添った対応が必要であります。

 さらに,CO2ゼロへの挑戦,あらゆる危機にしなやかに対応する「レジリエンス」,人に優しいデジタル化,働き方改革,そして,京都の強みを徹底して生かした成長戦略など,立ち向かうべき課題は山積しています。

 これらの課題は,一見,別々のように思えますが「京都市の目指すべき未来像」や「持続可能なまちづくり」の実現に向けた課題という点において,根幹は全て同じであります。

 それぞれの課題解決に向け,これまでから全力を挙げていただいておりますが,一方で,「木を見て森を見ず」ということにならないよう,「京都市の目指すべき未来像の実現」を大きな軸として,これらの重要施策を一体的に進めていただきたいと思います。

 とりわけ,コロナと財政という大きな危機にあっても,京都の未来を希望に満ちたものにしていくために,成長戦略の推進が重要であります。

 ある著名な経済学者から,「京都市の都市特性を活かしきったとき,京都の未来には希望しかない」,このような言葉をいただき,京都市には,我々も気付いていない素晴らしい都市特性がある,このように感じました。

 そこで,都市計画の見直しや若い世代の移住・定住などの人口増加策,企業誘致,スタートアップ支援,産業用地やオフィスの創出などをしっかりと進め,市民の豊かさ,将来の担税力強化につなげることが大事であります。その種をまき,苗を育て,大きな花を咲かせられるよう,職員一人ひとりが,また,チーム市役所が知恵を絞り,部局ごとの縦割りを排し,民間の活力を存分に活かして挑戦する,このことをお願いしたいと思います。

 今日まで,京都ならではの市民力・地域力・文化力を活かし,経済界,大学,産学公連携の取組,みんなごとのまちづくりなど,様々な市民参加の仕組みを作ってきました。これらをしっかりと活かしきり,様々な取組を推進していただきたいと思います。

 

 2つ目は,「風通し良く,生産性の高い働き方」であります。

 コロナの影響により浮彫になった様々な課題に果敢に挑戦し,改革へとつなげるためには,職員個々の頑張りはもとより,職場の風通しを良くし,チームワーク良く働き,限られた時間でより多くの成果を挙げる,「生産性の高い働き方」が重要であります。そして,家庭も大切に,地域での活動も大いに頑張っていただきたいと思います。それが一人ひとりの人間力を高め,地域を良くしていきます。

 そのためにどうすればいいか。私はよく,「一笑懸命」という言葉を使います。「一生懸命」の「生」という字を「笑」という字に置き換えた働き方,これをおすすめしたいと思います。

 「しかめっ面で懸命に」働いても,「笑いながらいい加減に」働いても,そこに真のチームワークは生まれません。「笑顔で相手を思いやりながら,懸命に働く」からこそ,互いに助け合い,高め合う機運が醸成され,その結果,仕事の成果が上がり,一人ひとりの個性も輝くのであります。

 課題に真正面から立ち向かい,「一笑懸命」に働く,このことをお願いしたいと思います。

 

 結びに,今年は寅年であります。

 寅は「才知と決断力」の象徴であり,逆境や困難に立ち向かう,そんな力強さを持っていると言われます。

 コロナと財政,本市が直面する大きな危機に対して,寅のように力強く立ち向かって乗り越える,トンネルの先に確かな未来,明かりを見出すような,そんな1年してまいりたいと思います。

 皆さんの常日頃の御尽力に心から敬意を表し,京都市の明るい未来を切り拓くため,共々に全力を捧げる事を誓い合い,新年のあいさつといたします。

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